佐藤 浩史 院長、長山 富治 先生の独自取材記事
ヒロ歯科クリニック
(足立区/西新井駅)
最終更新日:2025/08/01

西新井駅東口から徒歩3分、駅前のにぎやかなエリアから住宅街に入る境域に「ヒロ歯科クリニック」がある。東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)、同大学院出身の佐藤浩史院長の専門分野は補綴治療で、大学院では部分床義歯(部分入れ歯)の研究に勤しんだ。2006年に開業し、虫歯や歯周病の治療から歯列矯正、インプラント治療、予防歯科、メンテナンス、訪問診療と幅広く対応し、チームアプローチで一口腔単位の診療を行う。通院患者の増加に伴って治療スペースを増設し、スタッフも増員。2026年には開業20年の節目を迎える。チームの一員である長山富治先生は、大学院生の頃から9年にわたりクリニックに在籍し、2024年からは週4日治療にあたる。佐藤院長と長山先生にクリニックの特徴や診療について聞いた。
(取材日2025年2月19日)
院長をはじめスタッフ全員がワンチームで治療にあたる
クリニックのモットーを教えてください。

【佐藤院長】「歯の健康を通して、地域の皆さんの豊かな生活を支えること」です。そのために、わかりやすい説明をして、患者さんと同じ目線に立ち、コミュニケーションを大切にしながら治療するようにしています。当院では、患者さんから治療の要望をお聞きすることや、治療の説明をスタッフや歯科衛生士、歯科医師とで連携して行い、その情報は歯科医師同士でも共有しています。また、院長の私が治療計画立案の中心となり、スタッフと相談しながら治療計画を考えているので、まさしくワンチームで診療にあたっています。
チームアプローチのほかに、クリニックにはどのような特色がありますか。
【佐藤院長】私と長山先生の専門は補綴の外来で、補綴とは歯の神経がなくなった部分に土台を作ってかぶせ物をしたり、折れてしまって抜歯した部分を修復したりする分野です。補綴治療を専門に学んだため、入れ歯やかぶせ物をして欠損部分を補うだけでなく、残った歯なども診ながら一口腔単位で治療計画を立てることに自信があります。この分野を専門とする歯科医師が2人いることは当院の特徴といえるでしょう。また、当院ではほかの治療でも一口腔単位で診察しています。
安全に配慮した精密治療のため、専門機材にこだわっているとか。

【佐藤院長】口腔内の状態をより詳細に把握するため、歯科用CTや歯科用マイクロスコープなどを積極的に取り入れています。歯科用CTはインプラント治療や根管治療、抜歯などをする際、3次元で骨や歯の形を捉えたり、骨の量を調べたりと、エックス線検査では得ることが難しい情報を得られます。特にインプラント治療では歯科用CTによる事前検査が欠かせません。検査画像をもとにコンピューターで埋入位置を設計し、サージカルガイドという装置を使用してシミュレーションどおりの手術をめざします。マイクロスコープは細かい患部をおよそ20倍まで拡大して見ることができる顕微鏡で、根管治療や手術で用います。そして、マウスピース型装置を用いた矯正では口腔内スキャナーを活用します。以前はシリコーン素材の印象材で歯の型採りをしていましたが、今はスキャンするだけで型採りができるので、患者さんの負担を軽減できるようになりました。
診療体制と、それを支えるスタッフの皆さんについて伺います。
【佐藤院長】東京科学大学の後輩をはじめとして、常に少なくとも3人の歯科医師がいる体制を整えました。私と長山先生は同大学院の非常勤講師として学生の実習指導を担当し、さらに長山先生は同大学病院で週1回治療も担当しています。長山先生は大学院の出身講座が同じで治療に対する考え方に共感できる部分が多く、付き合いが長いこともあり、とても頼りにしています。妻で大学の同級生でもある副院長は、矯正や根管治療をはじめとした一般治療を主に担当しています。小さい子どものいる女性歯科医師もいて、子どもの治療の際には、保護者目線になって優しく対応していますね。
信頼関係で結ばれた院長と精鋭スタッフの絆
長山先生が歯科医師をめざしたきっかけや、大学院や大学病院でのご経験を教えてください。

【長山先生】中学生・高校生の時ラグビーをやっていて、「歯の噛み合わせによって力の入り方が違う」という話を聞き、そこから歯科医師という職業に興味を持つようになりました。東京科学大学大学院では部分床義歯補綴学分野に所属し、部分入れ歯を入れた時の歯周病の変化など、入れ歯と歯周病の関係について研究しました。その後、同大学病院の義歯の外来で10年近く治療にあたっています。大学病院にかかる患者さんは、地域のクリニックでは対応が難しいような特殊な治療を必要とする症例が多いので、何か一つの治療法に特化して経験を積むのではなく、さまざまな治療を経験させてもらっています。
こちらでの診療も長く、2024年からは勤務日数を増やされたそうですが、1年を振り返っていかがですか。
【長山先生】地域のクリニックではありますが、難度の高い治療を必要とする患者さんもいらっしゃるので、これまで培った技術を生かすことができ、大学病院での治療と同様に大きなやりがいを感じています。設備面に関しては、どんな治療をするにしても必要な機材はそろっていて、「あの機材があれば……」と思うことがないですね。今はインプラント治療への関心が高く、当院で佐藤院長にアドバイスをいただきながら経験を積み重ねているところです。
長山先生から見て、佐藤院長はどのような歯科医師でしょうか。

【長山先生】佐藤院長は迅速に適切な判断を下す方です。そして、治療に関して細かいところまで目が行き届く一方で、患者さんの目線も持ち合わせています。例えば虫歯が1つあったとして、経験が浅いと単純に虫歯を治療すればいいと思いがちですが、「今この虫歯を治療したらその間にご飯が食べられなくなるから、先に別のところから治療すべきだ」などと、視野を広く持ち、患者さんの立場になって計画を立てるところをさすがだなと感じています。ですから、このクリニックがチームアプローチを大切にして、佐藤院長がすべての治療計画に携わっていることは、患者さんにとってとても安心できることだと思いますね。
長山先生が患者さんと向き合う時に意識していることを教えてください。
【長山先生】言葉遣いや話を聞く態度を意識しながらコミュニケーションを取って、患者さんが不快な思いをしないように意識しています。虫歯があっても歯を削りたくない方はいるので、患者さんの希望を聞いて、できる限り選択肢を増やせるようにしています。そして治療することになったらマイクロスコープなどの機材を活用して削る部分を小さくできるように配慮しつつ、取り残すことがないよう努めています。
予防も訪問歯科診療も。患者に寄り添いニーズに応える
どのような患者さんが多いですか?

【佐藤院長】予防についてはお子さんから高齢の方まで幅広くお越しいただいています。最近では、小児矯正と成人矯正の患者さんが増えていますね。上の世代になると義歯が壊れたなど欠損補綴の分野で患者さんの割合が増します。地域柄、高齢の方も多いので、入れ歯が合わなくて困っている方は一定数来院されていて、訪問歯科診療のニーズも高まっていると感じています。
訪問歯科診療について教えてください。
【佐藤院長】開業19年目になり、高齢のため通院が難しくなる患者さんが増えてきたので、そういった方たちに対応したいと思い、訪問歯科診療に力を入れるようになりました。訪問歯科診療の範囲は、基本的に足立区内に対応しています。足立区の歯科医師会には在宅介護の事業があり、その取り組みに私も協力しています。区では医師や歯科医師、ケアマネジャー、ヘルパーら多職種と連携して高齢者のケアを行っています。多職種の方や歯科医師会の事業などもありますので、食べられない、入れ歯が壊れたという歯科に関する問題だけでなく、飲み込みにくいなどご本人や家族の方で困ったことがありましたら気軽に当院に相談していただければと思います。
2026年には開業20年という節目を迎えます。これまでを振り返っての感想をお聞かせください。

【佐藤院長】通院してくださる患者さんが増えてきたことで、めざしていた「地域から頼られるクリニックになる」という目標に近づけているのかなと感じています。当院のスタッフも多くなってきたので、スタッフも含めて地域に溶け込み、患者さんが口腔内のことでちょっとでも困り事があったら立ち寄ったり、困ることがないように日頃から定期的に通ったりするようなクリニックであり続けたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/30万8000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/全体矯正:88万円~、部分矯正/22万円~、床矯正/5万5000円~
※症例によって費用が異なります。詳細はクリニックにお問い合わせください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。