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久保田 至 院長の独自取材記事

西新井大腸肛門科

(足立区/西新井駅)

最終更新日:2020/04/01

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西新井駅から3分ほど歩いた住宅街にある「西新井大腸肛門科」は、3階建て19床の病床を備えた大腸・肛門専門のクリニックだ。1996年に久保田至院長と大塚新一副院長が共同で開院。現在では、地元を中心に草加、越谷など遠方からも患者が訪れているという。大腸内視鏡検査では空気より体外に排出される時間が1000倍以上早いといわれる炭酸ガス送気装置を導入するなど、患者の負担を抑え、少しでも検査を楽になるような工夫がなされている。気さくだが丁寧に話してくれる久保田院長に、診療の実際から大腸がんの予防に一番大切なこと、クリニックの雰囲気づくりの秘密、痔が悪化する意外な原因までざっくばらんに語ってもらった。
(取材日2014年12月16日/情報更新日2019年4月5日)

本院と分院の連携で患者のニーズに合わせた医療を提供

大腸・肛門分野に特化したクリニックですが、なぜこの分野を選ばれたのですか?

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外科の医師が大規模病院に所属せずに外科の手技を続けていけるのは、大腸肛門外科しかないと思ったからです。ここは、元は先代が1960年に開業し、その頃は胃がんなど消化器外科の手術を多く手がけていました。しかし現在、時代のニーズとして、全身麻酔をかけて行うような手術は大規模病院でしかやらなくなってきていますし、患者さんもあまり小規模な診療所で手術を受けることは希望されません。画像診断が進んで少なくなっているとはいえ、いざおなかを開けて見たら泌尿器や肝臓にも異常が見つかった、という場合、小さな病院ではその場で対応できないですからね。そんな中、肛門外科は大学病院での手術例はほとんどなく、個人の病院や診療所が主体の分野です。開業後も、外科の手技も使えることからこの分野を選びました。

越谷、草加にも分院がありますが、本院との役割の違いなどはありますか?

越谷は2009年、草加は2018年の開院で、この2つは痔の日帰り手術などをメインにした、外来専用の分院です。越谷の分院では毎週木曜日に女性患者さん限定で女性医師のみが診療を担当する日を設けています。本院と違って入院施設はないので、入院手術が必要な患者さんは本院に来ていただきます。痔の治療は薬のほか、切除して縫う、輪ゴムで内痔核の根元を縛る、内痔核硬化剤を注射する方法の3つの方法があり、これを単独、もしくは組み合わせて用います。手術相当ということになれば、患部の状態、患者さんの年齢や家までの距離などを考慮した上で、切りたくない、日帰り手術にしたいなどの患者さんの希望は基本的に応えるようにしていますが、特に腰椎麻酔を使う切除手術などでは安全性の面から入院をお勧めしています。

どのような症状で来院される方が多いのでしょうか?

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ほとんどは痛みか出血です。痛みは切れ痔、出血の場合はいぼ痔(痔核)が原因であることが多いです。まず問診で患者さんのお話を聞いて、肛門の診察やおなかの触診へ。患者さんの年齢にもよりますが、必要であれば内視鏡などの検査を行います。それと、最近増えているのは、肛門周りのかゆみを訴えて来られる方。これは温水洗浄便座の使い方の間違いが原因のことが多いです。日本では正しい排便の仕方を教えてもらう機会がないのが現状です。排便時間の長さにしても、標準がどれぐらいか知っている人はまれでしょう。ちなみに、3秒ぐらい力んで1〜2分で出てくるのが正常で、10分も20分も粘るのは長過ぎです。ただ、それが普通だと思って習慣化している人も多く、痔が悪化する一番の原因になっています。 患者さんの約半分はこの地域の人たちで、あとは草加・越谷方面の人たちが半々ぐらいです。

クリニックの問題は、全員参加のミーティングで解決

診療にあたり、心がけていることを教えてください。

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第一には、いい手術と上手な内視鏡検査を提供して大腸がんを早期に発見すること。あとは、患者さんによくわかるように説明することです。わかりやすくまとめた冊子などを使って、現在の状態やこれから予想されること、治療法、気をつけたほうがいいポイントなどをしっかりお話しするようにしています。

外科の魅力とは何でしょうか? また、これからやってみたいことはありますか?

当院で扱っているのは命には直接関わらない良性疾患なので、がん専門の先生たちとはまた違うでしょうが、やっぱり「快便になりました!」など言われるとうれしいですね。あとはがんが早く見つかって治療し、再発もなくうまく社会復帰できましたという報告を聞いた時。早く見つけて早く処置をするという、それができる立場にいることをうれしく感じます。ただ、それとは逆に、やりたいことはあるけれど、結果を考えるとできないことも多いですね。例えば、大腸がんの治療法の一種でESDと呼ばれる内視鏡の粘膜下層切開剥離術や、大きなポリープの切除などもやってみたいとは思いますが、当院の施設では合併症が出たときにすぐに対応ができません。最後まで責任を持って対応できないことはできないですし、やってはいけないこと。この19床の診療所のスペックでやれること、やっていいことの範囲は超えないように心がけています。

スタッフの皆さんはとてもフレンドリーですね。医院の雰囲気づくりなどで気をつけていることはありますか?

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特に何もありませんが、「和を以て貴しとなす」とでも言いますか、「みんな仲良く」を基本に、不満があったらその場で解決するようにしています。あと、開院当初からの習慣で、2ヵ月に1度は清掃担当から厨房担当、分院のスタッフまで全員が集まってミーティングをしています。部署ごとにノートがあるので、日頃起こった問題などを書き留めておいてもらい、ミーティングの日にそれについて皆で意見を出し合いディスカッションしています。例えば、待ち時間が長いというクレームが来ている。じゃあ、検査だけの患者さんは、早めに奥に入ってもらって説明するようにしよう、といったように少しずつ改善しています。質の高い医療も大切ですが、医療以外のところもとても大事。現在スタッフは30人ぐらいですが、自分たちで工夫して「こういうふうにしたい」という提案もよく上げてくれてありがたいですね。患者さんにとって良いものになれば、それが一番です。

40歳を過ぎたら、ぜひ一度大腸がん検診を

印象深いエピソードを教えてください。

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自分が失敗した、うまくできなかったことはずっと覚えているもので、それは医師なら誰でも1人や2人いるはずです。それを忘れてしまったら、もう医師は辞めたほうがいいと思います。誰でもそうでしょうが、自分が一生懸命やったけれどできなかったことは、それは本当に一生懸命だったのかと反省して、二度と同じようなことがないように努力するもの。ある程度大きな医療機関に勤めてきた先生たちは、みんな同じ思いで医師を続けていると思います。

休日のリフレッシュには何をされていますか?

バイクに乗るかゴルフですかね。四十数年前の高校生の時に購入したバイクです。ゴルフのラウンドは1ヵ月に1度程度で練習もしないので一向に上達せず、100以下で回ればありがたい程度です。あと、基本的には旅行好きなので、国内の温泉旅行によく行きます。先輩の病院が鹿児島にあり、月に1度出張で行くのですが、その病院の裏が温泉という素晴らしいロケーション。鹿児島はうちの両親のふるさとですし、すごくリフレッシュになっていますね。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

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「40歳を過ぎたら、必ず大腸がん検診の一次検診である便潜血検査を受けてほしい」ということに尽きます。足立区大腸がん検診の受診率は非常に低く、たったの8%代にしかなっていないそうです。大腸がんは早期に発見して治療すれば、治せることもあるがんですが、かなり進行して腸閉塞に近くならない限り痛みを感じることはないので、早期発見のためのがん検診を受診することが何より大事になります。早く処置すれば大丈夫なんだということを知って、ぜひ一度検診を受けてほしいですね。受診率が上がらなければ、死亡率も下がりません。各地方自治体に問い合わせれば、簡単に受けることができますので、ともかく一度検診を受けることを強くお勧めします。

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