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鈴木 保永 院長の独自取材記事

鈴木内科胃腸クリニック

(足立区/千住大橋駅)

最終更新日:2021/10/12

鈴木保永院長 鈴木内科胃腸クリニック main

「医療法人社団永優会 鈴木内科胃腸クリニック」の院長、鈴木保永(やすなが)先生は、獨協医科大学を卒業後、大学病院で16年、クリニックで12年以上にわたり診療してきたベテランドクターだ。日本消化器病学会消化器病専門医の資格を持ち、その専門性を生かしつつ、幅広く内科の患者を診ている。大学時代から胃・大腸の内視鏡検査を数多く手がけてきたエキスパートでもある。患者はもちろん、医師、院内スタッフからも信頼を寄せられる先生に、日々の診療について聞いた。

(取材日2015年2月17日)

内視鏡検査を数多く手がけ、技術を体得

先生は内視鏡検査のエキスパートだそうですね。

鈴木保永院長 鈴木内科胃腸クリニック1

正直そこまでとは思ってはいませんが、割とうまくできるほうだとは思います(笑)。例えば大腸の内視鏡検査というのは、あのグネグネと蛇行した大腸の中に、内視鏡を入れていくわけですよね。ですから痛みが走ることもあり、難しい検査です。通常、検査が終わるまで20分程度、不慣れな若い先生によっては1時間もかかるというケースもありますが、私がまだ研修医の時たまたまスムーズに終わったことがあったのです。その時から内視鏡検査が好きになり、大学院を卒業し、助手として勤務した時は内視鏡班に入り、内視鏡検査ばかりやるようになりました。講師になってからは自身が行う検査だけではなく若い先生方への指導も含めて数多くの内視鏡検査・治療に携わってきました。最終的には獨協医科大学病院で外来医長、病棟医長まで務めましたが、在籍中の16年間で総計すると、かなりの検査数になるのではないでしょうか。

何かコツはあるのでしょうか。

まず検査のモットーとして、迅速に安全に、そして苦しくなく、しかし確実にということを心がけています。コツはあってないようなものと言いますか、やはり経験によるものが大きいのかもしれません。疾患について知識を持つことはもちろんですが、頭で考えるより、手で、そして体で覚えてきたのだと思います。大腸内視鏡についてさらにお話するとすれば、例えば患者さんによって内視鏡の管も細めのタイプを用いるなど機器を使い分けることがあります。また、これまでは検査の時に腸を広げるため空気を送り込む方法がとられてきましたが、それだと検査後もおなかが膨らんだ状態が続いてしまって苦しく感じてしまいます。そこで当院では炭酸ガスを導入しています。炭酸ガスだと空気より早めに吸収されるため、おなかの張りが速やかに軽快するのです。内視鏡機器の進歩も重要な要素と思います。

これまでの診療で印象に残ったエピソードをお聞かせください。

鈴木保永院長 鈴木内科胃腸クリニック2

大学時代、医局旅行で栃木県の鬼怒川に行っていた時のことです。宴会で盛り上がっていた私たちのもとへ1本の電話が鳴りました。病院からで、今しがた吐血した患者さんが運ばれてきたというのです。病状を聞いた私は、自分の専門だとすぐにわかったので急いで病院へ戻り、その患者さんを診てみると、食道静脈瘤が破裂していました。肝硬変が原因で発症することが多い食道静脈瘤は、大きくなり過ぎると破裂して吐血、時には死に至る場合があるんですね。そこで血を止めるために緊急内視鏡手術を行いました。内視鏡の先端にゴムの輪っかをつけて、モニターを見ながら食道内に挿入し、瘤の出血部位にゴム輪を引っかけて血を止める、静脈瘤結紮(けっさつ)術というものです。迅速に対応したからか、幸い患者さんは事なきを得ましたが、今もとても印象に残っている出来事です。

診断を下すための豊富な知識と経験

先生はそもそもどうして医師になったのですか?

鈴木保永院長 鈴木内科胃腸クリニック3

両親が医師で、父が内科の医師、母は小児科の医師としてこの地で診療していました。父は患者さんとフランクに接していましたが、治療には人一倍情熱を傾けていました。患者さんから治療後「ありがとうございます」と言われてうれしそうな横顔、夜中に呼ばれては自転車で往診に急ぐ父の背中を思い出します。そんな父が誇らしく、私も幼い頃から医師になるつもりでいました。ただ中学・高校の頃はやはり反抗期なのでしょう、親の敷いたレールに乗せられている感じがして、医師への夢を自ら絶っていた時期がありました。動物が大好きで家では犬、猫、ハトにジュウシマツにセキセイインコといった鳥、それにトカゲも飼っており、「獣医師になりたいな」と。それでもやはり、進路を決めなければいけない高校3年生の時期には医師を志しました。消化器系に進んだのは、大学時代良くしていただいていた野球部の先輩の誘いがきっかけです。

開業した理由は何だったのでしょうか。

私自身としてはずっと大学に籍を置くつもりでいたのですが、父が突然脳梗塞で倒れて入院したのです。2003年の11月のことでした。地元の患者さんはとても心配してくださいましたが、年が明けても復帰のめどがつきません。そこで、父の患者さんを放っておけないと、2004年の4月から私が引き継いだのです。その際、自分の専門を入れようと「鈴木内科胃腸科クリニック」に改名しました。

急きょ医院を引き継ぐにあたり、大変なことも多かったのでは?

鈴木保永院長 鈴木内科胃腸クリニック4

病床の父はまったく話すことができず、事務的なことはおろか患者さんの申し送りさえできる状態ではありませんでした。ですからカルテは残っていますけれども、私にとってはほぼ初対面の患者さんです。ただ昔からよく知っている顔見知りの患者さんもいました。少年時代の私を知っているご近所の人は、「やっちゃん、よく帰って来たね」と呼んで、温かく迎えてくれました。準備期間がほとんどなかったので最初の1年間は大変でしたが、そんな声が励みになりました。

病気だけでなく患者の社会背景・生活環境にも配慮

診療で心がけていることは?

鈴木保永院長 鈴木内科胃腸クリニック5

体調不良を訴えて来院される患者さんは検査や治療についてたいへんな不安をお持ちのことと思いますので、より専門的なことに関してもかみ砕いて患者さんのわかりやすいように説明し、なるべく不安なく診療を受けていただくように心がけています。そのために私自身に必要なのは、正確な知識と所見を正しく見極められる“目”です。これを普段から養っておく必要があります。消化器疾患は画像診断がとても重要で、それが、がんなのか、胃潰瘍なのかを見極めなければいけません。正確な診断能力は、これまで診察してきた経験も関係してきますし、医学書の中に書かれていたり、学会や講演会で学んだりした気づきが影響しているかもしれない。むろん、理論上そうであっても、自分の勘では違っていると言っていることもある。診断を下すまでには、いろいろな判断が要求されます。常に勉強です。

こちらではどのような検査が受けられますか?

鈴木保永院長 鈴木内科胃腸クリニック6

エックス線検査に心電図検査、また、呼吸機能検査、胃の内視鏡検査に大腸の内視鏡検査ですね。さらには肝臓や胆嚢、膵臓といった病気の診断に必要な腹部の超音波検査といったものもあります。胃の内視鏡には、口から入れる経口内視鏡と、鼻から入れる経鼻内視鏡の2つがあります。経鼻内視鏡は経口内視鏡のように喉元を通る時に「オエッ」という咽頭反射が少ないことが利点です。また、診断能力も経口内視鏡とほとんど差がないといわれています。ただし経鼻のタイプは、鼻の穴が狭い方は管がこすれて痛いと感じることもあるので、その場合は経口で行います。当院では経鼻内視鏡を早くから取り入れ、今ではほとんどの患者さんが経鼻内視鏡を選択しています。どちらにしても患者さんには事前にわかりやすく説明をし、不安を取り除いていきます。気兼ねなく検査しに来てほしいと思いますね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

大学に勤務していた頃は、今思えば病気だけに目を向けた少し近視眼的な治療をしていた気がします。こう思うようになったのは父のクリニックを引き継いでからですね。患者さんの性格や日常生活、さらにはご家族との関わりや経済的な状況など総合して診ることが町のかかりつけ医の使命だと考えるようになりました。例えば小さいことかもしれませんが、特に女性の患者さんでトイレが近いということをなかなか言うのが恥ずかしい方もいらっしゃいます。そこで当院では「心あたりカード」という紙を受付に用意。診察の時に私に持ってきてくださればそれを診断に生かすことができます。さまざまなことに気づけるような、「日本一優しいクリニック」を、スタッフとともにめざしていきたいです。患者さんの症状が和らぎ、苦しい表情だったのが笑顔に変わる瞬間が、医師としてのやりがいを覚える時。そんな日々の笑顔のお手伝いができればと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ピロリ菌検査(ABC検診)/4400円

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