玄 真 院長の独自取材記事
北あやせよつば眼科
(足立区/北綾瀬駅)
最終更新日:2024/06/24
足立区竹の塚出身の玄真(げん・まこと)先生が院長を務める「北あやせよつば眼科」。街のクリニックながら大学病院さながらの設備をそろえ、専門性にこだわった治療を提供する。患者のニーズが高く、率先して取り組む意義があると判断すれば、先進機器も積極的に導入。近年では、白内障の手術において特に精度が求められるプロセスで力を発揮するレーザーを取り入れ、精密な手術に対応できるよう環境を整えた。同時に、自身が「見る」だけでなく「見られる」ことも多い部位であることから、快適な視界と見た目に配慮した眼瞼下垂手術にも力を入れる。「目に関するあらゆる悩みに応え、一人でも多くの人を幸せにしたい」との考えのもと、多様な治療を展開する玄院長に話を聞いた。
(取材日2024年3月12日)
治療法の新旧問わず、一人ひとりに合った医療を届ける
足立区は先生の地元だそうですね。
はい。足立区で生まれ育ちました。順天堂大学医学部を卒業し、同大学医学部眼科医局に入局した後、総合病院で眼科長を務めました。その後2010年に独立し、足立区加平に加平よつば眼科を開院。医療機器の拡充と手術室の増設に伴い、2015年に現在の場所に移転し、名称も「北あやせよつば眼科」としてリニューアルオープンしました。足立区は、小学校、中学校、高校と過ごした思い出の場所です。なじみ深く、思い入れのあるこの地で、地域密着型のクリニックとして患者さんのお役に立ちたいと思っています。
クリニックの特徴について教えてください。
当院では、白内障や緑内障、ドライアイ、アレルギー性結膜炎など眼科全般の診療の他、上まぶたが垂れさがる眼瞼下垂など、視界だけでなく見た目への影響が大きい疾患の治療にも力を入れています。目のトラブルに一通り対応できる設備と技術を備え、オーダーメイドの治療を提供する点が最大の特徴ではないでしょうか。幅広いニーズに応えるため、歴史ある治療法から先進的な治療法まで対応しています。例えば昔からドライアイ治療に有用とされている温罨法(おんあんぽう)や、先進の近視補正法である、就寝中に専用のハードコンタクトレンズを装着するオルソケラトロジーなど、さまざまな治療法を取り入れています。当院のカバー範囲の広さから、遠方から来てくださる方も少なくありません。
どのような方が来院されますか。
患者さんの年齢層は幅広く、お子さんから高齢の方まで来院してくださいます。お子さんに関しては、最近はスマートフォンやタブレット型端末を使う機会が増え、近視の症状に悩んでいる子が多いです。近視の進行を抑えるには、生活習慣を見直すことが大切なのでアドバイスさせていただきつつ、必要に応じて眼鏡やコンタクトの使用を提案しています。中高年の働く世代ではドライアイの症状を抱えている方が多く、見えにくさから頭痛や倦怠感をよく併発されていますね。その場合、ドライアイの改善を図ると頭痛や倦怠感の改善につながることがあり、ひいては仕事の作業効率の向上も見込めるようです。高齢の方の多くは白内障や緑内障の治療を希望して来院されます。患者さん一人ひとりに合った適切な治療を行える点は当院の強みですね。
白内障や緑内障など幅広い領域で専門性を発揮
設備がかなり充実しているのですね。
眼科診療は、日進月歩で進化しています。医療設備を充実させ、十分な診療体制を整えることは、患者さん一人ひとりに寄り添う治療を実現させるために不可欠だと考えています。加齢黄斑変性、白内障、緑内障、糖尿病網膜症などを適切に診断するための検査機器や、機能性にこだわった先進の手術設備を取りそろえています。とはいえ、機器に精通し適切に使いこなす医師がいなければ、治療の完成度は上がりません。現状に満足せず、常に新しい知識を吸収する意識を持って勉強会などに足を運び、治療の精度向上につながるノウハウと技術の習得に努めています。
日帰りの硝子体手術も可能だと聞きました。
可能です。硝子体出血や黄斑前膜、糖尿病網膜症といった病気では、白目の部分に小さな穴を3ヵ所開けて硝子体を切除する「硝子体手術」が必要になることがあります。当院では、手術時の切開創が最小限になるようにと厳選した硝子体手術システムを導入し、患者さんの負担をできるだけ軽減する低侵襲な治療を心がけています。また、感染症のリスク軽減という面でも、この硝子体手術システムは役立ちますね。このシステムを導入したことによって、大学病院にご紹介することなく、患者さんにとって身近な当院で専門的な治療を受けていただけるようになりました。高齢の患者さんや、体の不自由な患者さんの通院にかかる負担を軽減できたことは、とてもうれしいですね。
白内障手術でも新しい機器を活用しているそうですね。
白内障手術では、白く濁った水晶体を除去し、眼内レンズを挿入します。通常は、このプロセスを医師が手作業で行うのですが、当院ではさらに合併症の危険を減らして安全性を高めるために、コンピューター制御下でレーザーを用いて行う白内障手術を導入しています。これにより、手術の正確性や再現性の向上につながり、多くの患者さんに高いレベルの治療を提供することができるのではないかと考えています。また、乱視の状態を精密に検査するための「術中波面収差解析装置」という機器を白内障の手術前の検査に用いて、患者さんによりフィットした眼内レンズを提供するために役立てています。
緑内障に対しては、どのような治療をされていますか?
まず、患者さんに対して必要な知識や情報を提供し、現時点での症状をしっかりとお伝えします。その後、軽症であれば点眼治療を行い経過を観察しますが、重症の方には急性症状に有用な選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)や、従来のレーザーに比べて少ないレーザー量で治療する半導体レーザー装置を用いた治療も行っています。比較的新しい治療ですが、患者さんのためになると考え、導入に踏みきりました。
患者に寄り添った診療で、幸せな未来へ導きたい
目は、全身疾患である糖尿病との関係も深いですね。
糖尿病の合併症の1つに糖尿病網膜症があり、進行するとさまざまな視覚障害が起こります。最終的には失明につながる可能性がありますが、早期に適切な治療をすることによって進行の抑制につながる可能性があります。当院は、地域の内科医院と連携して、患者さんの症状に応じて硝子体注射やレーザー光凝固術などの治療を行っています。以前は糖尿病網膜症が失明原因の1位だったのですが、医療の進化によって現在では順位が落ちてきているといわれているんですよ。ですから、糖尿病と診断されたら、糖尿病網膜症による失明を回避できるよう、できるだけ早く眼科を受診することをお勧めします。
診療の際に心がけていることを教えてください。
私の祖父がよく「人を喜ばせてこそ花が咲く」と言っていました。私もまさしくそのとおりだと思っていて、患者さんに寄り添った診療で一人でも多くの人に喜んでいただきたいという一心で診療をしています。生活環境や来院の背景は患者さんによって異なりますから、常に患者さんの立場に立って、個々のご事情に合わせて治療を進めることを重視していますね。手術をする場合は、診断から経過観察まで、私自身がトータルでサポートする体制も整えています。
医師人生において、印象に残っているエピソードを教えてください。
勤務医時代に末期がんを患った方に行った手術は、特に心に残っています。この患者さんは視力が低下し、日常生活もままならない状態だったのですが「最後にもう一度相撲が見たい」という一心で手術を希望されていました。他の医師には手術を断られ、失意の中私のもとへ来てくださったんです。手術に対しては、医師によってさまざまな信念や見解があるので「正解」というものはありませんが、私の中の「正解」は患者さんに寄り添うことでした。そんな治療ができた経験が今に生きているように思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
お子さんから高齢者まで幅広く診療しているので、いつでも気軽に来院してくださいね。当院では、幅広いニーズに高いレベルで対応することをめざし、新しい治療法を取り入れるだけでなく、昔からある治療法も有用なものは取り入れています。患者さんが健やかな目を保つことにつなげることで、生き生きと人生を送ることができるように精一杯サポートしていきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー 初年度(両眼)/12万2500円
※翌年は定期検診代のみ(4400円×4回=1万7600円)
多焦点眼内レンズを用いた選定療養手術(片眼)/16万円~34万円
多焦点眼内レンズを用いたレーザー白内障手術(片眼)/81万円~86万円