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山崎 喜範 院長の独自取材記事

山崎歯科医院

(江東区/南砂町駅)

最終更新日:2025/05/28

山崎喜範院長 山崎歯科医院 main

東京メトロ東西線・南砂町駅から徒歩7分、明治通り沿いのビル2階に構える「山崎歯科医院」を訪ねた。らせん階段が目印の同院はこの地で80年以上、街のかかりつけ医として地域の歯科医療を支え続けてきた。現在院長を務めているのは3代目の山崎喜範先生。虫歯や歯周病といった一般歯科診療を手がける傍ら、口腔内検査機やマイクロスコープを用い、原因不明の痛みで行き場を失った患者の受け皿としての役割も担ってきた。「困っている人をすべて診る」という考えから、通院が難しい患者を対象とした訪問診療も実施。同院の診療方針や院長が得意とする口腔内検査による診断、利用者が増えているという訪問診療などについて話を聞いた。

(取材日2025年1月24日)

地域の困っている人たちを取りこぼさずに診ていきたい

こちらは戦前から長く続く歯科医院だそうですね。

山崎喜範院長 山崎歯科医院1

はい、当院は私の祖父が開業した歯科医院です。私は2011年から副院長として当院での診療に携わり、2019年に2代目院長である父より受け継ぎ、3代目の院長に就任しました。父は副院長として現在も診療にあたっています。私は当院で診療を行う前は東京歯科大学市川総合病院に勤めたほか、東京歯科大学歯科口腔外科のオーラルメディシン・口腔外科学講座に所属し、病気の特定が難しい患者さんに対する口腔内検査に基づいた診断をメインに行ってきました。困難な症例も数多く経験してきたことで歯科医師として治療の幅が広がりましたし、症例に応じてここで治療すべきか専門的な医療機関に委ねるべきかといった線引きができるようになったことは、大きな収穫だったと思っています。

現在、患者さんはどのような方が多いですか。

近くにお住いの方を中心に、ご年配の方はもちろん、お子さんを含めご家族で来てくださる方も増えています。当院では歯が痛い、詰め物が取れてしまった、歯茎が腫れたといった一般歯科の患者さんの診療を多く手がけてきました。原因はわからないけれど、口の中の違和感に悩む方の診療も得意としていますし、顎関節症など、頭痛や肩凝りの原因にもなり得る口腔内の問題解決にも力を入れています。地域に根差す歯科医院として、困っている地元の方を可能な限りすべて診ていきたいと考えています。その考えは通院できなくなった方に対しても変わりません。これまで当院に通院されていた方を中心に幅広く、訪問診療にも対応しています。

訪問診療にも力を入れているのですね。

山崎喜範院長 山崎歯科医院2

訪問診療に対して特別な志を持っているわけではなく、困っている方が通院できないのであれば訪問で診療を行うだけ。私にとっては普通の診療の一部なのです。ですので、訪問診療の時間という区分を設けずに、一般的な診療と同じように予約を取っていただき、その時間枠の中でご自宅へ向かい治療をしてクリニックに戻ってくるという体制をとっています。ただ、訪問診療での歯科治療は、クリニック内の治療とはあえてゴール地点を変えています。痛みを抑えて経過を長く見ていけることに注力し、通院できない方にとってのより良い治療をめざしています。治療のほかに嚥下や咀嚼のトレーニングを行うことも。飲み込みの状況がどの程度なのか聴診器や内視鏡などでチェックし、その方に合わせたリハビリテーションを実施。最後まで美味しくごはんが食べられるように、訪問診療を通じてサポートしていきたいと考えています。

「ここに来て良かった」と思える治療を提供したい

診療方針を教えてください。

山崎喜範院長 山崎歯科医院3

まずは患者さんが訴えたいことをしっかりとお聞きします。そして後々、患者さんがここに来て良かったと思える治療の提供をめざしていきます。虫歯治療というと削って詰め物をするというイメージをお持ちだと思いますが、虫歯の状態によってはすぐには削らずに様子を見て、半年くらい後に改めて治療を始めるほうが良いケースもあります。削る必要がある場合でも、できるだけ削る範囲を最小限にとどめ、小さな詰め物で済むようにしています。今ある歯をできるだけ残す、M.I.(ミニマル・インターベンション)の考えからは外れますが、削る必要がある場合は削ることも選択肢に入れ、可能な限りご自身の歯を長く保てるような治療こそが、患者さんの利益につながると考えています。

マイクロスコープや歯科用CTも活用されていますね。

当院の患者さんの中には、原因はわからないけれど口の中が痛いと訴える方や、他院で診ても原因がよくわからず調べてほしいと送られてくる方も少なくありません。総合病院の勤務医時代には、口腔内検査で病名を特定するという方法を手掛けていましたが、それでもどうしても診断に困るようなケースはあります。そうした患者さんにも何とかして解決の糸口を見つけて差し上げたいと思ったのがきっかけで、現在は口の中の状態をより精密に見ることができるようにマイクロスコープと歯科用CTを導入し、治療に役立てています。痛みを訴える患者さんに対して、虫歯か虫歯じゃないか、今削るべきか否か、などを適切な判断がしやすくなりますから、今後も活躍する場面は多いのではないでしょうか。

口腔内検査とはどういったものなのでしょうか?

山崎喜範院長 山崎歯科医院4

目で見ただけではわからない口の中の状態を、さまざまな観点から数値で示して可視化するというのが当院の口腔内検査です。当院に設置している培養器などを用いて、カビ菌の一種である舌のカンジダ菌や根管治療時の歯内のばい菌の量、ドライマウス(口腔乾燥症)の程度、さらには唾液の中に含まれる虫歯リスクなどを調べることが可能です。口臭に関するご相談は少ないですが、口腔内検査は患者さんが将来にわたって健康な口腔環境を保つ上で有益ですから、お悩みに応じて随時活用していきたいと思っています。

口内炎や口の渇き、噛み合わせなど口腔内の問題に対応

顎関節症の治療も行っているそうですね。

山崎喜範院長 山崎歯科医院5

顎関節症はもともと父の専門分野で、相談する先がなく困って訪れる方も多いです。当院の顎関節症の診療は顎だけにとどまらず、全身まで考慮した咬合の考え方を用いて、首・頭・肩・背中など全身の筋肉の状態にアプローチするところから始めます。具体的には低周波治療器を用いて顎・肩・首の筋肉の緊張緩和をめざすほか、スプリントという顎関節症治療用マウスピースを使って日常的に顎をリラックスした状態に保てるようにしていきます。歯並びに原因がある場合は正しい咬合へ導くために補綴などで調整したり、姿勢に原因がある場合は生活指導を行ったりするなど、症例に応じて対応していきます。顎関節症の相談は世代を問わず増えており、スマートフォンやゲームに熱中していて無意識に噛みしめ続けているという方も少なくありません。入浴時にはゆっくり湯船に漬かってリラックスするなど、ストレスをためない生活を心がけてみてください。

今後の展望についてお聞かせください。

今後も変わらず、「困っている方がいたらすべて診る」という一言に尽きます。ここを大きな歯科医院にしたい、有名な歯科医師になりたいといった気持ちはまったくありません。地域の方たちに、当たり前の歯科治療を当たり前に提供できる歯科医院であることが大事だと思っています。その上で、長年手がけてきた口腔内検査を含め、専門的な検査・治療を提供し続けることを通じて、大学病院と地域の歯科医院の中間的な存在になっていけたらと考えています。

最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

山崎喜範院長 山崎歯科医院6

口内炎は内科や耳鼻咽喉科の先生に相談される方も多いかもしれませんが、実は歯科医師の専門分野です。歯科医院は虫歯や歯周病を治すためだけの場所ではなく、口の中が乾く、口の中に違和感があるといった症状を含め、口の中全般で気になることを相談できる所です。他にも女性に多い片頭痛や肩凝りなどで、なかなか原因を特定できない不定愁訴は、歯科の領域である噛み合わせが原因の可能性も考えられます。気になることやつらい症状は我慢せず、気軽に相談しにいらしてください。

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