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小倉 弘章 院長の独自取材記事

六地蔵クリニック

(江東区/東陽町駅)

最終更新日:2025/02/04

小倉弘章院長 六地蔵クリニック main

東陽町駅から徒歩10分の場所にある「六地蔵クリニック」は、140坪の敷地を有する開放感のあるクリニック。天井の高い待合室には、ドイツ製の大型置時計が置かれ、時を告げる重厚な音が響く癒やしの空間となっている。脳神経外科を中心に、神経内科や循環器内科、高齢の患者のニーズに応えた整形外科やリハビリテーション科など多くの診療科目を設けている同院。「神経に関連する診療なら任せてください」と、話す小倉弘章院長は、大学病院で数多くの手術を執刀し、さまざまな症例に対応してきた日本脳神経外科学会脳神経外科専門医。近隣の病院と連携し、神経に関連する疾患を持った患者を紹介されることも多いという小倉院長に、診療で大切にしていることや注力している片頭痛の治療、今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2025年1月9日)

広い空間にこだわりの設備、進化する片頭痛治療に対応

とても開放感のある空間ですね。

小倉弘章院長 六地蔵クリニック1

開業の際、父から譲り受けた140坪の広い敷地を十分に生かしたクリニックにしたいと考えました。当院は両隣がビルですから、周りに埋もれないように外観や看板の配置に気をつけましたし、広い駐車場も備えています。さらに院内は、天井を高くして天窓をつけたことで、日の光を存分に取り込める明るい空間になっています。また、広さがあることで、院内の設備環境も充実させることができています。全身用CTスキャンやエックス線撮影システムなどの診断機器、物理療法、運動療法などのリハビリテーション機器も導入しています。広い空間と充実した設備は当院の強みでもあります。

脳神経外科以外にもさまざまな診療科目がありますね。

脳神経外科は、脳、脊髄、末梢神経、およびそれに関連する心血管系、筋骨格系の診断、治療をする領域ですので、おのずと幅広い疾患に対応することになります。開業前には脳卒中を中心とした診療に取り組むことが多かったため、高血圧症や糖尿病といった循環器疾患の治療は積極的に進めています。以前から携わってきた脊椎と脊髄の診断と治療を行っていく中で、地域にご高齢の患者さんが多いため、整形外科をあらためて学び、膝や肩の治療も行っています。患者さんの中で一番多いのは慢性の頭痛や頸部痛、腰痛などでお困りの方ですね。

慢性の頭痛の中でも、特に片頭痛の症状が多いようですね。

小倉弘章院長 六地蔵クリニック2

以前は緊張性頭痛の患者さんが多いイメージでしたが、症状を掘り進めていくと片頭痛の割合のほうが大きいことがわかりました。緊張性頭痛と片頭痛の両方の症状がある患者さんもいます。片頭痛は本来散発的に起こる病気ですが、1ヵ月に10日以上症状が出る「反復性の片頭痛」や、15日以上痛みに悩まされる「慢性の片頭痛」の患者さんも少なくありません。しかし、一定量以上痛み止めを使用すると、かえって症状が悪化するということが知られています。そのため、痛み止めではなく、積極的に予防薬を服用する治療が大切です。片頭痛の治療薬には、脳の血管の拡張を抑えるよう図り安定した状態へと導くもの、脳から出る頭痛信号を抑えるためのものの2種類があり、服薬で効果が見られない場合はCGRP製剤という注射を行います。1ヵ月に1本のペースで接種を続けると、約3ヵ月たつ頃に片頭痛の症状の大幅な緩和が期待できることがわかっています。

どの程度の頭痛があると、治療の対象になるのでしょうか?

片頭痛に限らず、少しでも頭痛で困ったらいらしていただきたいですね。片頭痛で悩まれる方の中には、子どもの頃から頭痛があり、頭痛のある生活が当たり前だと思っていらっしゃる方もいます。例えば女性の場合、生理周期で頭痛が起こるケースが多いのですが、予防薬の服用で症状の改善が十分見込めます。更年期や妊娠出産がきっかけで頭痛がひどくなる方もいるので、そのタイミングで治療を始めるのも良いと思います。「頭痛は自然に起こるもの」と思わず、積極的に受診していただきたいです。

「何に困っているのか」を知り、患者に寄り添う診療を

診療で大事にされていることは何ですか?

小倉弘章院長 六地蔵クリニック3

患者さんが「何に困っているか?」をまず考えることにしています。患者さんによっては、ご要望や不安、疑問などを口に出さない方もいらっしゃいます。「何を望んでいるのか」「何が幸せなのか」は人それぞれです。病気を治療することや腫瘍を取り除くこと、これらは医師にとって当たり前のことです。しかし、必ずしもそれが患者さんにとっての「幸せ」とは限りません。患者さんだけでなく、できればそのご家族とも密にコミュニケーションを取り、患者さんのために何をすればいいのかを常に考えるようにしたいと思っています。

先生が医師を志したきっかけを教えてください。

これというきっかけはなく、なぜか中学生の頃には「医師になろう」と考えていました。しかし、医師になってから父に聞いた話によると、私がまだ幼い頃、父が檀家のお寺のお坊さんに「代々の大きな商家なのだから、一人ぐらい医学を学んではどうですか?」と言われたことがあったそうです。今思えば、当時父からその話を聞かされて、医師という職業を意識していたのかもしれません。その後、埼玉医科大学に入学し、勉学以外でも高校時代の先輩に誘われてアメリカンフットボール部に所属し楽しい学生時代を送りました。大学院では、脳幹の電気生理学、特にGABAやセロトニンといった自律神経に対する関与をテーマとして研究しました。2000年代にセロトニンに関連する新規薬剤が数多く開発され、自分で処方するようになったのには感慨深い思いがあります。

なぜ脳神経外科を専門に選ばれたのですか?

小倉弘章院長 六地蔵クリニック4

神経学は難しいイメージがあり、専門にする学生は少なかったのですが、私は神経学において新しいことを学ぶたびに、「なるほど、こういう考え方をするのか」と感心し、どんどん興味が湧いていきました。神経学には、脳神経外科と脳神経内科、精神科の3つの科目があります。私は手術などの外科的治療が性に合っていると考えて、脳神経外科を専攻しました。すでにメスを置いて20年近いですが、勤務医時代には脳卒中と脊髄を中心に手術もたくさん経験してきました。

「病気を診るのではなく人を診る」医師でありたい

認知症の患者さんのケアにも注力していきたいそうですね。

小倉弘章院長 六地蔵クリニック5

程度やペースの差はあるものの、80歳を過ぎたら全員が認知症のスタートラインに立ちます。人生100年時代の今、90歳まで健康で、身の回りのことができる状態を維持するためには、環境の整備が重要です。アルツハイマー型認知症は服薬で治療できるものではありません。本人や周囲の人間が困らない環境をつくることが大切で、それには高齢者包括支援センターといった行政との連携が欠かせないと考えています。症状が悪くなる前に医療機関に来られるよう、また、何か困った時に対処できるよう、もう一歩踏み込んで高齢者と関わっていくことが重要です。これは大学病院ではできません。孤独な状態の高齢者を減らすため、積極的に行政と協力していきたいですね。

理想とする医師像はありますか?

「病気を診るのではなく人を診る」医師でありたいと思います。一つ一つの診療にできる限り時間をかけ、患者さんとしっかり会話することを心がけ、患者さんの背景にある問題点まで踏み込めればいいなと思っています。情に流されることを恐れずに、患者さん一人ひとりに踏み込んで介入すること、そしてその踏み込み方を間違わないようにしっかり患者さんの個性を考えること。そのため、家庭環境や職業などもお伺いし、患者さんの普段の生活をイメージしたり、できる限りご家族とお会いして意見を取り入れたりしています。疾患とは関係ない部分に踏み込むことが疾患の治療にもつながり、患者さんの幸せの道を見つけるヒントにもなります。それが 「人を診る」につながると思います。

休日はどのように過ごされていますか?

小倉弘章院長 六地蔵クリニック6

自室で医師会の会報や講演の原稿を書く時もありますが、一番の趣味といえばeスポーツですね。いわゆるオンラインゲームが好きで、シューティングゲームに興じています。自分でパソコンを組み立てるところから始めて、毎週金曜日の夜はeスポーツを楽しんでいます。

読者へのメッセージをお願いします。

脳神経外科を標榜する医療機関は数が少なく、人口50万人を抱える江東区でも片手で数えるほどです。どうしたらいいか困っている方もいらっしゃると思います。ご高齢の方でどの診療科を受診していいかわからない、うまく治療が進まないなどでお悩みでしたら、まずはご相談ください。何らかの突破口が開けるかもしれません。

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