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坂口 直哉 院長の独自取材記事

なおやこどもクリニック

(江東区/南砂町駅)

最終更新日:2025/07/31

坂口直哉院長 なおやこどもクリニック main

南砂町駅より徒歩11分に位置する「なおやこどもクリニック」。坂口直哉院長は、小児喘息やアトピー性皮膚炎の治療に数多く携わってきた経験豊富な医師。小児科一般の他、専門的な小児アレルギー治療を得意とする。「アレルギーに苦しむ患者さんを少しでも減らしたい」という熱意を胸に、日々診療にあたっている。診療をサポートするスタッフもベテランがそろい、検査や点滴処置などをスムーズに行えるよう体制を整えている。病診連携も密にし、適切な医療の提供に力を尽くす坂口院長に、診療にかける思いを語ってもらった。

(取材日2013年11月14日/再取材日2025年6月20日)

小児のアレルギーに幅広く対応、感染症検査体制も充実

クリニックの特徴を教えてください。

坂口直哉院長 なおやこどもクリニック1

勤務医時代、国立小児病院(現・国立成育医療研究センター)のアレルギー科で小児喘息やアトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどの治療を数多く手がけてきた経験もあり、患者さんの年齢が0歳~20歳前後と、一般の小児科に比べて幅広いかと思います。食物アレルギーの診断に際しては食物負荷試験も行い、迅速に診断し治療の道筋を立てていく上で、大いに役立っています。勤務するスタッフも経験豊富で、スキルが求められる血管が細いお子さんの点滴処置も得意ですし、お薬の説明もとても丁寧ですね。また、さまざまな感染症の診療体制も充実しています。PCR検査やエックス線検査なども含め、迅速な検査、診断、治療のための機器をそろえて対応しています。

特に注目している症状や疾患などはありますか?

多くの親御さんに知っていただきたいのが、「乳児湿疹」です。近年研究が進み、皮膚に湿疹があるお子さんには食物アレルギーが発症しやすいということがわかってきました。例えば、ご本人が一度も卵を食べたことがなくても、ご家族の食事に卵が使われていたら卵の成分に接触する可能性は十分あります。その時、肌が荒れていると、そこからアレルゲンが体内に侵入し、免疫システムが攻撃態勢に入ってしまうんです。裏を返せば、守りを強くするには肌がきれいな状態を保つことが大事。湿疹の症状に加えて、お子さんが抱っこひもに顔をこすりつけたり、自分の肌をひんぱんに引っかいたりと、かゆみを訴えるようなしぐさをしていたら、アレルギー症状が起こっている可能性がありますから、検査を受けるのが望ましいですね。

乳児湿疹の予防には何が大切ですか?

坂口直哉院長 なおやこどもクリニック2

重要なのは肌を清潔に保つこと、つまりスキンケアです。汗をかけば皮脂と混ざって汚れとなりますから、それをしっかり落としてあげる必要があります。汚れはせっけんで洗い流し、乾燥しないように保湿することで、肌トラブルの改善・予防につながります。診療では単にお薬を処方するだけでなく、せっけんの泡立て方から肌の洗い方、保湿のポイント、湿疹症状のある肌に対する薬の塗り方など、スキンケアのポイントを詳しく説明して、ご自宅でも実践していただいています。私にとって、アレルギーに苦しむお子さんを一人でも多く減らせるよう診療にあたることがライフワークでもありますから、乳児湿疹に迅速に手を打ち、喘息やアトピー性皮膚炎など将来的に起こり得るアレルギー性疾患の発症を防いでいきたいですね。

漢方薬も取り入れ、その患者に合う治療の提供に努める

特に小児アレルギーの治療に注力されているのですね。

坂口直哉院長 なおやこどもクリニック3

年齢を経るにつれて、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎と、次々に生じていく「アレルギー・マーチ」を起こさないことが大切です。スキンケアの重要性についてお話ししましたが、それだけで治療することはできないですから、十分な説明をした上でステロイド薬を処方したり、近年では非ステロイド性の薬も利用できるようになっているので、それらも活用しながら治療をしたりしていきます。その他、スギ花粉症やダニアレルギーの治療には舌下免疫療法も行っています。また、食物アレルギーに関する最近の傾向として、以前からある卵や牛乳の他に、ナッツ類のアレルギーが多く見られます。あるいはアレルギーの反応として、例えば卵の黄身を食べて数時間たってから嘔吐を繰り返すような、消化管アレルギーも乳児を中心に増えています。そうした症状を見逃さず、適切に対処をすることが大切です。

治療では、漢方薬を用いることもあるそうですね。

漢方薬は一般的に、西洋薬と比べると穏やかで優しいというイメージがあるようですが、実は症状とマッチする漢方薬は非常に有用的なんです。以前、西洋薬を長らく使い続けても改善しないアトピー性皮膚炎の患者さんに漢方を使ってみたことがきっかけで、積極的に漢方を学ぶようになりました。漢方薬を処方することも増えつつあると感じています。お子さんの場合、虚弱体質で中耳炎を繰り返したり、保育所や幼稚園でひんぱんに風邪をもらって来てしまったりするような、虚弱体質と呼ばれるお子さんに処方することもあります。他にも、夜泣きや夜驚症と呼ばれる症状がある場合も、状況に応じて処方できる漢方薬もあるんですよ。

夜尿症の相談も多いのですか?

坂口直哉院長 なおやこどもクリニック4

悩まれているお子さんは少なからずいらっしゃいますね。夜尿症の原因は生活習慣の乱れや便秘症、水分の取りすぎなどさまざまで、自然と治まることもあります。今は治療に役立つお薬もあります。親御さんには「特に気にしていない」と話していても、実際にはお子さん自身とても気にしていて、自己評価が下がってしまっているケースも珍しくありません。相談できたことで安心できる子もいるかもしれませんし、口にしづらい悩みだとは思いますが、勇気を持って相談していただきたいですね。

幼い子の死という不条理に突き動かされ小児科の道へ

日々患者さんと接する上で心がけていることはありますか?

坂口直哉院長 なおやこどもクリニック5

不安や疑問を抱える患者さんのストーリーを丁寧に伺い、理解すること。そして適切な診査診断のもと、すっきりとしたストーリーに組み立て直すことを意識しています。私が病気を治療してあげるという立ち位置でなく、子どもたちを心身ともに良い方向に導くために、親御さんとともに支えるパ―トナー的存在でありたいと思って、診療に臨んでいます。また当院では、常に2つの診療室を交互に使っています。これは私の診察が終わった後、患者さんがその場にとどまって改めて不安や疑問を看護師に相談し、100%納得した状態で帰っていただくため。時には私が再び診療室に戻って説明を追加することもありますよ。

先生が医師をめざしたきっかけについてお聞かせください。

わが家は祖父の代からの医師家系で、父は内科医院を開業していたので、幼い頃から医療が身近にあったんです。当時はおおらかな時代で、患者さんに親身に寄り添う父の姿を眺めては、診察室で遊び回っていたのを懐かしく思い出します。父から「医師になってほしい」と直接言われたことは一度もありませんでしたが、人の役に立ち、感謝される医師という職業を間近で目にしていましたから、徐々に惹かれていったんでしょうね。小児科を専門としたのは、もともと子どもが好きだったのもありますが、小児科実習で小児がんの患者さんを担当した時の経験が強く印象に残っていて。あまりに早く命を失っていくことの不条理を目の当たりにし、医師である前に一人の人間として怒りにも似た気持ちを覚えたのを、今後も忘れることはないでしょう。彼らのために何かできることがあるはず、何かしなくてはいけない。そんな思いに突き動かされ、迷わず小児科を選びました。

最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

坂口直哉院長 なおやこどもクリニック6

病気を治療するのは薬でも機械でもなく、人なのだと私は信じています。患者さんの中には、薬の使い方について十分な説明を受けていない方も少なくなく、ある程度良い状態に持っていくために、薬の塗り方と患部の洗い方を丁寧にお伝えするというケースをたくさん経験してきました。なかなか症状が改善しない、どこへ相談したら良いかわからないといった場合には、どうぞ気軽にご相談ください。順番予約制ではありますが、予約なしでお越しいただいても大丈夫ですし、例えば平日の場合、もしもクリニックへの到着が午後6時を過ぎてしまう可能性がある場合には、事前にご連絡いただければできる限り対応できるように調整いたします。医師と患者さんとご家族とで信頼関係を築きながら、チームワークでともに病気に立ち向かうことが大切です。ぜひ一緒に頑張っていきましょう。

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