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木股 仲恒 院長の独自取材記事

葛西橋診療所

(江東区/南砂町駅)

最終更新日:2022/05/19

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大通りから1本路地に入った住宅地の一角に「葛西橋診療所」はある。昔ながらの街並みに溶け込むようにたたずむ同院が開業したのは1953年。かつて産婦人科、内科、外科、小児科など多岐にわたる分野を診療していたが、2016年に循環器内科、呼吸器内科を専門とする木股仲恒(きまた・なかひさ)院長が継承した。心電図やエコーなど専門性の高い機器を導入し、新たなスタートをきった同院には、木股院長の専門分野の治療を求めて新たな患者も増えているという。日本内科学会総合内科専門医の資格も取得し、幅広い内科疾患に対応していることも特徴だ。「時間の許す限り患者さんとお話をします」と語り、昔から通う地域の高齢者とのつながりも大切にしている木股院長に、その思いや対応する疾患について、今後の展望などの話を聞いた。

(再取材日2022年3月7日)

専門とする循環器・呼吸器を中心に地域医療をサポート

院長に就任されたのは2016年と伺っています。経緯を教えていただけますか?

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2003年に日本医科大学医学部を卒業し、同大学医学部附属病院や関連病院で循環器疾患の診療を中心に、心臓や血管のカテーテル治療に携わってきました。循環器、呼吸器を専門に選んだのは、できるだけ多くの患者さんを診たいという思いがあったからです。実際に広く患者さんを診察することができているため、この道に進んで良かったと思います。大学に残って研究を続けるよりは、臨床の道に進みたいという思いが強かったので、開院を視野に民間病院に移りました。その後、当院の先代院長が退任されるとのことで2016年7月に引き継ぎました。大学には今も在籍しており、心臓カテーテルの指導で後進の育成にあたっています。この診療所は1953年に先代の院長のお父さまが開院された診療所で、内科・小児科・産婦人科を標榜していましたが、現在は内科、循環器内科、呼吸器内科の診療を行い、診療所の名前もスタッフの方もそのまま引き継いでいます。

どのような患者さんが多いのでしょうか?

以前は後期高齢者の患者さんがほとんどでしたが、最近は、働き盛りの若い患者さんも増えています。高血圧、喘息、狭心症、不整脈、咳、生活習慣病などでいらっしゃる方が多いです。近隣の開業医の先生方は消化器外科がご専門の方が多いこともあり、循環器、呼吸器疾患の方が当院に集中しているようです。遠くからいらっしゃる方も増えているように感じ、なかなか良くならないため、専門の医師を探して来たという方もいました。逆に胃が痛い、下痢が止まらないなどの消化器系の症状に関しては、消化器が専門の開業医の先生に紹介しており、そういう意味での地域連携は機能していると思います。また、お子さんも結構来られますし、周辺の診療所が休診の際には、ケガをした人や皮膚疾患の方などもいらっしゃいますから、かかりつけ医として幅広く対応しています。

診療の際、どんなことを心がけていますか?

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患者さんのお話をゆっくり聞くことを心がけています。最近は、患者さんが増えてきてあまり時間が取れなくなっていますが、お話をしたいという患者さんには比較的空いている時間をお伝えして、別枠での予約といったかたちでゆっくりとお話を聞いています。あまりに長い時間話し込んで、スタッフから注意されることもありますね(笑)。当院では、病状が落ち着いていて、お仕事が忙しくて来院の時間が取れないという方には比較的長期でお薬を出していますし、患者さんに合わせて対応するよう心がけています。

睡眠時無呼吸症候群や総合内科疾患治療にも注力

こちらの設備について教えてください。

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当院を引き継いだ時に、循環器、呼吸器疾患の診療に必要な機器はそろえました。中でも心電図に関してはオールインワンタイプのものを導入しました。この装置では、両手両足の血圧を同時に測定し、血管の硬さなど動脈硬化の進行度を調べるABI(足関節上腕血圧比)検査ができるほか、心電図を24時間記録することで、不整脈や狭心症の有無を調べることもできます。通常は業者に解析を依頼するため結果がわかるまでに時間がかかりますが、この装置では10分ほどで結果がわかるため、1泊2日で診断が可能です。肺の悪い人に関しては肺と心臓をセットで診る必要があるため、この装置はとても役立っています。最近では、健康診断用に聴覚検査や視力検査の器具も新たに導入しました。

力を入れている検査や治療はありますか?

睡眠時無呼吸症候群の検査ですね。睡眠時無呼吸症候群によって悪化しやすいのは心臓や血管系なので、循環器疾患として診療するのも一般的です。大学病院に勤務していた頃は、循環器の疾患で緊急入院してこられた患者さんには睡眠時無呼吸症候群を合併している人が多く、そこから治療を開始するということが多くありました。そういうことからも睡眠時無呼吸症候群は、循環器内科で治療するのがいいと思います。検査はまず、自宅へ機器を持ち帰って行う簡易検査があります。簡易検査に引っかかった方に行う精密検査は、1泊入院が必要でしたが、今は自宅でできるようになりました。当院に来ていただき、自宅で行う精密検査を手配します。治療は、睡眠中に機械で圧力をかけた空気を鼻から気道に送り込み、気道を広げて無呼吸を防止する目的のCPAP(持続陽圧呼吸療法)が中心になります。

日本内科学会総合内科専門医の資格も取得されたそうですね。

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総合内科専門医を取得しようと思ったのは、原因不明の発熱・関節痛や、私の専門領域外の疾患を有する患者さまが思った以上に多く、総合内科的知識が必要と感じたからです。例えば原因不明の発熱、関節や筋肉の疼痛の鑑別には膠原病の知識が必要ですし、私の専門の疾患の患者さんに、潰瘍性大腸炎、クローン病、甲状腺機能疾患といった非専門疾患が合併していた場合、そちらの疾患の悪化にも対応していく必要があります。可能な限り広い疾患に対応できるようにするため資格を取得いたしました。内科の診療はきめ細かいところがあって、血圧の薬でも若くて心拍数の高い人、朝だけ血圧が上がる人、血圧に波がある、不整脈が出るなど、症状やタイプに合わせて薬を使い分けるといった工夫が必要です。薬には数種類ほどのチョイスがあり、その種類の中にもいろいろな選択肢があります。

専門分野に加え、幅広い診療で地域に貢献

感染症の流行に際して診療体制で変えられたところはありますか?

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住宅地にあるクリニックですから、周辺にお住まいの方に不安を与えないように努め、診療体制を整えました。そのため発熱者の外来診療は、かかりつけの方にとどめています。感染症の不安がある方は一般の患者さんとは接触しないように指定の時間に来ていただき、一般の患者さんが使用しない部屋にお通ししています。それにより時間的、空間的な隔離の対策を取っています。また、電話で「みなし陽性」と診断できる時代になりましたので、かかりつけの方には電話再診も行っています。

地域にとってどのような診療所でありたいと思われますか?

患者さんの健康寿命を延ばすことに貢献したいですね。江戸っ子の方が多いので「俺は大丈夫なんだ」と採血すら何年もされていない方も多いのですが、まず心を掴むところから始めて、健康診断の受診率を上げたいです。先代の院長が健康診断にも熱心だったため、近隣の企業や保育園の健康診断も引き続き行っていますが、現役を引退された世代の方にこそ、ぜひ健康診断を受けていただきたいと思います。生活習慣病の認知にもつながりますし、きちんと管理をすることで脳梗塞や脳出血や心筋梗塞の発症も減らせると考えています。日本循環器学会認定の循環器専門医として、循環器疾患の治療を行うのに加えて、もう一つの専門である呼吸器疾患についても幅広く診ていきたいですね。

最後に今後の展望をお願いします。

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生活習慣病の治療や、循環器・呼吸器の専門性を生かした治療には今後も注力していきたいですね。血液疾患、膠原病、内分泌疾患なども総合内科専門医の知識を生かし、診断をつけて、相応の病院に紹介することも含めて迅速に対応させていただきます。また近年この辺りにも増えている独居の高齢者の方には、在宅医療の必要性を強く感じているところです。当院も在宅医療を手がけていたのですが、医師1人では難しいところもあり、必要な患者さんには在宅医療を専門とするクリニックを紹介していきたいと考えています。これからもかかりつけ医としての幅広い医療と専門分野の医療の両輪で、地域に貢献したいと思いますので、まずは、お気軽にご相談ください。

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