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木股 仲恒 院長の独自取材記事

葛西橋診療所

(江東区/南砂町駅)

最終更新日:2020/05/20

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大通りから1本路地に入った住宅地の一角にある「葛西橋診療所」。昔ながらの街並みに溶け込むようにたたずむ同院には、地域の高齢者をはじめ、子どもたちから大人まで幅広い年齢層の患者が訪れる。1953年に開設された診療所は、かつて産婦人科、内科、外科、小児科など多岐にわたる分野を診療していたが、2016年に内科、循環器内科、呼吸器内科を専門とする木股仲恒(きまた・なかひさ)院長が同院を継承。心電図やエコーなど専門性の高い機器を導入し、新たなスタートをきった。先代院長時代から変わらずに同院を支えるスタッフとともに地域の健康を見守り、専門性の高い医療の提供も行う同院。「時間の許す限り患者と話すことを大事にしています」と話す木股院長に話を聞いた。
(取材日2017年3月9日/再取材日2020年3月13日)

診療所を引き継ぎ、スタッフとともに地域をサポート

院長に就任されたのは2016年と伺っています。経緯を教えていただけますか?

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2003年に日本医科大学医学部を卒業し、同大学医学部附属病院や関連病院で循環器疾患の診療を中心に、心臓や血管のカテーテル治療に携わってきました。循環器、呼吸器を専門に選んだのは、できるだけ多くの患者さんを診たいという思いがあったからです。実際に広く患者さんを診察することができているため、この道に進んで良かったと思います。大学に残って研究を続けるよりは、臨床の道に進みたいという思いが強かったので、開院を視野に民間病院に移りました。その後、当院の先代院長が退任されるとのことで2016年7月に引き継ぎました。大学には今も在籍しており、心臓カテーテルの指導で後進の育成にあたっています。この診療所は1953年に先代の院長のお父さまが開院された診療所で、内科・小児科・産婦人科を標榜していましたが、現在は内科、循環器内科、呼吸器内科の診療を行い、診療所の名前もスタッフの方もそのまま引き継いでいます。

スタッフの方々も変わらず引き継がれているのですね。

そうですね。先代の院長の時から勤めてくださっているスタッフもおり、現在は看護師が4人、事務が2人在籍しています。皆さん地元の方なので、地域のこともよく知っていらっしゃいますし、患者さんのことも詳細に把握してくれています。皆さん、当院に勤務される前に別の医療機関で経験を積んできた方ばかりです。患者さんへの対応もとても優しいですね。私が一番年下ということもあり、いろいろサポートしてもらっています。

どのような患者さんが多いのでしょうか?

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以前は75歳以上の後期高齢者の患者さんがほとんどでしたが、最近は、高齢の患者さんは全体の4割ぐらいです。患者さんは徒歩や自転車で来られる方がほとんどで、遠くの病院まで通うのが難しい患者さんも多いため、先代の院長が診療所を閉めようとされた際に「困る」という声が多く、後継者を探したという経緯もあります。来院される患者さんは圧倒的に高血圧、喘息などが多いですね。近隣の開業医の先生方は消化器外科がご専門の方が多いこともあり、循環器、呼吸器が専門ということで当院に通ってくださる患者さんは多いですね。逆に胃が痛い、下痢が止まらないなどの消化器系の症状に関しては、消化器が専門の開業医の先生に紹介しており、そういう意味での地域連携は機能していると思います。

睡眠時無呼吸症候群や総合内科疾患治療にも注力

こちらの設備について教えてください。

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当院を引き継いだ時に、循環器、呼吸器疾患の診療に必要な機器はそろえました。中でも心電図に関してはオールインワンタイプのものを導入しました。この装置では、両手両足の血圧を同時に測定し、血管の硬さなど動脈硬化の進行度を調べるABI(足関節上腕血圧比)検査ができるほか、心電図を24時間記録することで、不整脈や狭心症の有無を調べることもできます。通常は業者に解析を依頼するため結果がわかるまでに時間がかかりますが、この装置では10分ほどですぐ結果がわかるため、1泊2日で診断が可能です。肺の悪い人に関しては肺と心臓をセットで診る必要があるため、この装置はとても役立っています。最近では、健康診断用に聴覚検査や視力検査の器具も新たに導入しました。

力を入れている検査や治療はありますか?

睡眠時無呼吸症候群の検査ですね。睡眠時無呼吸症候群によって悪化しやすいのは心臓や血管系なので、循環器疾患として診療するのも一般的です。大学病院に勤務していた頃は、循環器の疾患で緊急入院してこられた患者さんには睡眠時無呼吸症候群を合併している人が多く、そこから治療を開始するということが多くありました。そういうことからも睡眠時無呼吸症候群は、耳鼻科や呼吸器内科ではなく、循環器内科で治療するのがいいと思います。検査は自宅へ機器を持ち帰って検査する簡易検査と、1泊入院して行う精密検査があります。精密検査の場合は提携病院を紹介させていただいています。治療の中心は、睡眠中に機械で圧力をかけた空気を鼻から気道に送り込み、気道を広げて無呼吸を防止するCPAP(持続陽圧呼吸療法)が中心になります。

先生は最近、日本内科学会総合内科専門医の資格も取得されたそうですね。

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総合内科専門医を取得しようと思ったのは、原因不明の発熱・関節痛や、私の専門領域外の疾患を有する患者さまが思った以上に多くいらっしゃって、総合内科的知識が必要と感じたからです。例えば原因不明の発熱、関節や筋肉の疼痛の鑑別には膠原病の知識が必要ですし、私の専門の疾患の患者さんに、例えば潰瘍性大腸炎、クローン病、甲状腺機能疾患といった非専門疾患が合併していた場合、そちらの疾患の悪化にも対応していく必要があります。可能な限り広い疾患に対応できるようにするため資格を取得いたしました。内科の診療はきめ細かいところがあって、例えば血圧の薬でも若くて心拍数の高い人、朝だけ血圧が上がる人、血圧に波がある、不整脈が出るなど、症状やタイプに合わせて薬を使い分けるといった工夫をしていますね。薬には数種類ほどのチョイスがあり、その種類の中にもいろいろな選択肢があります。

専門の循環器を中心に幅広いニーズに応える診療を

診療にあたってどのようなことを心がけられていますか?

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患者さんのお話をゆっくり聞くことを心がけています。最近は、患者さんが増えてきてあまり時間が取れなくなっていますが、お話をしたいという患者さんには比較的空いている時間をお伝えして、別枠での予約といったかたちでゆっくりとお話を聞いています。あまりに長い時間話し込んで、スタッフから注意されることもありますね(笑)。当院では、病状が落ち着いていて、お仕事が忙しくて来院の時間が取れないという方には比較的長期でお薬を出していますし、患者さんに合わせて対応するよう心がけています。

地域にとってどのような診療所でありたいと思われますか?

患者さんの健康寿命を延ばすことに貢献したいですね。江戸っ子の方が多いので「俺は大丈夫なんだ」と採血すら何年もされていない方も多いのですが、まず心をつかむところから始めて、健康診断の受診率を上げたいです。先代の院長が健康診断にも熱心だったため、近隣の企業や保育園の健康診断も引き続き行っていますが、現役を引退された世代の方にこそ、ぜひ健康診断を受けていただきたいと思います。生活習慣病の認知にもつながりますし、きちんと管理をすることで脳梗塞や脳出血や心筋梗塞の発症も減らせると考えています。日本循環器学会認定の循環器専門医として、循環器疾患の治療を行うのに加えて、もう一つの専門である呼吸器疾患についても幅広く診ていきたいですね。

最後に今後の展望をお願いします。

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当院にはお子さんも結構来られますし、木曜日など周辺の診療所が休診の際などは、ケガをした人とか、皮膚疾患の方なども来られますから、かかりつけ医として幅広く診るようにしています。専門の領域を中心に診ていきつつ、そういった専門外のニーズにも応えていきたいですね。ただ、専門外のところはあまり無理をせず、ある程度の診断をつけて「明日、専門の先生のところに行ってくださいね」とお話しするようにしています。これからもかかりつけ医としての幅広い医療と専門分野の医療の両輪で、地域に貢献してきたいと思います。まずは、お気軽にご相談ください。

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