全国のドクター9,257人の想いを取材
クリニック・病院 158,643件の情報を掲載(2024年4月23日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 江東区
  4. 南砂町駅
  5. 杉山歯科医院
  6. 杉山 日出樹 院長、杉山 陽子 さん

杉山 日出樹 院長、杉山 陽子 さんの独自取材記事

杉山歯科医院

(江東区/南砂町駅)

最終更新日:2023/07/12

杉山日出樹院長、杉山陽子さん 杉山歯科医院 main

江東区東砂にある「杉山歯科医院」は、1958年の開業以来、60年以上も地域の人々の歯の健康を支え続けてきた歯科医院だ。患者の年代は幅広く、家族ぐるみで通院する人や知人の紹介をきっかけに訪れる人も多い。2009年に父から院長職を引き継いだ杉山日出樹先生は「特別なことは何もしていないんです」と謙遜する。しかし患者との信頼関係を大切にした診療や一人ひとりに寄り添う姿勢は、同院ならではの強みと言えるだろう。感染症対策を徹底しているのも特徴の一つ。院内に手指消毒用アルコールを設置し、新型の空調設備を備えて窓を閉めていても十分に換気ができる環境を整えている。インタビューでは、そんな同院の杉山院長と妻で歯科衛生士の杉山陽子さんにたっぷりと話を聞いた。

(再取材日2021年4月6日/更新日2023年7月11日)

60年以上も続く、歴史ある歯科医院

お二人が歯科医師や歯科衛生士になられたきっかけについて教えてください。

杉山日出樹院長、杉山陽子さん 杉山歯科医院1

【日出樹院長】もともと親族に歯科医師が多いんです。父や祖父、父の兄弟、その兄弟の子どもも歯科医師という家系で育つ中、やはり子ども心に父に憧れを抱いていたのでしょう。なかなか越えられなくてもいつかは越えなくてはいけない存在だとも感じていたと思います。小学校の卒業文集に「将来は歯医者さんになりたい」と書いたように、自然と歯科医師の道を志しました。
【陽子さん】私の父も歯科医師だったので、医療は身近なものでした。大学では福祉について勉強したのですが、父の影響もあってか歯科診療で人の役に立ちたいと思い、大学卒業後に歯科衛生士の学校で学び直したんです。

御院の歴史についてお聞かせいただけますか。

【日出樹院長】祖父や父の兄弟は千葉県で開業していましたが、父は東京で開業しました。それが当院の始まりです。1950年代からなので、60年以上も続いていることになりますね。私の兄も歯科医師ですが、兄は大学卒業後も大学病院に残り、私は大学卒業とともにこちらで働き始めました。父が歯科医師会関連などで対外的な仕事が増えてきたタイミングで当院継承の話が出て、2009年に私が院長に就任しました。ちなみに、現在兄は埼玉で開業しており、今も連絡をよく取り合います。歯科医療や家族のことなど、気軽に相談できる仲です。

どういった患者さんが来られますか?

杉山日出樹院長、杉山陽子さん 杉山歯科医院2

【日出樹院長】60年以上も続いていますので、親子3世代で通ってくださる患者さんが多いと思います。「家族ぐるみの付き合いですね」と言ってくれる方もいますし、ご友人を紹介してくださる患者さんも少なくありません。ただ、私としては何か特別なことをやっているつもりはなく、丁寧な治療や説明を少しずつ積み重ね、患者さんから信頼いただけた結果だと思っています。一般的に、患者さんはどうしても歯科医師に対して遠慮しがちになってしまいますよね。けれどありがたいことに、この辺りの患者さんはフランクで優しい人ばかりなのでそういったことがないんです。自分で言うのもなんですが、患者さんにとって私が話しやすいタイプだということもあるのかもしれません。

「患者さん参加型の治療」をめざす

杉山院長が大事にしている治療方針は何でしょうか?

杉山日出樹院長、杉山陽子さん 杉山歯科医院3

【日出樹院長】私がめざしているのは、「患者さん参加型の治療」です。いくら治療をしても、根本的な原因を取り除かなければ治療の繰り返しになってしまいます。だからこそ当院では、口腔内カメラなどを駆使して丁寧に原因や状態を説明し、患者さん自ら口の健康維持に向き合ってもらう重要性についてお伝えするようにしています。そうすることで多くの方は、口の健康への意識が高まり、継続的にメンテナンスに取り組まれるようになりますね。もちろん、まずは私が治療を全力で行い、患者さんが抱える痛みや不安を取り除くことが前提です。私がやることをやって、患者さんに信頼いただく。その上で患者さんに協力してもらいながらメンテナンスを行っていくという形を大切にしています。

診療で心がけているのはどのようなことですか?

【日出樹院長】患者さんの不安を取り除くため、まずはその方をよく観察することを心がけています。例えば高齢で耳の遠い方であれば、少し大きな声で、トーンやスピードにも気を配って説明します。怖がっているお子さんの治療時は、まずは親御さんに安心してもらう。親御さんと話しているうちに、お子さんも「この人なら大丈夫かも」と思ってくれるようです。また、いつも来られる患者さんでも「普段と雰囲気が違う」と感じれば、雑談から始めることもありますよ。
【陽子さん】大切にしているのは、患者さん一人ひとりに寄り添った対応をすることです。患者さんが定期的にメンテナンスに来られたり、ご家族やご友人を紹介してくださったりするのは、当院を信頼してくださっているからこそだと思います。

ニーズの高いという入れ歯治療では、どのようなことを意識されていますか?

杉山日出樹院長、杉山陽子さん 杉山歯科医院4

【日出樹院長】私はいつも患者さんに「入れ歯は道具だから使いこなしてくださいね」と言っています。歯科医師が患者さんに合ったものをミクロン単位で作る努力をするのは当然ですが、「どう使っているのか」「何をどう食べているのか」までは把握しきれません。なので患者さんから「これを食べたよ、こう使ったよ」という話を聞いた上で、改めて入れ歯を調整します。また、逆に間違った使い方をしていれば、違いますよと教えてあげることもあります。患者さんが入れ歯を「使いこなせる」という段階まで手助けすることを大切にしているのです。 機能性や審美性に特化した、自由診療での入れ歯治療にも対応していますので、気になる方はお声がけください。

診療の根幹は変えず、時代に合わせて変化を

患者さんとの印象的なエピソードはありますか?

杉山日出樹院長、杉山陽子さん 杉山歯科医院5

【日出樹院長】ある親子がとても印象に残っています。以前「診察を受けたい」という内容の電話があって、お名前を伺っても知らない方でした。「初めての患者さんだろう」と思ったのですが、患者さんは「杉山先生じゃないと子どもが嫌がる」と言うんです。当院で診察した方であれば思い出せるはずなのに、誰だかわからない。不思議に思いながら実際にお会いしてみると、私が乳児歯科健診を担当した親子でした。お話を伺うと、いつも歯科医院の受診を嫌がってしまうお子さんが、私の診察だと大丈夫だったみたいで。その時は、私も自己紹介をするわけではなかったので、親御さんが「あの先生は誰なんだろう」、といろいろ調べて当院を探し出してくれたようなんです。電話をいただいたときは「何か失敗したかな?」と内心ドキドキしていたのですが、意外な形で喜んでもらえたのは驚きでした。

今後の展望についてお聞かせください。

【日出樹院長】患者さんが喜んでくださることの多い入れ歯治療には、引き続き力を入れていきたいですね。入れ歯は食べたり、使ったりすることで動いていくもの。患者さんの使いやすさにこだわって調整することを大切にしています。また、今はどちらかというと虫歯や歯周病といった疾患に対して治療をしているのですが、食べたり話したりといった機能、具体的には口腔機能発達不全症と呼ばれる状態の方々に対して何かできないかと考えています。高齢の方では噛んだり飲み込んだりという機能が衰えることで、子どもの場合は歯並びが悪かったり発音がうまくできなかったりすることで別の病気が引き起こされるリスクも指摘されています。歯科治療の目的を大きく捉えれば、やはり生きるため。そう考えると食べる・噛むという視点だけでなく、話す・飲み込むといったより広い機能についても勉強する必要があると思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

杉山日出樹院長、杉山陽子さん 杉山歯科医院6

【日出樹院長】当院は、父の代から「全力で治療にあたる」ということを大切に診療を続けてきました。私は毎回ものすごく集中して治療に臨んでいますが、患者さんにはそれをわからせないように自然に振る舞っているつもりです。一方で、大きく変えたことも。父は自身のみならず患者さんに対しても厳しい面があったのですが、私は患者さんそれぞれに合わせた治療を提案することが必要だと思っています。これからも当院の大事な「幹」は変えることなく、患者さんに喜んでもらえるような取り組みを行っていく予定です。歯科医師として皆さんにお伝えしたいのは、消化器官の入り口である口腔内の整備は、全身の健康にもつながるということ。全身疾患の予防のためにも、ぜひ私たちと一緒に歯の健康を守っていきましょう。

自由診療費用の目安

自由診療とは

入れ歯治療(自費の場合)/20万円~

Access