杉山 日出樹 院長、杉山 陽子 さんの独自取材記事
杉山歯科医院
(江東区/南砂町駅)
最終更新日:2026/07/07
江東区東砂にある「杉山歯科医院」は、1958年の開業以来、65年以上地域住民の歯の健康を支え続けている。2代目院長の杉山日出樹先生は、妻で歯科衛生士の杉山陽子さんとともに患者をサポート。院内は2人の温かな人柄を表すようなアットホームな空間だ。その居心地の良さから、子どもから高齢者まで家族ぐるみで通う患者も多い。診療内容は、一般歯科・小児歯科・矯正歯科・歯科口腔外科・審美歯科など幅広く、特に入れ歯やかぶせ物では自由診療にも対応。「患者さんとそのご家族を診るかかりつけ医になれたら」と笑顔で語る2人に、同院の診療内容や診療方針、地域への想いなどを詳細に聞いた。
(取材日2026年3月30日)
65年以上続く、地元に根づく歯科医院
こちらの歯科医院の歴史や、お二人が歯科医師、歯科衛生士になられたきっかけについて教えてください。

【日出樹院長】歯科医師の父が1958年に開業したのが、当院の始まりです。私は東京歯科大学を卒業と同時にこちらで働き始め、父が歯科医師会などの対外的な仕事が増えてきたタイミングで、2009年に院長に就任しました。そもそも私が歯科医師をめざしたのは、親族に歯科医師が多かったからです。父や祖父、父の兄弟、いとこも歯科医師という家系で育つ中、やはり子ども心に父に憧れを抱いていたのでしょう。小学校の卒業文集に「将来は歯医者さんになりたい」と書いたように、自然と歯科医師の道を志しました。
【陽子さん】私の父も歯科医師だったので、医療は身近なものでした。大学では福祉について勉強したのですが、父の影響もあってか歯科診療で人の役に立ちたいと思い、大学卒業後に歯科衛生士の学校で学び直したのです。
どのような方が通われているのでしょうか?
【日出樹院長】65年以上も続いているので、親子4世代で通ってくださる患者さんもいらっしゃいます。丁寧な治療や説明を少しずつ積み重ね、患者さんから信頼いただけた結果だと思っています。一般的に、患者さんは歯科医師に対して遠慮がちになる傾向があるようです。けれどありがたいことに、当院の患者さんはフランクで話しやすい方ばかりなので、そういったことがないのですよ。
【陽子さん】年齢を重ねるにつれ、お悩みの内容が変わることもありますね。例えば子どもだった患者さんが20代になって、ホワイトニングなど「見た目」に関する施術を希望されることも。メリットとデメリットをしっかりとお伝えしながら、審美面だけでなく歯の健康も考えた上で、できるだけ患者さんの希望に沿えるよう心がけています。
診療方針をお聞かせください。

【日出樹院長】当院の診療方針は「患者さん参加型の治療」です。いくら治療を行っても、根本的な原因を取り除かなければ再発を繰り返してしまいます。そのため、口腔内カメラなどを用いて状態や原因を丁寧にご説明し、患者さんご自身に理解・納得していただくことを大切にしています。もちろん、まずは痛みや不安を取り除くための処置をすることが前提です。その上で、虫歯や歯周病は生活習慣と深く関わる病気であることをお伝えし、日々のケアや習慣の見直しにも取り組んでいただきます。私たちはそのサポートを行い、定期的なメンテナンスとともに良い状態の維持をめざします。こうした取り組みを続ける中で、予防への理解が広がり、積極的に通院される方も増えてきました。お口の健康を守るために最も大切なのは、日々の歯磨きなどの生活習慣です。患者さんと二人三脚で、その実現を支えていきたいと考えています。
入れ歯は口腔機能を補う道具。使いこなすことが大切
入れ歯治療のニーズが高いそうですね。どのような点を重視されていますか?

【日出樹院長】私は患者さんに「入れ歯は道具だから、食べる・噛む・飲み込む・話すことがスムーズにできるまで使いこなしてください」とお伝えしています。入れ歯は作って終わりではありません。どれだけ精巧でも、「どう使うか」「何を食べるか」で使い心地は変わります。メンテナンス時には「何を食べたか」「どう使ったか」を伺い、調整を行います。入れ歯は長く使う物ですが、歯茎が痩せるなど口腔状態は変化します。その変化に合わせ、「使いこなせる」段階まで支えることを大切にしています。
それは保険診療でも自由診療でも同じでしょうか?
【日出樹院長】そのとおりです。当院の自由診療では、ばねのない「ノンクラスプデンチャー」、金属で床を作る「金属床義歯」、歯や人工歯根で支える「オーバーデンチャー」などがあります。かぶせ物では「メタルボンド」や「ジルコニア」を扱っています。保険診療と比べ審美性・強度・耐久性に期待が持てますが、使いこなせなければ機能は不十分です。特に自由診療は、適切に使うことが良さを引き出すことにつながるので、定期的なメンテナンスを続けていただきたいと思います。
自由診療の入れ歯について教えてください。

【日出樹院長】ノンクラスプデンチャーはばねがない分、自然な見た目が特徴で、前歯を欠損した方にお勧めの治療法です。金属アレルギーの方にもお勧めできますね。金属床義歯は金属部分が薄く作製できるため、装着感が良くて、食事の熱が伝わりやすいといったメリットが期待できます。金属床義歯ではばねにこだわっており、金やプラチナを採用。これらは耐久性があり調整しやすく、使い心地の良さが長期間続くことも見込めます。自由診療は「選び方がわからない」「高額」といった声もありますが、無理に勧めることはありませんので、気になる方はいつでもご相談ください。
インプラント治療に関する相談も受けてくださるとか。
【日出樹院長】銀座にインプラント治療の専門知識を持った先生がいらっしゃり、連携して診療を進めています。専門的な分野ですから、設備の整った施設で診断や手術を受けるべきだというのが私の考えです。ですので、インプラント治療が必要という患者さんがいらっしゃったら、人工歯根を埋め込むまではそちらにお願いし、当院で人工歯をかぶせて完成させます。インプラントも入れ歯と同じく、使いこなすことが大切。いきなりかぶせることはせず、仮歯で噛み合わせを確認して調整を施してから仕上げに入ります。
地域とともに歩み、人を診る歯科医療
診療の際に心がけていることは何ですか?

【日出樹院長】患者さんの不安を取り除くため、まずはその方をよく観察することを心がけています。例えば高齢で耳の遠い方であれば、少し大きな声で、トーンやスピードにも気を配って説明します。また、いつも来られる患者さんでも「普段と雰囲気が違う」と感じれば、雑談から始めてリラックスしていただくこともありますよ。
【陽子さん】大切にしているのは、患者さん一人ひとりに寄り添った対応をすることです。患者さんが定期的にメンテナンスに来られたり、ご家族やご友人を紹介してくださったりするのは、当院の姿勢に共感し信頼してくださっているからこそだと思います。
地域活動にも積極的に参画されているようですね。
【日出樹院長】当院では診療にとどまらず、歯科医師会や学校歯科医として地域に関わる活動にも力を入れています。80歳で20本以上の歯を保つ方の表彰事業や、行政と連携した取り組みに携わっており、学校や保育園の先生方への講演、子どもたちに向けた歯科保健活動、ポスター制作なども行っています。こうした活動を通じて、診療室だけでは見えなかった課題にも気づくようになりました。特に特別支援学校の現場にふれることで、多様な背景のある方々への理解が深まり、患者さん一人ひとりを「人として診る」大切さを強く実感しています。技術だけでなく、気持ちや表情に寄り添う姿勢こそが、歯科医療の本質だと考えています。
最後に、今後の展望をお願いします。

【日出樹院長】個人で対応できる患者さんには限りがありますが、歯科医師会や学校歯科医といった組織を通じれば、より多くの方にアプローチできると感じています。せっかくの立場ですので、予防や生活習慣の大切さといった私の考え方を少しでも広めていきたいと思っています。歯科医師としての在り方も、地域との関わりの中で変化してきました。技術に加え、人としてどう向き合うかがより重要になっていると感じています。
【陽子さん】今後も、患者さんとのコミュニケーションを大切にした診療を続けてまいります。日常のお話からリラックスしていただき、信頼関係を深めながら、より良い治療と継続的なケアにつなげてまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とはノンクラスプデンチャー/16万5000円~、金属床義歯/30万8000円~、オーバーデンチャー/30万8000円~、かぶせ物(メタルボンド)/12万1000円~、かぶせ物(ジルコニア)/16万5000円~、インプラント(人工歯の装着のみ)/16万5000円~、ホワイトニング/2万2000円~

