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杉山 日出樹 院長、杉山 陽子 さんの独自取材記事

杉山歯科医院

(江東区/南砂町駅)

最終更新日:2021/09/03

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歴史あるクリニックには長く続く理由がある。江東区東砂にある「杉山歯科医院」は、1950年に開業。60年以上続くクリニックだ。現在院長を務める杉山日出樹先生が、2008年に父から引き継いだ。患者の年齢も診療内容も幅広く、家族ぐるみの付き合いや紹介で来る人が多いという。杉山院長は「特殊なことは何もしていない」と謙遜するが、取材を進めるうちに、杉山院長が持つ治療に対する思いや患者を観察する力は並大抵の努力では実現できないものだとわかる。また、同院ではアルコールの設置はもちろん、空調設備を入れ替え、感染症対策を徹底しているのも特徴。安心して通うことができるように窓を閉めていても十分に換気ができる環境を整える。今回は杉山院長と妻であり歯科衛生士の杉山陽子さんに話を聞いた。
(再取材日2021年4月6日)

60年以上の歴史あるクリニックの院長に

初めに、お二人が歯科医師や歯科衛生士になったきっかけについて教えてください。

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【杉山院長】もともと親族に歯科医師が多いんですよ。父や祖父、父の兄弟、その兄弟の子どもも歯科医師、という感じで。そういう家系で育つ中で、やはり父には憧れを抱いていたかもしれません。なかなか越えられなくてもいつかは越えなくてはいけない存在だと思います。小学校の卒業文集に「将来は歯医者になりたい」と書いていたので、自然と歯科医師の道を選んだんだと思います。
【陽子さん】私の父も歯科医師だったので、医療は身近なものでした。大学は福祉系を勉強していたのですが、父の影響もあってか「歯科治療で人の役に立ちたい」と思い、大学卒業後に歯科衛生士の学校で学び直しました。

クリニックの歴史について教えてください。

【杉山院長】祖父や父の兄弟は千葉県で開業していましたが、父は東京で開業しました。それがこのクリニックの始まりです。1950年からとのことなので、60年以上続いていることになります。私の兄も歯科医師ですが、兄は大学卒業後も大学病院に残り、私は大学卒業とともにここで働き始めました。父が歯科医師会など、対外的な仕事が増えてきたタイミングで「クリニックを継ぐ」という話があがり、2008年に私が院長に就任しました。ちなみに、現在兄は埼玉で開業しており、今も連絡をよく取り合います。家族のことや歯科医療のことなど、気軽に相談できる仲です。

それではクリニックの特徴をお聞かせください。

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【杉山院長】60年以上も続いているクリニックなので、親子3世代で通ってくださる患者さんが多いと思います。「家族ぐるみの付き合いが多いよね」と言ってくれる人患者さんも多いですね。ただ、私としては特殊なことをやっているわけではなく、丁寧な治療や説明を少しずつ積み重ね、患者さんから信頼いただけた結果だと思っています。また、ご友人への紹介も多いようでとてもうれしいですね。自分で言うものなんですが、患者さんにとって話しやすいのかもしれないです(笑)。患者さんはどうしても歯科医師に対して遠慮しがちになると思いますが、ありがたいことに、この辺りの患者さんはフランクで優しい人が多いですよ。

歯科医師だけでは不十分。患者の協力あっての治療

先生が大事にしている治療方針は何でしょうか?

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【杉山院長】「患者さん参加型の治療」をめざしています。虫歯も歯周病も感染症なので歯科医師だけが頑張って治療したとしても十分な効果は期待できないんですよ。治療には患者さんの協力も不可欠なんです。そのためには患者さんに納得してもらうことが重要です。病気の原因や症状をしかり説明した上でメンテナンスの大切さを伝えています。そうすることで多くの方は「嫌な思いはしたくない、しっかりメンテナンスしないと」という気持ちになってくれますね。それが継続的なメンテナンスにつながっていると思います。もちろん、まずは治療を全力で行い患者さんが抱える痛みや不安を取り除くことが前提です。私がやることをやって、患者さんに信頼いただく。その上で患者さんに協力してもらいながらメンテナンスを行っていきます。

診療で心がけていることは何ですか?

【杉山院長】患者さんをよく観察し不安を取り除くことが重要だと思います。高齢で耳の遠い方であれば、少し大きな声で、トーンやスピードにも気を遣って説明します。怖がっている子どもの治療時は、まずは親御さんに安心してもらう。親御さんと話しているうちに、子どもも「この人なら大丈夫かも」と思ってくれるみたいなんです。また、いつも来る患者さんでも「いつもと雰囲気が違う」と感じれば、雑談から始めることもあります。
【陽子さん】患者さんに合わせて対応しているので、最初はあまり理解していない様子でも最終的には納得していただき、定期検診もしっかり来てくれます。サポートの立場から見ても、患者さんに寄り添った診療ができていると思います。信頼関係ができているからこそ、メンテナンスで通っていただいたりご家族やご友人を紹介してくれたりするのだと思います。

特に高齢者の診療では、入れ歯治療の紹介が多いそうですね。

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【杉山院長】特別力を入れているわけではないのですが、他の患者さんを紹介してくださる方も多いですね。私はいつも「入れ歯は道具だから使いこなしてくださいね」と言っています。ミクロン単位で患者さんに合ったものを作る努力をするのは当然ですが、「どう使っているのか」「何をどう食べているのか」まではわかりません。なので患者さんに実際に使ってもらいながら、患者さんから「これを食べたよ、こう使ったよ」という話を聞いた上で改めて入れ歯を調整します。また、逆に間違った使い方をしていれば、違いますよと教えてあげる。患者さんが入れ歯を「使いこなせる」という段階まで面倒を見ることで喜んでもらってるのだと思います。

クリニックの根幹は変えず、しかし時代に合わせて変化

患者との印象的なエピソードはありますか?

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【杉山院長】ある親子がとても印象に残っています。「診察を受けたい」という内容の電話で、お名前を伺っても知らない方でした。「初めての患者さんだろう」と思ったのですが、患者さんは「杉山先生じゃないと子どもが嫌がる」と言うんです。クリニックで診察した方であれば思い出せるはずなのに、誰だかわからない。不思議に思いながら実際にお会いしてみると、私が乳児歯科健診を担当した親子だったようなんです。その時は、私も自己紹介をするわけではありませんでした。お話を伺うと、他のクリニックではお子さんが嫌がってしまうのですが、私の診察だと大丈夫だったみたいで。それで「あの先生は誰なんだろう」、といろいろ調べて当院を探し出してくれたようなんです。電話をいただいたときは「何か失敗したかな?」と内心ドキドキだったのですが、意外な形で喜んでもらえたのは驚きでした。

今後の展望についてお聞かせください。

【杉山院長】患者さんが喜んでくださる入れ歯には引き続き力を入れていきたいですね。入れ歯は食べたり、使ったりすることで動いていくもの。機能が回復するまで調整をしながら、患者さんの使いやすさにこだわっていきたいです。また、今はどちらかというと虫歯や歯周病といった病名に対して治療しているのですが、それを食べたり話したりといった「機能」に対して何かできないか、と考えています。専門用語を使うと、口腔機能発達不全症という分野です。高齢の方では噛んだり飲み込んだりという機能が衰えることで、子どもの場合は歯並びが悪かったり発音がうまくできなかったりすることで別の病気や障害が引き起こされるおそれも指摘されています。歯科治療の目的を大きく捉えれば、やはり生きるため。そう考えると食べる・噛むという視点だけでなく、話す・飲み込むといったより広い機能についても勉強する必要があると思っています。

それでは最後に読者へのメッセージをお願いします。

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【杉山院長】この地域で長く診療を続けているクリニックですが、父の代から「全力で治療にあたる」ということは変えていません。患者さんからすると簡単に治療しているように見えますが、実は毎回ものすごく集中しています。ただ、患者さんにはそれをわからせないように自然に振る舞っているつもりです。反対に、大きく変えたこともあります。父は患者さんに対しても厳しかったのですが、今は患者さんそれぞれに合わせた治療を提案することが必要だと思っています。これからもクリニックとして大事な「幹」は変えることなく、患者さんに喜んでもらえるような取り組みを行っていきたいですね。

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