大矢 和光 院長の独自取材記事
テレコムセンタービルクリニック
(江東区/テレコムセンター駅)
最終更新日:2025/03/12

江東区のお台場エリアにある「テレコムセンタービルクリニック」は、ゆりかもめ線テレコムセンター駅に隣接するビルの3階にある。臨海副都心としてビジネス街を形成するエリアであるため、同院の患者は会社員が多い。ビジネス街にあることから同院では健康診断や人間ドックに力を入れ、周辺の企業・団体に勤める人が多く受診する。大矢和光院長は「診療の基本は患者との対話」だと話し、どのような些細なことでも患者の話に耳を傾け、応えている。勤務医時代は消化器外科を中心にさまざまな診療経験を積んだという大矢院長に、開院の経緯やクリニックの特徴、診療にかける思いなどを聞いた。
(取材日2025年2月6日)
高校時代に聞いた医師の話がきっかけで医療の世界へ
どのようなきっかけで医師をめざしたのでしょうか?

私の実家は小さな小売店でした。子どもの頃から医師になりたかったわけではありません。もともと理系科目が得意だったので、それを生かした仕事をしたいなという思いはありました。高校時代、知り合いの医師から医療の世界の話を聞き、魅力を感じるようになったのです。そしていつしか医師の道に進もうと思い始めました。高校卒業後は、千葉県の大学の医学部に進学しました。東京都内の実家から通学していたのですが、当時は快速電車がなくて各駅停車の電車のみ。片道だけで2時間半くらいかかりました。学業も忙しい上、親へあまり経済的負担をかけられないので、学業以外はアルバイトの日々。遊ぶ時間もありませんでしたね。
大学時代に何か印象に残ったことがあれば、教えてください。
忙しかった大学時代の思い出は、夏休みに行った山梨県山中湖村にある大学が保有する学生寮。夏季の間、臨時診療所が開かれて大学病院の先生や先輩方が滞在し、地元の方や観光客の診療をしていました。なぜか私が学生寮の委員に選出されて、夏休みに山中湖まで行くことに。休息に行くわけではなく、先生や先輩の助っ人として補助の業務をこなしました。湖でおぼれた方が運ばれてきて、一生懸命対応したのを覚えています。実際の医療の現場というのは、大学で聞いていたのとはまったく違う世界だったという印象でしたね。とても忙しかったのですが、大学では経験できない医療の生の現場を体験できたのは非常に貴重な時間となりました。その後の医療の仕事に大いに役立っています。ちなみに無料で朝昼晩の3食が食べられ、お風呂・寝床が確保されていました。お金のない大学時代だったのでうれしかったですね。
卒業後はどのような進路だったのでしょうか?

卒業時、先輩から「うちの病院に来いよ」と誘われたんです。その病院は消化器外科だったのですが、ちょうど私も消化器系の疾患や治療に興味がありました。お金もなかったし、興味のあるところで働かせていただけるのはありがたいと思い、そこで働くことになりました。7年ほどそちらで働きましたが、大学病院と違って新人時代からさまざまな経験をさせてもらえたのが良かったです。普通は若いうちは修行期間と見なされて、できることは制限されますから。働いていた病院は先輩が経営していたので、先輩の裁量でいろいろなことを任されました。勤務から3年くらいで、消化器の手術は一通り経験できましたね。その代わり、非常に厳しかったです。その分、たいへん勉強になりました。
他の病院での経験はありますか?
先輩の病院に勤め始めて7年目の時「次のステップとして、この病院ではできないような難しい手術が経験したい」と思うようになりました。おなかの中の手術は全部できるようになりたいと熱意を抱いていたんです。そう考えていたある時、大学病院の方からお誘いがありました。そこがなかなか経験できないような手術をしている病院だったので、その消化器外科へ移ることになりました。この大学病院では膵臓や肝臓の手術をしていたのです。日本では膵臓や肝臓の専門家は少ないので、チャンスだなと。実際に挑戦してみて難しいものでしたが、大きな経験になりました。大学病院での勤務で良かったことは、他の診療科の先生と交流が図れたこと。その交流の中から他の診療科への手伝いのお願いがあるなど、新たな経験も積めました。例えば婦人科の先生たちと一緒に、婦人科がんの手術のお手伝いもしましたね。ここでは約19年働かせていただきました。
知人の医師に代わり医院を引き継ぐ
テレコムセンタービルクリニックの開院の経緯を教えてください。

きっかけは知り合いの薬剤師からの相談でした。お台場のテレコムセンタービルにクリニックができ、そこでその方も薬局を開くと。でもクリニックを開く医師がいないとのことでした。私は独立するつもりはなかったので、他の大学病院の医師を紹介し、その方が開院することになったんです。それで私は手伝いとして、週1回程度のアルバイトのような形態でお手伝いしていました。ただ院長先生が体調を崩されて、私が代わりに院長をすることになったんです。大学病院では学術発表などやりたいことはまだあったのですが、自分がテレコムセンタービルクリニックを引き継ぐのが一番自然だと思ったので、一念発起しましたね。
クリニックのある地域はどのようなところですか?
江東区のいわゆるお台場と呼ばれるエリアですね。臨海副都心として開発された場所で、大きなビルがたくさん立ち並んでいます。ですから当院の患者さんは、お台場で働かれている方が多いですね。通勤・退勤時や勤務中に調子が悪くなった方とか、花粉症がひどくなった方などにも対応しています。年齢層は幅広くて、20代から上は70代後半くらいまでいらっしゃいますね。
健康診断や人間ドック、保健指導に力を入れていると聞きました。

先ほど話したように、クリニックの周辺はビジネス街で、企業などが多い場所。だから健康診断や人間ドックの需要があるのです。診療時間のうち午前中はほとんど健康診断・人間ドックといった状況。心がけているのは、検診スピードです。私は「患者のメリットを第一に考える」「最低の費用でより良い効果」をモットーにしています。皆さん働かれていて忙しいので、患者さんのことを考えると早く終わったほうが助かりますよね。30分から1時間くらいで終わるように気をつけています。もちろんクオリティーを変えずに。ちなみに一般診療では、高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの相談が多いです。
診療の基本は、患者としっかり対話すること
診療時に大切にしていることを教えてください。

患者さんとしっかりと対話することです。私は診療の基本は、患者さんと話をすることだと考えています。患者さんといっぱいおしゃべりをしながら、相手の望んでいることを少しずつ聞き出すのです。そして、それに合った回答を用意してあげます。機械的に「こういった症状だから、この薬出しましょう」「こういうところに注意しましょう」だけでは、患者さんも不安は払拭されません。例えば商売だと、お客さんの要望を聞いて、それに合った商品を提案し、良いところや悪いところを話します。その上で納得していただけるから、買ってもらえるわけですよね。診療も同じことです。話を聞いて、要望を聞き出すことをしなかったら、患者さんの納得は得られません。幸いなことに、私の実家は小売店。幼い頃から親とお客さんのやりとりを見ていたので、会話力は自然と培われましたね。
プライベートではどのように過ごしてリラックスされますか。
お酒が好きなので、お酒とおいしいおつまみを友人と一緒に楽しみます。かつてはいろいろなお店に繰り出していましたが、近年は自宅に友人を招いて飲むことが多いかな。日本酒が好きですが、相手の好みに合わせてワインなど何でも飲みますね。おつまみは私や妻が料理してお出しすることもあれば、お店で買ってくることもあります。他の楽しみはパソコンですね。学生時代から好きで、自分でプログラミングもします。実は、クリニックのソフトウェアは私がプログラミングしました。医療の知識がある者が、診療の実状に合ったソフトを作っているので、使い勝手の良いものに仕上がっています。趣味を超えて、もはや本業ですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

ビジネス街にあるクリニックですので、患者さんの入れ替わりは激しいです。その中で私を頼ってくださって、長く通っていただいている患者さんもいて、うれしい限りですね。繰り返しになりますが、私は患者さんとの対話を重視しています。心配なこと、困ったこと、何でもお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/4万2900円〜