安藤 達也 院長の独自取材記事
安藤内科医院
(江戸川区/葛西駅)
最終更新日:2025/06/09

1977年に開院してから、「目配り、気配り、思いやり」を理念に長年地域のホームドクターとして近隣住民の健康を守ってきた「安藤内科医院」。現在は2代目院長である安藤達也先生が胃潰瘍や下痢、便秘などの消化器疾患を中心に、生活習慣病の治療・管理を含む内科全般に幅広く対応している。2022年の夏には利便性をさらに高めるために、院内を一新。また同年10月からは葛西ホームケアクリニックの香山虎哲先生の協力のもと、月2回の整形外科の外来も開始した。「新しい治療法や医療機器を取り入れながら、先代院長である父のように地域医療を守っていきたいです」と語る安藤院長に、同院の特徴や今後の展望などの話を聞いた。
(取材日2025年2月28日)
50年近く、地域に寄り添い続けているホームドクター
開院から50年近く、医院継承から20年近くたつそうですね。

先代院長である父が開院したのは1977年で、葛西駅ができたばかりの頃だそうです。私が来たのは病院で研鑽を積んだ後の2006年。そして2008年に院長を継承したのです。父の代から今も通ってくださっている方や、親・子・孫と家族3代で通ってくださっているご家族がいて、世代を超えて来てくださることをうれしく思っています。他にもこの辺りにお勤めの方や葛西周辺にお住まいの外国の方など、さまざまな患者さんが来院されますね。そんな当院は2022年にリニューアルしました。足の悪い方や車いすの方でも来院しやすいようにバリアフリー設計に。さらにコロナ禍の経験から、発熱患者専用の入り口と診察室を設けました。ちなみに診察室は4室あるため、複数の診療を同時に行えたり、医師が診療室を移動することで患者さんの移動が少なく済んだり、効率的な診療ができるんですよ。
診療の特徴をお聞かせください。
勤めていた病院は医療過疎地域にあったため、専門の医師が不在であることが多々ありました。私の専門は消化器内科ですが、糖尿病や脳梗塞、白血病など多様な症例を診てきた経験があります。現在はその時の経験を生かしながら、消化器疾患を中心に糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病の治療・管理など内科全般を幅広く診療しています。特に糖尿病の治療と管理には力を入れていて、インスリン注射の導入や生活習慣の指導を実施。毎週水曜日には管理栄養士さんに来ていただき、糖尿病や肥満の方、腎臓が悪い方などの食事指導をお願いしています。また足や腰の悪い患者さんも多いことから、2022年から近隣で訪問診療を行っている整形外科を専門とする香山先生に、月に2回外来を担当していただいています。今後もこれまでの経験を、患者さんに良いかたちで還元できればと思っています。
生活習慣病に対する管理栄養士さんによる指導は心強いですね。

一般的に、40歳からの特定健診で問題のある場合は管理栄養士さんからの指導を受ける流れがありますが、未指導や健診未受診の方もいらっしゃり、そういう方も当院でフォローできればと思っております。例えば血糖値が高ければ、カロリー制限の必要性を管理栄養士さんに伝え、患者さんには数日分の食事内容のメモを持参してご受講いただきます。ご家族にも来てもらい、理想とする食事内容を具体的にアドバイス。その後は採血や体重の減り具合などを診ながら経過観察していきます。江戸川区でもコロナ禍の健診受診率が下がりました。また通院頻度が開いてしまったり、インターネットなどで不確かな情報にふれたりして、不利益を被るという方も少なくありません。生活習慣病の管理では患者さんとご家族が正しい知識を身につけることが重要ですので、できる限りの情報発信をしていきたいですね。
ニーズに応えるべく消化器内科から整形外科まで幅広く
早期発見・治療の重要性の啓発にも尽力しているとか。

先ほどお話ししたとおり、コロナ禍の影響からしばらく健診を受けていない、久しぶりに健診を受けたら重症化した病気が見つかるというケースが少なくありません。そのことから前よりも力を入れて、検査と早期発見・治療の重要性を伝えるようになりました。当院では各種健康診断や健診後の二次検査に対応しています。また50歳以上の患者さんには、リスクが低そうでも1~2年に1度は胃の内視鏡検査を、2~3年に1度は大腸の内視鏡検査を受けていただくようにご案内。病気を早期発見できれば、おなかを切らずに内視鏡だけで処置を終わらせることも望めます。「もう少し早く検査をしていれば……」と後悔しないために、ぜひ時間をつくって検査を受けに来てください。
こちらでは内視鏡検査も受けられるのですね。
ええ。2種類の光を照射し、がん細胞に栄養を与える異常な血管を見つけやすくする内視鏡を導入し、早期の病変を発見しやすい体制を整えています。特に、食道や咽喉頭部の早期がんの発見率向上が期待できます。異常所見が見つかった場合は、同時に細胞の検査や治療も行えます。ですから早期発見から治療、経過観察まで、さらに専門の医療機関で手術を受けた患者さんの術後フォローも当院で担えるようになりました。ちなみに胃の検査に用いる経鼻内視鏡は、経口内視鏡に比べて咽頭反射が少なく、「バリウムを飲むより楽だから」と定期的に経鼻内視鏡検査を受ける方も多いですね。咽頭反射に不安を感じるなどの要望がある場合は、苦痛を軽減するために静脈麻酔を用いて検査を行うことも可能ですので、気軽にご相談ください。
整形外科診療についても詳しく教えてください。

近隣の整形外科医院が立て続けに閉院した経緯があり、当院の患者さんから「整形外科の受診先に困っている」というお話をお聞きしました。少し離れた場所ならあるものの、足や腰の悪い方にとって遠くに通院する負担は大きいでしょう。力になりたいと考えていたところ、大学の同期である整形外科を専門とする香山虎哲先生が、近隣で訪問診療所を開院されたのです。そこで往診の空き時間を利用して、整形外科の外来を行ってほしいとお願いしました。現在は月2回、第2・4金曜日の午後に予約制で香山先生に整形外科を診てもらっています。関節の不調や痛みがある方の診療はもちろん、通院が困難な方への往診対応や相談も受けています。
医療連携により住み慣れた地域での健康な暮らしを支援
診療で心がけていらっしゃることはありますか。

患者さんのお話をしっかり聞くことです。特に病気の原因がストレスだと思われる場合、症状だけでなく「最近職場で変わったことは?」「おうちで困っていることは?」など、患者さんの生活背景についてもお聞きするようにしています。また、患者さんの様子をしっかり見ることも心がけています。診察室に入ってくる時の歩き方や仕草などが、診断のヒントになることがありますからね。腹部の触診で子宮筋腫や悪性腫瘍が見つかることもあるので、見て・聞いて・触ってと、五感を働かせた丁寧な診察を心がけています。
看護師さんの勉強会も開かれているそうですね。
実務に関するミーティングと、新薬などの情報を確認するためのミーティングを、月に1度ずつスタッフ全員で行っています。私が院長に就任してからいろいろと検査や業務を増やしたことから、医師だけでの対処が難しくなったのです。より丁寧に効率良く診察するためにも、医師・看護師・事務のチームで診療にあたることがベストだと考え体制を整えました。チームで対応することで、患者さん一人ずつに時間をかけられるように、また診察室では聞き出せなかった情報をスタッフが検査室や待合室で聞き取り、診察の際にフィードバックできるようにもなりましたね。このように家族背景や介護の必要性などを詳しく適切に確認し、患者さんが本当に必要としているサービスにつなげています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

周辺の病院や医院と連携して、患者さんが住み慣れた地域で治療を完結できるように努めています。「あそこに行けばどうにかなる」という信頼が地域のホームドクターとしての一つの評価だと思っており、その目安でもある他院からの紹介を多く受けていることを光栄に思っています。ちなみに患者さんがお引越しなどで受診する医院が変わる際には、治療を継続しやすいように、これまでの病歴や服薬内容などを伝える紹介状を用意させていただきますのでご安心ください。この地域に住んでいる間はもちろん、この地域を離れるときも、真っ先に思い出してもらえる存在であれたら幸いです。
自由診療費用の目安
自由診療とは日帰り人間ドック/4万円~