眼瞼下垂や涙道手術に強み
豊富な経験を生かした専門性の高い技術
中村眼科
(葛飾区/新小岩駅)
最終更新日:2024/07/12


- 保険診療
慶應義塾大学病院で専任講師として多くの手術を経験し、多数の医師を指導してきた中村裕先生。その中村先生が院長を務めるのが「中村眼科」である。中村先生は手術を得意とし、幅広い症例に対応。最近は、眼瞼下垂などのまぶたのトラブルで来院する患者が増えているという。手術設備も充実しており、手術用のレーザーや顕微鏡、網膜の断面を見ることができる検査機器も備える。40年以上のキャリアがあっても、さらなる成長を追い求めるというストイックさが、高い技術レベルのゆえんなのだろう。そんな中村先生に、特に自信があるという涙道と眼瞼下垂の手術について詳しく聞いた。
(取材日2024年6月21日)
目次
大学病院で培った専門性の高い技術をクリニックならではの治療に適用。見た目と機能性を重視した手術を行う
- Qクリニックで対応する手術の概略と特徴について教えてください。
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A
▲豊富な経験と技術で地域を支える診療をする中村院長
当院には手術室があるので、基本的に局所麻酔で行える手術はほとんどに対応します。私は40歳過ぎまで、慶應義塾大学病院で専任講師としてさまざまな手術を行ってきました。全身麻酔による開頭手術や、がんで患部を切除した後の顔の再建手術なども経験しています。しかし、当院では全身麻酔を使用できないので、局所麻酔で対応できる手術に限られます。最も多いのは、白内障の手術です。また、下がってきたまぶたを上げるための眼瞼下垂手術といった小手術も行います。命に関わる例を除いて、手術を受けるかどうかは、患者さんが判断すること。選択肢として、手術をした場合、目薬の場合、放置した場合の3つをできるだけ示すようにしています。
- Q涙道手術とは具体的にどのようなものですか?
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A
▲同院では幅広い手術に対応が可能
目の表面は、無意識に分泌される涙で常に覆われています。分泌された涙は涙点という、目の内側上下に1つずつある小さな穴から吸収され鼻の奥に排出されますが、この排出の経路が涙道です。この涙道の通りが悪いと、涙があふれてきたり、目やにが多くなったりします。涙道の狭窄には、大きく分けて先天性と後天性の2種類があります。先天性の場合は、乳児期にわかることも少なくありません。乳児の場合は、シャープペンの芯よりも細い針金を通す手術が必要です。他方、後天性の場合は、針金を通すだけでは再び閉塞する可能性があるので、シリコーン製のチューブを留置して、再閉塞しないようにします。どちらの手術も経験と技術が必要です。
- Q眼瞼下垂症手術も得意とされていると伺いました。
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A
▲少しでも目に違和感を感じたら検査、相談へ
眼瞼下垂症はまぶたが下がり、視野が狭くなる病態です。眼瞼下垂症手術で気をつけなければいけないのは、まぶたを上げすぎないことです。まぶたを上げすぎると、目を瞑ることができず、眠っていても目が開いてしまいます。そうすると、乾燥によって角膜に傷がつき、最悪の場合は失明する恐れもあるのです。私は患者さんの希望をお聞きした上で、許容範囲を見極めることを大事にしています。いくら患者さんが希望したとしても、目の健康に悪影響を及ぼす手術は行えません。また、上げすぎたまぶたを下げるのは非常に困難です。一時的には下がったとしても、また手術が必要になります。まぶただけでなく、目を意識した治療が大切なのです。
- Qまぶたの治療でお悩みの方も多くいらっしゃるそうですね。
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A
▲白内障や眼瞼下垂だけでなく日常の目に関する悩みも幅広く診療
まぶたにできたできものの除去で来院する方も少なくありません。他院にかかっていたけれど、手術はできないと言われたという患者さんもいらっしゃいます。まぶたの手術は、見た目への影響が大きいため、医師へのプレッシャーも相当なものです。リスク回避のために、まぶたの手術は行わないと決めている医師も多いでしょう。私もプレッシャーを感じないわけではないですが、困って訪ねてきた患者さんを、どうにか助けたいという想いで受け入れています。大学病院では、最後の砦として来院する患者さんばかりでしたので、手術をやりましょうとしか言えませんでした。そうした経験で磨いた技術が、当院で生かせていると思います。
- Q先生はもともと手先が器用だったのでしょうか?
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A
▲患者に寄り添った診療を心がけている
不器用ではないと思います。ただ、私が手術に自信を持っている理由は、これまで経験してきた回数と、懲りることを知っているからです。どんなに多く手術を経験してきても、執刀した手術を振り返り、頭の中で反すうすることが大切です。私の場合はサウナで考えることが多いですね。手を動かしての練習はもちろんですが、頭で何度も考えて、悩み抜くことをせずに100点は取れません。どれだけ難しい手術であっても、患者さんにはなかなか伝わらないものですが、うまくいったときには充実感があります。大学病院とはまた違った、クリニックならではのロマンです。