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小嶋 範行 理事長の独自取材記事

亀有みんなのクリニック

(葛飾区/亀有駅)

最終更新日:2024/01/12

小嶋範行理事長 亀有みんなのクリニック main

葛飾区亀有2丁目の住宅街にある「亀有みんなのクリニック」。内科をメインに整形外科や皮膚科も診る総合診療を軸に、乳腺・内分泌の分野にも対応。糖尿病専門の外来や発熱者専用の外来なども設け、診療内容は幅広い。健康診断にも力を入れ、エックス線や心電図の他、CT、エコー、MRI、胃・大腸内視鏡など、院内でさまざまな検査を受けることが可能だ。病気やケガの最初の窓口として、また頼れるかかりつけ医として、子どもから高齢者まで多くの患者が訪れる。理事長の小嶋範行先生は、大学病院や大規模病院で消化器外科を専門に実績を積み、開業後は地域に根差した医療に力を注いできた。開業時の夢だった「外来だけで総合診療を行えるクリニック」を実現しつつある小嶋先生に、同院の特徴や今後の展望について聞いた。

(取材日2023年12月12日)

幅広い症状に対応する、地域住民の医療の窓口

先生はどのような経緯でこちらを開業されたのですか?

小嶋範行理事長 亀有みんなのクリニック1

鹿児島大学を卒業後、「早く一人前になりたい」との思いから三井記念病院の外科で6年間学び、その後は帝京大学医学部附属病院の高度救命救急センターで経験を積んだ後、千葉徳洲会病院の外科部長を務めてきました。一般の市中病院にもいましたが、いずれは開業したいという思いがずっとありましたね。1995年に、茨城県の藤代で「病院の院長が心筋梗塞で倒れて困っている。後継者が見つからない」という話があり、私が引き受けることになったんです。365日病院に泊まり込みで、本当に一生懸命やりました。その後、2001年にもともと地元の総合病院だった場所を「亀有中央病院」として開業することになります。少し狭かったので、2008年に近くに病院を新築移転して、もともとの病院があった場所をクリニックとして再スタートさせました。それが「亀有みんなのクリニック」です。

クリニックの診療内容や体制について教えてください。

小嶋範行理事長 亀有みんなのクリニック2

総合診療部門では、内科をメインに整形外科や皮膚科も診ています。症状を見極めて適切な医療へつなげていく、患者さんにとって最初の窓口です。杉原祥子院長は日本内科学会総合内科専門医であり日本糖尿病学会糖尿病専門医。また小嶋幸一郎先生は私の息子で、専門は私と同じ消化器外科。胃や大腸の内視鏡検査、排便障害など、おなかの悩みに広く対応しています。その他、東京女子医科大学で長く乳腺・内分泌外科の診療にあたってきた先生、日本医科大学をはじめ整形外科の診療経験が豊富な先生など、それぞれの専門知識を持ち寄りながら、何でも相談できるクリニックとして地域の皆さんの健康を支えています。CTもMRIも撮れますし、エコーや胃・大腸の内視鏡といった検査をスムーズに行えるのも特徴。開業時に抱いていた夢は、当院を「外来だけで総合診療を行えるクリニック」にすることでした。現在の体制はそれに近づいているのではないかと思います。

入院も可能なのですよね。

当院は、総合病院だった建物をそのまま生かした19床の有床診療所です。骨折による安静目的の入院などの他、糖尿病の患者さんが病気について知るきっかけとなるよう糖尿病の教育入院にも対応しています。また、マッサージ室も備えており、そこでは入院されている方も外来の方もどなたでも利用可能です。マッサージに加えて牽引や電気治療も行っており、交通事故で首を痛めた方がリハビリテーションとして利用されたり、整形外科疾患の痛みの緩和のために利用していただくこともできます。地域に根差したクリニックですから、顔見知りに会うことを楽しみに来られる患者さんも。それもまた生きがいの一つになるでしょうし、患者さんの楽しそうな笑顔を見られるのはうれしいことですね。

聞く姿勢を大切に、病気の予防や早期発見に注力

現在、特に力を入れていたり、患者さんから求められている診療はありますか?

小嶋範行理事長 亀有みんなのクリニック3

力を入れているのは健康診断や各種検診、またその先にある病気の早期発見です。がんや糖尿病でも初期段階では自覚症状がないものも多く、健康診断をきっかけに異常が見つかるケースがとても多いのです。もし疑わしい症状がある場合には、当院内でエックス線や心電図、CT、エコー、MRI、胃・大腸内視鏡、脈波検査など、さまざまな検査が可能です。糖尿病専門の外来では、糖尿病専門医である杉原院長や、糖尿病に精通した看護師が、食事や運動のアドバイスをいたします。その他に患者さんからのニーズでいうと、発熱者専用の外来の患者さんはここ数年で大きく増えましたね。当院では一般診療とは診察室を分けて、新型コロナウイルスやインフルエンザの検査・予防接種に対応しています。

これまでに印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。

帝京大学医学部附属病院の高度救命救急センターにいるときのことです。17歳くらいの調理師学校に通っている男の子がけんかで心臓を刺されて運び込まれてきました。最初は意識があったのですが、ベッドに運んだときにはショック状態で。すぐベッドで開胸手術をしました。その患者さんのことは一生忘れられないですね。高度救命救急センターに運ばれてくる患者さんは、一刻を争う状態の方も多いですから、少しでも手術が遅れたら命を失うことになりかねません。ここでの経験がとても印象に残っています。

日々の診療で大切にしていること、心がけていることは何でしょうか?

小嶋範行理事長 亀有みんなのクリニック4

私は、もともと話すのがあまり得意ではなく、患者さんの話や訴えをよく聞くほうが得意。普段から心がけているのは、患者さんの話にしっかり耳を傾けることです。話を聞くことで、いろんな症状が見えてくる。この仕事をずっとやってきて、この「聞く姿勢」が医師に向いている部分なのではないかと思っています。特別な難しい診療はしていませんが、患者さんの話をしっかり聞いて、一生懸命に治療する。それだけですね。ともに働く医師やスタッフにもいつも感謝していますよ。皆で一緒に当院を支えているのですから。

これからの超高齢社会でも、さらに求められる医療を

超高齢社会に向かい増えている認知症について、先生はどのようにお考えでしょうか?

小嶋範行理事長 亀有みんなのクリニック5

日本だけではなく世界的に高齢者が増えており、認知症が社会的な問題になっています。認知症は加齢と関係が深いので、ある面では避けらない病気です。新たな薬も開発されていますが、根本的に治すことが望める薬はまだありません。団塊の世代が75歳に達する2025年問題、その頃までは、ずっと高齢者が増えていきます。現在、日本全体で認知症の対策を検討しており、医師会でも認知症対策委員会を立ち上げています。まずは、認知症で困っている方の相談に乗るということが重要です。完全に防ぐための方法はありませんが、早く診断をして、防げるものは防ぐことをめざす。そして、できるだけ慣れた環境の中で、家族とともに、慣れた医師、慣れた地域で生活してもらうことが必要だと考えています。

がんの予防についても、考えをお聞かせいただけますか?

がん細胞になるのは加齢・老化と関係があるので、長生きすることでがんも増えていくわけです。だからこそ、早く見つけることが一番。症状が出てから見つかるのでは遅いので、やはり定期的にがん検診を受けることが大切です。当院には、地域の高齢の方がたくさん訪れています。患者さんが、だんだんと元気がなくなってくると心配ですね。いつも元気だった方が亡くなるのはとても寂しいので、きちんと検査を受けてほしいですね。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

小嶋範行理事長 亀有みんなのクリニック6

専門的な視点で糖尿病の予防・治療ができる杉原院長をはじめ、私の長男の幸一郎先生は消化器外科、次男は診療放射線技師。私が立ち上げた当院が、20年以上たった今、若く頼もしい力に支えられています。これからますます超高齢社会となっていきますが、息子たちは患者さんからの声をもとに、医療の枠にとらわれず高齢者の脱毛やスキンケアなど「現代の高齢者に求められるもの」を真剣に考えているようです。私はもうすぐ76歳になりますが、働けるうちは自分の能力を存分に生かしていきたいと思います。今後も力を合わせて、地域のお役に立てるクリニックにしていきたいですね。

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