山本 拓 院長、山本 麻美 副院長の独自取材記事
すずしろ歯科
(練馬区/練馬駅)
最終更新日:2024/09/24

千川通り沿いにある「すずしろ歯科」は、2009年の開院以来、地域住民から親しまれる歯科医院。山本拓院長、山本麻美副院長は「患者さんの期待に応えたいと頑張っていたら、あっという間の15年でした」と笑う。患者の多様な要望を実現するため、幅広い診療内容に対応する同院。中でも力を入れているのは、MTM(メディカルトリートメントモデル)を柱にした予防歯科だ。2021年には、全ユニットにマイクロスコープを備え、精度にこだわった予防・メンテナンスを提供する「はなれ」を増築。拓院長は「すべての分野で専門性を高めるのが今後の目標」と話し、麻美先生は「常に成長し続け、新たな知識や技術を提供していきたいですね」と意気込む。地域住民の歯の健康を守る2人に、同院の歯科医療について話を聞いた。
(取材日2024年7月2日)
幅広いニーズに対応。予防も重視した歯科診療
診療の特色や得意分野などを教えてください。

【拓院長】幅広い年代の方々の多様なご要望に応え、虫歯・歯周病の治療から入れ歯治療、インプラント治療まで、どの分野も満遍なく知識・技術を磨いています。2015年にはクリニックを増築してユニットが8台となり、2021年にはさらに「はなれ」を増築し計13台になりました。以降、多くの患者さんにご来院いただき感謝しています。また、私は日本大学医学部附属板橋病院の歯科口腔外科に勤務し、持病のある方や重症患者さんの治療に携わってきた中で、予防の大切さを痛感しました。当院では治療や外科的な処置はもちろん、予防・メンテナンスの大切さも患者さんにお伝えしています。
【麻美先生】予防・メンテナンスで重要な役割を担う歯科衛生士の教育にも力を入れていて、定期的なミーティングや講習会も行っています。そして患者さんお一人お一人を理解した上で、寄り添った指導・診療ができるよう、基本的に担当制を採用しています。
「はなれ」では、どのような診療を行っているのですか?
【麻美先生】「はなれ」では、主に予防やメンテナンスを行っています。大きな特徴は、全ユニットにマイクロスコープを備え、歯科衛生士全員がマイクロスコープを使って精密なメンテナンスを行うという点です。患者さんにできる限りリラックスして過ごしていただけるようスペースを広く取り、各ユニットには「はな」「うみ」「ほし」などの自然に関する親しみやすい名称をつけています。待合室の隣に診察室があるクリニックが多いと思いますが、ここは1階が待合室で2階が診察スペースと、フロアを完全に分けているので、よりくつろいだ気持ちでお待ちいただけます。
こちらで行うメンテナンス、予防の特徴を教えてください。

【拓院長】新たな予防の概念を定着させたいと考え、MTMを導入して患者さんに提唱しています。MTMでは口腔内写真、18枚のエックス線写真、歯周検査、生活習慣の問診、唾液検査を行うことで、今後1年の間にう蝕が何%ぐらい予防できるかといったことが科学的に予測できます。それによってパーソナライズされた予防の提案が可能になります。国際規格に則った検査診断で、患者さん一人ひとりに合った予防が望めるのです。また、当院では小児のメンテナンスにも力を入れ、例えば鼻呼吸できるように促す、唾の飲み込み方を改善に導くなどして、大きなトラブルの回避をめざしています。これまでの歯科治療は「早期発見・早期治療」が基本でしたが、これからは「早期発見・長期予防」が主流になると考えています。そして長期予防をしっかりお手伝いできれば、本当の意味で、皆さんのかかりつけ医になれるのではないかと思っています。
マイクロスコープを活用し、予防・治療の精度を追究
治療に拡大鏡やマイクロスコープを用いるメリットを教えてください。

【拓院長】拡大鏡は肉眼の5~10倍ほどに拡大でき、治療箇所を見やすくしてくれます。一方、マイクロスコープは肉眼の20倍に拡大して見ることができ、虫歯を削る時に本当に悪い部分だけを削ることが見込め、隙間のない詰め物・かぶせ物の装着につながるなど、精度や予知性にこだわった処置に導けます。
【麻美先生】マイクロスコープを使えば歯のわずかな傷や亀裂の確認につなげられます。原因のわからなかった痛みや症状に気づくことも見込め、早い段階から適切な治療を進められ、重症化するリスクの低減も期待できるのです。
お二人が診療で心がけていることは何でしょう。
【拓院長】患者さんはもちろん、スタッフ同士もお互いを自分たちの家族のように考え、親身に接することを大切にしています。そしてかかりつけ医として、いつまでも皆さんのお口の健康に携わることができればうれしいです。患者さんのご要望はさまざまですが、「これは当院ではできません」とお断りすることがないよう、どの分野でも専門性を磨くべく勉強を続けています。
【麻美先生】治療の際には、患者さんに映像を使って情報を共有するようにしています。それによって治療の必要性を理解していただけますし、予防においても継続するモチベーションが高まるでしょう。歯科衛生士によるブラッシング指導の様子なども動画で確認いただけるので、自宅でのケアに役立つと思いますよ。
子育て世代に向けたアドバイスはありますか?

【麻美先生】子育て中はお子さん優先になり、ご自分の歯の治療やメンテナンスは後回しになりがち。特にお母さん方は妊娠中や出産後はホルモンバランスが変化して虫歯や歯周病になりやすい状態が続きますので、口腔内環境の急激な悪化が懸念されます。お母さん方の口腔環境が悪いままでは、お子さんの口腔環境を整えるのも難しいですから、子育て中も定期的にメンテナンスを続けていただきたいです。
【拓院長】親子で来院されて、親御さんが治療やメンテナンスを受ける様子をお子さんに見せることは、歯科医院に慣れてもらう第一歩になります。当院は完全バリアフリーのためベビーカーのまま診療室まで入れますし、お子さんの治療中も診療室内で応援していただけます。多少走り回ってもスタッフが上手に対応しますから、どうぞ安心して受診してください。
変化する地域のニーズに応え、今後も成長を続ける
「はなれ」ができたことで、どのような変化がありましたか?

【拓院長】また、全ユニットにマイクロスコープを設置したことで、これまで以上に精度にこだわった予防医療を提供できるようになりました。患者さんにも「はなれ」の名称と目的が認知されてきましたね。また、スタッフの働きやすさも向上したと思います。スタッフ同士で連携を取り、希望どおりにシフトを組んだり、難しいときは互いにフォローしたりできる体制が確立できています。メンテナンスを担当する歯科衛生士は、マイクロスコープを使ったメンテナンスの動画をプレゼンテーションし、月に1度のディスカッションを重ねて技術向上に努めていますし、セミナーや勉強会で学び、日々研鑽を積んで患者さんに還元してくれています。今後は歯科衛生士の担当制も定着させていきたいですね。
こちらでは患者さんに向けたセミナーも開催されているそうですね。
【麻美先生】「はなれ」の1階を利用して、患者さん向けの歯科衛生士によるセミナーを開催しています。今、力を入れているのは妊婦さんから未就学児のお子さんがいるご家族向けの「口育」です。妊婦さんからお子さんが未就学児の時期は実は歯科的にすごく重要なので、この時期の習癖の対処法や授乳・離乳食のことなどをアドバイスさせていただいています。
【拓院長】口育セミナーでは「口腔機能」をしっかり育てるためのヒントをお伝えしています。栄養管理師がセミナーに参加してくれるようになり、栄養や食育、お勧めレシピなど、より充実した内容をお届けできるようになりました。今後は離乳食セミナーや摂食嚥下セミナーなども企画しています。
最後に今後の目標をお聞かせください。

【拓院長】地域の皆さんのおかげで開設から15年を迎えることができました。地域の方々が自宅の近くで希望の治療ができて、信頼していただける歯科医院でありたいと思います。通院されていた高齢の患者さん向けに訪問診療を行っているほか、最近はトリートメントコーディネーター制を導入し、より詳しい歯科治療の情報を患者さんにお届けできるようになりました。これからも常に成長を続け、変化する地域のニーズに応えていきたいと思っています。今後も感謝の心を忘れず、患者さんを家族と思い、スタッフと協力して地域にさらに貢献できるよう成長したいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/27万5000円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。