中村 久基 院長の独自取材記事
白山レディースクリニック
(文京区/白山駅)
最終更新日:2026/06/10
働く女性が増えた昨今、生理痛やPMS(月経前症候群)、更年期障害などに悩み、仕事を続ける上での障壁になっている人も少なくないのではないだろうか。特に働く女性が多い文京区において、2012年の開業当初から女性のあらゆる悩みに寄り添ってきたのは「白山レディースクリニック」だ。都営三田線・白山駅から徒歩1分のビルに位置し、幅広い年齢層の女性のさまざまな症状や悩みに対応している。「誠実な医療であること」をモットーに、一人ひとりに向き合う中村久基院長に、同院の特徴や患者層の変化、更年期障害のホルモン療法や不妊治療のこと、今後の展望など、たっぷり語ってもらった。
(取材日2026年5月13日)
更年期障害のホルモン療法や不妊治療などに注力
まずはクリニックの診療内容からお願いします。

生理や更年期の悩み、いわゆる「妊活」と呼ばれる妊娠に向けた体づくり、一般不妊治療など、当院では婦人科全般の診療に対応しています。女性の悩みを総合的に診ながら、健康な暮らしを支えていきたいですね。大学病院などと連携し、当院で妊娠健診を行い、分娩や緊急時の対応は病院や周産期施設で行うセミオープンシステムも整えました。また、更年期障害には、ホルモン療法を勧めています。以前はホルモン療法に抵抗のある方も多かったのですが、近年はコントロールしやすくなっていますので、ぜひ受けていただきたいです。つらい症状を抱えている方はご相談ください。
更年期のホルモン療法について詳しく教えてください。
今でこそ「更年期=ホルモンバランスの乱れ」だと知られるようになりましたが、昔は女性の不調は理解されていませんでした。1821年にフランス人の医師が「生理が止まること」に医学的な名前をつけたことを機に、研究が始まったんです。19世紀後半には、若返りの研究がなされるように。そこから更年期の症状に効く薬が研究され、1960年代にはホルモン療法が定着するようになりました。副作用のリスクが心配された時代もありましたが、現在はホルモン療法とは「永遠の若さを約束する魔法」でも「絶対に避けるべき毒薬」でもないという結論に落ち着いています。さらに、年齢や体質、リスクに応じて、薬の種類や量、投与方法を細かく調整する治療へと進化しました。更年期のイライラや不眠、ホットフラッシュといったつらい症状は、じっと我慢する必要はありません。患者さんに適した治療法を提案させていただきます。
開業から約15年、患者層に変化はありますか?

以前は妊婦健診が多く、近年は不妊治療が増えてきました。また、開業当初からの患者さんが年齢を重ね、主訴が変わってきています。当院ではホルモン療法にも力を入れていますので、更年期症状で受診される方も多いですね。また、骨密度が低い方が最近増えているようにも感じます。ホルモン療法で通院している患者さんの数値を測ると、多くの方が低い傾向にあります。そこで、当院では骨密度測定器を導入し、骨粗しょう症の治療も行っています。また、生理痛やPMS、不正出血、違和感などの悩みで訪れる方もいますし、まだ普及率は低いですが、若い方のピル処方も一般的になってきているように感じます。
こちらの不妊治療についてもお聞かせください。
当院では高度生殖補助医療に対応しているクリニックと連携し、不妊治療に取り組んでいます。不妊の相談やタイミング法、人工授精といった診察自体は当院で行いますが、体外受精や顕微授精となった場合の月1回の採卵・移植は提携先で受けていただきます。連携することで、地域のクリニックで気軽に受けられる治療と、先進の設備や技術がそろった施設での専門的な治療の両立が可能です。また、東京都が推進しているプレコンセプションケアにも対応していますし、「まだ結婚する予定はないけど、将来的に妊娠したい」という方の相談にも応じます。
思い描く未来を叶えるために、若いうちから相談を
若いうちからの「女性ホルモンのコントロール」が重要だそうですね。

今後さらに女性が社会で活躍するためには、女性ホルモンのコントロールが欠かせません。子宮内膜症の予防やQOLの改善のために、女性ホルモンを抑える目的でピルを服用し、妊活中だけピルの服用を止める。そして妊娠・出産後にまた再開するというのが良いのではないかなと。ただ、そうした中でも妊娠には適齢期がありますので、ピルを処方する際には差し支えない範囲で「将来子どもは欲しいかどうか」についてご希望をお伺いすることもあります。お気持ちを聞いた上で、状況に応じては専門の施設を紹介します。現在は東京都からの助成金が支給される治療もありますし、このような治療は今後ますます注目されていく分野ではないでしょうか。
その他、力を入れていることを教えてください。
当院では分娩はできませんが、分娩施設との連携やセミオープンシステムを整え、妊娠健診に注力しています。連携先でない分娩施設での里帰り出産を希望される妊婦さんも受け入れます。胎児に異常がないかなどの精密な検査にも対応可能ですので、安心してお任せください。また、当院では精度の高い4Dエコーを導入しています。スクリーニングにも役立ちますし、胎内の赤ちゃんの鮮明な画像が見られるので喜んでいただけたら幸いです。さらに力を入れているのは、子宮がん検診です。当院では他の治療で来られた患者さんにも子宮がん検診を勧めるようにしています。例えば、ニキビの悩みなどにも対応しているのですが、通っているうちにがん検診の受診も考えていただけたらうれしいですね。スタッフにも、必ず検診の話をするようにしてもらっています。検査を受ける意義もしっかりお伝えしますし、一緒に大事なお体を守っていけたらと思います。
患者さんの通いやすさのために、工夫していることはありますか?

現在、基本的に板橋香奈副院長が診療のメインを担っています。女性医師という安心感はもちろん、対応できる診療の幅が広く、お人柄も素晴らしい先生です。当院の強みですね。また、スタッフも非常に頼れる存在です。というのも、診察前には医師だけでなく、スタッフも必ずカルテのサマリー(要約)を確認し、患者さんの予習を行うようにしています。このカルテも、ただのカルテではありません。すべての患者さんのカルテには、とても長い経過とサマリー(要点)が書かれているのが特長です。ほかにも、院内を清潔に保つとともに、患者さんがリラックスできる雰囲気づくりも心がけています。婦人科は入りにくいイメージがあるかもしれませんが、できるだけ医療施設らしさは出さないようにしたいなと。安心して受診していただきたいですね。
誠実な対応で「来て良かった」と思ってもらえるように
診療で大切にしていることは何でしょう?

医学上の限界はありますが、患者さん一人ひとりに最良の医療を提供することを一番大事にしています。あまり患者さんのお話やご希望を否定せずに、まずは時間をかけてお話を聞いていきたいなと。あとは、医療はブラックボックスのような一面もありますので、患者さんにとってわかりやすい、誠実な診療であることも大切にしています。
今後の展望をお聞かせください。
女性医学を広めたいという思いから、分院の開業を考えています。まだ具体的に動き出せているわけではありませんが、良い関係を築けていると感じるので、将来的には他のエリアでも同じような診療を提供していきたいですね。もう一つ、当院を廃院させないようにしなければとも思っているんです。私がいなくなっても、通ってくださっている方たちが、今までどおりの診療を安心して受けられるようにしたいですね。廃院してしまうと、これまで経過を診ていた方たちを追えなくなってしまいますから。私が診療できなくなっても、当院の診療が長く続けられるように、今頑張って取り組んでいます。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

どんな方でも気軽に受診してください。現在、当院は幅広い年齢の患者さんにご来院いただいていますが、10~20代の方には避妊・妊娠・性病の正しい知識をお伝えしながら診療し、30~40代の方には不妊治療を、50代ぐらいの方には更年期障害でのホルモン療法を、といったように患者さんのさまざまな悩みに寄り添っています。もちろん、それ以上の70代以上の方々もいらっしゃいます。当院は患者さんに「来て良かった」「相談して良かった」と感じてもらえるような、婦人科のことなら何でもご相談できる場をめざしています。気軽に受診していただけたらうれしいです。

