渡辺 房雄 院長の独自取材記事
赤羽整形リウマチクリニック
(北区/赤羽駅)
最終更新日:2023/04/14
赤羽駅南出口から徒歩約4分の場所にある「赤羽整形リウマチクリニック」は、1995年の開業からもうすぐ30周年を迎えようとしている。ビルの4階までがクリニックで、主に1階は駐車スペースと待合室、2階は診察と検査、3階4階がリハビリテーションのための空間となっている。各階のトイレの中でも3階は車いすの患者でも余裕のある造り。また各階に熱帯魚やエビの泳ぐ水槽が設置されていて、患者の目を楽しませ心を癒やしてくれている。同院の院長を務めるのは、この地で30年近く診療を続けている渡辺房雄先生だ。ゆったりと穏やかな語り口が印象的な渡辺院長にクリニックの特徴などさまざまな話を聞いた。
(取材日2023年3月15日)
開業から30年近く患者に寄り添うクリニック
来年には開業30周年を迎えるそうですね。
あっという間に過ぎてしまった感じです。当院の開業初日に来院された患者さんが、まだ数人の患者さんが継続して来てくださっています。当時の患者さんのお子さんやお孫さんも、整形外科分野のお悩みや症状があればかかりつけとして頼りにしてくださっているみたいでうれしく思っています。私は整形外科の医師としては珍しくリウマチも専門的に診ています。そのため、当院にお越しになる患者さんの3割程度はリウマチの患者さんです。
リハビリの充実ぶりも特徴の一つですね。
当院の最大の特徴は、医療と介護の密な連携です。国の介護制度ができてすぐの頃に、意欲のあるスタッフがケアマネジャーの資格を取り、本格的に介護の世界に介入しました。まず始めたのは訪問リハビリ。今でこそ訪問リハビリは多くの方がご存じですが、当時はまだまだ認知度は低いものでした。ただ、当院の患者さんが紹介先の病院で手術を受けリハビリをして退院された後、自宅から外出できないようなケースもあると思ったのです。そういった場合に通院できるようになるまで、こちらから伺ってリハビリを行いたいと思ったのが訪問リハビリの始まりです。そしてリハビリ主体のデイサービスからデイケアへとつながっていきました。ケアマネジャーが2人おり、居宅介護支援も行っていますので、医療を起点とした幅広い介護のご相談に応じられます。
こちらでは、どのような疾患を診ておられるのでしょうか。
当院は、整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科を標榜しています。人として生きるには、立つ、歩く、手を使うなど体を動かすことが重要ですが、体を動かすための器官を運動器といい、整形外科はこれら運動器の病気やケガを治療する診療科目です。首や腰の痛み、手、足のしびれ等の脊椎疾患、関節の痛み・腫れ等の関節疾患、歩行時にふらつく、手・足に力が入らないといった諸症状でお悩みの方を診ております。切り傷や捻挫、打撲など日常的なケガから、重度の疾患まで、必要に応じて専門病院との連携を図りながら診療させていただきます。関節リウマチや骨粗しょう症の診断治療には特に力をいれています。
寝たきりにさせないために継続できるリハビリを
リウマチ治療ではどのようなことが大切だとお考えですか?
リウマチの症状は患者さんごとに千差万別で、痛みがある方もいれば、症状がほとんどない方もいらっしゃいます。かつてはなかなか治らない病気として知られていましたが、近年は生物学的製剤などさまざまな新しい薬が開発されて、寛解という治った状態を維持することが期待できるようになりました。ただ患者さんごとに適した薬は違いますから、ある程度服薬してみて経過を確かめ、その方に合う薬を見つけていくことが大切だと思っています。定期的に受診して、治療効果の判定や副作用の早期発見をすることが重要です。また関節リウマチは、関節に病変がとどまるばかりではなく、リウマチ自体によるもの、治療薬の副作用によるものなど、全身に合併症を引き起こすことがあります。合併症は、免疫が低下することによる感染症、リンパ腫、貧血等の血液疾患、胃腸障害、眼科、皮膚疾患など多岐に及ぶため、各診療科の専門医との連携は最重要と考えています。
リハビリはやはり重要なものですか?
本来リハビリというものは継続することに意味があるものだと考えています。リハビリは機能回復の意味もありますが、機能維持も重要な役割なのです。当院では、通院できる方には、医療保険によるリハビリをクリニックで行っています。また、ご自身での通院が困難な方には、介護保険を用いての送迎つきリハビリをクリニック内のデイケアで、送迎、入浴、食事つきのリハビリを隣接のデイサービスでご利用いただけます。外出が困難な方には、自宅に伺う訪問リハビリで対応いたします。私自身自分の両親の介護を通じて、リハビリの大切さを実感しました。またリハビリを行う上で一番大切なのは患者さんご本人のモチベーションです。当院には、理学療法士、作業療法士、柔道整復師、鍼灸マッサージ師が在籍しており、患者さんへの声かけも丁寧で意欲にあふれるメンバーがそろっています。ぜひ当院と一緒にリハビリに取り組んでみましょう。
リハビリはリウマチ患者にも必要ですか?
かつてリウマチの治療では、薬、リハビリ、手術というのが3本柱でしたが、最近は、さまざまな薬が開発されているので、投薬治療が中心になってきています。機能障害がなく、痛みや症状のない「寛解」という状態と同様であればリハビリは必要ないでしょう。ただ、リハビリは認知機能の維持にも役立ちます。ご家族以外の方とのおしゃべりなどの交流は脳の刺激にもなるのです。リハビリでは適度に体を動かしますし、みんなとおしゃべりするだけでも良い刺激になると思いますので、ぜひデイケアやデイサービスにご参加くださいね。
定期的な検査で症状を適切に判断し治療を
骨粗しょう症の診断・治療にも力を入れておられるそうですね。
骨粗しょう症も近年、適切な診断のために有用な検査機器が開発されたり、さまざまな薬が開発され、診断・治療ともに格段の進歩を遂げた分野の一つです。リウマチの患者さんは骨粗しょう症を合併していることも多いです。私自身も昔から関心はありましたが、幸い当院では3人の骨粗しょう症の専門家がおりますので、今後一層本格的に関わっていこうと思っています。骨の代謝マーカーなどが採血などの検査でわかるようになり、腰椎と大腿骨で骨密度を調べられる検査機器も導入しましたので、定期的に検査をすることで骨密度がどのように推移するか経過を見ることができるようになりました。薬も内服薬や注射などいろいろな選択肢がありますので、ベストな治療方法を一緒に見つけていきましょう。
今後、他に注力したいことはありますか?
医師3人で診療を行っており、全員、日本整形外科学会整形外科専門医、骨粗しょう症の専門家で、日本リウマチ学会リウマチ専門医が1人、脊椎外科の専門家が2人です。専門家の勤務する医院として特に脊椎疾患、リウマチ疾患、骨粗しょう症に対し、最善の診断・治療をめざしたいと考えています。入院治療が必要であれば、これまでの経験をもとに専門病院との連携も行います。関節リウマチは薬剤費が高額となることもあり、患者さんの生活を考慮した治療を心がけています。リウマチは合併症も多く、早期に専門科との連携を行っています。高齢の方が骨折して入院や手術をしても骨粗しょう症の治療が行われていないことも多々あるのが現状です。骨粗しょう症を早期に診断し、骨量の推移を診ながら状況に応じた治療を積極的に行っていくべきだと考えます。骨粗しょう症の治療には、歯周病対策として口腔ケアが重要なので、歯科との連携に努めたいです。
読者へのメッセージをお願いできますでしょうか?
当院には各分野の専門家の先生も在籍し、みんなが丁寧な診療を心がけています。自覚症状などに変化がないからと言って漫然といつものお薬を処方するのではなく、リウマチでも骨粗しょう症でも、定期的に検査をしてデータを蓄積して病状の推移を見極めるなど、効果的で適切な治療を行っていきたいと思っています。患者さんにもぜひ、自分の現状についてご理解いただきたいと思います。またデイサービスでは炊き立てのおいしいご飯と温かいお味噌汁などをご用意しています。こちらもお楽しみに。
自由診療費用の目安
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