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松尾 寛 院長の独自取材記事

まつお眼科クリニック

(北区/十条駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR埼京線の十条駅北口から徒歩3分、十条仲通り商店街にある「まつお眼科クリニック」は、緑内障や難治性網膜疾患など専門的な治療を地域に提供する眼科だ。松尾寛院長は眼科の医師や専門家をめざす人たちが教科書・参考書にしている専門書の著者でもあるが、その人柄はとても親しみやすく、誰にでも優しく接してくれる先生だ。眼科を専攻する前には精神科の医師をめざしていたという松尾院長。それが現在の、患者満足や個々の患者の考え方を可能な限り尊重する姿勢にもつながっているという。取材では新たに導入した医療機器とその理由のほか、同院の診療方針などについて語ってもらった。
(取材日2019年6月25日)

大学病院の治療を十条の地で提供していきたい

クリニックの特徴から伺います。

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開業前はさまざまな高度治療、特に緑内障の症例にも数多く接してきました。そうした経験を眼科系の疾患に苦しむ地域の患者さんの治療のために役立てたいと考え、2006年に開業しました。もう今年で14年目を迎えます。特徴としては設備面を含めて専門性の高さや安全性の高さなど、大学病院に近い診療・治療環境にこだわっている点に加え、小回りの良さやきめの細かい対応など、開業医ならではのメリットを生かしているところですね。

院内はバリアフリー設計になっていますね。

疾患により目が不自由になった患者さんにも、安心して来院していただけるよう、待合室・受付・診療室、トイレと、すべてをバリアフリー設計にしたのです。また医療設備については、白内障や緑内障の日帰り手術に対応するためのオペ室を備え、緑内障の視野検査に役立つ自動視野計、緑内障だけではなく糖尿病網膜症、後発白内障などの治療にも対応している各種レーザー治療機器、目の調節機能異常の検査を行う調節機能解析装置、白内障手術前の予備検査や術後検査の一種である角膜内皮細胞検査を行う機器などを備え、通常の治療に加え検査から白内障を中心とした日帰り手術まで当クリニックで一貫して行える環境を整えています。

そのほかにも新たな機器を導入されたと聞きました。

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緑内障の視野検査データを統計処理しグラフ表示して、患者さんにも病気の進行具合を見てもらえるシステムソフトを導入しました。これは私にとって、東京大学の医局でも使い慣れているものです。どの部分が悪くなっているかが視覚的にわかりやすく理解できるので、もっと薬を増やす、あるいは進行しているので外科手術も考えなければならないなど、今後についてより正確な診療内容をお伝えするために役立っています。さらにOCT(眼底三次元画像解析装置)もそろえました。OCTの導入により、これまで以上に緑内障の兆候の早期発見が期待できるようになりました。またこの装置により近年急増している加齢黄斑変性などの診断精度も高くなり、多くの診療実績を上げています。

ホスピタリティー意識の高いスタッフとともに

「調節機能解析装置」による診察も特徴かと思います。

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この装置は、使い方が難しいため実際に使いこなすのは容易ではありません。機械が導き出したデータをどう解釈するかは、やはり眼科医師の経験則・技術力にかかっているからです。眼鏡やコンタクトレンズをつくる際に、どの度数がその人にとって目のピントをつかさどる毛様体筋を疲弊させず最適なのかなどを検知するための機器なのですが、そのほかにも白内障や緑内障、網膜の異常発見にもつながることがあるなど、検査の面でさまざまに寄与してくれていますよ。実際、この検診を受けた方から感謝の手紙はけっこういただいています。現代人はスマートフォンやタブレットなどの視聴により、これまで以上に毛様体筋に負担をかけていますので、一度は目の健康診断のつもりで検査を受けられることをお勧めしたいですね。

診療において大切にされていることは何でしょうか?

一つには、診療を終えて帰るときには、患者さんには満足の笑顔で帰っていただきたいという思いがあります。しかし私は玄関まで見送れないですから、その部分はスタッフに頼るしかない。幸いスタッフは目が不自由な方やつえをついた方などに付き添いながらお見送りをするなど、困っている人や病気を抱えている人に優しい心を持っているスタッフばかりです。院長の私としても、たいへん恵まれているなといつも感謝していますね。開院以来働いて、出産休暇明けにまた戻ってきてくれたスタッフもいますし、意思の疎通という面でも「院長ならそうするだろう」ということを私に聞くまでもなく患者さんに対して行ってくれています。

診療ポリシーという面ではいかがですか。

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医療技術は日進月歩ですが、新しい治療法がすべてにおいて優れているわけではない。例えば白内障の新しい治療法で老眼鏡さえ不要になると聞けば、患者さんはそう思い込んでしまうかもしれません。でも実際には老眼鏡が不要とならないケースや、遠近は確かに見やすくなったけれども生活の中で一番大切な中間距離がぼやけてしまい、あわててセカンドオピニオンを求める方がいるのが現状です。手術となれば、どんなに医師の技量が高くとも、新しい術式を用いようとも、100%リスクがないということはありえません。ですから私は患者さんにご説明するときには、この術式にはこういうメリットがあり、ごくごくわずかだがこういうリスクもあるというように、メリットとリスクの両面について必ずお話をして、リスクを最小限に抑えるための技術面については「私が責任を持つので安心してほしい」とお伝えするようにしています。

多様化するニーズに真摯に向き合っていきたい

長い眼科医師としてのご経験の中で、印象深い患者さんはいらっしゃいますか。

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難治症例を多く担当していたので、印象に残る患者さんはとても多いです。例えば大学病院時代の患者さんで、今は当クリニックに治療で来院されている70歳代の患者さんなのですが、彼女は進行性の疾患であったため、20年前に初めて病院で会った頃はまだ視力が残っていました。当時の私の姿は彼女の脳裏に残っているんです。今は症状が進行し、残念ながらまったく視力を失っているのですが、もう1度だけでも先生の顔が見たいというのが彼女の願いなんです。ですから彼女が診療に来ると、医療の現状などを考えると将来的に必ず光を取り戻す可能性があるというお話を毎回して、彼女の心の中の希望の灯りをともし続ける努力をしています。

そもそも先生が眼科の医師になろうと思われたきっかけを教えていだけますか?

実は、高校時代には心理学に興味を覚え、臨床心理士やカウンセラーをめざそうと考えたのです。でも勉強していくと、やはり服薬治療などを同時に行っていかないと、カウンセリングだけで完全に精神疾患を治すことは難しいという現実を知り、最終的に精神科の医師をめざすべく、医学部に入学しました。ところが実際に医学部に入学してさまざまな診療科を経験してみると、精神科よりも、むしろ手術などによって疾患の治癒の白黒がはっきりとつく診療科のほうが自分には向いていると感じ始めました。実は当時は白内障の手術の黎明期で、まさに手術を終えた患者さんが両手でVサインをつくって病院を出ていくという時代だったこともあり、その姿を実際に見て、これほどまでに患者さんに喜びを与えられる診療科は眼科以外にないと思い、最終的に眼科の医師になることを決めました。

最後に地域に向けたメッセージをお願いします。

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これからも安全性・確実性に十分配慮した治療を、日々、最新の知見をアップデートしながら提供していきたいと思っています。また現在は患者さんの希望やニーズもすごく多様化していまして、これまでなら当然と思われていた治療に関しても「必要ない」とおっしゃる方もいます。医療における自己決定権には実に深い意味合いがありますが、目の前の患者さんが何を望み、何を欲していらっしゃるか、そこを見極めて提供するのが令和の時代の医療でもあるのかなと考えています。人口知能を搭載した医療機器も出てきていますが、その分析データを目の前の患者さんにどのように活用するかのさじ加減はやはり眼科医師にかかっていると思います。また、多様化したニーズには医師からの押しつけではなく、できるだけ患者さんなりの人生観や考え方に寄り添い、よりヒューマナイズされた医療サポートを提供していきたい、そう考えていますね。

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