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村瀬 知男 院長の独自取材記事

木下整形・形成外科

(板橋区/蓮根駅)

最終更新日:2022/06/20

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都営三田線・蓮根駅から徒歩6分、落ち着いた雰囲気の住宅街の一角にある「木下整形・形成外科」を訪ねた。地域で20年以上親しまれてきた整形外科クリニックで、前院長の勇退を受け、2022年4月からは大学病院や総合病院で研鑽を積んだ村瀬知男先生が新院長に就任した。膝、腰、肩など部位を問わないオールラウンドな整形外科診療に加え、フットサルチームのチームドクターを務めた経験を生かし、スポーツ外傷の診療にも積極的に取り組んでいる。「地域の期待に応えられるよう、新しい治療も取り入れながら一人ひとりの患者さんの回復を後押ししていきたい」と語る村瀬先生に、開業までの歩みや患者への思い、スポーツ外傷の治療の進め方、めざすクリニック像などについて、幅広く話を聞いた。

(取材日2022年5月12日)

エビデンスに基づき、今できる最善の治療を届けたい

20年以上続くクリニックを継承されたそうですね。

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私自身、もともとこのエリアに何かつながりがあったわけではないのですが、開業を検討していたタイミングでご縁があり、4月からこのクリニックを継承し、院長として診療を始めました。20年以上地域に根差した診療を行ってきたクリニックですから、長年かかりつけにしている患者さんも多くいらっしゃいます。ご高齢の方が中心ですが、学校や部活動でけがをした小中高校生の来院が徐々に増えている印象です。長く通っているなじみのクリニックが院長の交代で急に変わってしまうのは、患者さんにとっても戸惑いがあると思いますので、従来のクリニックの良さを残しつつ、新しい治療も少しずつ取り入れ、地域の皆さんの期待に応えられるクリニックを形づくっていきたいと思っています。

患者さんと接する上で、先生が心がけていることは?

患者さん一人ひとりの背景を踏まえて、治療計画を組み立てていくことですね。例えば骨折をした際のギプス固定一つにしても、部位や年齢、生活環境によっては、患者さんの日常生活を著しく制限してしまうことになりかねませんからね。その方の生活実態に合わせて治療の全体像を考えることを意識しています。また常にエビデンスに基づき、10年後に振り返っても問題ないスタンダードな治療法を選択するようにしています。私はこれまで、膝の人工関節を用いた治療の経験も重ねてきました。人工関節は近年新しい物がどんどん開発されていますが、最新のものが必ずしも優れているとは限りません。すぐ飛びつくのでなく、一定期間の実績から性能や機能性をしっかり見極めてから取り入れるように心がけています。

フットサルチームのチームドクターを務めた経験もお持ちだそうですね。

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町田病院に勤務していた2年間、フットサルチームのチームドクターを務め、選手たちの治療にあたってきました。その大半は膝の半月板や足首の故障。選手たちはいかに早く復帰するかを第一に考えて治療しますから、ゆっくり治療期間を取ることはできません。その一方で、練習再開や復帰時期の判断はその後の選手生命にも大きく関わりますから、担当医の責任は重大です。復帰を焦ってしまう選手の気持ちを理解しつつ、冷静な判断が求められることは言うまでもありません。その上で、選手が治療でチームを離脱している間も筋力を落とすことがないよう、トレーナーさんとも連携して、コンディションの維持にも努めてきました。このクリニックでも、部活動でけがをした中高生の来院が徐々に増えており、スポーツ外傷の治療も今後積極的に手がけていきたい領域の一つです。

大学院で膝の治療を研究し、人工関節治療にも精通

先生が整形外科医を志したきっかけは?

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わが家は医師家系というわけではなかったのですが、姉が私より一足先に産婦人科医になりました。今思えば、姉が医学部に進学したことが、医師という職業や医学部という進路について現実的に考えるきっかけになったかもしれないですね。基本的に整形外科は腫瘍などの場合を除けば直接に命に関わることはほとんどなく、治療を経てみんなが元気に暮らせるようになるというようなプラスイメージのある診療科です。治療の結果が目に見え、自分の治療が患者さんの状態にダイレクトに反映されやすいところに魅力を感じ、整形外科の道を選びました。

勤務医時代のご経験も少し聞かせていただけますか?

大学院では膝疾患で学位を取得しましたが、その後の勤務医時代は膝に限らず幅広い症例の治療に従事しました。勤務医の仕事は手術が中心でしたが、その経験を通じて手術した方が良い症例、入院したほうが良い症例を即座に見極める判断力が養われたと思います。整形外科は1日に診る患者さんの人数が多く、患者さんと話をする時間が限られてしまうのですが、開業後は患者さんとの対話の時間をある程度確保できるようになりました。外来の患者さんは入院中の患者さんと違って日常生活の中で治療に取り組んでいますから、職業や生活リズムなど患者さんの置かれた状況をよく知って治療計画を立てていくことが欠かせません。開業を機に、より患者さんの視点で考えることが大事だと実感しているところです。

患者さんの日常生活の様子を、丁寧に聞き取ることが欠かせないのですね。

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プライベートな話題ですから、ぶしつけな聞き方になってはいけないので難しいところですが、私の場合、患者さんとよく旅行の話をしますね。行き先や移動手段、現地では何時間くらい歩いたのか、階段はあったのか、といった旅の話は、比較的抵抗感なく話していただけますし、実は患者さんの活動性を把握するのにとても役立つことが多いんです。そうして楽しく話すうちに気持ちがほぐれて、ご職業や毎日の生活習慣などもお聞きしやすくなります。部活動でけがをしたお子さんたちの場合なら、まず必ずポジションを聞き、練習内容や練習時間、顧問の先生がどんな方かも聞いたりして、練習環境をある程度イメージした上で、回復までの治療プランを考えています。

治療を経て患者の気持ちが前向きになることが喜び

近く院内のリニューアルも予定されているそうですね。

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はい。院内のレイアウトは変えませんが、内装やリハビリテーション室のベッド類を新しくして、超音波治療器や各種検査機器なども順次更新していきます。現在スタッフは看護師1名と受付、リハビリに各2名が在籍しておりますが、来院される患者さんが多く、まだ募集をかけている最中です。最終的には待ち時間を短縮し、その分診療、リハビリに時間をまわしてじっくり患者さんと関われるようにしていけるのが理想的ですね。高齢の患者さんの中には、脳梗塞の後遺症のリハビリで通院されている方もいらっしゃるので、そうした機能訓練にも力を入れて取り組みたいと思っています。

リハビリは、患者さんのモチベーションをいかに高めるかも大切ですね。

そのとおりです。よくあるのは、患者さんご自身が「年だからもう駄目ね」と言ってしまうこと。エックス線検査で見ると軟骨がかなりすり減っていて、良くない状態なのはそのとおりだけれど、諦めて歩かなくなってしまうことで筋力が急激に低下し、歩けなくなって外出できず、気分がふさぎがちになるといった悪循環に陥ってしまいます。まずは痛みを楽にして歩こうという気になっていただき、その悪循環を断ち切ることこそ、私たち整形外科医の役目。「私の膝はもう駄目だ」という思い込みから一旦離れ、注射などの治療を受けて短距離でもまずは歩いていただく。それだけで、患者さんの治療に向き合う姿勢が変わってきますからね。5年後、10年後も元気に活動できる体を維持するために、高齢になっても決して諦めずに歩き続けていただくよう、いつもお話ししています。

最後になりますが、今後の抱負と読者に向けたメッセージを一言お願いします。

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治療を経て、ずっと我慢していたゴルフの打ちっぱなしやボウリングもまた始められるかもしれないと期待が持てるようになったという方もいらっしゃいます。そうやって患者さんの気持ちが前向きになるのを目の当たりにできることも、整形外科医として大きな喜びです。患者さんの中には、腱鞘炎を抱えながら介護職を続けて頑張っている方など、いわゆる職業病に悩んでいるケースも少なくありません。これ以上悪化しないよう、治療部位に負担をかけない動かし方、手軽に取り組めるストレッチ法などもアドバイスできますので、お気軽にご相談ください。けがや関節の痛み、動かしづらさなど、整形外科に関することなら何でも、「ここに来れば安心」と頼っていただけるようなクリニックをめざしていきたいですね。

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