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篠遠 彰 院長の独自取材記事

篠遠医院

(板橋区/本蓮沼駅)

最終更新日:2020/06/17

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都営三田線の本蓮沼駅を出るとすぐに、歴史を感じさせる赤レンガ造りのクリニックが目に入る。1953年創業の「篠遠医院」は、地域のかかりつけ医として多くの人々の健康を支え続けてきた整形外科医院。現在は2代目の篠遠(しのとお)彰院長が、整形外科全般に加えて風邪や生活習慣病といった内科の疾患も幅広く診療している。特に背骨の病気である側彎症に関しては、大学院や留学先で研究を重ねた経験があり、その道のエキスパートだ。長らく医師会の活動にも携わり、現在は難病患者の在宅医療にも他職種と連携して取り組んでいるという。そんな篠遠院長に、地域医療にかける想いやクリニックの特徴、注意が必要な疾患について聞いた。(取材日2019年7月1日)

側彎症の研究を重ね、数多くの臨床を経験

とても歴史のあるクリニックのように感じます。

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当院は父が1953年に開業したクリニックです。診療室の奥には手術室があり、整形外科と内科の他、外科の診療にも対応しています。私がここを引き継いだのは1990年。もともと開業は考えていなかったのですが、ちょうど私が帝京大学医学部附属病院で講師をしていた時、父が体調を崩して入院し、その間に父の代わりにクリニックの診療を行うことになりました。それを機に今後どのような形で医療に取り組むべきかを真剣に考えるようになり、次第に地域に密着した医師をめざすようになったのです。父はその後亡くなりましたが、父の死をきっかけに開業を決意しました。

どんな子ども時代を過ごされ、いつ頃医師を志したのですか?

子どもの頃は活発で、親戚の家に遊びに行くと「台風がやってきた」と言われるほどでした(笑)。小学生の時は友達と遊んでやんちゃばかりしていましたね。そのことを女子生徒が先生に言いつけるので、母がよく学校に呼び出されていました。医師を志した理由は父の影響もあったかと思いますが、高校時代に夢中になったアメリカのテレビドラマの影響が大きいと思います。そのドラマの主人公が医師で、とても格好良かったのです。それまでは勉強もせずに遊んでばかりいたのですが、医師をめざして一生懸命に勉強するようになりました。

開業するまでのご経歴を教えてください。

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整形外科に進んだ理由は、大学時代にバスケットボール部とスキー部に所属していたのでスポーツ医学に興味があったことや、先輩が整形外科やスポーツの分野の医師をめざしていたことが影響していると思います。また学生時代に外科手術に立ち会った際、内臓の感触がちょっと苦手だったのに対し、筋肉や骨・関節の治療はまったく平気だったことも大きかったですね。卒業後は2年間公立病院で働き、その後大学院で側彎症を専門に研究。大学院修了後は母校の附属病院で数々の臨床経験を重ねました。そんな中、脊柱側彎症の国際的な勉強会に参加した際、教授の推薦でカナダ・オタワ大学への留学が決まりました。帰国後は母校の関連病院で整形外科医長として若い医師を育て、科をまとめるのに必死の毎日でしたね。その後帝京大学医学部附属病院の講師を経て、当院の開業に至りました。これらの経験の集大成が現在のクリニックだと思います。

地域のプライマリケアを担い、幅広い悩みに対応

クリニックの特徴をお聞かせください。

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側彎症の装具による矯正に力を入れ、装具の外来を行っていることです。これは医師の経験に左右されるため、個人医院では珍しいかもしれません。毎週、装具を製作する会社の担当者が型採りに来るので、その際に患者さんの症状や体型に合っているかなどを医師が細かくチェックしています。また動脈硬化の検査や、骨粗しょう症の検査を導入しているのも特徴です。整形外科とはいえ、半分くらいは内科の疾患も診ていますね。整形外科と内科の疾患を合わせて持っている人が多いので、一緒に診られるのは強みです。他には手術室があること、外科の診療もしていることでしょうか。最近では認知症の相談も受けています。なじみの患者さんの様子が違えばすぐに気がつきやすいですから、早期治療につなげられるのがメリットです。地域のプライマリケアを担って幅広いお悩みに対応し、必要な場合は適切な医療機関を紹介しています。

側彎症とはどんな病気なのですか?

脊柱が右もしくは左に曲がってしまう病気です。小中学生に多いのですが、放置すると本人にとって大きなストレスになりますし、高齢期には変性側彎症からの頑固な腰痛を引き起こすこともあります。成長期の治療が望ましいため、気がついたら早めの受診が肝心です。診察では前屈検査で肋骨や腰部を調べ、エックス線検査を実施。治療は主に矯正装具を装着し、数ヵ月ごとに経過観察していきます。週に一度型採りを行うので、成長に合わせて微調整ができますし、生活スタイルやストレスの感じ方によってはつける時間を調整することもできますよ。通常は成長期が終われば症状が進行しなくなりますが、手術を要する場合は専門病院を紹介します。最近は保険外で一時的な施術を行い、高額な費用を支払っているケースも聞きますが、それは患者さんがお気の毒です。保険の範囲内での治療も可能なことを知ってほしいですね。

整形外科医院で動脈硬化検査を導入されたのはなぜですか?

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動脈硬化検査を導入した理由は、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)と動脈硬化の症状の区別がつきにくく、いずれも足の痛みやしびれがあるために2つの病気の可能性を考慮する必要があるためです。実は父の症例がきっかけだったのですが、脊柱管狭窄症の手術を行う予定で検査を進めたところ、腹部大動脈瘤を発見。足の痛みの原因は動脈瘤だったのです。このことがあってから、動脈硬化の検査を取り入れるようになりました。

健康寿命を延ばすため医療・介護の連携を図る

骨粗しょう症について詳しく教えてください。

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加齢により骨密度が少なくなったり、骨の質が劣化したりして骨折しやすくなる疾患です。約1500万人の患者がいるともいわれていますが、その中できちんと治療を受けている人は多くないといわれます。危機感が薄いようですが、例えば一度脊柱を圧迫骨折すると次々に負荷がかかって連鎖的に骨折し、寝たきりや要介護の原因となってしまいかねないのでとても危険なんです。深刻な病気だと自覚してほしいですね。骨粗しょう症は特に女性に多いため、板橋区では40歳以上の女性に受診券を配っており、それが受診時期の目安になるのではないでしょうか。予防法としては、発症の原因となり得る生活習慣病を防ぐこと。カルシウムなどの栄養を取ったり、スクワット・片足立ちなどの運動をしたりして、健康で転倒しにくい体をつくることも大切です。20代から骨を大切にしておいてください。骨を弱くしやすいダイエットは禁物ですよ。

先生は多方面から地域医療に貢献されていますね。

地域の医療機関と連携を深めるため、開業時から板橋区医師会に所属して活動に力を入れてきました。地域医療への意識はより深まり、さまざまな医療制度を患者さんに紹介できるようになるなど、診療にも生かされていると思います。また医師会で知り合った他科の先生方や、福祉・介護関係の方々との人脈もたいへん貴重です。最近では皆さんと連携して難病の患者さんの訪問診療も行うようになったんですよ。各分野の専門家の方にいろいろ教えてもらえるので勉強になっています。特に介護分野を知ったことで、患者さんの生活に密着した関わり方ができるようになってきました。学校医の仕事も行っていますが、内科検診では整形外科の医師として運動器も専門的に診られるので、日頃の診療が役に立っていますね。

今後の目標と、メッセージをお願いします。

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クリニックの目標は健康寿命を延ばすことです。そのために患者さんの話をよく聞き、目の前にある病気を治療すると同時に、将来の病気リスクまでを考えて必要な生活習慣の指導なども行っていきたいと考えています。そして医療と介護の連携を深め、一人ひとりの健康に対して地域全体で取り組む社会をめざしていきたいと思います。整形外科の医師として皆さんにお伝えしたいのは、「元気で長生きのキーポイントは、筋力の維持」だということ。筋力が衰えると運動器にも影響が出てきますので、健康でいるためには運動を心がけていただきたいですね。関節や筋肉が硬くならないように柔軟性を保つことが、疾病を予防することにもつながります。

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