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篠遠 彰 院長の独自取材記事

篠遠医院

(板橋区/本蓮沼駅)

最終更新日:2019/08/28

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都営三田線本蓮沼駅から徒歩1分、歴史ある赤レンガ造りの2階建のクリニックが「篠遠医院」だ。1953年の創業以来、地域のかかりつけ医として多くの人々の健康を支え続けてきた整形外科医院。現在の院長である篠遠彰院長は、千葉大学医学部を卒業してから勤務医を経験後、同学部の大学院にて背骨の病気である側彎症(そくわんしょう)の研究をスタート。その後、海外留学や整形外科医長、帝京大学医学部付属病院の講師を経て、側彎症のエキスパートとして揺るぎない存在となった。1990年に父の跡を引き継いで篠遠医院を開業後、板橋区医師会の理事と副会長を10年務めたほか、板橋区内の学校医や産業医を担い、地域医療に深く貢献している。地元住民から絶対的な信頼を寄せられる篠遠院長に、医師をめざしたきっかけやクリニックの特徴など、じっくりと語っていただいた。
(取材日2014年1月29日)

国内外で研究を重ね、数多くの臨床を経験し、側彎症のエキスパートへ

とても歴史のあるクリニックのように感じます。

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当院は父が1953年に開院したクリニックで、診療室の奥には手術室があり、整形外科と内科の他、外科の診療にも対応できる造りになっております。私がここを引き継いだのが1990年。もともと開業は考えていなかったのですが、ちょうど私が帝京大学医学部付属病院で講師をしていた時、父が体調を崩して入院し、その間、私が父の代わりにクリニックで診療を行うことになったのです。それを機に、今後どのような形で医療に取り組んでいくかを真剣に考えるようになり、次第に地域に密着した医師をめざしたいと思うようになったのです。父はその後亡くなりましたが、父の死をきっかけに開業を決意しました。

どのような子ども時代を過ごされましたか?また、医師を志したのはいつ頃でしたか?

子どもの頃は活発で、親戚の家に遊びにいくと「台風がやってきた」と言われるほどでした(笑)。小学生の時は友達と遊んでやんちゃばかりしていましたね。そのことを女子生徒が先生に言いつけるので、母がよく学校から呼び出されていました。医師を志した理由は父の影響もあったと思いますが、高校時代に夢中になったアメリカのテレビドラマの影響が大きいと思います。そのドラマの主人公が医師で、とても格好良かったのです。それまでは勉強もせずに遊んでばかりいたのですが、医師をめざして一生懸命に勉強するようになりましたね。

開業するまで講師をされていたとのことですが、それまでのご経歴を教えていただけますか?

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整形外科医をめざした理由は、大学時代にバスケットボール部とスキー部に所属していたのでスポーツ医学に興味があったことや、大学の先輩が整形外科医やスポーツ医をめざしていたことが影響していると思います。それから学生時代に外科の手術を見学した際、内臓の感触がちょっと苦手だと思ったのに対し、筋肉や骨・関節の治療を見学したときにはまったく平気だったことも理由として大きかったですね。「自分に合っているのはこれだな」と感じました。大学卒業後は2年間公立病院で勤務医として働き、その後は大学院で整形外科医として側彎症を専門に研究。大学院修了後は母校の附属病院で勤務医として数々の臨床経験を重ねてまいりました。そんな中、脊柱側彎症の国際的な学会が京都で開催され、教授と一緒に参加させていただいたのですが、そこで教授の推薦によってカナダ・オタワ大学へ留学が決まりました。帰国後は母校の関連病院で整形外科医長として若い医師を育てることや科をまとめることに必死の毎日でした。その後、帝京大学医学部付属病院の講師を経て、このクリニックを開業しました。こういった経験の集大成が現在のクリニックであると思います。

地域のプライマリ・ケアとして幅広いお悩みに対応するクリニック

クリニックの特徴をお聞かせください。

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側彎症の装具治療に力を入れ、装具の外来を行っていることです。装具治療はその指導などが医師の経験に左右されるため、当院のような個人医院では珍しいかも知れません。毎週、装具を製作する会社の担当者が当院で型取りを行います。その際、仮製作から完成に至るまで、患者さんの症状や体型に合っているか、矯正効果が高いかなど、医師が細かくチェックを行いますので、より一人ひとりに合った装具をご提供できます。この他、「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」と症状の区別がつきにくい動脈硬化の検査や、健康寿命を縮める深刻な病気である骨粗しょう症の検査を導入していること、手術室を完備していること、整形外科と内科の他、外科の診療も行っていること、これらも当院の特徴として挙げられるでしょう。こうした強みを生かしながら、地域のプライマリ・ケアとして幅広いお悩みに対応し、より専門的な治療が必要な患者さんには、その専門機関や医療施設を紹介させていただきます。

側彎症(そくわんしょう)とは、どういった病気なのでしょうか?

脊柱(背骨)が側方へ彎曲(わんきょく)する病気で、背後から見ると、右もしくは左に脊柱(背骨)が曲がっている状態です。成長期の小中学生に多く見られる病気ですが、発症の80〜90%が原因不明とされています。検査方法は前屈検査における、肋骨隆起、腰部隆起があるかを調べた上で、レントゲン検査を行います。治療方法は主に側彎症の矯正装具を装着し、数ヵ月ごとに経過を観察していきます。ほとんどの患者さんは成長期が終わると同時に症状も進行しなくなります。稀に装具をしても進行するケースがあり、手術が必要になる場合もありますので、その際は連携している専門病院を紹介します。側彎症は命に関わることはない病気のため、お子さんの症状に気づかない親御さんもいらっしゃいます。しかし、本人にとっては大きなストレスになりうる病気です。成長期にしかできない治療なので、その時期にしっかりとした治療を受けることは、お子さんの将来にとっても重要なことなんですよ。最近では、保険外で一時的な矯正施術を行い、高額な費用を支払うはめになるところも増えているようですが……それでは、患者さんがお気の毒です。本当は保険の範囲内で、きちんと根本から治療ができることを、もっとお伝えしていかねばならないと感じているところです。

整形外科医院で「動脈硬化検査」を導入されたのはなぜですか?

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動脈硬化検査を導入した理由は、さきほどお伝えしたように脊柱管狭窄症と動脈硬化の症状が似通っており、いずれも足の痛みやしびれがあるために2つの病気の可能性を考慮する必要があるためです。実は父の症例がきっかけだったのですが、脊柱管狭窄症の手術を行う予定で検査を進めたところ、腹部大動脈瘤を発見。まず動脈瘤の手術を受けたら、足の痛みがなくなったのです。このことがあってから、動脈硬化の検査を取り入れるようになりました。

「健康寿命」を高めるために医療と介護が連携する世の中をめざして

骨粗しょう症について詳しく教えてください。

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骨粗しょう症とは加齢により骨の密度が少なくなり、また骨の質が劣化し、骨折しやすくなる疾患です。生活習慣病の患者さんは骨粗しょう症になる確率が高くなるというデータもあるため、まずは発症の原因となる生活習慣や環境を見直すことが重要となります。具体的には、運動をしたり、栄養のバランスを考えた食事をするといったことですね。そうやって骨折する原因となる転倒をしない体づくりや環境づくりを行っていきます。現在、国内では1千万人以上が骨粗しょう症と言われていますが、そのうち治療を受けているのは30%、残りの70%は治療を受けていないんです。この数字から症状に対する危機感が薄いという現状がわかります。多くの人が骨粗しょう症は老化現象の一つであると諦めてしまいがちですが、予防や改善が可能な病気です。そして、生活習慣病と同じように早期発見することが大切。40歳以上の方は5年に1度、検診を受けていただきたいと思います。板橋区では受診対象者(40・45・50・55・60・65・70歳の女性)に区役所から「骨粗しょう症予防検診」の受診券が自宅に送付されますので、受診する時期の目安になるのではないでしょうか。患者さんにとってはなかなか病気という感覚がないものかも知れませんが、それによって骨折してしまえば、その方の人生がガラッと変わってしまうこともありますよね。特にご高齢の方が骨折してしまった場合などは、本当に大変です。寝たきりになってしまったり、その方のご家族も介護に追われ、負担になってしまうかも知れません。そんな悲しいことにならないように、骨粗しょう症の恐ろしさを、意識していただければと思っています。

先生は学校医や産業医、板橋区医師会の理事や副会長も務めるなど、多方面から地域医療に貢献されていますね。

地域の医療との連携を深めるために、開業時に板橋区医師会に所属し、約10年間理事や副会長を務めさせていただきました。医師会での活動経験の中で、地域医療への意識はより深まり、今の診療にも活かしています。例えばせっかく様々な医療制度があっても、知っているのと知らないのでは変わってくることが沢山ありますよね。それを最大限に利用し恩恵を得ていただけるように、患者さんに情報をご提供しています。また、医師会活動で知り合った様々な診療科目の先生方や、福祉、介護関係の方々との人脈が大いに役立っていると実感します。何かあった時にはすぐに連携をとって、患者さんのために動くことができますからね。とくに介護関係の方々との繋がりがあることで、これまでより広い意味で患者さんの生活に密着した関わり方ができるようになってきました。これからも幅広い知識や経験を、患者さんに還元していきたいですね。学校医の仕事は主に春の健康診断を行い、今の時期でしたらインフルエンザで学級閉鎖の判断をすることも。昔の学校医は1つの学校で何百人もの生徒さんに予防接種を行っていたので、たいへん忙しかったと思いますが、現在は少子化で生徒数が減少し、予防接種もなくなったので大分楽です。あとは学校保健委員会で学校の衛生環境について関係者の打ち合わせに参加していますね。産業医としては、現在は3社の企業を担当しております。

クリニックの今後の目標と、読者へのメッセージをお願いします。

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クリニックの目標は「健康寿命」を高めることです。そのために当院ができることは、診療をする際に患者さんの話を良く聞くことです。目の前にある病気を治療すると同時に、その患者さんが将来的にかかるかもしれない病気のリスクを考え、必要な生活習慣などの指導を含めて診療を行っていきたいと考えています。そして医療と介護の連携を深め、一人ひとりの健康に対して地域全体で取り組む社会をめざしていきたいと思います。整形外科医として読者の皆さんへのメッセージは、「健康寿命」を高めるために運動を心がけていただきたいということ。筋力を維持することと、関節や筋肉が硬くならないように柔軟性を保つことで疾病を予防することができます。

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