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川島 正人 院長の独自取材記事

山崎歯科口腔ケアクリニック

(板橋区/本蓮沼駅)

最終更新日:2025/09/08

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック main

本蓮沼駅から徒歩1分の住宅街にある「山崎歯科口腔ケアクリニック」は、70年以上の長きにわたり地域の歯の健康を支えてきた。1986年に同院を引き継いだ川島正人院長は、大学病院の口腔外科や歯科麻酔科で研鑽を積んだ「痛み」の専門家。東京医科歯科大学の客員臨床教授や、神奈川歯科大学と日本歯科大学の非常勤講師も務めている。モットーは「お口の中から命を守る」だという、やわらかな語り口が印象的な川島院長に、院名にもなっている口腔ケアや、最近増えているという口腔がん検診などについて、じっくりと聞いた。

(取材日2025年4月18日)

口腔ケアで内科疾患や感染症の予防につなげる

70年以上の歴史がある歯科医院だそうですね。

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック1

先代院長の山崎先生が「山崎歯科医院」として開業し、長年地域の方たちを診てきました。山崎先生がお亡くなりになり、引き継ぐ人を探していた際にお声かけいただき、私が2代目として就任してから約40年になります。高齢化が進む中、お口の中をきれいにすることが、脳血管障害、心臓病、糖尿病、そして寝たきりの高齢者に多い誤嚥性肺炎の予防の一助になるとわかってきました。そこで口腔ケアを中心とした診療を行うと方針を決め、「山崎歯科口腔ケアクリニック」と院名を変更して今に至ります。

口腔ケアを意識する患者さんが増えていると伺いました。

以前、お口の中のケアに興味を持ってもらえるように、感染症と歯周病菌の関係を説明したお便りを患者さんにお送りしました。風邪やインフルエンザなどのウイルスは、お口や喉の粘膜に付着します。また、お口の中の歯周病菌は強力なタンパク質分解酵素を出しており、それによってウイルスが体内に侵入しやすくなることがわかっています。これは新型コロナウイルスにも共通するのではないかと考えられるため、感染症対策としてもお口の中を清潔に保ちたいですね。高齢者に限らずどの年代の方にも言えることですので、幅広い年齢の方に定期的な検診を勧めています。

具体的にはどのように口腔ケアを行っていますか?

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック2

まずはお口の中を清潔に保つために、歯石除去やブラッシングの指導などを行います。併せて、むせやすく飲み込みが悪くなってきている高齢の患者さんに嚥下の指導をしたり、唾液の分泌を促すための運動を教えたりと、トータルで行うのが当院の口腔ケアの特徴です。また、命に関わる内科の病気に歯周病が関係している可能性を早くから意識し、全身の健康を維持するための一貫としての口腔ケアに注力してきました。さらに、手術後の感染症罹患を予防するには口の中が清潔であることが重要だというデータもあります。全身麻酔をして口からチューブを入れた時、口の中の菌が肺へ流れると、術後の肺炎の原因になると考えられていますが、その予防につなげるために、事前の口腔ケアに取り組んでいます。当院では国立がんセンターなどと連携を取りながら、手術を控える患者さんの口腔ケアも行っています。

口腔がん検診や痛みのケアにも注力

口腔がんの検診にも力を入れているそうですね。

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック3

最近、口腔がんを疑って来院される患者さんも多くなっています。口腔がんはがんの中でも患者数の少ない希少がんですが、日本でも年々増加傾向にあります。けれど、胃がんや大腸がんのような検診制度はなく、発見が遅れがちです。さらに、進行した場合には手術で取り除く部分が多くなるので、顔の変形が伴ったり、食事ができなくなったり、と非常につらい影響が出ることがあり、他のがんと比べて自殺率が高いがんでもあります。そのため、早期に発見することが極めて大切と考え、検診に力を入れるようになりました。

口腔がん検診はどのように行っていますか?

口腔内蛍光観察装置を使って検査をしています。これは、がんのある部分に反応するブルーの光をお口の中の粘膜に当てて写真を撮るための医療機器です。リンパ腺などの触診や視診も併せて行いますが、肉眼で見える前の初期段階のがんを発見するには光を当てる方法が有用です。当院で検診をして、疑わしいと感じた場合は、口腔がんの専門家と連携して診断につなげます。主に診療中、粘膜におかしい点があれば検査を勧めています。お口の中のがんは痛みを感じにくく、口腔外科の経験がないと気づかれにくいため、口内炎などの症状が2週間程度続くようでしたら、口腔がんの検診を行っている歯科への受診を考えてみてください。体だけではなく心へのダメージが大きく、その後のQOLを著しく下げてしまうのが口腔がんです。自覚症状がなくとも年に1回の検診を心がけ、口腔がんを予防していきましょう。

先生は「痛み」の専門家でもあるそうですが。

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック4

痛みの悪循環を脱するためケアを行う歯科医院は珍しいですよね。私は大学卒業後、東京女子医科大学病院の口腔外科へ進みました。そこで手術の麻酔だけではなく全身管理の必要性を痛感し、東京医科歯科大学の歯科麻酔科へ移ったのです。その歯科麻酔科の中に「痛み」に対する部門があり、それが今の診療につながっています。現在当院では、通常の一般歯科分野に加え、「神経を取ったのに痛みが治まらない」「歯を抜いた後の痛みが取れない」といった、歯科治療を終えたにもかかわらず痛みが治まらない方の相談に応じています。院内に導入した歯科用CTなども用いて検査を行い、痛みの原因を突き止め、適した薬を処方しています。体質改善のため漢方薬を用いるほか、口腔周囲筋ストレッチの指導など理学療法的なアプローチも取り入れていますので、「痛み」にお悩みの方は気軽に相談に来てください。

末永く口の中から健康寿命を延ばすサポートを

先生が歯科医師をめざしたきっかけは何でしたか?

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック5

父が耳鼻科の医師だったことが医療の道に進んだきっかけです。父の背中を見ながら、医学部への進学も考えたのですが、若気の至りか父への反発心もあり、歯学部に進みました。知識や技術を積み重ねていくうちに、命に関わるような内科の病気の原因の一つに歯周病があることを知り、歯科医師としてのやりがいを改めて感じるようになりました。歯科医師は、ただ歯を削って詰めるだけではなく、もっと広い意味で人の命を守る仕事なのだと気がついたのです。以来、「お口の中から命を守る」をキャッチフレーズに、日々診療しています。

長く続く歯科医院として大事にしていることは?

信頼関係をつくることです。患者さんとの信頼関係がうまくつくれなければ、治療もうまくいかないと考えています。基本としているのは、患者さんの訴えをよく聞き、患者さんの考えに間違えがなければ支持をして、最終的に大丈夫ですよという保証を与えること。皆さんはお口のことで困って当院にいらっしゃるわけですから、その心に寄り添い、安心感を与えられるようお話をしています。また、長く続くクリニックゆえに高齢の患者さんも多いので、年を取ってしまったから、と諦めることなく前向きに、最後まで元気に生きる気力を持っていただけるようにサポートしています。歯の治療を通して、寝たきりにならないようにお口の中から体の健康を支えていきたいですね。

スタッフの皆さんとの連携も大切にされているそうですね。

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック6

患者さんとの信頼関係をつくる上で、スタッフの存在は欠かせません。当院で働くスタッフは、患者さんの細かな変化に気づいてさっと手助けする、そんな気遣いができるメンバーばかりです。私には言いづらいことでもスタッフになら打ち明けられるかもしれません。また、高齢の患者さんの場合、受付でのやりとりの違和感や予約日時の勘違いなど、気になる点があれば認知症を疑い、ご家族や主治医の先生ともご相談しながら早期発見につなげています。

読者へメッセージをお願いします。

末永くお口の中から皆さんの体の健康をサポートしていく、そういう歯科医院でありたいと思っています。お口の中をきれいに保つことは健康寿命を延ばすことにつながります。例えば歯周病は、歯周病菌が血管の中に入り込むと血栓ができやすくなるといわれていますが、頭に血栓ができれば脳梗塞、心臓の場合は心筋梗塞と、重大な疾患を引き起こす要因になりかねません。体の病気を予防するという観点でも定期的な歯科の受診は重要です。専門知識を持つスタッフが、患者さんの質問にしっかりとお答えしながら、一人ひとりに合わせたケアを提案できるよう努めています。嚥下や食生活などの指導も行っていますので、不安なことがあれば同時にサポートいたします。

自由診療費用の目安

自由診療とは

口腔がん検診/5500円~

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