虫歯治療のポイントは早期発見・早期治療
放置せずにすぐ受診を

虫歯が進行すると、歯の神経や全身疾患にも悪影響。「虫歯かな」と思ったら放置せずにすぐ受診を

Q虫歯をそのまま放置するとどうなりますか？

A

▲全身疾患にも悪影響を及ぼす可能性があるという

虫歯を放置し続けると、まず冷たい水や熱いお湯がしみたり、食事の際に痛みを感じたりするようになります。痛みの感じ方には個人差がありますが、症状によっては睡眠にまで影響するほどです。さらに進むと神経が壊死します。歯の中に膿がたまってしまって、頬や顎が腫れることもありますね。その先となると抜歯を考えなくてはなりません。「虫歯で命を落とすことはない」と思われる方も多いのですが、虫歯や歯周病の菌は心筋梗塞や糖尿病など全身疾患にも影響を及ぼすんですよ。口臭の原因にもなりますから、対人関係にもマイナスです。

Q虫歯は治療をしないと治らないのですか？

A

▲放置せずできるだけはやく治療を受けよう

初期段階でまだ表面が濁る程度でしたら元に戻ることがあり、これを「再石灰化」といいます。再石灰化を期待して、初期の虫歯をあえて削らないというケースもあります。ですがこれは口腔内の状態など条件がそろってのことですから、基本的には「治療をしないと治らない」と思ってください。虫歯というのは、虫歯菌が出す酸が原因となり、歯が溶けてしまった状態です。溶けたものは自然には戻らず、そのまま溶ける一方です。これが、虫歯を治療しないといけない理由です。進行してしまう前に、できるだけ早く治療を受けましょう。

Q放置していても治療は可能なのでしょうか？

A

▲患者一人ひとりにあった治療法を提案

可能ではありますが、進行の程度によって治療法が変わってきます。まだ痛みがない、もしくは少ない程度でしたら、虫歯になった箇所を削って詰め物やかぶせ物をします。もし虫歯の菌が神経まで到達してしまっていたら、麻酔をして神経を抜かなくてはなりません。菌がすでに入り込んだ状態なので念入りな消毒が必要ですし、神経を抜いた歯には十分な栄養が行き渡りません。そのため枯れ木のように割れやすい状態になり、歯の変色も生じます。さらに悪化していて抜歯が必要となりますと、体にも負担がかかるでしょう。また、その後に入れ歯やブリッジをしても、やはり天然歯の機能にはかないません。

Q歯科医院に行くのが怖いという人も多いようです。

A

▲歯科に恐怖心を抱く患者への配慮に努めている

歯科医院が苦手な理由には「痛み」や「音」があるのではないでしょうか。例えば当院では、表面麻酔の使用や麻酔薬の注入速度を工夫して、痛みの少ない治療を心がけています。また音に対する不安を取り除けるよう、キーンという嫌な音を出すエアータービンの代わりにマイクロモーターを使っています。回転速度が変わるのですが、切削能力にはほとんど差がありません。怖いからといって受診をためらっているうちに、虫歯が悪化してもっと痛い思いをすることになってしまいます。ぜひ勇気を出していらしてください。口腔内全体をチェックしますので、ご自身で気づかなかった虫歯を初期段階で発見できるかもしれませんよ。

Q痛みがなくても虫歯である可能性はあるのですね。

A

▲早期発見・早期治療が重要だという

そのとおりです。表面にあるごく小さな虫歯ですと、痛みを感じないことが多いです。ご自身の目で見てもわかりにくいですから、歯科医院で見つけてもらうのが良いですね。いったん治療を終えても、同じ歯がまた虫歯になることも珍しくありません。虫歯は早期発見・早期治療が何より大切。そのために、痛みがなくても定期的に歯科検診を受けていただきたいと思います。虫歯を初期段階で発見できれば、通院回数や侵襲度など治療に伴う負担も少なく済むのです。定期的にプロのクリーニングを受けることで、虫歯だけでなく歯周病の予防にもつながりますね。