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吉野 諭 院長の独自取材記事

吉野歯科診療所

(板橋区/ときわ台駅)

最終更新日:2019/08/28

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東武東上線・ときわ台駅南口から歩いて2分。ときわ台駅から川越街道に続く、常盤台銀座商店街にあるのが「吉野歯科診療所」だ。昭和大学歯学部歯科補綴学教室の兼任講師を務める吉野諭院長が1998年に開業し、一般歯科・小児歯科の診療を行っている。「商店街の皆さんといいお付き合いをさせていただいてます」と控えめに話されるが、開業から15年を迎え、すでに地元にはなくてはならない存在に。現在、子どもから高齢者まで、幅広い世代の患者が通い、保険診療を中心に、常に患者の気持ちを考えた丁寧で親切な治療スタイルが地元でも評判だ。インタビューでは、歯科医師を志したきっかけや地域とのつながり、今後の展望などを、じっくりと語っていただいた。
(取材日2013年6月24日)

商店街の理事として地元活性化に尽力。地域に根差した歯科医師に

開業までのご経歴を教えてください。

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昭和大学歯学部卒業後、「歯科というのは、本当に面白いものなんだな」と考え、研究者になろうと思って大学院に進みました。そこで与えられた研究テーマが「歯の色」だったんです。例えば「これは青」「これが赤」というのは目で見てわかるんですけど、歯の微妙な色の違いを測定器で測るのはとても難しい。歯は半透明なので、物体色とは違い、光を当てると後ろに抜けてしまうんです。そのため、歯の色を客観的に評価するのはとても難しく、研究者としてつまづいてしまったんですよね。なかなかいい発想が思い浮かばなくて、やってもやっても予想していた結果が出ない。非常に苦労しました。

研究者から開業医へ気持ちが変化していったわけですね。

はい。研究よりも、患者さんと接しているほうが自分には向いているんじゃないかと思い始め、開業をめざしました。大学院を修了後、将来の開業を見据えて、「青葉歯科医院」で勉強させていただき、その後こちらで開業するに至ります。

開業の際、この地域を選ばれた理由は何でしょうか?

もともと私は埼玉県出身なんです。東武東上線の沿線の雰囲気がとても好きだったので、この沿線沿いで開業できる場所を探しました。ひと駅ひと駅、地元の不動産屋さんで物件を聞いてまわったんです。ここは薬局が入っていたのですが、たまたま探しているときに空きまして、駅からも近いので決めました。

どんな患者さんが多く来院されますか?

年齢層は幅広く、小さなお子さんから高齢者の方までいらっしゃいます。最近、この商店街にもマンションが建ち始め、若いファミリー層の患者さんも増えていますが、基本的には以前からこの地域にお住まいの患者さんが多いですね。私のところでは、半年後・1年後に来てくださいといったハガキを差し上げていないのですが、それでも皆さん「検診をしてください」と来院されるんです。この辺りにお住まいの方は、歯の健康管理に対する意識が高いのかもしれません。小さい頃から通っていた患者さんが大きくなって、「もう就職なの?」というようなこともあります。継続して通ってくれると歯の状態もわかりますし、うれしいものです。

この辺りの雰囲気が好きとのことですが、実際開業してみてどうですか?

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私は、商店街の理事もやっているんですよね。仕事が終わってから40代、50代のメンバーが集まって商店街を活性化させるために、いろいろ活動しています。商店街の旅行に参加したり、町内会のイベントに参加したり、地元の方にとても可愛がっていただいてます。ここから駅まで2分くらいですが、必ず知り合いに会うんですよ。普通に歩けば2分で行けるのに、来る途中立ち話をしてしまうので2分じゃたどり着かない(笑)。そのくらい、この辺りの方たちとは交流を持てるようになりました。本当に地元に根差した歯科医院です。

治療方法をイラストで説明。保険診療でできることを精一杯!

先生の治療方針を教えてください。

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95%は保険診療です。患者さんが安心して治療できるように「保険診療でやりましょう」と話をしています。私は、保険診療でほとんどが網羅できると考えているんです。保険診療だから「持ちが悪い」というのではなく、なるべくお金をかけずに長持ちもさせられるよう心がけています。自費治療だといい材料を使えるなどのことはわかっているのですが、多くの患者さんは保険診療を望んでいらっしゃる。ですから患者さんから「ほかの治療方法があるの?」と聞かれたときに初めて、自費治療についてご説明するようにしています。保険診療でできる限りの治療を行って、皆さんに喜んでいただきたい。保険の中でできることを精一杯やっている、というのが1つの特徴でもありますね。

そういう先生の診療を求める患者も多いと思います。

たくさんの患者さんを診察するためには、手際よく診療を進めていく必要があり、スタッフとの連携がすごく大切です。私はスタッフをすごく信頼していて、長く勤めてくれるスタッフも多いんです。長い人で8年半ほど。みんなで商店街のお店で飲んで楽しんでいます(笑)。

先生が診療の際に心がけていることは何ですか?

お子さんは、歯科医院を嫌がる子が多いので、何かできたら「今日はちゃんと座れたね」「じゃ、次はこれをやろうね」というように、必ず誉めるようにしています。そうすると次もすんなり来てくれる子が多い。実は小児だけでなく、ほかの患者さんも同じなんですよね。多少、ちょっと歯ぶらしが下手でも「ここがきれいになっていますね、でももう少しここを磨きましょう」というような言い方をしてあげると、患者さんは喜ばれます。また、丁寧に説明することも心がけています。よくやるのは、メモ用紙を用意しておいて、イラストを描くこと。「今こんな状態で治療するとこうなりますよ」と図解で説明し、納得してもらってから治療を開始します。

先生が歯科医師を志されたのはなぜですか?

私の実家は兼業農家で、父は会社員、母が農業をやっていて、まわりに医療従事者はいませんでした。生き物がとても好きな子どもで、夢は科学者になること。5つ上の兄が歯学部に進学して、それを見ていたのが中学生の頃です。もともと理科系が好きだったんですが、歯科に絞ったのは兄の影響が大きかったと思います。子どもの頃は、歯磨きもきちんとやっていなくて……。今になって子どもたちに、「歯磨けよ」と言っても説得力がないくらいです。歯が痛くなってから治療することを繰り返して、もう虫歯だらけでした。振り返ってみると、私がよく歯科医師になったものだと思います。

影響を受けた先生はいらっしゃいますか?

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大学院のときにお世話になった川和忠治先生です。技術的な面はもちろんですが、人付き合いをとても大切にする先生でした。私が研究で行き詰ったときに医局で「これからどうするんだ?」という話になって。コピー用紙の裏に英語で「Practice makes perfect」と書かれて、意味を調べてみろと言われたんです。「継続は力なり。とにかくやってみろ」というような意味でした。ああ、これなんだなと、落ち込んでいたときに立ち直った思い出があります。

高齢化社会に対応した診療体制の構築が今後の目標

患者との心に残るエピソードはありますか?

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高齢の患者さんで、上下の総義歯(入れ歯)で噛めるようになり喜んでいただきました。義歯を調整するために、パンを持ってきて、噛んだときに「ここが痛い」「あそこが痛い」と教えてくれるんです。間もなく亡くなられたんですが、家族がお見えになって「先生の入れ歯で噛めるようになったことを最後まで喜んでいました。入れ歯を持たせて天国に旅立ちました」と言っていただきました。義歯をお棺にまで入れてくださったことが、とても印象に残っています。

先生のご趣味を教えていただけますか。

走ることが好きで、ジョギングを続けています。開業してしばらくは忙しかったのですが、最近は走るのが楽しくなってフルマラソンにも挑戦しています。東京マラソンに参加したのが、最初のフルマラソンでした。私はそんなに早くないので、5時間くらいかかるのですが、沿道の応援が素晴らしいんです。知らない人が42.195キロ応援してくれるなんて、あんまりないじゃないですか。35キロの壁というのがありまして、全然足が上がらなくなったんです。本当につらくて、最後は泣きながらゴールしました。それから、マラソンの魅力にとりつかれて、毎年何回か出場しています。あとは、実家で母がまだ農家をやっていますので、農繁期は手伝いに行きます。米をつくっているので、田植え、稲刈りまで、農繁期は呼び出しがあるんです。トラクターやコンバインに乗れる歯科医師はあまりいないんじゃないかな(笑)。農作業の手伝いはとても楽しいですね。

開院されて15年ですが、今後の展望をお聞かせください。

患者さんが高齢化して寝たきりになってしまい、「先生のところに行きたくても行けない」というケースが増えてきています。今は在宅診療・訪問診療をやっていませんが、信頼して通ってくれていた患者さんのところに、こちらから出向いて診察できる体制を構築したいと思っています。これからますます高齢者の方は多くなりますし、時代の流れとしても必要かなと考えています。ここに来てくれる患者さんだけではなく、困っている方に目を向けていくことが、今後の課題です。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

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吉野歯科診療所に来て良かったと思っていただけるように、いろんな話をしながら治療を進めています。笑顔の絶えない、アットホームで安心して通ってもらえる歯科医院でありたいと思っています。困ったときは、お気楽にいらしてくださいね。

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