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村中 公正 院長の独自取材記事

ときわ台村中眼科

(板橋区/ときわ台駅)

最終更新日:2021/10/12

村中公正院長 ときわ台村中眼科 main

東武東上線ときわ台駅前のビル4階にある「ときわ台村中眼科」。東京大学医学部附属病院をはじめとする大規模病院で白内障や硝子体の手術を数多く手がけてきた村中公正院長が2010年に開業した眼科医院だ。町のクリニックというフットワークの軽さを生かしながら、それまでに培った知識と技術を地域に還元すべく質の高い医療の提供をめざしている。昨年には分院として徳丸村中眼科を開設し、大学病院との連携体制も充実を図る。「3つのS」を理念に掲げ日々診療にあたる村中院長に、いろいろと話を聞いた。

(取材日2020年6月25日)

経験と先進機器を生かし、質の高い医療の提供をめざす

まず開業に至った経緯をお聞かせください。

村中公正院長 ときわ台村中眼科1

開業前は東京大学医学部附属病院などで診療を行ってきましたが、大学病院は先進的な研究や臨床に携われる反面、思いどおりの治療ができないもどかしさもありました。それならば、自分の思いを実現できるクリニックをつくろうと思ったわけです。まず考えたのは、患者さんとともに闘う場にしたいということ。大学病院では診療時間も短く、医師は患者を「指導する側」、患者さんは「指導される側」にならざるを得ないこともありました。そうではなく、患者さんにきちんと病状を説明して知識を分かち合った上で、一緒に病と闘える場をつくりたいと考えたのです。地域の皆さんから「目のことなら『ときわ台村中眼科』に任せれば大丈夫」と言っていただけるような診療を心がけています。

日帰りの白内障手術に力を入れていらっしゃるのですね。

勤務医時代に白内障や硝子体の手術を数多く行ってきた経験を踏まえ、クリニックでも先進的な医療機器を備え、高いクオリティーで負担の少ない治療をめざしています。白内障の手術をすると、患者さんが抱きつかんばかりに喜んでくださることもあって、医師としても本当にうれしくなります。硝子体手術は、日本大学医学部附属板橋病院の准教授を務めている専門の先生に執刀をお願いしているので、大学病院と同等の手術を受けることができます。同じ手術でも、硝子体手術が海深くに潜るダイビングだとしたら、白内障の手術は浅瀬での遊泳のようなもので、装備もリスクも違います。でも浅瀬で泳ぐにしても、ダイビングのできる装備や技術があれば、何かあったときの対応が違ってきます。その余裕が、より安全な手術に結びつくと考えています。

手術や検査のための設備でこだわっているのはどんな点ですか?

村中公正院長 ときわ台村中眼科2

眼科診療には、医療機器が不可欠です。機械がないと、ほとんど何もできないと言っても良いくらいです。そのため、当院ではできる限り新しい機器を導入するようにしています。例えば緑内障の手術に使用する機械は、2年ほど前に従来より低侵襲な手術が可能なタイプに切り替えました。すべての緑内障が対象ではありませんが、適合する症例に対してはそれまでの機械よりも小さな切開で済み、短時間で手術ができます。他にも最近では網膜を断層的に見ることができるOCT(光干渉断層計)、眼底の広い領域が撮影できる広角眼底カメラ、複数箇所の照射ができるレーザー機器などを導入しました。もちろんコストはかかりますが、新しい機器を導入することで、診療で得た収益を患者さんに還元したいという気持ちが根底にあります。自分はそのための車輪の軸のような存在でありたいと思っています。

高い専門性とわかりやすい説明により患者の満足を追求

診療理念である「3つのS」とは、どういった意味でしょうか?

村中公正院長 ときわ台村中眼科3

3つのSとは、「Speciality」「Simplicity」「Satisfaction」の頭文字です。「Speciality」は、高い専門性を表わしています。その言葉どおり、日々進歩する眼科医療の知識を取り入れながら、「目のことなら何でも任せてください」という思いで、診療に取り組んでいます。大学病院などとの連携体制も、高い専門性を確保するための手段の1つです。「Simplicity」というのは、できるだけシンプルにという意味で、わかりやすい説明で患者さんにとって負担の少ない治療を実現したいという意味を込めています。その結果として患者さんに「Satisfaction」、つまり満足していただけたら、こんなにうれしいことはありません。

「3つのS」の実現に向け、工夫されていることを教えてください。

取り組みの1つとして、患者さんにビジュアルで理解していただけるような、わかりやすい説明を実現するため、診察室にモニターを設置しました。目の状態を映しながら、疾患と治療法について説明しています。また、手術中の画像は、待合室のモニターでもライブで観ることができるようにしています。手術は顕微鏡を見ながら行いますが、私が術中に見ている画像をそのまま待合室のモニターに映し出し、お待ちいただいているご家族に観ていただくことができます。また、眼鏡やコンタクトレンズが必要な患者さんのために、同じビル内に眼鏡店を併設しています。さまざまな調整を施した上でその方に合ったものをお作りしたいと考えています。患者さんのニーズや訴えをそこまで受け止め、満足していただくことが、治療の行き着くところだと思っています。

分院を開設したとお聞きしました。

村中公正院長 ときわ台村中眼科4

2019年5月に、同じ板橋区の徳丸地区に、徳丸村中眼科を開院しました。あまり離れすぎていると当院との連携のメリットがなくなってしまうので、程よい距離の場所を選んでつくりました。分院へは自分も週1回診察に行っています。当院とはVPN(バーチャルプライベートネットワーク)でカルテを共有しているので、1人の患者さんをどちらでも診ることができます。分院長の久保玲子先生は、白内障や眼瞼手術を数多く手がけてきた眼科医師です。僕とはまた違う得意分野があるので、患者さんの症状や通いやすさなどを考慮して、どちらで診療を行うかを決めています。

人生100年時代を見据えた目のケアを任せてほしい

他の病院とも連携体制を取っているのですか?

村中公正院長 ときわ台村中眼科5

難症例の場合は、大学病院のように入院設備の整った施設を紹介するなど、患者さんにとってベストな治療が提供できるように体制を整えています。硝子体注射治療においては大学病院と提携し、そこで診断を受けた患者さんに対して当院で処置を行うケースもあります。一方で当院からは検査などの勉強をするため、同大学病院に週1回視能訓練士を派遣しています。診療外でも、広い意味で眼科医療に貢献したいという思いから、日本大学医学部に寄附を行い、眼科先端医療研究講座を設置しました。医学は、臨床と研究で成り立っていて、その進歩に研究は不可欠です。大学から独立すると研究とは縁遠くなりがちですが、現在の自分にできる形で研究にも貢献したいと思い、寄附講座という形で力になりたいと考えました。

今後の展望についてお聞かせください。

分院がオープンしたことで診療の基礎となるプラットフォームはできたので、これからはその体制をさらにブラッシュアップしていきながら、診療理念である「3つのS」を形にして、患者さんに還元していきたいですね。ドライアイとアレルギー性結膜炎の患者さんを対象とするオンライン診療は数年前から行っていますが、他の症例にも対応できるオンライン機器の開発も進んで来ているので、当院としてもいつでもそのための準備をしていきたいと思っています。診療外では、板橋区眼科医会の活動にもさらに力を入れていきたいです。地域の眼科医師の間でのネットワークを整備し、横のつながりをつくることで、さらに多くの患者さんにとってより良い医療が提供できるような地域医療体制を構築していきたいですね。

それでは最後に読者へのメッセージをお願いします。

村中公正院長 ときわ台村中眼科6

当院にも100歳の患者さんがいらっしゃいますが、人生100年時代を迎え、高齢になっても視力を保つためには、若い頃から適切なケアをしていくことが必要です。例えば成長期のお子さんならスマホやゲームのこと、青年期以降なら眼鏡やコンタクトレンズの選び方やパソコン画面について、高齢になれば老眼や白内障のことなど、年齢や生活環境によって注意点があり、眼科医師としてお役に立てることがそれぞれにあると思っています。例えば自動車の場合は、いつまでも快適に運転できるように、車検に出しますよね。それと同じように、高齢になっても視力を保ち、より豊かな人生を送れるような目のメンテナンスを、当院にお任せいただきたいと思っています。

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