関連職種と緊密な連携を取りながら
通院できない患者を自宅で診療
大泉こどもおとな歯科診療室
(練馬区/大泉学園駅)
最終更新日:2026/09/15
- 保険診療
「大泉こどもおとな歯科診療室」の友廣友香子院長は、老年歯科を専門とし、訪問歯科診療に力を注いでいる。訪問歯科診療が普及していなかった学生時代、授業で訪れた在宅療養の場で「口の中は何もケアできていない。自宅で歯科治療も受けられたらいいのに」という切実な声を聞いたことが、この道を志すきっかけになったという。通院してきた患者が高齢になり、通院が難しくなっても、かかりつけ医として最期まで支えたいとの思いから、訪問歯科診療に取り組んできた。現在は、同じく老年歯科を専門とする佐藤友紀美先生が加わり、外来診療を続けながら訪問にも出向きやすい体制に。通院が難しくなってきた患者に、状態や生活環境に応じて外来と訪問の双方を提案できるようになった。新たな体制で取り組む訪問歯科診療について友廣院長に話を聞いた。
(取材日2026年7月17日)
目次
患者の生活背景を知り、関連職種とも連携。家族までサポートしながら行う訪問歯科診療
- Q訪問歯科診療とはどのようなものでしょうか?
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A
▲訪問先でも質の高い診療を提供できるよう、道具を準備
疾患や障害があり、療養中で歯科医院への通院が難しい方の自宅や施設を訪ねて診療するのが、訪問歯科診療です。現在は治療器具を持ち運べるポータブルユニットがあり、虫歯や根管、歯周病、義歯の治療は、院内と同様に行えます。ただし、リスクの高い外科処置などは、全身状態によって難しい場合もあります。当院には65年以上この土地で交流してきた患者さんが多く、通院できなくなっても、かかりつけ医として最期まで診て差し上げたいと思っています。新たに老年歯科を専門とする佐藤先生が加わり、訪問診療を担える歯科医師が増えました。外来と訪問に分かれて動きやすくなったため、今後は訪問歯科診療の受け入れをさらに広げたいですね。
- Qどういった人が訪問歯科診療を受けられますか?
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A
▲訪問歯科診療で使用するポータブルユニット
通院が困難な方が対象で、目安としては要介護度3以上で、車いすでなければ移動できないような方です。基本的には院内のほうが設備が整っており、当院には車いすのまま入れるユニットもあるため、通える方には通院をお勧めしています。一方、ご高齢になり通院が難しくなってきた方には、状態や生活環境を踏まえ、外来を続けるか訪問に切り替えるかご提案します。要介護度が低くても、認知症や精神疾患などで外出できない方は訪問診療の対象です。制度上は当院から16km以内ですが、距離によっては限られた時間で伺うのが難しいため、ご相談ください。治療は保険診療で、介護認定を受けている方には医療保険に加えて介護保険も適用されます。
- Q実際の治療までの流れを教えてください。
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A
▲口腔ケアや食事についてのアドバイスも行う
これまで通っていただいた患者さんから直接ご依頼を受けることもありますが、新しい患者さんの場合は担当のケアマネジャーさんを通してご連絡いただくことが多いですね。練馬区で実施している訪問事前調査という制度も利用できます。寝たきりの方の場合、ベッド上か、お食事が座って取れるようなら座った姿勢で診療することもあります。普通に生活しているスペースで広さは十分。1回あたりお話を聞いたり仕度をしたりを含めて30分から1時間ぐらいでしょうか。お一人暮らしでご家族が立ち会われないケースでは、どうやってお家に入るか、移動の足となる車の駐車スペースが近くにあるかなどを事前に確認しています。
- Q訪問歯科診療で心がけているのはどういったことでしょうか?
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A
▲バリアフリーで車いすでも入りやすい院内
患者さんのお家に入っていきますので、まずは患者さんに安心感を持っていただけるよう、いろいろとお話を聞いて患者さんの不安をなくすことに心を配っています。また介護生活が長くなってくると、ご家族もお疲れですから、負担をどう軽減するかなどご家族のお話を伺うことも大事になってきますね。終末期になると、食べること自体が困難になってくるので、飲み込みやすい食事形態や姿勢など摂食嚥下に関するアドバイスをしたり、義歯が使えなくなったらどうすればいいかなどをご相談することもあります。お一人お一人事情が違ってすぐに答えが出るものではないので、お付き合いをしていく中で適切な方法を見つけられるよう努めます。
- Qケアマネジャーさんなど周囲との連携について教えてください。
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A
▲クリニックのスタッフとも密な連携を取る
患者さんにはいろいろな職種の方が関わっているので、なるべく緊密に連絡を取り合って顔の見える関係を築くのが大事だと考えています。後々物事がスムーズに進むので、些細なことでも電話やファックスなどで直接連絡を取るようにしています。全身に疾患がある方が対象なので、主治医とも連絡を取ります。「こういった治療をします」という連絡もあれば、「水分がうまく取れていないようです」という日常的な問題をシェアしたり、時にはホームヘルパーさんに口腔ケアや食事形態のお話をすることもあります。要になるのはやはりケアマネジャーさんで、そこに情報が集まっていますから、患者さんについて詳しく伺い、相談しながら診療していきます。

