寺本 研一 院長の独自取材記事
てらもとクリニック
(練馬区/武蔵関駅)
最終更新日:2026/02/05
武蔵関駅から徒歩で約10分の「てらもとクリニック」。院長を務める寺本研一先生は、東京医科歯科大学の消化器外科で長きにわたり研鑽。その経験を生かし2007年に開業した同院では、消化器疾患に幅広く対応している。2025年10月からは、入江工(たくみ)先生が副院長として就任した。肝胆膵外科を専門とする入江副院長はじめ非常勤医師が複数在籍し、医療体制のさらなる充実を図る。「それぞれの患者さんが何を必要として来られているのか、そこを精密に把握することが大切です」と語る寺本院長に、地域に根差したクリニックでの強みや新たな取り組みについて尋ねた。
(取材日2025年11月25日)
消化器を扱うクリニックに、肝胆膵外科の専門家が合流
開業以来、地域の患者さんがたくさん足を運んでいるそうですね。

当院は地域のかかりつけ医として、消化器疾患を中心に幅広いニーズに対応しながら皆さんの健康をサポートしています。私自身、消化器外科を専門にしてきましたので、胃・腸・肝臓・膵臓については精密な診断が可能で、遠くの大学病院まで行かなくてもそれと同等レベルの診療が行えるよう努めています。おかげさまで開業以来、多くの地域の患者さんに足を運んでいただいています。高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病、認知症、がんの相談などの患者さんが多く、当院が歴史を重ねるのと同じペースで患者さんの年齢層も少しずつ高くなってきています。60代以降の患者さんの割合が高いですね。
この秋、入江工(たくみ)先生が副院長として新たに就任されたと聞きました。
はい、そうです。入江先生は、私が東京医科歯科大学(現・東京科学大学)の外科チームにいた頃からの後輩で、ずっと一緒に働いていました。開業してしばらくしてから「いつかまた一緒にやろう」と話していたのです。入江先生は武蔵野赤十字病院で外科部長を務め、消化器外科、特に肝胆膵外科を中心に一般外科や救急疾患など広く診療に従事してきた後、満を持して当院に合流していただきました。入江先生の副院長就任により、当院の専門性が大きく強化されただけでなく、入江先生は一般診療や訪問診療にも関心が深く、地域医療に貢献したいと考えてくれています。これにより、さらに幅広い医療を提供できるようになったと自負しています。
クリニックの診療体制について教えてください。

当院は、院長の私、副院長の入江先生のほか、非常勤の先生方も充実しています。曜日によっては私と入江先生の二診体制になっており、加えて同じ大学の先生方が非常勤で来てくださっています。また、東京科学大学で循環器の講師を務める先生が週に1~2回来てくださるのですが、心臓など循環器系に不安がある方への専門的な治療をカバーできるようになりました。さまざまな先生の専門性を持ち寄って、まさに文字どおり「街のチーム医療」として、幅広く、専門的な医療を提供できる体制が整ったといっても過言ではありません。
患者の声を聞き「スモールステップ」で治療を提案
患者さんと接する時に大切にしていることを教えてください。

患者さんが当院に何を期待して来られているのかを推測することが大切だと考えています。例えば「薬は飲まずに治したい」「受診はするけど、あまり薬は飲みたくない」など、患者さんの望んでいる医療を理解して、こちらがそれに応じた医療を提供できるか、というところですね。そのためには、まずしっかりお話を聞き、その上でこちらから治療法を提案させていただいています。「薬はいりません」という患者さんでも「診療して絶対薬を飲まないと危ない」という状態の方には「絶対薬を飲んでください」と強く申し上げます。「飲まなくても良いかもしれないけれども、飲んだほうが良いかもしれない」という状態の方に「飲まない」という選択をした場合は、その次にどうするかを提案します。例えば「では、何ヵ月後には血液検査をしましょう」など次の手を患者さんにも一緒に考えてもらうようにしています。
生活習慣病の患者さんが多いそうですが、治療で心がけていることはありますか?
必要に応じてお薬を処方することはもちろん、生活指導については、患者さんが「やってみようか」と楽に思えるような提案をし、少しずつ改善していくことを心がけています。例えば、塩分制限なら「塩分は絶対駄目」ではなく「味噌汁の具だけ食べて汁は残すようにしましょう」、体重管理なら「まずは1ヵ月で1~2キロの減量から始めてみましょうか」など、過度な目標設定はせず、患者さんが「これならちょっとやってみようかな」と思えるようなことを提言して、少しずつ取り組んでいただく、ということですね。それが将来的な、改善へのモチベーションにつながると考えています。
来院される患者さんの疾患は、どういう傾向にありますか?

当院に限って申し上げると、膵臓がんの患者さんが増えています。当院で診ている膵臓がんの方の傾向としては、性別は男性のほうが多いですね。年齢は、だいたい60歳以上の方が多い印象です。膵臓がんは、自覚症状がないことが多いんですね。「おなかの調子が悪い」「背中が痛い」などの症状で受診してくださるのですが、その段階では結構進行してしまっていることが多いです。膵臓がんは、できる部位によっては黄疸(おうだん)が出る場合もあります。腹部超音波検査などでがんが見つかった場合は、各大学病院に直ちに紹介し、そこで精密な検査や必要に応じて手術といった治療を受けていただくことになります。
早期発見と継続的ケア、老化とがんを一緒に診る
在宅医療や認知症の相談にも取り組まれているのですね。

当院は外来が中心で、在宅医療の数は多くありません。私たちの在宅医療の基本的な考え方は「ここで長年診てきた患者さんが、年を取って通えなくなってしまったら、こちらから伺って診る」というものです。皆さん、高齢になっても頑張って通ってくださるのですが、それもだんだん難しくなってきてしまうんですよね。そういった患者さんに対しては、最期まで継続して診ていくのが私たちの役割だと思っています。また、私は自治体の認知症サポート医をしています。認知症の気配が見えてきた患者さんに対し、急に薬をまとめて出すと管理が難しくなることもあるため、通院回数を増やし、薬を少しずつお渡しするなどの対応をしています。こうして定期的にコンタクトを取り続けながら、必要に応じて介護のほうにスムーズにバトンを渡せるようにサポートしています。ご家族も含めて、相談しながら一緒に進めていくかたちです。
開業医としてのやりがいはなんでしょうか? また、お忙しい中のリフレッシュ法があれば教えてください。
地域の患者さんたちと一緒に歩んでいくこと、一緒に年を取っていくことです。大きな病院では患者さんの病気しか診られませんが、クリニックでは患者さんのバックグラウンドや環境、状況がわかり、より密接に見ていくことができます。患者さんとの距離がとても近いことが、やりがいになっています。リフレッシュ法については、以前はゴルフに加えランニングをしていましたが、最近はランニングよりも森林浴やハイキングを楽しんでいます。埼玉県や茨城県の県立公園などに行くことが多いですね。ゴルフは継続して楽しんでいます。
今後の展望について教えてください。

患者さんの老化を一緒に診ていくこと、そしてがんの早期発見に力を入れていきたいと思っています。当院では内視鏡検査、腹部超音波検査等を行っていますが、特に難しい膵がんについては、膵臓の嚢胞(のうほう)を持っている方を注意深く追っていくことが重要です。また、糖尿病が急に悪化した時や、家族性膵がんの有無など、家族歴を知っておくことも、早期発見につながる大事な情報であるため、リスク要因をチェックすることも大切です。あとは、AIによる胸部エックス線診断装置を導入しました。検診時のエックス線画像をAIが判断し、最終的には医師が決定するというダブルチェック、トリプルチェックができるようになりました。これからもスタッフ一丸となって、地域の方々に質の高い医療を提供していきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/4万9500円~、内視鏡検査/5万3700円程度 ※詳細はクリニックへお問い合わせください

