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菅野一男 院長の独自取材記事

かんの内科

(三鷹市/三鷹駅)

最終更新日:2020/04/01

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JR三鷹駅から徒歩1分という至近にある「かんの内科」は、糖尿病と内分泌疾患を専門とするクリニックだ。白と茶色をベースカラーとし、植物のオブジェが飾られた院内はとても明るく清潔で、幅広い年代に受け入れられやすい内装となっている。「旅行など、人生を楽しむ方法をお手伝いしていきたいと思っているんです」と語る菅野一男院長は、ご自身も60代でありながらとても若々しく、自ら人生の楽しみ方を実践しておられると感じるような朗らかな先生だ。病気や体調管理のことだけでなく、人生相談や趣味の話題をする人が多いというのも頷ける。そういったことも含め、糖尿病による合併症や内分泌疾患について詳しいお話をお聞かせいただくことができた。
(取材日2014年11月14日)

意外に多い内分泌疾患

こちらにいらっしゃる方の年齢層などについてお教えください。

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年齢層としては20代〜90代まで、平均すると65歳くらいでしょうか。性別はトータルでみると女性のほうが少し多いかもしれません。私は内分泌疾患を専門としているのですが、日本の糖尿病患者数が非常に増えているので、ここに来院される方も糖尿病が多いですね。おそらく9割くらいは糖尿病です。あとはバセドウ病や橋本病(慢性甲状腺炎)などの甲状腺疾患の方。橋本病は特に女性に多くて、10人に1人くらいはかかっているといわれています。

10人に1人というと、かなり頻度の高い病気ですね。

橋本病といっても、ほとんどの方は治療が必要ないレベルなので、診断されていない方が多いです。「何となく体調が悪くて、病院に行って検査をしてみたら橋本病だった」というケースが多いですね。ただ、甲状腺疾患の母数が多いので治療が必要になる人も全体的に見ると多くなります。これには、甲状腺の専門医がまだまだ少ないというのもあって、近所に対応できるクリニックがなくてここにいらっしゃるという方もいます。

糖尿病や甲状腺疾患のほかには、どのような方が来院されていますか?

糖尿病に付随する症状、例えば高血圧や高脂血症などでお悩みの方も多いですね。私は高血圧についてはずっと研究してまして、二次性高血圧など少し特殊な高血圧についても治療しています。中には特殊といっても割合として少なくないタイプの高血圧もありますので、ただの高血圧と思わずに早めの治療をすることが大切です。ただ、その方面に詳しい医師でないと鑑別や治療が難しいので、そういったものについては山梨や仙台、京都、北海道の病院から紹介されて当院に来院される場合もあります。

糖尿病と内分泌疾患というのは、何か深い関係があるのでしょうか。

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アメリカでは糖尿病を専門に診る医師も、内分泌専門医としてまとめて扱われていますね。日本では、糖尿病患者数が多いこともあってか別物と考えられていて、専門医の資格も別になっています。実際には糖尿病もホルモンの病気という面があり、重なるところも多いです。私は両方の資格を持っていますが、内分泌専門の先生は「糖尿病は内分泌疾患の一部」として捉えている方も多いですね。

患者との会話が楽しみの一つ

先生はどのような経緯で医学の道に入られたのでしょうか。

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実は最初から医学部に入ったのではなくて、まず東北大学の理学部化学科に入ったんです。元々理系の勉強が好きでしたから、将来も何かしら理系の仕事をしたいと思っていました。東北大でいろいろと勉強するうちに人体や生命に興味を持ったので、一度卒業してから東京医科歯科大へ入りました。そこで医学を学び直してややはり面白いと思ったので、そのまま医師の道に進んだんです。人数として多くはありませんでしたが、周りにも私と似たような経緯で医師になった人はいましたね。

内分泌科を選ばれたきっかけは何でしょう?

内分泌の方面を選んだのは、大学で専門を選ぶときに新しくいらした平田結喜緒先生という方との出会いがきっかけです。それまで内分泌専門の先生がいなくて、学内でも一から内分泌のことをやろうとしていたときだったんですね。そういうタイミングで学べる機会は滅多にないですし、できたばかりということは人数が少ないわけですから、そういう意味でもやりがいがあると思って内分泌を学ぶことにしました。平田先生は東京医科歯科大を定年退職されて、今は神戸で先端医療センター病院の院長となり、最近話題になったiPS細胞による臨床研究を開始されています。そういう先生に一から内分泌のことを教えていただけたおかげで、今もこうして医師をやれているというわけです。

先生や周りの方々も大変お忙しいと思いますが、ご自分の時間を取ることはできるのでしょうか?

なかなか難しいですが、患者さんとの会話が余暇の代わりのような位置づけになっています。やはり一番長く接している相手ですし、そういう方とは楽しく話をしたいじゃないですか。もちろん初診や数回目の診察ではなかなか打ち解けて話すのは難しいですし時間もかかりますが、長く来ていただいているとそのうちプライベートのことも話せるようになってきます。私は患者さんと一緒に人生を楽しんでいきたい、と考えているんです。中には患者から友達になって、一緒に遊びに行くようになった人もいますね。話しているうちに患者さんの価値観がわかってきて、生活習慣のアドバイスなどがしやすくなることもあるので、会話から診療が始まると考えているほど、会話というのはとても大切だと思っています。

先生はたくさんの学会に所属していらっしゃいますが、”日本旅行医学会”について教えていただけますか。

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簡単に説明すると、「病気になっている方に、旅をすることによって元気になってもらおう」という会です。旅行をすると元気が出るじゃないですか。しかし、シニア層になると、ちょっとした体調不良でも「周りに迷惑をかけるといけないから」といって旅行を取りやめてしまう方が多いですよね。そういう方にも安心して旅を楽しんでもらいたいというのが日本旅行医学会の趣旨のひとつです。私も旅行が好きですし、「行きたいと思うなら行きなさい」と言っています。もちろん薬などの準備はしないといけませんが、人生いつ何があるかわかりませんから、やりたいことは恐れずにやったほうがいいと思っているんです。もし万が一のことが起こってしまったときのノウハウなどは、学会でもきちんとサポートできるようにセミナー活動に力を入れています。

患者と一緒に目標を見つけて、人生を楽しむためのお手伝いをしたい

こちらのクリニックはスタッフの方も多いですね。

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今は私の他に非常勤の先生が7名、その他のスタッフが20名ほどいます。専門の看護師や管理栄養士など、病気を直接治すだけでなく、生活習慣にもアドバイスできるメンバーが揃っています。フットケアの方は今後さらに詳しい方に来ていただいて、より強化していきたいと考えているところです。他にも目や腎臓、心臓、歯などいろいろな部分に関わってくる病気ですから、糖尿病を診る先生ならあらゆる面に目を光らせていると思いますし、そうでないといけないと思います。他にも、糖尿病の方はがんになりやすいという説が今唱えられていて、こういう視点はさらに重要になってくるでしょうね。

先生が診療の際に心がけていることは何でしょうか。

患者さんとたくさん会話をすることですね。開業医の場合は全身を診たり、たくさんお話をして患者さんの日頃のストレスを解消したりといったことがとても大切だと思うのです。人生相談者とでも言うのでしょうか。例えば、ご夫婦二人暮らしで、お二人ともまだしっかりしているんだけども、やっぱり80歳超えるといろいろ大変になってきて……とか、皆さんいろいろな悩みをお持ちでも、なかなか話す相手や機会がないということもありますから。そういったお話をきっかけに、病状をよくするには患者さんには何が必要で、これからどうしていきたいのかっていうのを一緒に考えて、まずは共通の目標を見つける。目標が見つかれば、薬はどうしようとか注射はどうしようとか、食事療法はどこまで制限するかとか、具体的な話に進みます。最初からあれこれ指示することが診療ではないのです。会話から患者さんとの距離を縮め、共通の目標を見つけること。これがないと医療というものは成立しないんじゃないでしょうか。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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現在も、いろいろなところから患者さんが来てくださっているし、面白い話を聞かせてもらえることもたくさんあります。患者さんのお話が、私の糧になることもあるんです。今後は、この状態を維持しつつ、一人でも多くの患者さんの健康寿命を長くするためのお手伝いを続けていきたいです。何のために健康でいるのか、それは人生を楽しくするためですよね。私ももう歳ですから、まずは自分の健康を保ちつつ、これからも患者さんが楽しく生活していくために私に何ができるか、あるいは患者さんと2人で、またはチームで何ができるか一緒に考えていきたいと思います。

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