全国のドクター9,257人の想いを取材
クリニック・病院 158,643件の情報を掲載(2024年4月23日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 千代田区
  4. 有楽町駅
  5. 宮入内科
  6. 宮入 誠 院長

宮入 誠 院長の独自取材記事

宮入内科

(千代田区/有楽町駅)

最終更新日:2022/12/09

宮入誠院長 宮入内科 main

東京交通会館の3階にある「宮入内科」は、1965年、交通会館と同時に開業したという非常に歴史の長い医院だ。「診察の際には、患者さんと同じ目線でお話しするように気をつけています」と話す宮入誠院長は、患者一人ひとりにきちんと向き合う誠実な姿勢が評判。治療法についてもそれぞれに一番合った方法をとことんまで探してくれる、頼れる存在だ。気さくでユーモアたっぷりの人柄も患者から親しまれており、インタビュー中も始終周りを笑わせ、和やかな雰囲気をつくってくれた。趣味の飛行機に話題が及ぶと、一層顔をほころばせ楽しげに話す、人間味にあふれるドクターである。そんな宮入先生に、現代人が特に注意すべき高血圧や肥満などの話を中心に聞いた。

(取材日2013年3月1日/更新日2022年11月30日)

有楽町の歴史とともにある医院

医師になったきっかけをお聞かせください。

宮入誠院長 宮入内科1

一言でいえば、「パイロットになれなかったから」ですね(笑)。子どもの頃から飛行機が大好きでずっとパイロットに憧れていたのですが、高校生になってから視力が下がってきてしまって、これはもうパイロットにはなれないな、と断念しました。そこで医療の道に進むことを選んだのはやはり、父が医師だったからです。特に父から「将来は医師になってほしい」と言われていたわけでもないのですが、医大への進学を決めました。ただ医師になるだけでは面白くない、入学試験に通ったら飛行機のライセンスを取りたい、と真っ先に思いました(笑)。東京では調布の飛行場で自家用操縦士の免許が取れるので、「調布から近い医大はどこだろう」と考えた結果、東京慈恵医科大学をめざすことにしたのです。

循環器科を専門とするようになったきっかけをお聞かせください。

大学卒業後は国立病院で研修医をし、後に心臓カテーテルの検査専門の道に入って行くのですが、その時代にとても人に恵まれ、尊敬できる先生方に巡り会ったことがとても大きかったと思います。当時は大学に帰ろうという考えはなく、とにかく心臓カテーテルが上手になりたいという気持ちがとても強かったですね。勤務医時代は本当にハードで、毎朝7時には検査室に入り、昼食も立ったまま食べて、検査室を出るのは夜の9時や10時頃でした。それから明け方まで自分たちの原稿を書いたり研究会の準備をしたり、患者さんの紹介状のデータをまとめたり……。本当に365日、そんな生活でした。夕食は店屋物で済ませることも多く、どんどん太ってしまいましたね(笑)。

こちらの院長に着任されたきっかけをお聞かせください。

宮入誠院長 宮入内科2

当院はこの交通会館ができた当初からずっと父が開業していました。当時の有楽町は今とはだいぶ雰囲気が違いましたよ。周囲は掘っ立て小屋みたいな飲み屋ばかりでしたから。勤務医時代から週に1回くらいのペースでこちらの手伝いに来てはいたのですが、1994年に父が倒れたのを契機に、院長に着任することになりました。最初の5年ほどは大学病院の勤務とのかけ持ちで忙しかったですね。父からは「医院を継いでほしい」と言われたことは一度もなかったのですが、それでも「いつかはそういう時が来るのだろうな」と漠然とは思っていましたね。

高血圧の原因は生活習慣のほか、遺伝的要素も

どのような患者が多いのでしょうか。

宮入誠院長 宮入内科3

土地柄、この付近で働いている方がほとんどです。インテリジェンスの高い方が多く、医療にまつわる知識も豊富で、健康に対する意識がとても高いですね。症例としては、高血圧などの循環器疾患の方が7割くらいでしょうか。高血圧は特に多いように感じます。高血圧というと「ある程度年齢を重ねた方がなるもの」というイメージがあるかもしれませんが、条件によっては若い方でも発症し得るものなのです。若い時から定年まで当院に通い、その後も月1回くらい診療にみえる患者さんもたくさんいらっしゃいます。皆さん、「たまには銀座の空気を吸わないとね!」などとおっしゃっています(笑)。やはりそういう方には、しゃれた方が多いですね。

高血圧の原因としてはどんな要素が考えられるのでしょうか。

遺伝子的な要因と生活習慣など後天的な要因が両方そろった時になりやすいのでしょうね。血圧が上がる主な原因としては動脈硬化が挙げられますが、その動脈硬化の発症には遺伝の要素が非常に大きく関わっています。ですから診察の際には、ご両親や祖父母など、親族の病歴を必ず尋ねるようにしています。高血圧、心筋梗塞や脳溢血などの家族歴を認める場合は、若いうちから気をつけておきたいですね。もちろん、親族に病気の方がいなくても注意は必要ですが。あとは、加齢、そして生活習慣ですね。塩分の多い食事をしていたり、喫煙を続けている方は動脈硬化の進行も早くなりますし、他の病気を併発するリスクも高くなります。また、男女で発症のリスクもかなり異なります。男性は女性の10倍の心筋梗塞のリスクがあるといわれています。

禁煙の外来もされているとのことですが。

宮入誠院長 宮入内科4

禁煙の外来の患者さんも最近増えてきましたね。最近喫煙スペースが少なくなったこと、また禁煙啓発キャンペーンのCMの影響もあるのでしょう。先日、4〜5人のグループで来院された患者さんもいましたね。「みんなで禁煙すればできるんじゃないかと思って」とおっしゃっていました。気持ちはわかるのですが、禁煙指導には1人当たり20分程度かかるので大変なんですよ(笑)。禁煙の外来は保険診療の期間が3ヵ月と決まっており、それを過ぎると自費診療になるため、ほとんどの患者さんは3ヵ月以内の禁煙をめざします。僕はしつこく「1本でももらいタバコをしたら全部無駄になっちゃいますよ!」と言うようにしていますよ(笑)。

増える肥満。一番大切なのは食べ過ぎないこと

企業検診も行っているとのことですが、最近の傾向として気になる点はありますか。

宮入誠院長 宮入内科5

肥満は非常に増えてきたなと思います。僕はこんな性格なので、おなかの脂肪をつかんで揺すりながら「この前3つを減らしましょう!」と言うことも(笑)。そういう僕も実はダイエットの経験があるんですよ。勤務医時代のハードな生活で太ってしまい、最大で93kgあった時期もあります。ウエストは106cmもありました。さすがに「このままじゃ駄目だ!」と思い、一念発起してダイエットをしました。食事の量を3分の1に減らし、週に3〜4回はランニングをするようにしたのです。徐々に距離を伸ばして1時間で10Km走るようになりました。今でも週に2回は走り、食事は和食を中心にするように心がけています。おかげさまでもう10年、体重は66~67Kgを維持してリバウンドはありません。患者さんたちにも常々言っていますが、やはり一番大切なのは食べ過ぎないことですね。

特に印象に残った患者さんとのエピソードを教えてください。

患者さんたちが良くなるためのサポートをできることはすごくうれしいです。いろんな患者さんがいらっしゃいますが、基本的に僕は人が好きなので、皆さんのことをお一人お一人最大限に理解して診療に臨みたいと思っています。人間の体についての答えは決して一つではなく、例えばダイエットの方法もさまざまな種類があります。患者さんそれぞれに一番合った方法を提示するのはとても大切なことだと思います。楽しみと言う面で言えば、僕はパイロットの検診(航空身体検査)も引き受けています。操縦しているパイロットの後ろに座り、パイロットの仕事がどれだけ過酷か、集中力低下がないかを確かめて、航空会社に健康面のアドバイスをすることもあります。操縦中のパイロットたちのやりとりを聞くのもとても楽しいですし、高度1万mから見る星空はもう絶景です。ハードな業務ではありますがまったく飽きません。本当に楽しくやらせていただいています(笑)。

休日の過ごし方やリラックス方法について教えてください。

宮入誠院長 宮入内科6

それはもう徹底して飛行機です(笑)。独身時代は自分で操縦することも多かったのですが、家族ができてからは飛行機ばかりにかまけているわけにもいかず、実機を操縦する機会がこの10年くらいあまり取れませんでした。ある方のご紹介で中学、高校時代の趣味だったラジコン操縦を数年前から再開し楽しんでいます。ラジコンといっても大きいものは2〜3mほどありますし、また速度も200km/時くらい出るんですよ。すごいでしょ(笑)。あとはスポーツも好きですね。冬場にはスキーに出かけることもあります。

Access