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三宅 永 院長の独自取材記事

飯田橋メンタルクリニック

(千代田区/飯田橋駅)

最終更新日:2022/03/10

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JR中央・総武線の飯田橋駅西口から歩いて1分余り。「飯田橋メンタルクリニック」は、働く人や学生が行き交うにぎやかな通りのメディカルビル4階にある。開業から21年、飯田橋周辺に住まいや勤め先がある人々のメンタルの不調に寄り添ってきた。院内は植物や絵画で飾られ、診察室には白木を五角形に加工したデスクが置かれる。三宅永(みやけ・ひさし)院長は、東京慈恵会医科大学附属病院で長年精神科医師として診療に携わり、国立療養所静岡東病院や京都大学臨床心理学教室などで研鑽を積んだ医師。パニック症や対人恐怖といった不安症を主な対象に、薬物療法と精神療法を併用した丁寧な診療を行っている。やわらかな表情で物静かに話す様子が印象的な三宅院長に、クリニックの特徴や診療方針などを聞いた。

(取材日2021年4月9日)

パニック症などの不安症の症状を多彩な治療で和らげる

どのような患者さんが多く訪れますか?

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当クリニックを受診する患者さんは、近隣で働いておられる30代〜40代のオフィスワーカーの方が多いですね。紹介も多く受け入れています。この地域に住んでいらっしゃる方や職場がある方、そういったたまたまご縁のある方たちに対して良い医療を提供したいと考えています。開業して20年以上たちましたが、このエリアはとても知的な方が多いという印象を持っています。始めた当初、この付近には精神科クリニックがほとんどなかったのですが、最近はすっかり数が増えましたね。

こちらでは、どのような治療を行っていますか?

一般的な薬物療法と精神療法が中心です。精神科の先生方の中には「精神科のいろいろな治療法を勉強して、いろいろなことがわかっているけれども、普通にお薬を処方する。そういう医者がいいよね」とおっしゃる方がいますが、それがまさに当院のめざすところです。軽いパニック症や対人恐怖などの不安症は、精神科の中核である統合失調症やうつ病などの重い精神障害に比べると軽い病気だとみなされ、ないがしろにされてしまうこともあります。実際、不安症についてあまり勉強してこなかったり、治療法をあまり持っていない先生も多いので、私はそうした比較的軽い疾患を丁寧に診ようと心がけています。当院には森田療法を専門とするカウンセラーが2人、認知行動療法、箱庭療法を専門とするカウンセラーがそれぞれ1人ずつ在籍しています。

不安症にはどのような症状や治療法がありますか?

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特に持病がないにもかかわらず、電車に乗っていて胸がドキドキして苦しくなったり、会食恐怖といって、みんなで食事をしているときに苦しくなって食べられなくなるといった症状は、いずれもパニック症によるものと考えられます。ほかにも、人前でスピーチしようとすると過度に緊張してしまう対人恐怖などもあって、こうした症状にはお薬の処方で対応しながら、精神療法を取り入れる場合もあります。基本的には薬物療法を治療の柱としつつ、私がこれまで学んできた知識を生かしたアドバイスも随時織り交ぜていく、というふうにイメージしてください。

精神科へのどんな質問にも答えるオンライン相談を開始

最近、オンラインで患者と向き合う取り組みを始められたと聞きました。

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はい、対面の診療が基本であることに変わりはありませんが、遠方にお住まいで来院が難しい方や、時間的に余裕がない方のために何か新しいサービスをと考え、電話による再診と、インターネットでのオンライン相談を開始しました。精神科においては、特に慎重な取り扱いが求められる向精神薬を処方する必要性から、初診の患者さんに対面以外での診療を行うことが認められていません。このため再診の方、中でも症状が安定しているとみられる方にのみ、電話での診察を受けつけることにしたわけです。最近の様子などを伺い、大きな変化がないようでしたら処方せんを発行し、ご希望の薬局にファックスします。その薬局からお薬が患者さんの元に郵送される仕組みです。

オンライン相談とはどのような内容ですか?

こちらは診察よりももっとカジュアルな“相談窓口”という位置づけです。そもそも自分が精神科に行ったほうが良いかどうかもわからないとか、病気だという自覚も怪しいけれど何かモヤモヤしているとか、そんな事情でいきなり受診するのをためらっている方にも利用してほしいと思っています。三宅先生の話を聞いてみたいけれど九州に住んでるから行けないんですとおっしゃる方がいたり、ほかにも精神科の医師にいろいろ相談したいといった声を以前から耳にしていたので、こういうサービスにはきっと需要があるだろうと考えました。ご相談のみなので薬の処方もできませんが、どんなことでも気軽に質問していただきたいですね。

セカンドオピニオンを目的に利用することもできますか?

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そうですね。ほかの精神科に通われている患者さんが当院のオンライン相談を利用するのはもちろん自由ですが、注意が必要なのは、患者さんのご家族が病状や治療について聞きたいというケースです。本来、メンタルの病気の治療では、見守る立場のご家族も情報を共有しながらサポートしていただくのが望ましく、受診時に同席されるのも良いと思うのですが、患者さんがそれを望まないこともしばしばあります。患者さんとドクターは治療契約を結ぶ関係なので、たとえご家族であっても、患者さんご本人の了承がなければ、主治医は治療についてお伝えすることはできません。しかし、当院以外の医療機関に通院されていて私が主治医でない場合であれば、ご家族からの情報に基づいて、ご家族にセカンドオピニオンをお伝えすることはできます。その際にオンライン相談をお使いになられても良いと思います。

人生の伴走者として患者に寄り添った診療を提供したい

先生が精神科の医師を志したきっかけを教えてください。

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医学部に入学したときには、すでに精神科の医師になろうと決めていました。精神科を志したきっかけは、正直に言うと「自分自身の心の悩みを解消したかった」というのが一番の理由かもしれません。私自身も昔は悩みやコンプレックスがたくさんあって、決して「何でもできる優等生」ではありませんでした。もし、今の私がいろいろな悩みを抱える患者さんの力になれているのだとしたら、そうした自分の経験が役立っているのではないでしょうか。精神科の医師は、患者さんの悩みをただ客観的に分析するだけではなく、自分自身の半生とも重ね合わせて「共感」することがとても大切だと思います。

院内の感染症対策としてどのような取り組みをされていますか?

精神科ではほかのどの診療科よりも、患者さんと医師との人間関係の確立が重要です。そのため、院内の環境をいかに居心地良く、リラックスして話せるように工夫するかも大事なテーマになってくるので、感染症対策においても患者さんとの関係を極力阻害しないように配慮しました。例えば、診療室のデスクはもともと私がデザインしたもので、患者さんと向き合う角度や距離が適切な状態になるように調整してあるのですが、患者さんに手で触れる必要がないからといって飛沫防止のためにアクリル板などで仕切ってしまうと、診療の場が取調室のように感じられたらいけないと思い、あえて仕切らないことにしました。その代わり、大学病院でも採用されている強力な空気清浄機を導入して、患者さんが安心して診療に臨める環境を保っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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当院では、薬物療法・精神療法・改善後のフォローアップなど、患者さん一人ひとりに合わせた診療をご提案させていただき、さらに専門的な医療が必要だと判断した場合は大学病院への紹介も行っています。病気を治してあげるというより、人生の伴走者として患者さんの人生に関わり、支えながら生きていければ精神科の医師として本望です。治療が終わり、患者さんと笑顔で別れられることはすごくうれしいですし、たまにお手紙をいただくと本当に感激します。そのような場面がもっともっと増えるように、今後も変わらず丁寧な診療に努めます。些細な悩みであっても、気軽に足を運んでください。お待ちしています。

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