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鈴木 淳子 院長の独自取材記事

医療法人社団 山岡クリニック

(千代田区/麹町駅)

最終更新日:2023/03/17

鈴木淳子院長 医療法人社団 山岡クリニック main

麹町駅1番出口からすぐのところにあるビルの2階というビジネス街の中心で、地域で働いていたり、住んでいたりする人々の健康を見守り続けているのが、「山岡クリニック」だ。成人の生活習慣病や内分泌疾患から、小児科一般に加え、海外渡航者向けのワクチン接種や健康診断、美容に関する相談まで地域のニーズに応える体制を整えている同院。鈴木淳子院長は、小児の全身の血管に炎症が起きてしまう川崎病の研究や臨床に長年にわたって尽力してきたベテラン医師で、現在もその豊富な知識や経験も生かしながら、小児から働き世代、高齢者までの健康に寄り添っている。相手がほっとするような穏やかな表情と優しい雰囲気が印象的な鈴木院長に、同院のことなどについて話を聞いた。

(取材日2022年12月27日)

ビジネスパーソンから住民までの医療ニーズに応える

まずはクリニックについてご紹介いただけますか?

鈴木淳子院長 医療法人社団 山岡クリニック1

当院は、内科と小児科、皮膚科の診療を行っています。内科では、高血圧や脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症などの生活習慣病を定期的に診ている患者さんに加え、バセドウ病などの甲状腺疾患にも対応しています。私の専門でもある小児科では、感染症で熱が出たり、下痢をしたりといった小児科一般のほか、乳幼児健診や予防接種にも力を入れています。皮膚科は週に2日非常勤の医師に来てもらっていて、皮膚科一般と美容に関する相談にも対応しています。ほかに、認知症の相談や、近隣に国際的な機関や企業もあるという場所柄から、海外渡航者向けのワクチン接種や健康診断、最近では新型コロナウイルス感染の検査なども行っています。また、家庭的というか、とても温かい雰囲気も大切にしています。

どのような患者さんが多いのでしょうか?

場所柄もあって近隣に勤めているビジネスパーソンが多いですが、以前から近隣に住んでいる高齢の方も少なくありません。それに、少し前までは比較的お年を召した方が多かったのですが、ここ数年で周辺に新しいマンションが建てられたこともあって、比較的若い家族もかなり増えました。私は17年も前に近隣の病院に勤務していたのですが、その頃は本当に子どもが少なかったですね。しかし、今は小さいお子さんも増えて、当院を利用してくれる親子も増えています。あとは、外国の方も結構いますね。

小児科の診療について教えてください。

鈴木淳子院長 医療法人社団 山岡クリニック2

私が月、火、木曜日、土曜日は第1と第3土曜日に診察していて、水曜日と第4第5土曜日は日本赤十字医療センターの前乳児院院長である今田義夫先生が担当。金曜日は、内科の医師が診ています。新型コロナウイルス感染症も含め熱がある患者さんは診ますし、健康診断やワクチン接種にも力を入れています。子どもは具合が悪ければすぐ顔に表れますし、良くなってきたときも同様で、その分だけ経過を丁寧に観察する必要があります。大人よりも気を使うところもありますが、そうした変化の明白さに惹かれて小児科を選んだのです。それに私は小柄ですから、子どもが見上げることもなく診察できますしね(笑)。また、それが必ずしも良いことかはわかりませんが、最近はお行儀の良い子が増えたと感じますね。中には注射を嫌がって何十分も泣き続けるお子さんもいますけど、スムーズなことが多いですね。

川崎病の専門的な診療にも対応

先生の専門である川崎病について教えてください。

鈴木淳子院長 医療法人社団 山岡クリニック3

川崎病は特に乳幼児に多くて、全身の血管が炎症を起こしそれによって目の充血や体の赤発疹、手足の腫れなどさまざまな症状が出る病気です。以前よりも診断や治療の方法が進み、早期発見と適切な対処ができるようになってきたことから、川崎病の大きな問題である心臓の栄養血管である冠動脈にこぶができることも減ってきています。一方で川崎病は血管が傷んでしまうので、成長してからも動脈硬化性の変化が強く出るといわれています。ですが、30代や40代になって心臓の血管の狭窄が進んでいても、ちゃんと診てもらえるところが少ないんです。川崎病は胸に痛みが出たら遅く、いつ命に関わるようなことがあってもおかしくない。でも、一般の循環器内科に行くと薬を出すので胸痛があるまで様子を見ましょうなどと言われ、患者さん本人はすごく心配します。大人の川崎病を診るところは少ないですから、当院のように小児科で続けて診ていることが多いんです。

そのような方には、どのようにフォローするのですか?

以前は冠動脈のスクリーニングをするために心臓カテーテル検査が必要でしたが、現在はMRI検査でスクリーニングが可能です。放射線を浴びることなく、造影剤も使わず寝ているだけの検査なので、毎年でなくても数年に1回はMRI検査を受けて、血管の状態を確認することが大切です。当院では、私も週に1回勤務している八重洲クリニックと連携していて、必要な場合はすぐにそちらでMRI検査やCT検査を受けられるようになっています。これは川崎病の方に限らず、ほかの患者さんでも心臓のみならず全身のがんなど確認が必要な場合は、そちらに紹介して検査を受けてもらうようにしています。検査のために大学病院まで行かなくても早急に受けることができるのは良いことだと思いますし、それができる体制を整えているのも当院の大きな特徴だと思います。

話は変わりますが、先生はなぜ医師を志したのでしょうか?

鈴木淳子院長 医療法人社団 山岡クリニック4

私が将来のことを考えた頃は、女性が差別されずに一生続けられる職業が限られていて、学校の先生か医師くらいしか選択肢がなかったんですね。母は教師でしたが、私自身は学校の先生にはなりたくありませんでした。高校生の時の担任には自宅で音楽を教えるような道を勧められたのですが、残念ながら音楽のほうはまるで才能がなかったんです。それで、体力と誠意があれば何とか一人前の仕事ができると思って医師になることを選びました。医師になってみたら、これほど存在価値のある仕事はないと感じていて、今は天職と思っています。

談笑するようなつもりで気軽に来院してほしい

こちらの院長になったのは、どのような経緯だったのですか?

鈴木淳子院長 医療法人社団 山岡クリニック5

私は長年、大阪の国立循環器病センターで川崎病の治療と研究に従事してきましたが、家族の転居や年齢的に週5日の心臓カテーテル検査を行うのがきつくなってきたこともあって、東京に戻りました。それで東京逓信病院で小児科部長を務めていたのですが、山岡クリニックの理事長からは退職時よりお誘いを受けていました。ですが、当時は忙しく高齢の母もいて、迷惑をおかけするのではないかと思いなかなか決心できずにいたのです。その母も他界し、私にもまだ広い分野に挑戦したいという気持ちがあったので、2015年に思いきってお引き受けすることにしました。

お忙しい中どのようにリフレッシュしていますか?

週1回先生について歌のレッスンを受けています。その先生というのが、当クリニックの山岡周子理事長です。それも、偶然紹介されたのですから不思議な巡り合わせだと思います。歌は高校生時代に少しだけ習ったことがありましたが、そのときは全然駄目だと気づいてすぐにやめてしまいました。それから40年以上がたってからまた歌うようになって、これが楽しくて仕方がありません(笑)。どんなに疲れていてもレッスンに行くと背筋がしゃんとします。先日は発表会があって、理事長はソプラノ歌手ですから、チェロやピアノによる伴奏もプロの音楽家がしてくれて、自分が歌うのを忘れてしまうようなきれいな伴奏なんです(笑)。そんな中で何曲か歌わせてもらって楽しかったですし、これからも続けていきたいですね。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

鈴木淳子院長 医療法人社団 山岡クリニック6

川崎病の研究は、私のライフワークですから続けていきたいですね。現在も論文や講演会の依頼がありうれしいです。加えて、これからも生活習慣病や、認知症もいずれ私もなるかもしれないと思って勉強会にも行きます。私は内科の中でも循環器の専門家ですが、内科の他の領域のことをさらに学んでいきたいと思っています。私一人ではどうにもなりませんが、幸い当院には山岡クリニックの後継者である山岡先生という信頼できる内科の先生がいらっしゃるので、先生のカルテも参考にしながら日々学んで行きたいと考えています。そして、皆さんにはとにかく気負わずに受診してほしいですね。お子さんの急な発熱などもできるだけ診ますし、必要だと判断したら点滴なども行います。大人の方も談笑するつもりで気軽に立ち寄っていただければと思いますので、何か体調で心配なことがあったり、健診やワクチン接種などが必要な場合にも、ぜひいらしてください。

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