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西村 紳二郎 院長の独自取材記事

中央ファーストデンタルクリニック

(中央区/築地駅)

最終更新日:2021/05/07

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「歯科医師には、技術力だけでなく倫理観、道徳観が求められます」と、「中央ファーストデンタルクリニック」の西村紳二郎院長。自らを厳しく律しながらも、笑顔は優しく、物腰はゆったりとおおらかだ。その人間性に信頼を置き、遠方から長く通い続ける患者も多い。歯を失わないための歯周病治療、そして失ってしまったときのインプラント治療、麻酔科での経験を生かした痛みを抑えた治療を得意とし、後進の育成にも力を入れる。「今、最も力を入れているのは、歯科医療の底上げに通じる治療の強化と若手の教育です。私が第一線を退いた後も、同じ志を持って歯科医療に取り組んでくれる若手を、一人でも多く排出していきたいですね」と話す西村院長に、同院の治療の特徴や強み、診療のモットーなどについて聞いた。
(取材日2021年2月16日)

全身の健康を包括的に捉え、QOLを保つことを重視

大学卒業後、麻酔科に勤務していらしたと伺いました。

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医学の現場では診断や診療の内容が評価され、歯科では「何をしたか」という結果で評価が決まってしまいます。歯学部在学時、技術力や診療内容に大きな差があっても結果で判断される日本の保険制度では、歯科の実力が正しく評価されにくいと感じ、麻酔科を専門に勤務する道を選び、全身麻酔が必要な現場や救急診療の場で十数年にわたって働いていたんです。歯科医療にもう一度興味を持ったのは、スウェーデンのイエテボリ大学の留学を終え帰国された、当時奥羽大学の教授だった岡本先生との出会いがきっかけでした。歯を残す大切さ、咀嚼が健康に及ぼす影響などを学んで、歯科医療の奥深さにふれた気がしたのです。そこで、岡本先生のもとで勉強をさせていただき、その紹介でスウェーデンのイエテボリ大学のJan Lindhe(ヤン・リンデ)教授と出会いました。リンデ教授の講義では、日本の歯科医療のガラパゴス化を感じ、愕然としたのを覚えています。

スウェーデンで歯科医療を学ばれたのですね。

歯科はもちろん、医療においても先端をいく国ですから、たくさんの刺激を受けました。スウェーデンでは治療法一つとっても、研究論文などをもとに有益なものかどうかを公平かつ正確に判断することを追求する環境で、根拠に基づいた治療がきちんと周知され、受け継がれていく特徴があるといえるでしょう。また、倫理観や道徳観があり、人間性を含めて医師、歯科医師の技量があると判断された人が医学の道に進むことができます。大学入学後も、一般教養を身につけてからでないと医学の勉強を始めることはできません。皆、そういう壁を乗り越えて医療に携わっている人ばかりなので、生半可な仕事ではないと改めて身が引き締まる思いがしました。

こちらのコンセプトを教えてください。

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お口の状態は、全身の健康や免疫機能と深いつながりがあります。長いお付き合いの患者さんなら、その日のお口の中を見た瞬間、何か問題を抱えていそうだとか、今は調子が良さそうだとか、そんなことまでわかってしまうほど。ですから、単にお口の中だけを診るのではなく、全身の健康をトータルで考え、QOLを高く保つ医療の提供をめざしています。新型コロナウイルス感染症では基礎疾患がある人のリスクが高いといわれていますが、歯周病もリスク要因の一つなんですよ。歯周病が悪化すると歯周ポケット内の傷から細菌が入り込み、全身にまわってさまざまな疾患を引き起こすといわれています。お口の中をきれいに保ち、歯周病原菌を減らすことで、感染症にも対抗していくことができます。患者さん一人ひとりの人生に伴走するつもりで、予防をベースとした長いお付き合いをしていけたらと思っています。

歯周病に遺伝が関係することも。定期通院で早期発見を

治療の柱の1つである歯周病治療についてお聞かせください。

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私が師事していたリンデ教授は、歯周病治療のエキスパートとして第一線で治療法の確立に取り組んでおられました。私も、リンデ教授のスカンディナビア式の手法を受け継ぎ、「歯を守り、残すための歯周病治療」を実践しています。歯周病の初期には、ほとんど自覚症状がないので、まずは定期的かつ継続的なお付き合いの中で変化をいち早く発見することに努め、プラークを除去し、ブラッシング指導をしながら状態の改善を図ります。軽度から中度の歯周病であれば、歯周ポケットを浅くすることで解決することが多いでしょう。重度の歯周病や、初期治療で改善が見られない方でも、スカンディナビア式の治療ではできる限り歯を抜かず、外科処置に加え矯正処置などで歯や骨を整えていきます。1本1本の現状と、今後の展望について患者さんに詳しく説明し、治療の理由や方法に納得いただいた上で治療を進めていくので、主体性を持って取り組んでくれる方が多いですね。

初期の自覚症状が乏しい歯周病は、定期的な通院で発見することが肝心ですね。

出血や口臭などのサインを放置しているうちに腫れが出て、歯がグラグラして硬いものが噛めなくなってから来院される方が少なくありません。ちょっとした変化を見逃さずに、歯周病の専門家を受診していただきたいですね。また、歯周組織の抵抗力などは遺伝する可能性があることがわかっていて、丁寧にケアしていても歯周病を発症しやすい体質の方、いわゆる疾患感受性が高い方が存在します。当院ではこの感受性も踏まえて、ご家族に歯周病の方がいる場合はより小まめな受診を促し、予防と早期発見につなげています。

インプラント治療や痛みを抑えた治療にも力を入れておられます。

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スウェーデンでは、歯周病のほかにインプラント治療についても学びました。前提は定期的なケアですが、やむなく歯を失ってしまったときの選択肢として、インプラントがあります。歯を1本でも失うと、思うように噛めないだけでなく、見た目が気になって笑えなくなったり、口元の衰えが気になったりして、人生を楽しめなくなってしまうかもしれません。ライフステージや状況に応じて、確実で安心できるインプラント治療の提供をめざしています。痛みを抑えた治療は、もともと私が麻酔医で麻酔科を専門としていたことから、局所麻酔のほかに全身管理を行いながら静脈麻酔薬による作用を利用して行っているもの。インプラントを含めた外科治療や、歯科治療に恐怖心がある方の治療の際に使用し、眠っている間に治療を終えるようにしています。

歯科医師は高い倫理観と道徳観を持つことが大切

診療の際に心がけていることを教えてください。

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スウェーデンで学んだように、日々のたゆまぬ努力と研鑽による技術力と、医療人として、また一人の人間として高い倫理観と道徳観を持つことが、信頼できる歯科医師の条件だと思っています。いつも患者さんに対して正直であること。利他の心で接すること。このことは忘れないようにしていますし、一緒に働いている歯科医師や歯科衛生士にも徹底するよう伝えています。不思議なもので、そうした意識を持って診療していると、心のきれいな患者さんに出会えることが多いんですよ。立派な施設や機器は、そこに良い歯科医師がいてこそ生きるもの。自分にできることを、ぶれることなくやり続けていきたいと思います。

後進の育成にも注力しておられるのですね。

実は65歳を迎えるとき、それを歯科医師としての一つの区切りとしようと思っています。また、その後の道の一つとして、在家をしようと考えています。幼い頃、親がお寺に連れて行ってくれて、僧の教えを聞いた経験が影響しているのかもしれません。そのため、今はこれまでの恩返しの気持ちもふくめ、若い世代を育て、歯科医療の底上げにつながる優れた歯科医師、歯科衛生士を育てることも私の使命の一つだと思っています。在家ですから、診療にも何らかの形で関わり続けるかもしれませんが、後進の育成にはより力を入れていきたいですね。毎年、イエテボリ大学で行われるサマースクールや勉強会には、当院で働くメンバーを連れて行って、外の世界を見せるようにしています。

最後に、読者にメッセージをお願いいたします。

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歯を守るために一番気をつけなければならないのは、虫歯と歯周病です。虫歯は、予防法も治療法もある程度確立されていますから、患者さんが日々正しいケアをし、定期的に通院して、歯を削らない適切な治療を行っていれば防げると言っても過言ではありません。歯周病についても同じように、予防をベースとした継続的な通院の中でコントロールしていくことができます。セカンドオピニオンも受けつけていますので、お困りの方はご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/28万6000円~(1本につき)、静脈内鎮静法/5万5000円~、歯周病外科治療/2万円~(1本につき)

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