須永 健一 院長の独自取材記事
オーラルクリニック京橋
(中央区/京橋駅)
最終更新日:2026/06/11
京橋駅から徒歩1分、東京駅八重洲南口から徒歩6分の好立地にある「オーラルクリニック京橋」。近隣のオフィスワーカーの口腔内の健康を長年支えてきた同院を、昨年、須永健一院長が継承した。歯周病治療をベースとした予防歯科を強みとしつつ、入れ歯治療にも力を入れていきたいと考えている。建築デザインを学び、調理師免許も取得した異色の経歴を生かし「歯を通じて人々の暮らしを支えたい」という夢を持つ。歯科医療と食文化の融合で「患者の治療や予防へのモチベーションを高めたい」と明るい笑顔で語る。何げない一言にも興味深く耳を傾け、気取らずに話してくれる須永院長に、緊張を忘れる人も多いだろう。居心地の良い院内で、詳しく話を聞いた。
(取材日2026年5月27日)
専門的な入れ歯治療と予防歯科で口腔環境をリスタート
まず、継承開業にかける思いから教えていただけますか?

当院は、岸豊子前院長が1998年に八重洲で開業し、2017年に現在地へ移転して以来、長年にわたり近隣で働く方々の口腔内の健康を見守ってきました。昨年、継承し、現在も週に3日は二診制で岸先生の診療を間近で拝見しています。口腔外科を専門とする岸先生が患者さんに心から慕われている姿を目にし、その信頼をしっかり引き継いでいきたいと身の引き締まる思いです。今後は、私が大学病院などで培ってきた歯周病や入れ歯治療を中心とした体制へ、緩やかにシフトしていく予定です。これまでのスタッフさんたちにも残っていただいており、まだ私が慣れないうちから丁寧にサポートしてくれて、本当に助かっています。
どのような治療に力を入れていますか?
幅広い歯科診療を行いながら、特に力を入れているのが入れ歯治療と予防歯科です。すでに歯を失っている方には予防の重要性を伝えるだけでなく、まず「噛むための道具」を整えなければいけません。その上で、今度こそ自分のお口を大切にできるよう、リスタートを支えたいと思っています。歯を失った後の治療法にはブリッジやインプラントという選択肢もありますが、入れ歯は誰でも手が届きやすく、修理や調整にも柔軟に対応できるというメリットがあります。まず、入れ歯でよく噛んで食べられる生活を取り戻すことをめざし、治療が終了してからも定期的にメンテナンスに通う習慣をつくりましょう。また、当院では保険診療でも時間を十分にかけて、口腔内のチェック、歯石除去、歯面清掃などを行っています。どこに汚れがたまりやすく、どのように取るべきか、日々のセルフケアに関するアドバイスも行います。
入れ歯治療でこだわっている点をお聞かせください。

数多くの勉強会やセミナーに参加して技術力の高い歯科技工士と知り合えたことで、信頼できる歯科技工所を厳選して入れ歯の製作をお願いできるようになりました。入れ歯は「作って終わり」ではなく、患者さんが生活の中で使いこなせて初めて成功といえます。「どうしたらもっとおいしく食事できるか」を妥協せずに、パートナーとして追求していきたいと思っています。保険と自費で使える素材やデザインの自由度の違い、治療期間などを事前にしっかりと説明して、患者さんが十分納得した上で治療を開始。顎運動関連検査なども行い、噛み合わせにも注意しながら、オーダーメイドの入れ歯を仕上げていきます。一人ひとりのライフスタイルや要望に合わせて、十分に満足していただけるゴールが目標です。
おいしく食べ続ける人生を歯科医療で支えたい
次に先生が歯科医師を志した理由などを伺えますか?

高校卒業後、文系大学に進学するも中退し、紆余曲折を経て日本歯科大学生命歯学部に入学しました。過去に歯科治療で苦い思い出があったので、歯学部に入学した当初は人生の予想外の巡り合わせに自分でも驚いていましたが、大学生活の中で出会った友人や先輩・後輩など素晴らしい出会いの中で「自分はこの道で生きていくんだ」と自然に思うようになりました。卒業後は、大学付属病院の総合診療科で歯周病治療を中心に研鑽を積み、やりがいのある日々を過ごしました。その後、歯科医として得意領域を広げたいと思い大学病院を辞し、一般開業医で幅広い診療に従事しました。一方で、「患者さんが診察室を出た後の生活をより多角的な視点から支えたい」との思いから、京都芸術大学通信教育部建築デザインコースや服部栄養専門学校で学び、今春に調理師免許も取得しました。
ユニークな経歴をどのように歯科診療に役立てたいですか?
さまざまな学びを通じて、歯科医師の使命は「歯を通じて人々の暮らしを支えること」だと考えるようになりました。歯科診療と食に関する教育や体験を組み合わせ「おいしく食べる人生」を支える場所として、歯科医院を再定義できたらと思っています。そのためには従来とは異なる院内づくりも必要になるかもしれませんが、建築デザインの知識も活用していきたいです。また、服部栄養専門学校の研修でフランスを訪れた際、地産地消や日々の食への意識の高さに感銘を受けました。日本ではまだあまり一般的ではない、生涯にわたって深く食を楽しむ視点を患者さんに伝え、治療や予防へのモチベーションを高めていきたいです。
生涯食事を楽しむためには、どのような口腔環境が必要ですか?

例えば、口腔機能の維持は必須といえるでしょう。最近、小児の口腔機能発達不全症や、高齢者の口腔機能低下症による摂食・嚥下機能の衰えなどが問題視されています。当院の主な患者層である働き世代は口腔機能の問題はまだ表面化していないかもしれませんが、若い頃から注意できることも少なくありません。また、親御さんやお子さんの口腔機能にすでにトラブルが生じている可能性もあるので、情報提供は重要だと思います。口腔機能だけではなく、虫歯や歯周病がないことももちろん大事です。お口に不具合があると無意識にやわらかいものばかり食べ、栄養バランスも崩れ、集中力低下、メタボリック症候群、フレイルなどにもつながりかねません。「食生活を支えるための歯科医療」は、全身の健康を守ることにも役立つといえるでしょう。
寄り添うだけでなく「導き」で明るい未来をつくる
患者さんと接する際、何を大切にしていますか?

患者さんの希望に寄り添うのは当然のこととして、その上で医療のプロとして、言うべきことはきちんと伝えなければ、適切な医療は実現できないと考えています。例えば、誰でも歯は抜きたくないものです。しかし、1本の歯を残したために口腔内のバランスが崩れ、かえって食事がしづらくなる可能性がある場合は、患者さんとよく話し合うようにしています。「ストレスのない食事」を共通目標にするには、場当たり的な迎合だけではなく、時には患者さんにとって耳の痛い助言も必要です。無理に押しつけることはありませんが、その場しのぎもせず、患者さんをより良い未来へ導けるようにサポートしたいと思っています。
今後の展望をお聞きします。
京橋というビジネス街にある特色を生かし、異業種とタッグを組んで新しいサービスをつくれないかと構想しています。口腔ケアは健康増進のための費用対効果が高い投資ともいえ、従業員のヘルスケアを重視している企業に協力できることも大いにあるのではないでしょうか。歯科医師側から地域へ一歩踏み出す機会を創出できれば、個人の患者さんに対してもより有益な情報提供となると思います。毎年、医師国家試験合格者は約9000人いるのに対し、歯科医師国家試験合格者は2000人弱。コンビニよりも多いなどといわれる歯科医院ですが、実はレアな存在なのかもしれません。誰もが気軽に立ち寄って相談できるような「地域に開かれた歯科医院」をデザインできたらすてきですね。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

歯科医院には「特に痛みはないけど、何となく気になるところがある」という段階で来ていただけたらと思います。「こんなつまらないことは相談できない」という遠慮はいりません。特に私はこのようなキャラクターで医療以外の学びの経験もあり、「いかにも歯科医師」という雰囲気ではないので、患者さんもあまり緊張しないのではないでしょうか。雑談を含め、患者さん一人ひとりのお話を聞くことが、私は本当に大好きです。この近くにはおいしいお店もたくさんあるので、グルメ情報などもお待ちしています。飲食店に勤務しているプロの方のお話もぜひ伺ってみたいです。食文化を通じてコミュニケーションを深めながら信頼関係を築き、治療を進めていきたいと考えています。そして、一生食事を楽しめるお口を守るため、末永くお手伝いできたら幸いです。
自由診療費用の目安
自由診療とはノンクラスプデンチャー/14万3000円~、金属床義歯/22万円~

