口腔内の力のバランスを考えた
治療の選択肢としてのインプラント
八重洲中央歯科
(中央区/日本橋駅)
最終更新日:2023/06/02


- 自由診療
虫歯や歯周病などで歯を失ってしまったとき、真っ先に頭に浮かぶのはインプラント治療ではないだろうか。周囲の歯に影響を与えにくく、なおかつもともと持っていた自分の歯に近い存在として、万能のようなイメージさえあるインプラント治療。しかし失った歯の位置や、口の中の状況、患者の置かれている環境や体調などによって、治療のベストな選択肢は大きく異なってくる。そんな患者一人ひとりに合わせた治療のゴールを設定し、インプラント治療を含むさまざまな方法を考え組み合わせて治療を行っているのが、「八重洲中央歯科」の佐藤仁理事長だ。さまざまな治療方法に精通し、まるで総合芸術のような歯科治療をめざす佐藤理事長に、口の中の力のバランスを考えた中で行うインプラント治療について話を聞いた。
(取材日2023年5月17日)
目次
安心して長く快適に食事をするために有用な選択肢の一つであるインプラント治療
- Qインプラント治療についてのお考えをお聞かせください。
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A
▲治療のゴールについてしっかりと説明することを心がけている
虫歯や歯周病など何らかの理由で歯を失った場合、有用な補完方法の一つがインプラント治療です。特に奥歯などの臼歯と呼ばれる歯を補うためには、強度があるため適していると考えます。また、インプラント治療はほかの歯に影響を与えにくいので、特に失った歯が1本だけの場合など、ほかの歯に影響が少ない治療法を希望される患者さんにお勧めです。奥歯を失うとお口の中の力のバランスが崩れ、全体的に歯を失うスピードが加速する恐れがあります。失ったらできるだけ早く歯を補いましょう。その時、一番大切なのはきちんと咬むという機能を回復させること。機能回復をめざす面でも、インプラント治療は適した治療法だと考えています。
- Qインプラント治療のメリットとデメリットを教えてください。
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A
▲インプラント治療は咬み合わせの再現がしやすいという
もともとのご自分の歯と近い使用感が期待できる点がメリットですが、私の考える最大のメリットは咬み合わせの再現がしやすいということ。例えば入れ歯は歯肉の上に乗せるため、使っていくうちに入れ歯で歯肉を圧迫し下の骨に影響を及ぼし、咬み合わせの高さが変化してしまう恐れがあります。そうすると徐々に咬みにくくなることもあります。しかしインプラント治療だと歯の高さを維持しやすいので、咬み合わせのバランスも元の状態をめざしやすいのです。咬合バランスが良好だと、全体的に歯の健康を維持しやすいと考えています。デメリットは治療費と、ほかの歯が抜けた場合にもインプラント治療を行う必要が生じる可能性のあることでしょうか。
- Qインプラント治療はどのくらい持つものですか?
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A
▲衛生管理の行き届いた環境下で手術を行う
これは個人差がとても大きいので、一概には何とも申し上げられません。40歳代で治療された方が、90歳代でお亡くなりになるまで使っておられた例も報告されていますし、逆に丁寧にケアをされておられてもあまり持たなかったケースもあります。ケアの方法も患者さんにより最適な方法が違います。またリスクの高い場所にリスクの高い治療方法をとらざるを得ないような場合には、インプラント治療自体をお勧めしないこともあります。しかし、日々のセルフケアと定期的な通院によるプロのケアと検診はきちんとしていただいたほうが良いでしょう。当院では患者さんごとに適したケア方法や注意点、お勧めの歯ブラシなどもお伝えします。
- Qこちらでの治療の特徴を教えてください。
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A
▲患者の口腔状況にあわせた綿密な治療計画を作成
私は歯のないところにとにかくインプラントを入れれば良いという考えではありません。あくまでも咬み合わせのバランス、咬むという機能を取り戻すということを大切にしています。そもそも歯を失った原因にもアプローチする必要があります。インプラントを入れても咬み合わせが悪いままですと、インプラント部分だけ咬む力が強いまま維持され、かえって他の歯の寿命を縮めかねないと考えるからです。それでは本末転倒です。また治療の際には患者さんとよくご相談してめざすゴールを設定します。もし今後何らかのお口のトラブルが生じた際にはどう治療しようかなど、患者さんの生活や健康状態、お考えなどをよく聞き、適切な治療をご提案します。
- Q咬み合わせの再現・構築が大切なのですね。
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A
▲これまで専門性の高い口腔外科手術を多く手がけてきた佐藤理事長
歯が残っていると言っても機能している歯が残っていなければ意味がありません。奥歯が咬めても前歯が咬めていなければ、お口全体の寿命は短くなってしまいます。入れ歯でも上手に使いこなしてご本人が満足いくお食事を取れていれば何の問題もありませんが、やはり何でもおいしく食べたいというご希望ならば、きちんと咬む機能をより長く維持できるよう回復させる必要があります。歯列と歯の位置関係の再現と長持ちする環境をめざす、時には矯正治療も含めて治療をご提案していきます。理想的な咬み合わせが構築できれば、インプラント治療が効力を発揮しやすいですし、咬み合わせの再現をしやすいからこそインプラント治療がお勧めなのです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(1本)/36万3000円~、歯列矯正(全顎)/82万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。