歯周病で揺れている歯も残したい
天然歯を守るための「歯周補綴」
藤本歯科医院
(中央区/銀座駅)
最終更新日:2026/07/07
- 自由診療
歯周病でグラグラしている歯を抜くことを勧められたが、どうしても残したい……そんなときは、歯周補綴という選択肢がある。この治療は複数の歯を削る必要があるため、侵襲度が高いと誤解されがちだ。しかし、何度も低侵襲の治療を繰り返してはかえって歯を失うことにもなりかねない。歯周補綴は「自分の歯を極力残すために行う治療で、歯周病の進行の抑制もめざします」と力を込めるのが「藤本歯科医院」の藤本浩平院長だ。「歯周補綴」は一般に聞き慣れない言葉だが、古くから用いられてきた治療法だという。具体的にはどのようなものなのか藤本先生に詳しく教えていただいた。
(取材日2026年3月10日)
目次
歯周補綴は歯周病の進行抑制にも有用。生涯、自分の歯で食事を楽しむための選択肢
- Q歯周補綴とはどのような治療なのでしょうか。
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A
▲力を分散し、揺れている歯も守るアーチ状ブリッジの模型
補綴治療の一つに、失った歯を補うために隣接する歯を削って土台とし、橋をかけるように人工歯を連結して固定するブリッジがあります。歯周補綴とは、歯周病で揺れている歯も含め、上顎または下顎全体を一つの大きなアーチ状のブリッジで結ぶ治療です。個々の歯はグラグラしていても全部をつなげることで安定化を図るのです。噛んだときの力を分散して特定の歯へ過度の力がかからないようにできるので、抜歯のリスクが高い歯の保存や歯周病の進行抑制に有用です。まだインプラントがなかった時代から行われてきた治療法ですが、インプラント治療の台頭で、歯を残す治療として行われる機会は少なくなってきました。
- Q歯周補綴を行うための条件はありますか?
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A
▲自分の歯を残すための選択肢として
歯周病でグラグラしている歯を含め、上顎または下顎全体で土台にできそうな歯が十分に残っているなら、歯周補綴ができる可能性はあります。最低でも7本あることが目安になりますが、誰でも必ずできるわけではなく、慎重に判断しなければいけません。インプラントや総入れ歯しか手段はなさそうだと治療を進めているうちに歯周補綴もできると方向転換することもありますし、その逆もあります。時間がかかりますが、グラグラしている歯を機能的な状態で残し、自分の歯で咀嚼することが期待できる治療です。
- Q歯周補綴のメリットを詳しく教えてください。
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A
▲患者の希望に寄り添い、一人ひとりに合わせた治療計画を提案
自分の歯の根っこを残せることは非常に大きなメリットです。抜歯をすると歯と骨の間でサスペンションとして働いている歯根膜を失い、歯を噛み合わせた時の刺激が骨に伝わらなくなってしまいます。歯がなくなったと認識した骨が痩せてしまうのを防ぐための方法が、歯周補綴です。また、歯根と歯根膜を残すことで、噛み心地も保つことが望めます。歯周補綴と迷われる方が多いインプラントも素晴らしい治療ですが、抜歯が必須なので歯根を取ることになります。その点、歯周補綴では歯根を残すことで、骨の退化を抑えること、自分の歯の感覚と近い状態で食事をすることがめざせます。このような選択肢もあることを、より多くの方に知ってほしいです。
- Q歯周補綴を受ける際の注意点はありますか?
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A
▲長期間の治療だからこそ患者の状態を細かに把握しながら進める
保険診療のように1本の歯ごとの治療ではなく、トータルに口腔内全体を見据える治療になるため、通常よりも治療に時間がかかる点にご注意ください。歯が揺れて骨も少ない方は、歯の位置が乱れていて、まず矯正治療が必要になる場合があります。歯を削ることで、場合によっては一部の歯の神経を取り除く必要が生じることもあります。そして仮歯を作って噛み合わせを調整します。歯周補綴の場合は、仮歯の範囲が大きくなるので、患者さんにとって快適な咀嚼をめざし、見た目や機能面の調整を行います。さまざまな治療を適用するので治療に時間と高度な技術を必要とするのも、提供できる歯科医院が減っている理由の一つといえるでしょう。
- Q歯周補綴後のメンテナンスも大切と聞きました。
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A
▲将来を見据えて、残せる歯を最大限に生かす治療を
歯周補綴を受ける方はもともと歯周病の問題を抱えています。歯周病が悪化しないように見守るためにも3〜4ヵ月に1回はメンテナンスに通うようにしてください。私はアメリカのワシントン大学歯周病科大学院にて歯周病の治療や手術の研鑽を積んでおり、当院では歯茎を切開して隠れた歯石を除去する手術も行っていますが、そこに至る前に食い止めたいとメンテナンスにも力を入れてきました。セルフケアをしっかりと行っていただくことも欠かせませんが「時間をかけた結果を維持したい」というのは一つのモチベーションになるようです。自分の歯を残したいと強く希望している方は一度ご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周補綴/200万円~(矯正など必要な治療により変動します)

