清川 隆 院長の独自取材記事
新高円寺クリニック
(杉並区/新高円寺駅)
最終更新日:2026/07/14
新高円寺駅からすぐの場所に、2026年3月に移転リニューアルを果たした「新高円寺クリニック」。父親から院長職を引き継いだ清川隆先生は、長年東京警察病院などの救急科を背負ってきた、救急医療のスペシャリストだ。「町の救急科外来がイメージするところ。どの診療科に行けばいいかわからないような不調や、どんな病気の方が来ても断らない決意で臨んでいます」と強いモットーを掲げ、クリニックでありながら、まるで病院のER(Emergency Room)のような即応体制をめざしている。生まれ育った地元への深い愛着を胸に、救急の現場で培ったスピード感と圧倒的な対応力を武器とし、地域の頼れる「最初の窓口」という目標を持って新たなスタートを切った清川新院長に、詳しく話を聞いた。
(取材日2026年7月7日)
救急の現場で培った「圧倒的な対応力」を地域医療へ
クリニックについて教えてください。

当院は今から28年ほど前に、父が開業しました。2022年に父が突然倒れてしまい、急きょ私が引き継ぐことになりました。あまりに急な継承でした。それまで父と肩を並べて診療した時期は皆無で、仕事の話をしたこともなかったので、父がどんな診療をしていたのか、正直今もよくわかっていません。患者さんのお話を聞きながら、父親を知っていくような状態でした。これまでは診療内容自体はそこまで大きく変えずに診療してまいりましたが、私自身がこれまでに経験したことを生かした診療も提供していきたいと考え、今年の3月にこちらの新しい場所にクリニックを移転したタイミングで私が正式に院長に就任いたしました。
これまではどのような経験をされてきたのでしょうか?
東京警察病院で研修医としてスタート。新宿・歌舞伎町近くで24時間体制の診療を実践している春山記念病院や整形外科クリニックなどいくつかの臨床現場を経て、また東京警察病院の救急科に戻って働いていました。父が倒れたのは、ちょうどその時期ですので、当院を継ぐ直前まで、救急の現場でずっと働いていたことになります。交通外傷から心筋梗塞、脳卒中、急な腹痛や頭痛まで、さまざまな症状の患者さんが次々に運ばれてくる現場で、診療科の垣根なく、まず全身を診て命に関わる病気を見逃さないための訓練を積んできました。救急科の現場で磨かれたスピーディーな診断とそして圧倒的な対応力は、今のクリニックでの診療にも間違いなく生きていると感じます。
移転リニューアルされた理由を伺えますか?

これまでの場所から50メートルほどとすぐ近くですが、今年3月に移転しました。移転の一番の理由は、検査機器を置くスペースを確保するためです。CTや骨密度測定器、迅速血液検査装置、超音波検査装置、上部内視鏡など、以前の建物では物理的に置けなかった機器を導入するにあたって、新しい場所を探すことになりました。救急科での経験から、検査までその日のうちに完結できる体制をずっとつくりたいと考えていまして、今回の移転を機にようやくそれを実現できました。ある程度充実した検査機器がそろっていれば、大きな病院に行かなくても、その日のうちにここで診断までを完結させられますからね。当院での診療を本格的に広げていく上で、大きな一歩になりました。ごく近距離での移転なので、従来の患者さんにもご負担のない範囲なのではないかと考えています。
CTを備え、即日診断まで完結させる
導入されている検査機器について教えてください。

イメージとして、このクリニックで「町の救急科外来」をやりたいと思っているんです。病院の救急科に救急車で運ばれてきた患者さんを検査して、その場でパッと診断をつけて適切な診療科に送る、あの感じですね。そこで、移転を機にCTを導入したのに加え、超音波検査、エックス線検査、心電図検査、迅速血液検査などの検査体制を整えています。必要性や適用があれば、即日その場でCTを撮り、即座に結果をお伝えできます。もちろん被ばくを伴う検査ですので、むやみに撮ることはお勧めしていませんが、エックス線検査では見落とされがちな異変もCTでは捉えることができ、スクリーニング検査として非常に有用です。健診で異常を指摘された際の精密検査も、大きな病院では予約制で数週間待ちということもあるようですが、すぐに受けていただけます。
どのような患者さんがいらしていますか?
昔から通院してくださっている内科や消化器疾患の高齢者がベースでしたが、今は整形外科なども含めて診療科を問わず幅広く診ているので、本当にさまざまな方が来院されます。年齢層も本当に幅広くて、1歳、2歳の小さいお子さんから100歳を超える方まで。小児科は標榜していませんが、小さなお子さんも受け入れています。この辺りはもともと高齢の方が多かったのですが、最近の傾向としてマンションやアパートが増えたこともあり、一人暮らしの若い方も目立つようになりました。若い方とはいえ気は抜けず、風邪症状のような身近な症状で来院されても、実は血栓症など重症のケースが紛れていることがあります。おなかが痛い、頭が痛いといった、一見すると誰もが経験するような身近な症状の中に、急を要する重大な病気が隠れていることがあるのです。そこを見極めて迅速かつ適切に対応できるのは、救急科にいた強みが役に立っている部分だなと感じますね。
訪問診療にも力を入れられているそうですね。

もともと外来に通ってくださっていた患者さんの移動が難しくなって、訪問診療を希望されるケースが一番多いのですが、地域の包括センターやケアマネジャーさん、あるいはご家族からご依頼いただくケースもあります。基本は月1〜2回の定期訪問ですが、訪問診療を担う以上は24時間・週7日体制で対応しなければなりません。専用の携帯電話で、緊急時はいつでも私が直接連絡を受けて伺う体制を取っています。近隣エリアに絞って実施しているので、広く展開している医療機関よりも早く動けるのが強みですね。今後は看護師も同行して、さらに手厚くしていく予定です。
「断らない」姿勢で、24時間365日安心できる町に
診療の際に心がけていることを教えてください。

わかりやすい説明と、親身にお話を聞くことです。診察の最後には必ず「何か質問はありませんか?」とお声がけして、患者さんが気になっていることを聞き逃さないようにしています。実は病院の救急の現場というのは緊迫しているせいか、ストレスがたまってしまうこともしばしばでした。一方で、この地域にお住まいの方は本当に皆さん親切で優しい、いい人ばかり。だから現在は私もストレスなく、とても新鮮な気持ちで日々患者さんに向き合えています。
今後の展望を教えてください。
休診日をできるだけ減らしていきたいと思っています。今は木曜と日曜がお休みなのですが、木曜は診療するようにして、日曜も月に2回ほどは開けるつもりです。休みの日に限って急に熱が出たり、けがをして血が出ちゃったりして困っている人って本当に多いんですよね。そういう時に「あそこに行けば開いている、診てもらえる」と安心できる場所でありたいんです。現在は私のほかに非常勤の先生が2人いて、水曜午前は内科の先生、第4土曜日は私が担当できない胃カメラのために消化器科の先生に来てもらっています。今後も「何でも断らない」という方針に共感してくれる対応力のある先生方に加わっていただきながら、少しずつ診療体制を広げ、地域の皆さんがより頼りやすいクリニックにしていきたいと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

「こんなことで受診していいのかな」と迷うような、身近な症状でもまずは一度ご相談ください。放っておいても問題ないことがほとんどですが、中にはそのまま見逃すと深刻な事態になってしまうケースも紛れています。どの診療科にかかればいいかわからない場合も、まずは当院にいらしていただければ、必要に応じて検査を行い、病態を見極めて、適宜専門の医療機関へとご紹介しています。生まれ育ったこの地域の皆さんが、体のことで困った時にいつでも安心して頼れる最初の窓口でありたいと思っていますので、どうぞご遠慮なくご相談ください。

