アレルギーや審美面にも配慮
オールセラミック治療
柳澤歯科クリニック
(杉並区/東高円寺駅)
最終更新日:2021/10/12
近年、金属アレルギーの方が増加傾向にあり、歯の治療で使われる金属によって、口の中にアレルギー反応を起こすケースも増えてきている。そこで、注目を集めているのが、金属を使わないオールセラミック治療だ。体質や審美面に配慮されていることが特徴だが、治療のための機器や材料が進化したことで歯科医療の現場にも変化をもたらしているようだ。大学病院レベルの機器を導入し治療を行う柳澤邦博院長に話を聞いた。
(取材日2014年12月11日)
目次
進化したセラミックは美しく軽くて丈夫。優れた接着で歯を削る量が少なくて済み、新たな虫歯にもなりにくい
- Qオールセラミック治療に注目したきっかけを教えてください。
-
A
開業以来、歯周病を重視した診療を行ってきましたが、歯周病は歯茎や歯の周りの骨だけでなく、噛み合わせなど総合的な治療が必要になることもあります。そのため、私は歯周病のほかにも矯正やインプラント、顎関節症など、さまざまな治療技術の取得と向上に取り組んできました。その中にセラミックを使った治療もありましたが、当初のセラミックは「硬いけれどもろい」という性質のため、金属を裏打ちしなければならず、優れているとは思えませんでした。ところが、ここ数年の間に治療のための機器や材料が格段に進化し、セラミックだけで歯面に接着できるようになりました。となると審美的にも体にも良いと思い、オールセラミック治療に力を入れるようになったのです。
- Qセラミックを使用する利点とは何ですか?
-
A
美しさはもちろん、金属アレルギーがないことです。歯のかぶせ物や詰め物に金属を使っていると、金属イオンが溶け出て体に取り込まれてしまいます。それに免疫細胞が過剰に反応するとアレルギーが引き起こされます。これまで何ともなかった方でも突然発症して、口の中が赤くはれ上がったりすることがあります。セラミックであればそうしたリスクを抑えることができるのです。その他にも、金属に比べて歯面との接着が良いため歯を削る量が少なく済みますし、治療後も取れたり虫歯になったりする可能性が低いと言えます。硬さも歯とほぼ同じなので、合わさる歯を傷つけることもありません。歯科治療の様々な面で良い内容だと思いますが、費用については自由診療になります。
- QCAD/CAMシステムによるセラミック治療を行っているそうですね。
-
A
通常、歯のかぶせ物や詰め物は、患者さんの歯を型取りして、外注先などの歯科技工士に手作業で作ってもらいます。しかし、CAD/CAMシステムは、3Dカメラで患部をスキャンし、コンピューターで設計からデザイン、製作まで行うため、院内ですべてが完結します。使うセラミックは硬さや強度などいろいろな種類があり、製作の際の精度は20ミクロンまで出せます。その場で患者さんの歯の色に合わせて色を焼き付けることも可能です。もし急ぎの場合は、歯に特別な問題がなければ、朝、削ったり、患部のスキャンをしてコンピューターに情報を取り込み、夕方にはかぶせ物や詰め物ができあがって、その日のうちに装着することもできます。
- Q患者さんがセラミック治療を受けるきっかけを教えてください。
-
A
最近は、はじめからオールセラミック治療をしたいと言っていらっしゃる方も増えています。通常の治療においては、まず金属からセラミックまで当院でできる方法をすべてお話して、患者さんが見た目の美しさやより良い物を希望するようなら、セラミックの治療をおすすめしています。セラミックは削った歯全体にかぶせたり、小さく詰めたりするほか、歯の表面を薄く削って付け爪のようにつけることもできるので、虫歯だけでなく歯の形や色が悪くてお悩みの方の治療にも役立てられています。患者さんには、自然な仕上がりを喜んでいただけていると思います。
- Q治療後のケアはどうすればいいのですか?
-
A
治療後は定期検診に来てもらい、歯の状態を診ていきます。いくら歯がきれいになっても、歯周病などで歯の周りが悪くなったり、歯ぐきが下がったりして、歯がもたなければ仕方がありません。メンテナンスは続けていく必要があります。また、セラミックは金属と違い伸びないので、ごくまれですが、すごい歯ぎしりをされる方ですと割れることがあります。その際は、より強度があるものに取りかえることになります。当院で治療したセラミックが割れた場合は、無償で取りかえています。今は、昔の人に比べて寿命が長くなっていますから、歯も長く使えるようにしたいですよね。気になることがあれば、早めに相談いただければと思います。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。