大村 文敏 理事長の独自取材記事
高円寺整形外科
(杉並区/高円寺駅)
最終更新日:2026/04/22
高円寺駅北口から徒歩3分。にぎやかな駅前の雰囲気が少し和らいだ辺りに見えてくる4階建てのビルが「高円寺整形外科」だ。大村文敏理事長の専門分野である骨粗しょう症の診療を中心に、骨密度と関連性のある糖尿病や高血圧症、整形外科の一般診療とリハビリテーション、リウマチ専門の医師による専門的なリウマチ治療、かかりつけ医として一般内科にも対応。新しい設備や治療も積極的に取り入れ、変形性膝関節症に対する末梢神経高周波ラジオ波焼灼法を行える体制も整えている。高円寺の地域医療に長く貢献し、「これからも地域のために力を尽くしたい」と話す大村理事長に、同院の特徴や今後の展望について聞いた。
(取材日2025年12月8日)
医師として、高円寺で40有余年患者に寄り添う
先生は高円寺で40年以上診療されているそうですね。

当院の開業は1995年なのですが、高円寺に大学の先輩のクリニックがあって、医局に在籍している頃から手伝いに来ていたんです。振り返ると40年以上、高円寺の地域医療に携わっています。初めは高円寺の北口側と南口側に1つずつ小さなクリニックをつくり、2つのクリニックを統合して2011年に南口のメディカルビルに移った後、2022年に現在の場所に移転しました。高円寺の住民は山の手の気質と下町の気質を併せ持った人懐っこさがあり、大好きなんですよ。親子3世代、4世代にわたっていらっしゃる患者さんも多く、こちらに移転した際に「北口に戻って来てくれましたね、おかえりなさい」と声をかけてくださる方もいらっしゃいました。
歴史を大切にしながらも、新しい設備も積極的に導入されていますね。
はい。私の専門は骨粗しょう症ですが、高齢の患者さんの場合、骨粗しょう症だけでなく糖尿病や高血圧症を併発する方が少なくありません。これらを同じ窓口で診療できれば、患者さんにとって経済的にも時間的にも負担が少ないでしょう。そのために、CT・MRI・エコー装置などの機器も導入し、しっかりと検査をした上で必要な治療につなげています。また、新たにAIを搭載した画像解析ソフトも設置しました。MRIの画像をAIで読み取って解析するもので、半月板や椎間板のような軟部組織や、ターゲット部位が小さい手や足も、詳しい病態診断がスムーズにできるようになりました。
新しい治療法も取り入れているとお聞きしました。

変形性膝関節症の方に向けて、末梢神経高周波ラジオ波焼灼法という新しい治療を当院で行えるようにしました。もともと変形性膝関節症の方に行っているヒアルロン酸注射は、週1回は打たなければならず通院の負担が大きいものでしたが、末梢神経高周波ラジオ波焼灼法は片膝30分程度の処置で、2年ほど症状の緩和が期待できるといわれています。加えて、入院も必要ない低侵襲な治療ですから、歩いて当院まで来て治療を受けて、また歩いて帰宅でき、翌日はシャワーもお風呂も入れます。高齢で手術ができない方、入院の時間が取れない方も選択できる治療ではないでしょうか。必要に応じてリハビリと併用し、症状の改善をめざしていきます。また、骨粗しょう症の方の転倒を予防するためのトレーニング用機器も導入しました。ドイツで開発された機械で、まだ日本には普及していないものですので、日本人に対しても有用性があるのか当院で検証を行っていく予定です。
骨粗しょう症・整形外科疾患・リハビリを幅広く対応
診療内容や院内の体制について教えてください。

医師は常勤・非常勤を合わせて6人、すべてのスタッフを含めて総勢45人ほどで運営しています。インソールの知識を持つ理学療法士や、骨粗しょう症への専門性が高い看護師もいて、その知識を仲間たちと共有してスキルアップに努めてくれる、向上心のあるスタッフぞろいです。診療のメインとなるのは、私の専門でもある骨粗しょう症で、薬剤開発のお手伝いもしているため、良い薬ができれば皆さんにご紹介するようにしています。骨粗しょう症の患者さんの中には少なからず糖尿病などを患っている可能性があるため、それらも当院で診療することが可能です。その他、整形外科の一般診療とリハビリ、かかりつけ医として一般内科、体に合った枕選びのアドバイスも行っています。またリウマチ専門の医師も在籍しており、専門的なリウマチ治療を提供しています。
ビルの3階・4階はリハビリ室なのですね。
3階・4階がすべてリハビリスペースになっており、広々としたフロアにさまざまな先進機器を導入し、理学療法士によるマンツーマンの運動指導を行っています。3階ではまだ痛みの残る方に対して、主に電気治療やマッサージなどの処置をしています。そして、リハビリの目的は自立支援です。そのために4階では症状が回復してきた方などを対象に、オーダーメイドのインソールを作ったり、歩行訓練をしたり、筋力をつけるためのトレーニングを行ったりしています。患者さんへの質の高いリハビリの提供とともに力を入れているのは、理学療法士の育成です。当院では多くの養成機関から若手の理学療法士が学びに来ています。後進の育成に尽力するのは、それにより運動器の病気をきっかけとした将来の介護リスクを減らし、心身の衰えの進行をとどめる一助となり、健康寿命の延伸につなげられると考えているからです。
オーダーメイドのインソールを作る際の手順について詳しく教えてください。

まずはそのまま普通に歩いてもらい、体の軸の傾きなどを確認します。そのための専用ゾーンをリハビリ室内に設けています。その後、テーピングやパッドを装着して歩行や体の動きを再度確認します。それを何度か繰り返しながらその方にとってベストな状態を探ります。その結果をもとにインソールを一つ一つ院内で削り、その方にフィットするよう調整し、オーダーメイドのインソールが完成します。これは足底板療法の先生が開発された技法で、当院にはこの専門知識を持った理学療法士が3人おり、定期的に外部講師を招いてさらなる知識の習得にも励んでいます。また、完成したインソールを使っていくうちに足の状態が変われば、その都度院内でインソールの調整を行っています。
土曜日も祝日も、いつもの医師やスタッフがいる安心感
骨粗しょう症の専門的な治療に加え、先生はかかりつけ医としての役割も担っていらっしゃいますね。

そうなんです。かかりつけ医を続けている理由には、子どもの頃に担当してくれた先生の存在があります。子どもの頃の私は体が弱く、入退院を繰り返していました。当時の担当医師はどんな症状にも応じてくれる、昔ながらのかかりつけ医のような存在で、そんな姿に憧れて医師をめざすようになったんです。整形外科の診療に加えて、かかりつけ医として内科診療も担うという総合的な診療へのこだわりも、子どもの時の体験がきっかけになっているのかもしれません。
土曜日と祝日も診療していると伺いました。
土曜と祝日の診療を行っていることで平日お勤めの方も来やすいですし、この辺りは子どもが多いですから、スポーツクラブに行っている子の受診も祝日は多いですね。平日以外もいつもと同じ顔ぶれの医師とスタッフが対応しています。たまに高円寺の街中で患者さんにばったり会うこともあるのですが、「祝日もクリニックが開いているから安心だよ」とのお声をいただくこともあり、そんな時は「地域に貢献できているな」とうれしい気持ちになりますね。自動チェックインやセルフレジも導入して、患者さんにとって利便性の良いクリニックをめざしています。
最後に、今後の展望をお聞かせください。

2025年の6月に本を出版し、その内容に基づいて骨粗しょう症の治療啓発に取り組んでいきたいと考えています。そこに、この地域を盛り上げる内容も組み込んだ、高円寺の医療ツーリズムも現在計画中です。高円寺にはお寺や神社など散歩コースにふさわしいスポットが多く、健康志向の銭湯もあります。例えば朝は骨密度などの健康チェックをしながら栄養について学び、その後はウォーキングを楽しみながら足腰を鍛え、最後は銭湯でゆっくりと疲れを癒やしていただく。そのような計画を、地域の施設の方々と話し合っているんですよ。これからもこの地域の患者さんを大切に、健康管理をお預かりしているという立場を忘れず、少しでも地域に貢献できる取り組みをしていきたいと思います。

