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大森 啓吉 院長の独自取材記事

アーク荻窪大森クリニック

(杉並区/荻窪駅)

最終更新日:2020/01/27

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荻窪駅南口から徒歩約3分の好立地にある「アーク荻窪大森クリニック」。同院の大森啓吉(ひろよし)院長は、メディアでの情報発信を積極的に行ったり、書籍の監修をしたりとマルチに活動するベテランドクターだ。桂載作医師から、荻窪駅前にあった「第一荻窪クリニック」を引き継ぎ、2008年に移転開業。現在は同じビル内の「東京医療心理カウンセリングセンター」と連携して、薬物療法だけでなく、自律訓練法、認知行動療法、認知療法などを取り入れながら幅広い診療を提供している。母方の親戚で国立がんセンター総長であった塚本憲甫に憧れ、医師を志したという大森院長にさまざまな話を聞いた。
(取材日2019年11月15日)

心と体の両面から診る「全人的医療」をめざして

こちらのクリニックの特徴について教えてください。

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2008年4月に心療内科・精神科・内科を主な診療科目に、現在の場所に開業しました。6階にある「東京医療心理カウンセリングセンター」のカウンセラーと連携しながら、認知行動療法、精神分析療法、自律訓練法などの精神療法を中心に診療を行っています。私以外に女性患者さんのニーズにも対応できるよう女性医師の江波戸郁子先生と、東京大学医学部心療内科の元教授で摂食障害がご専門の末松弘行先生が担当制で診療にあたっています。うつ病、双極性障害、パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、自律神経失調症、過換気症候群、過敏性腸症候群など心身症の患者さんが大半で、精密検査や入院に関しては、国立精神・神経医療研究センターや日本赤十字社医療センターが連携医療機関になっています。

認知行動療法、自律訓練法というのはどんなものでしょうか?

認知行動療法は、認知のパターンを修正していくことにより、症状の改善をめざす心理療法です。例えば、ある状況に置かれたり、ある出来事を経験した時に思い浮かんでくる考え“自動思考”に対して、「こういう考え方もあるのではないか」と気づくことで自分の考え方の癖を修正し、治療に役立てていきます。自律訓練法は、一定の公式に従って自己暗示を行うことにより、不安や緊張によって起こる身体症状を緩和するための治療法で、当院では、連携する東京医療心理カウンセリングセンターのカウンセラーとともに自律訓練法の指導を行っています。

どのような患者さんが多いのですか?

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全体の割合からすると、うつ病、うつ傾向の方が多いですね。心療内科は、心と体の両面から人を診る科ですから、ベースは内科で、身体の広い範囲を診ていきます。高血圧になった患者さんの主治医が説明もしないで「薬を出しておきますよ」と言ったら、やっぱり不安になるでしょう。「こういう治療をして、こういうストレスの多い生活習慣は改めましょう」と伝えるような心理面のサポートも大切ですよね。例えば、糖尿病の患者さんは食事を中心に日常生活が制限されがちです。実際、糖尿病患者さんにはうつになる方が多いといわれています。当院にも糖尿病だけでなく、いろいろな内科の疾患に罹患したことによって気分が憂鬱になり、受診される患者さんがいらっしゃいますし、内科からの紹介で来院される方もいらっしゃいます。

国立がんセンター総長だった塚本憲甫に憧れ医師の道へ

医師を志したきっかけについて教えてください。

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私の母方の親戚に「塚本憲甫」という放射線科の医師がいました。国立がんセンター4代目の総長で、放射線治療のエキスパートでした。塚本は私が高校生の時に亡くなりましたが、その時に私もがんを治せるような医師になりたいと思うようになったことが医師を志したきっかけです。塚本はエリートコースを歩み、見た目もダンディーで憧れていましたね。

心療内科に進まれたのはなぜですか?

医学部の5年生頃から、心と体の両面から患者さんを診る「全人的医療」のできる医師になりたいという思いが強くなり、日本大学では呼吸器内科と血液内科とともに心療内科のある第一内科学教室に入局し、そこで呼吸器内科、血液内科と心療内科を学びました。一般病棟以外に結核病棟の患者さんを診たり、白血病や肺がんの化学療法にも数年携わった後に、心療内科が自分には一番合っているのかなと思うようになりました。日本大学医学部第一内科学教室では、岡安教授から「心療内科をやるのであれば精神科も勉強して統合失調症や双極性障害についても診られるようになってから心療内科をやりなさい」とアドバイスを受け、私自身も心療内科をやる前に精神医学を勉強したいという希望もありましたので、院内留学といったかたちで精神科学教室で学ばせていただきました。

診療の際、心がけていることを教えてください。

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先ほどお話した岡安教授に「治療する人と治療される人という立場ではなく、患者さんから学ぶことはすごく多いんだよ」と言われたことがありました。開業してからも、過去の患者さんの治療経験が役立つことはたくさんありますし、今でも勉強させていただいていると思っています。例えば、「この薬は、こんな副作用があった」とか「他の病院に通院していて、こういうことがあって行くのをやめてしまった」といった患者さんの言葉や情報は大切です。心療内科では、患者さんを心身両面から治療するので、内科の治療薬に加えて抗不安薬や抗うつ薬を処方する機会も多く、薬剤単独の副作用や薬剤の相互作用についての経験や知識が特に必要です。さらに、以前通院していた病院でどのような問題があって転院してきたのかということは、きちんと聞いて対処することが患者さんとの良好なラポールにつながり、さらなるドクターショッピングの防止にもつながります。

患者への傾聴と共感を大切に、心に寄り添う診療を提供

先生のプライベートも教えてください。陸上競技部の監督も務めていらっしゃるそうですね。

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日本大学医学部陸上競技部監督を務めています。40代までは日本大学板橋病院の外来診療が終わるとグラウンドに行って指導し、試合の時は大会のグラウンドに行って応援したりしていました。日本大学には文理学部に体育学科があるので、練習の指導については、体育学研究室の教授からアドバイスをいただいています。他大学ではありますが、駅伝の選手とメンタルトレーニングで関わったこともありました。現在は休日になると、近所の植物園を散歩したり、那須に家があるものですから訪れて山々をハイキングしたりしています。森林浴はとてもリラックスできますよ。特に春の桜・初夏に緑の芽吹く香りが好きですね。

書籍の監修をはじめ、メディアでの情報発信による啓発活動にも尽力されていますね。

自律神経失調症の患者さんは、その7割が女性ともいわれています。そこで、女性の患者さん向けに書籍の監修も担当しました。リラクゼーション法やつぼなどいろいろな分野で、女性が家でも手軽にできる対処法について触れています。この本は中国語でも翻訳されていて、台湾に旅行した患者さんが書店で見つけたので買ってきましたと見せてくれたこともありました。また、雑誌などでは、さまざまな病気を招く原因ともいわれている低体温について話したり、風邪を繰り返す頻回感冒症候群とストレスの関係、軽度のうつ病などの話をしたりしたこともありました。

最後に今後の展望をお聞かせください。

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精神疾患の多くは、確実に診断する検査方法が確立されていないため、診る医師によって診断が違うということが結構あります。将来確実に診断を下せる方法が確立されれば極力取り入れて行きたいと思いますね。心療内科では患者さんを心と体の両面から診ているので、内科から精神科の一部までを守備範囲とする科と考えて来院してほしいと思っています。心療内科や精神科での治療でまず重要なのは、患者さんへの傾聴と共感ではないでしょうか。例えば、患者さんがリラックスして話せるよう白衣をあまり着ないなど、これからも患者さんに寄り添った診療を着実に続けていきたいと思います。

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