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堤 康一朗 院長の独自取材記事

堤耳鼻咽喉科医院

(中野区/中野坂上駅)

最終更新日:2021/01/20

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都営地下鉄大江戸線と東京メトロ丸ノ内線の中野坂上駅から徒歩3分の場所にあるのが「堤耳鼻咽喉科医院」。院長の堤康一朗先生は聖マリアンナ医科大学卒業後、カナダに渡って研鑽を積み、帰国後には母校の附属病院で主任医長を務めてからアメリカに渡るなど、臨床に加え研究にも尽力してきたベテラン医師だ。50年を超える歴史を持つ同院の院長に就任したのは2013年。父親にあたる先代の院長が急逝し、その後を引き継いだ。専門的な知識に加えて、めまいやわずかな風邪の症状など些細な不安にもしっかりと向き合い、親身になって相談に乗る姿勢が、連日多数訪れる患者の支えになっている。医師になるにあたり影響を受けたという先代への想いから、地域を支えていく治療スタンスまで話を聞いた。
(取材日2021年1月6日)

家族と接するように患者を診るのがコンセプト

どのような患者さんがいらっしゃいますか?

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赤ちゃんからご高齢まで、幅広い年代の方がいらっしゃいます。疾患として多いのは、やはりアレルギー性鼻炎の患者さんでしょう。乳幼児の場合は「鼻水がたくさん出る」「機嫌が悪くて熱があるから心配」「中耳炎ではないか」などの症状、お子さんではアレルギー性鼻炎の患者さんも多いですね。ほかには耳垢を除去してほしいという方もいらっしゃいますし、高齢の方は風邪の症状で来院されるのと、年齢的にめまいや耳の聞こえの変調といった主訴も少なくありません。補聴器が欲しいという相談の場合には、聴力検査をして購入店などをご紹介させていただいています。また「声がかれる」という症状で来院される方も意外に多く、そのような場合は直接声帯の状態をお見せして説明しています。

診療方針を教えてください。

「家族と接するように」というのが当院の大きなコンセプトです。例えば自分の家族に薬を処方する時に「3日分ではなく4日分欲しい」と言われればそのように処方するでしょうし、診療時間外に飛び込んできたら迷わず診察するでしょう。それと同様に、あくまでも無理のない範囲でできる限り患者さんの希望に沿う診療を心がけています。また常に笑顔で機嫌良く、気さくで親しみやすい言動で患者さんと接することも心がけています。当院では、お子さんをニックネームでお呼びするようにしているのですが、それも「家族だったらどうするか」という視点から考えました。また2016年に院内を山小屋のイメージにリニューアルしたのも「家族」というコンセプトに基づいたものです。ですから入り口で靴も脱いでいただくんですよ。

お子さんに風邪症状がある場合、耳鼻咽喉科の受診を勧められていますね。

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はい。「風邪」の症状には腹痛などもありますが、くしゃみ、鼻づまり、喉の痛み、咳といった上半身に出る症状も多いからです。内科の診療と異なるのは、そうした症状に対して局所的に治療をする点です。例えば、薬を喉に塗ったり、ネブライザーという機器による吸入をしたりなどです。また、点鼻薬を用いるのも特徴的ですね。これによってつらい症状だけでなく、細菌やウイルスの繁殖を早めに抑えることがめざせるんです。こういった直接的な処置によって鼻呼吸を助けることで、食欲の回復や安眠につなげていくことで、早い回復を促します。お子さんだけでなく、成人の方も風邪をひいたらまずは耳鼻咽喉科へ相談いただければと思います。

舌下免疫療法に注力。アレルギー症状の緩解をめざす

治療において力を入れているのはどんな点ですか?

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まずは患者さんの全体像を把握して診ることが重要であると考えています。その上で、医学的知識は必要だがクリエイティブである必要はなく、スタンダードなことを毎日スタンダードにできるようにということと、上から目線で物事を伝えないということを心がけています。先代の院長だった父からはそこが私の長所だと言われていたのですが、患者さんも話しやすいとおっしゃってくださいます。また説明を理解していただくのが難しい時には、絵を描いてお話しするようにしています。治療として得意なのは、大学病院にいた頃に研究していた免疫の分野と言えるかもしれません。

免疫と言えば先生は舌下免疫療法に注力されていると伺いました。

はい。アレルギー疾患に関して言えば、いわゆる「完全緩解」をめざせるのは現在のところ舌下免疫療法のみと言えるでしょう。適応症はスギ花粉とダニです。以前は12歳以上でないと治療が受けられなかったのですが、現在は5歳から受けられるようになっています。適応できるかの判断基準は1分間唾を飲まずにいられるかどうかがポイントとなります。スギの場合、最初は5月の連休明けあたりから始めて、翌年の1月くらいまで1日1回、舌下に錠剤を含むだけです。ダニの場合はいつからでも治療を始められます。個人差はありますが、1年目から作用が期待できる方もいらっしゃいます。どちらも治療には数年かかりますが、症状の軽減がめざせるため、長い目で見れば非常に経済的な治療法だと思います。

舌下免疫療法に関しては独自の取り組みもされているそうですね。

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「チャレンジプレイス」といって、例えばダニが多く生息していそうな畳の部屋などで一晩過ごしてみて、これまでのような症状が出るかどうかといったことをモニターしていくんです。スギの場合は、2~3年舌下免疫療法を続けている方に花粉が飛散するハイシーズンにお薬なしで過ごしていただいて、お薬の服用の必要性を判断しています。舌下免疫療法は、低年齢から始めるほど良いともいわれていますので、スギやダニのアレルギーでつらい思いをしているお子さんにはお勧めしたいですね。

50年以上続けてきた診療を地域のために生かしていく

医師をめざした理由を聞かせてください。

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先代の院長だった父がいたからだと思います。「医者になれ」と言われたことはなく、耳鼻咽喉科を選択したのも卒業間際のことでした。それでも医院を継ぐことになったのは予想だにしなかったことです。父は亡くなる日まで元気に診療していたのですが2013年4月に急逝し、私が急遽院長に就任したんです。既に決まっていた大学の授業や手術の予定を放り投げるようなかたちとなり、多くの人にご迷惑をおかけしてしまいました。患者さんに対しては、父と同じように接しているつもりです。先輩から言われた「医師の機嫌が良いと、患者さんは受け入れられているという気持ちになる」という言葉も印象に残っています。特に初対面の患者さんと話すときなどには必ず思い出すようにしています。

医院のある場所は先生と所縁があるのですか?

子どもの頃から同じ場所、医院の裏の自宅に住んでいます。昔はまるで映画に出てくるような昭和の雰囲気のある場所でしたよ。地面はもちろん土でしたし、大通りには路面電車が走っていました。医院はその頃からあって、当時から3世代にわたって通院なさっている患者さんもいらっしゃいます。商店街と住宅地が混在しているイメージで、僕が通っていた小学校や、現在は校医を務めている中学校の同級生たちの両親の職業が、たいへんバラエティーに富んでいた印象がありますね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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50年以上続けてきたことを維持していくのはとても大事なことです。先代の思いも忘れず、これからも地域に根差して今までどおり診療を続けていきたいと思っています。またアレルギー性鼻炎の治療として、舌下免疫療法や鼻粘膜焼却術なども行っておりますので、鼻炎や花粉症、ハウスダストなどに悩んでいらっしゃる方はぜひ来院してください。またアレルギー性鼻炎の疑いのある患者さんには、アレルギーの原因物質である抗原を検索するために血液検査をお勧めしています。アレルギー性疾患治療の基本は、「己を知ってコントロールする」することにあります。検査はもちろんのこと、治療についてもより良い方法を一緒に考え、緩解をめざしていきましょう。

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