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穴水 聡一郎 院長、長屋 直樹 副院長の独自取材記事

東京トータルライフクリニック

(台東区/浅草駅)

最終更新日:2023/03/31

穴水聡一郎院長、長屋直樹副院長 東京トータルライフクリニック main

浅草駅、田原町駅などから近い「東京トータルライフクリニック」は、台東区をはじめ周辺地域を対象に、外来診療と在宅医療の両分野に力を入れるクリニックだ。主に外来診療を担当する穴水聡一郎院長、在宅医療を担う長屋直樹副院長は、「患者さんやご家族の話を傾聴し、病気の原因を探り、なるべくご希望をかなえる診療をめざします」と口をそろえる。そうした同院の考えや診療面の特色などを詳しく聞いた。

(取材日2022年3月31日)

患者の生活全体も捉えて適切に診断・治療する

こちらのクリニックの特色を教えてください。

穴水聡一郎院長、長屋直樹副院長 東京トータルライフクリニック1

【穴水先生】地域に根差した医療で、外来診療と在宅医療の両面から皆さまのかかりつけ医となるクリニックをめざしています。もとは1990年に文京区本郷で「トータルライフクリニック本郷内科」として開院し、馬渕茂樹理事長を中心に外来の患者さんを診ていました。その後、年齢や病気などで通院が難しくなった患者さんのため、在宅医療をスタートさせたのです。やがて訪問先が文京区から台東区、墨田区などに広がったため、訪問するエリアの中心部に近い現在の場所に移転し、2010年には院名も「東京トータルライフクリニック」としました。
【長屋先生】在宅医療を始めた際の担当は私だけでしたが、現在は私を含む4人の医師が患者さんのご自宅を定期的に訪問しています。患者さんが病院ではなく、住み慣れたご自宅で安心して療養できるよう支援する在宅医療は、終末期を迎えたご本人とそのご家族にとって大切な選択肢の一つになると考えています。

外来はどのような方針で診療されていますか?

【穴水先生】馬渕理事長の「健康を願う患者さんの生きる力を大切にし、私たちはそれを医療的にサポートする役割」という考えが、当院の診療の基本姿勢です。病気には適切な治療を行い、当院で対応が困難な症例は専門の医療機関をご紹介しますし、通院が難しい方には在宅医療にも対応します。しかしそれだけでなく、病気にならないための予防、健康増進のお手伝いにも力を入れ、当院での診療を通じて地域にお住まいの方の人生、心と体の健康をトータルに支援したいと考えています。また、加齢に抵抗するような考え方ではなく、より健やかに年を重ねて健康な長寿をめざす「ウェルエイジング」も当院が大切にしている考えです。そのために、必要と思われる方には日頃の食事や運動習慣などについてのアドバイスも行っています。

受診される方の主な症状についてお聞かせください。

穴水聡一郎院長、長屋直樹副院長 東京トータルライフクリニック2

【穴水先生】当院は「何でも安心して相談できるかかりつけクリニック」として、幅広い症状を診て、解決の糸口が見つけられるような診療を行っています。受診される方は風邪、腹痛といった急性の病気のほか、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病、健康診断で要再検査になった方など多様ですが、重要なのは症状や検査値だけで安易に診断しないこと。患者さんの訴えを丁寧に伺い、症状や検査値と照らし、生活背景も考えて鑑別診断につなげます。例えば、高血圧なら動脈硬化が原因なのか、それ以外の要因がないかを検討し、血圧を下げることだけでなく、塩分を取りすぎない食事やストレスを軽減する暮らし方など、生活の改善も重視して治療を進めます。患者さんによっては西洋医学に加え東洋医学の視点を取り入れた治療もご提供します。

人生に希望が持てる在宅医療をめざす

在宅医療ではどんな方を診るのですか?

穴水聡一郎院長、長屋直樹副院長 東京トータルライフクリニック3

【長屋先生】訪問診療の地域は台東区、文京区、墨田区が中心で、当院で診ていた患者さんで通院が難しくなった方のほか、多くは病院の退院支援部門や介護を担当されるケアマネジャーからのご紹介です。当院では医療依存度が高い患者さんに対応するため、紹介元から詳しい情報を聞き取り、在宅での中心静脈点滴(TPN)や胃ろうの管理、人工呼吸器などの必要性を事前に話し合って、訪問診療の頻度や内容を決めていきます。当院で在宅医療を担当する医師は4人いて、基本的には患者さんごとの主治医制にしているため、患者さんの経過や治療へのご希望などをしっかり把握できることも強みといえます。それに訪問の度に医師が変わるローテーション制では、患者さんやご家族になかなか心を開いていただけないこともありますから。ただ、夜間・休日は主治医以外の医師も対応しますので、患者さんの情報は定期的に共有しています。

在宅医療で重視される点を教えてください。

【長屋先生】患者さんはそれぞれに家族背景や人生経験をお持ちで、中には諦めの気持ちで在宅医療を受ける方もおられます。こうした方も含め、当院では患者さんに「自分の人生は良かった」と希望に満ちて過ごしていただけるような在宅医療を心がけています。それには病状に応じた治療に加え、痛みや不快感を丁寧に緩和していくことが大切です。同時に患者さんやご家族の話を傾聴してお気持ちを肯定し、ご希望には可能な限り応じるようにしています。こうした対応には訪問する看護師やリハビリテーションのスタッフ、介護サービスの計画を立てるケアマネジャーとの密接な連携も重要で、対面や電話で話す以外に、医療介護専用のSNSも活用して患者さんの状態やお気持ちなどをなるべくリアルタイムに共有しています。

在宅での看取りは増えているのでしょうか?

穴水聡一郎院長、長屋直樹副院長 東京トータルライフクリニック4

【長屋先生】当院では20年以上在宅医療に携わっていますが、ご自宅でのお看取りは次第に増えてきたと感じています。特にここ数年は院内感染防止のための取り組みが強化され、入院後のお見舞いが厳しく制限されましたから、「入院して会えなくなるより自宅で」と考える方もおられるのではないでしょうか。どこでお看取りをするかは、ご本人とご家族、在宅医療・介護に携わるチームの話し合いによるACP(Advance Care Planning)に沿った対応が望ましい、と私自身は考えています。ただ、最期まで在宅と決めていても、症状の急な変化があると入院を希望されることもありますから、当院では近隣の在宅療養後方支援病院と常に連絡を取り、必要なときに入院ができる体制も整えています。

地域住民の病気の予防や健康増進も重視

お二人のご専門やご経歴を教えてください。

穴水聡一郎院長、長屋直樹副院長 東京トータルライフクリニック5

【穴水先生】医学部卒業後は都内の基幹病院で、主に内科を専門に診療していました。当院に移ったきっかけは、馬渕理事長の人柄や医療に対する志の高さに共感したためで、当院の前身となるクリニックのスタート時から内科を担当しています。また、私の母が漢方薬を服用していたこともあり、学生時代から東洋医学などにも関心を持っていました。当院では西洋医学だけでなく東洋医学の視点からも診療し、適している方には漢方も処方しています。
【長屋先生】私は医学部を出た後、基幹病院の外科、救命救急センターなどで経験を積みました。がんの外科手術も多かったのですが、次第に治療後の患者さんの様子が知りたくなり、自らの進路を悩んでいた時、以前から交流のあった馬渕理事長に在宅医療を勧められました。経験してみると患者さんを最期まで診ることができ、医師としてのやりがいも感じたので、そこから在宅医療の道を選んだのです。

これからの目標などをお聞かせください。

【穴水先生】馬渕理事長をはじめ当院全体での取り組みとして、地域の皆さんに積極的に働きかけて、治療はもちろん、病気の予防や健康増進に力を入れたいと考えています。また、患者さんが企業や自治体で受けた健診結果を当院でも見せていただき、例えば「正常値の範囲とはいえ、以前に比べて数値が上昇している」といった気づきから、早めに生活改善のアドバイスを行うことなども行っています。こうした予防の取り組みは、地域の中で皆さんの生活に接しているクリニックの得意分野ではないでしょうか。

地域の方にメッセージをお願いします。

穴水聡一郎院長、長屋直樹副院長 東京トータルライフクリニック6

【穴水先生】ご本人に「治したい気持ち」があれば、当院で何かしら後押しする方法は見つけられると信じています。より専門的な治療が必要なら、患者さんの症状、治療への考え方、お住まいなどをもとに、適した医療機関を選んでご紹介しますから、まずは気軽に当院を受診してください。
【長屋先生】終末期を穏やかに過ごすイメージも強い在宅医療ですが、ご自宅で少しでも長く元気に人生を楽しんでいただく支援も大切な役割です。例えばリハビリテーションによってご自身で動ける範囲が広がるなど、当院では「将来に希望が持てる在宅医療」をめざしていますので、安心してご利用いただければと思います。

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