生活習慣と関わる予防歯科
問題点の深堀りが大切
中冨歯科
(台東区/御徒町駅)
最終更新日:2024/05/15
- 自由診療
歯科医院でクリーニングしてもらってさえいれば、虫歯(う蝕)や歯周病にならないというのは間違いで、自宅でのセルフケアも欠かせないと認識している人も多いだろう。しかしながら「歯磨きだけでは虫歯は予防できません」と警鐘を鳴らすのが「中冨歯科」の中冨寛院長だ。患者一人ひとりのライフスタイルに応じたきめ細かなメンテナンスを行ってきた中冨院長。数多くの患者を診てきたからこそ、予防歯科においては食事指導やフッ素コントロールも重要だと考えている。自分の歯を心から大切にしたいと考えている人に向けての、予防歯科について詳しく教えてもらった。
(取材日2024年4月22日)
目次
予防歯科はブラッシング指導だけではなく食事指導やフッ素コントロールをすることも重要
- Q歯科医院に定期的に通っているのに虫歯ができたことがあります。
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A
それは、もしかすると食生活に問題があるかもしれません。実は、歯は食事のたびに少しずつ溶け出していて、再石灰化するのに1時間半前後かかります。再石灰化する時間を十分に作らずにダラダラと食べたり飲んだりしていると、どうしても虫歯になりやすくなってしまうのです。間食だけではなく、喉あめや甘い飲み物などにも注意してください。ドリンク類は、「微糖」と書いてあるものでもそうです。予防歯科では、こういった食事指導こそが、専門的な徹底した歯面清掃(PMTC)以上に大事といっても過言ではありません。
- Q予防歯科では、具体的にどのようなことをするのですか。
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A
食事指導の次に大事なのがフッ素コントロールです。フッ素は再石灰化を促進する効果が期待でき、食事の間隔が短くなることの弊害への対策になります。歯科医院でもフッ素塗布を行っていますが、最近は市販の歯磨き粉でもフッ素が高濃度で配合されている製品が数多く出回っているのでぜひ利用してください。当院の予防歯科では1日に最低でも2回、フッ素含有率の高い歯磨き粉を使い、歯磨き後はほとんどうがいをしないか少量の水でブクブクうがいをするスウェーデンで開発されたケア方法を推奨しています。虫歯予防のためには、口腔内にフッ素を残すというのがポイントです。
- Qこちらで行う予防歯科では何を大切にしていますか。
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A
まず、患者さん一人ひとりのライフスタイルを含め、じっくりとお話を聞くことを大切にしています。「ダラダラ食べはやめましょう」と言うだけではなく、なぜ、そのような食べ方をせざるを得ないのか事情を共有するのがスタートだからです。よく聞いてみると、飲食店に勤務していたり、胃を切除していて何度にも分けて食事をしなくてはいけなかったりと、理由は1つではありません。また、唾液の量が少なくても虫歯になりやすいのですが、唾液の質が遺伝的に弱い方も、口腔乾燥の副作用がある薬を飲んでいる方もいます。まず、しっかりと検査して、それぞれの状況で無理なく続けられるような食事指導を行い、過不足のない治療介入をしていきます。
- Qなぜ、予防歯科に注力するようになったのですか?
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A
もともと私は補綴を専門としていたのですが、自由診療の詰め物・かぶせ物でさえ一生使えるわけではなく、自分の歯を残す大切さを痛感したのがきっかけでした。ですから、当院では患者さんが歯の健康に目覚め、きちんとブラッシングできるようになってから、初めてセラミックなどをお勧めするようにしています。せっかく、治療した部分からまた虫歯が再発しては終わりがないですからね。
- Q予防歯科はいつから通い始めるべきですか。
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A
できれば、子どもの頃からの習慣にしてほしいです。そのためには、まず親御さんに予防歯科に通っていただければと思っています。歯並びも整っていれば、歯の健康を守るためには年に1回の受診でも問題ないでしょう。そういった人をこれからも一人でも多く増やしたいと思っています。一方、予防歯科はいつからでも取り組む価値はあるので、諦めずにご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはサリバテスト/4400円、セラミック治療/5万円~