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中冨 寛 院長の独自取材記事

中冨歯科

(台東区/御徒町駅)

最終更新日:2020/04/01

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JR御徒町駅の南口を山手線の内側に出て、道1本隔てた広場を回り込むようにして南西方向に少し歩くと、ビル2階の窓に「中冨歯科」の文字が見えてくる。1993年の開院から25年近くたっているとは思えない、清潔で明るい院内。治療およびメンテナンス用のユニットが半個室に分かれて整然と並び、中冨寛院長が学生時代に熱中したバスケットボールのチームのように、ドクターと歯科衛生士たちがチーム一丸となって連携し合い、職務をてきぱきとこなす。虫歯や歯周病にならないための予防に力を入れ、その内容を高めようと試行錯誤と勉強を重ねてきた院長に、予防重視の歯科診療とはどのようなものなのか、たっぷりと語ってもらった。
(取材日2017年1月30日)

虫歯や歯周病の原因を絶つ予防・メンテナンスに注力

どんな特徴を持つ歯科医院なのか、ご紹介ください。

一般的な歯科治療に対応しつつ、治療以前、あるいは治療後の「予防」を重視した診療を行っています。歯科における予防というと、歯磨きの指導や歯石の除去などをイメージされる方が多いと思います。もちろんそれも予防につながる重要な要素ですが、当院では、個々の患者さんについて虫歯や歯周病になる大もとの原因を調べ、それをちゃんと止めるために、メディカル・トリートメント・モデル(MTM)という診療の進め方を取り入れ、患者さんのご理解とご協力のもとに実践しています。一通りMTMの手順を踏んで順調と判断される患者さんは、以後それぞれの状態に応じて数箇月から半年、場合によってはそれ以上の期間を置いてご来院いただき、メンテナンスを行っていきます。これを継続することで、お口の健康維持をより確かなものとすることができるわけです。さらにお口の健康を保つことは生活習慣病発症の予防にも繋がりますので非常に大切にしております。

普段どのような患者さんが多く来院しますか?

私は、GP(ジェネラル・プラクティショナー)とも呼ばれる歯科一般を診る歯科医師ですので、やはり虫歯や歯周病の治療に来られる患者さんが中心です。また、予防に力を入れていることから、近年は歯科衛生士による定期的なメンテナンスを受けられる方の割合が大きくなり、日によっては治療の患者さんを上回るほどになってきました。男女比だと女性のほうが若干多く、年齢は30代から50代、中でも40代をピークに、お年寄りやお子さんの姿も目立ちます。最寄りのJR御徒町駅をはじめ、地下鉄も複数の駅が近いため、地元の台東区に限らず、あらゆる方角の街から足を運んでくださいますね。

会社員など昼間働く人たちの利用も多いのでしょうか。

そうですね。ただ、予防への取り組みを本格化させて以降、患者さん一人ひとりに合わせたプログラムを実行しているため、診療時間外のデータ処理作業が膨大になってきました。以前は曜日によって20時まで診療していたこともあったのですが、それだと衛生士さんの残業も深夜に及んでしまいます。そういう事情もあって、現在は最終受付17時で診療は18時まで(土曜は16時30分まで)とさせていただいており、昼間お仕事をされている方にはご不便かと思いますが、ありがたいことに、多くの患者さんにご理解いただいています。

予防の重要さを痛感し、スタッフ全員と勉強を重ねる

予防に取り組むようになったきっかけは?

大学では歯学の中でも補綴を中心に学んできたのですが、まだ開業していない頃、自分では最高の出来と思った補綴が、わずか2年ぐらいで駄目になってしまったことがあり、強いショックを受けました。そして、この経験から自分に何が足りないのかをよくよく考えた結果、予防に関する力不足が一番の原因ではないか、たとえ完璧に近い補綴ができたとしても、患者さんそれぞれの条件に合わせた予防をしていかない限り、また悪くなってしまう。だから、治療だけでなく予防もきちんとやらなくちゃいけないと感じるようになりました。

開業後、予防の成果はどうでしたか?

実のところ、最初の数年間はまったくの手探り状態で、歯磨きをしっかりやりましょうとか、麻酔して歯石を取りますとか、そのぐらいにとどまっていたんです。しかし、1997年頃、予防歯科で有名な山形県酒田市にある日吉歯科診療所の熊谷崇先生の講演を聴き、虫歯を安易に削っちゃいけない、大もとの原因を止めなければ駄目だという主張に、目からうろこが落ちました。その後は患者さんに定期的なメンテナンスをより積極的に勧め、順調に数も増えていったのですが、それでも再治療の患者さんが出てしまうことに責任を感じて、2014年に衛生士さん全員と一緒に山形まで赴き、熊谷先生のセミナーに参加しました。この経験が大きな契機となって、私やスタッフも新しい診療の流れをよく理解し、現在につながるスタートを切れたと思っています。

予防重視の診療とは、具体的にどのようなものなんですか?

まず、患者さん自身が歯周病や虫歯の原因を知ることが重要です。その後、それらのリスクを見極め、その患者さん専用の予防プログラムの提案と必要最小限の治療を行い、経過が良ければ定期メンテナンスに移行します。リスク評価には唾液検査(サリバテスト)をお勧めしていて、材料費がかかるためご希望の方のみとさせていただいていますが、この検査によってお口の中の状態をより詳しく知ることができ、患者さん個々のリスクに合わせた予防対策、具体的にはフッ素の利用や食事の取り方などを、無理なく無駄なく計画を立てることができます。例えば虫歯の進行スピードはその人の年齢や部位などの条件によって違うので、全員一律の間隔で定期メンテナンスを行うことには根拠がありません。中には半年や年1回で済む方もいますから、そうした個別のプログラムを組めることは、患者さんにとってメリットになると思います。

患者のQOL向上のため訪問診療も開始へ

先生はどのような経緯で歯科医師を志したのですか?

子どもの頃から「将来は歯医者さんになろう」とは全然考えていませんでした。ただ、小学校低学年の時、熱を出して家で寝ていたら、親が野口英世の伝記を持ってきてくれて、それを読むうちに「医者になるのもいいかな」と想像を巡らしたのは覚えています。その後、紆余曲折あって医学部ではなく歯学部に進んで、一時期は勉強への熱意をなくしかけたこともあったのですが、バスケットボール部の先輩などの励ましのおかげもあって、無事、歯科医師になることができました。卒業して2年目、後から同じ医局に入局してきた優秀な後輩たちの姿を見て、「このままではまずい」と危機感を覚えて(笑)、勉強に身を入れるうちに、だんだんとこの仕事に楽しさ、やり甲斐を感じるようになりましたね。

今後の新しい計画などがあれば教えてください。

早ければ2017年4月から、一定エリア内の患者さんとそのご家族を対象に、訪問診療を本格的に始めたいと考えています。今はそれに向けた準備として、衛生士さんたちに月1回、区内の特別養護老人ホームまで見学に行ってもらって、摂食・嚥下障害への対処法などを実地に学んでもらっています。どのような訪問診療ができるか、まだ細部を詰めているところですが、例えば私がまず診療に伺った後、衛生士さんに引き継いで定期的にケアしていけるような形が取れればいいですね。今後、そのあたりの準備が整い次第、実施に移していくつもりです。

最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

私は補綴の勉強から始めて歯科医師になりましたが、長い経験を経て思うのは、結局のところ、自然な自分の歯を持ち続けることこそが一番の価値だということです。すでに治療をされた方も、その歯を虫歯などのない元の姿に戻すことはできませんが、再び悪くすることなく今の状態を長持ちさせることは可能です。だから、そのために今できる最善のことである、過剰に削らず、予防に重点を置いた診療を行い、患者さんの歯をしっかりと守ることで、QOL(生活の質)向上に貢献できるよう努力していきたいと考えています。歯周病や補綴はもちろん、矯正やインプラントにおいても、専門的な知識と技術を持って対応しています。総合的な診断が行えるからこそ、予防を基礎とした総合的な歯科治療を行うことができるのです。病診連携も整っており、互いの強みを生かし合うことで患者さんにとってのベストな提案をすることができると思いますので、気軽にご相談ください。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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