がん早期発見の有用な手段
内視鏡検査で将来の負担軽減へ
モモ・メディカル・クリニック
(豊島区/大塚駅)
最終更新日:2025/11/07
- 保険診療
新たな治療法が次々と開発されている「がん」の分野。早期がんであれば外科手術が不要で、短い入院期間で治療が完結するため、患者と家族の身体的・精神的負担、および経済的な負担の大幅な軽減が期待できる。ただし、早期のがんは自覚症状に乏しく、症状に任せていると発見が遅れることがある。そこで有用なのが内視鏡検査だ。「がんの経過を理解し、適切な時期に検査を受けていれば、必要以上にがんを恐れる必要はありません」と教えてくれたのは、40年以上にわたり食道・胃・大腸がんの診断や内視鏡検査、治療に携わってきた「モモ・メディカル・クリニック」の百瀬隆二先生。今回は内視鏡検査を受けるべきタイミングや、無症状でも定期的に検査することのメリットなどを詳しく尋ねた。
(取材日2025年10月1日)
目次
たとえがんでも、早期がんなら内視鏡で切除可能。将来の身体的・精神的・経済的な負担軽減のため早期受診を
- Q胃や大腸の内視鏡検査は、いつから受け始めるべきですか。
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A
▲適切な診断・治療を心がける百瀬先生
30〜40代から検査を始めるのが理想的です。というのも、がん細胞は10年から20年ほどの時間をかけて成長し、内視鏡で見つけることができる1cmほどの大きさになります。この間に目立った症状はありません。しかし、1cmから2cmになるまでの期間はほんの数年で、部位やがんのタイプによってはもっと早く大きくなることもあります。がんは進行して見つかると治療の難度が上がり、期間も長期化することが多いため、「がんが見つけられる大きさになったタイミング」を逃さないことが何よりも大切です。多くのがんは50歳頃から増加するため30〜40代からの検診をお勧めしています。
- Q自覚症状がなくても、受けたほうが良いのですね。
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A
▲患者に親身になって診察にあたる
現在、2人に1人はがんになるといわれています。自分もがんになるかもしれないと考えていただきたいと思います。症状に乏しい早期がんのうちに見つけるためには検査が必要です。「胃が痛い」「胸やけ」「排便時の出血」などの自覚症状がある方や、「胃バリウム検査で精密検査が必要になった」「便潜血が陽性」、「家族に罹患者」がいる方は速やかに受けていただくことが望ましいです。がんが怖い病気なのは確かですが、早期がんであれば内視鏡で切除でき、外科手術に比べて体の負担が少ない上、治療費の負担も大きく違ってきます。「症状=病気」と考えず、早期発見のメリットを知っていただき積極的に受診してほしいと思います。
- Qがん以外にも、内視鏡で見つけられる病気はありますか。
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A
▲内視鏡検査の高難度の治療技術の研鑽を積んだ先生が診療にあたる
内視鏡検査では食道・胃・大腸のがんなどのほか、逆流性食道炎や胃・十二指腸潰瘍、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病などの病気を見つけることができます。例えば、症状から逆流性食道炎と言われ「薬を飲み続けているが治らない」と内視鏡検査をしたところ食道がんと判ったケース。「たまに出血するがたぶん痔だろう」と自己診断していた症状が直腸がんによるものだと判明したこともあります。「胃が張る」と訴え胃内視鏡では問題なく、大腸内視鏡をしたところ大腸がんによる張りだった方もいらっしゃいます。「1年前から排便時の出血がある」と受診された方が潰瘍性大腸炎だったこともあります。以上のように正確な診断は欠かせません。
- Q検査は、予防を意識した生活にもつながりそうですね。
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A
▲落ち着いて過ごせるシンプルで温かな雰囲気の院内
がんの原因はさまざまですが生活習慣が原因の一つであることは確かです。具体的にはタバコを吸う、アルコール度数の高いお酒や塩分・脂肪分が多いもの、辛い物などを好んでよく取るといった嗜好がある場合は注意しなければなりません。これらはがんのリスク因子といわれています。検査で異常がなければそれに越したことはありませんし、何かあった場合でも検査をきっかけに生活習慣を見直し病気を予防できればなお良いですね。がんを完全に防ぐことはできません。しかし、禁煙すること、飲酒を控えること、バランスの良い食事を取ること、活発に身体を動かすこと、適正な体型を維持することなどによりがんに「なりにくく」することはできます。
- Q検査が苦しいと聞いたことがあり、不安です。
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A
▲患者の負担軽減のためにさまざまな工夫を凝らす
胃内視鏡は「苦しそう」「つらそう」、大腸内視鏡は「恥ずかしい」「つらそう」「下剤を飲むのが大変そう」などという理由で受診をためらう方もいらっしゃいます。当院では鎮静剤(静脈麻酔)を使って検査が不安な方も落ち着いた状態で受けられるよう体制を整えておりますので、安心して検査を受けていただけます。一方、検査に不安がなく「検査中自分も画面を見たい」「短時間で検査を終わらせ、車で帰りたい」といった場合は、鎮静剤を使わずに検査をすることもできます。また、胃・大腸内視鏡検査は女性医師による検査も可能です。

