小川 理栄 院長の独自取材記事
デンタルクリニック江戸川橋
(文京区/江戸川橋駅)
最終更新日:2024/09/25

東京メトロ有楽町線の江戸川橋駅1b出口から徒歩3分。新目白通り沿いのビル2階にある「デンタルクリニック江戸川橋」。小川理栄院長は、前身のクリニック時代から20年以上にわたり、この地で多くの患者の悩みに応えてきた。当初からクリニックを「痛くなってから通うのではなく、悪くならないために通う所にしたい」と考えていた小川院長。その考えを理解し共感するスタッフが集い、チーム一丸となって取り組んだ結果、今では定期的に受診する人が増えたのだとか。それでもなお、「予防を浸透させるために、私たちにできることがまだある」と笑顔を見せる小川院長。そんな院長に、理想とする歯科医院の在り方や、それを実現するための具体的な取り組みについて、たっぷりと語ってもらった。
(取材日2024年5月19日)
「悪くならないために通う場所」にするために
まずはクリニックの特徴について教えてください。

2000年からますおか歯科クリニックで勤務医となり、20年以上にわたって診療してきました。2019年に独立したのですが、地域密着型のクリニックとして、地域の皆さんのお口の健康を守るという役割は変わりません。そのために治療の柱として掲げているのが、天然の歯を長持ちさせるための予防歯科、虫歯を再発させないための治療、歯を失った際の選択肢の一つであるインプラント治療の3つ。特に予防においては「歯科医院は痛くなってから通う所」という考えを、「悪くならないために通う所」に変えるべく、日々患者さんと向き合っています。中には、昔から虫歯になりやすいと諦めている方もいますが、メインテナンスを通じて虫歯や歯周病のリスクを減らせるよう、過去の受診歴はもちろん、なぜそう思うようになったのかなども丁寧に聞き取った上で治療を進めるようにしています。
カウンセリングを重視しているのですね。
ダイエットする時は最初に自分の状態を把握し、プロに任せるところと生活習慣など自分で改善するところを見極めますよね。歯科のカウンセリングも同じです。悪い歯を1本治療して終わりというその場しのぎの治療ではなく、根本的な原因を取り除くためには、口腔内の詳細な検査を踏まえて原因を特定し、クリニックで行うことと患者さん自身が意識することを明確にしてから、治療をスタートさせる必要があります。そのためには、治療の目的や内容、再発防止に向けて何をすべきかを患者さんに理解していただくことが第一歩。そうして、「そうだったのか」「だから治療するんだな」という納得感を引き出すことを大事にしています。
カウンセリングではどのようなことをするのですか?

当院では納得のいく治療を実現するため、患者さんと歯科医師の間に立ってコミュニケーションをサポートするトリートメントコーディネーターという役割のスタッフを置き、専用の部屋でコーディネーター中心に、患者さんの気持ちをくみ取りながらお話を伺っています。診療室よりも患者さんの緊張がほぐれ、本音を話しやすいのではないでしょうか。その中で、患者さんの人柄やこれまで歯科治療に抱いてきた印象などをしっかり把握し、歯科医師に話しにくいことも相談していただいて、より良い治療につなげることをめざしています。
めざすのは患者とスタッフが主役の歯科医院
お話を伺っていると、スタッフの担う役割が大きいのですね。

そうですね。私がめざすのは、患者さんとスタッフが主役の歯科医院です。それを実現するには、「自分で考える」ことが大事だと思うんです。つまり、患者さんには自分の体のことを人任せにせず、自分の口の中について理解を深めてもらうこと、またスタッフには、患者さんの笑顔を引き出せるよう、自身の役割を考えてもらうことが必要だと思います。実際、当院の受付スタッフは高いホスピタリティーを持つだけでなく、最近は薬膳について学び、「患者さんの健康アドバイスに関わりたい」と意欲を見せてくれます。またクリーンスタッフは、他のスタッフが業務に専念できるよう、院内の掃除から機器の消毒・滅菌までを担い、安心できる環境づくりのためになくてはならない存在です。一人ひとりが専門性を持って前向きに取り組んでくれるので、ありがたいですね。
患者さんが「自分で考える」ためにはどんな工夫を?
丁寧なカウンセリングのほか、「お口の健康手帳」をお渡ししています。口腔内写真、口腔内の詳細な検査結果、全身のゆがみチェックなどの結果をすべてファイリングしたもの。エックス線写真の見方もお伝えし、一般的に患者さんが知る機会の少ない情報や知識を共有することで、患者さんが口の健康維持に主体的に取り組めるようにしています。されるがまま受ける治療と、自分の頭で理解して受ける治療とでは、重みも違ってきますよね。また、小さい頃から定期的に通院していれば、大人になるまでに3~4冊になりますから、それだけ知識も増えるわけです。そうして歯科医院に通う意味を理解し、お口の健康に興味と責任を持つようになると、自然と通院も長続きするし、定期的なメインテナンス受診にもつながるのではないでしょうか。
途中で患者さんのモチベーションが下がることはないのでしょうか?

確かに、治療回数が多いとちょっとした口腔内の変化に気づきにくくなり、モチベーションが下がることもあるしれません。例えば「あと何回で終わりますか?」という質問が出たら、そのサインだと考えています。そうした場合はすぐにカウンセリングを行い、写真を撮って「初回と比べるとこの段階まで来ました」とお見せするようにします。そうすることで、スタート時点からの変化に気づき、モチベーションを立て直すきっかけになるからです。自分で行ったことの成果が見えると、セルフケアにも力が入るんですね。ただし気をつけなければいけないのは、介護など患者さんに生活環境の変化があった時。それによってセルフケアに集中できていないと感じたら、患者さんが無理なく対応できることを優先し、どのくらいの期間であれば再発しない状態をキープできるかを考えるようにしています。大切なのは、私たちが患者さんに合ったペースで寄り添うことです。
全身の健康にも目を向け、患者の笑顔を引き出す診療を
お忙しい中で、休みの日はどのようにお過ごしですか?

中医学の勉強をしていることが多いです。中医学は、一つの疾患や臓器に注目する西洋医学と違って、全身のバランスを診る医学です。将来的にはメインテナンスにいらした患者さんの健康状態にも気を配り、何か異常があれば医科のクリニック受診につなげるなど、全身の健康にも配慮していきたいですね。中医学では舌などの状態から体調を判断することも多いのですが、歯科なら患者さんの舌を日常的に診られますから、せっかくの機会を生かせたらと思います。
今後、力を入れていきたいことは?
良い状態を維持するために定期的に受診する人が増えてきましたが、予防歯科により力を入れ、さらなるレベルアップをめざしたいです。鍵を握る歯科衛生士たちはプロ意識が高く、経験のある歯科衛生士も在籍しています。予防や歯科診療に対する患者さんの意識改革に熱心で、情熱を持って診療に取り組んでくれるので、他のスタッフたちも、自主的かつ積極的に学んでくれるようになりました。虫歯と歯周病は定期的なメインテナンスを受けて、セルフケアにしっかりと取り組んでいれば予防できる病気だと考えています。3~4ヵ月に1度メインテナンスに通う金額と、それを怠ったことで発生する治療費を比べたら、メインテナンスのほうがずっと負担は少ないはず。ぜひ定期的に通って健康を守っていただきたいです。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

快活に動ける体と心を維持し、朗らかに、にこやかに笑って毎日を過ごしていくには、歯と全身の健康が欠かせません。事実、虫歯や歯周病は糖尿病などの全身疾患、早産などに関係することがわかっています。ですので、こうした口と全身のつながりを理解していただき、できる限り歯を削らない・抜かないためにできることを自ら考えられる人を増やし、地域のデンタルIQを高めていけたらと思っています。人生100年時代、長く健康で過ごすために、痛くないうちから歯科医院に通う価値を感じてもらい、いつも笑顔で帰ってもらえるような診療をめざしたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはゴールドによる補綴/11万円~、セラミックによる補綴/5万5000円~、インプラント治療/28万6000円~、骨移植/12万円~、歯周組織再生療法/18万7000円~、クリーニング/1万1000円~(保険適用の場合もあり。要相談)PMTC/1万1000円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。