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島村 健 院長の独自取材記事

しまむらクリニック

(川崎市高津区/武蔵中原駅)

最終更新日:2019/08/28

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川崎市高津区の子母口クリニックモールに、2012年6月「しまむらクリニック」が開院した。内科(消化器・糖尿病・循環器)・在宅往診のクリニックだ。「開業して町の医師になることは、小学生時代からの夢だったんです」。そう語るのは、院長の島村 健先生だ。きっかけは、ある医師との出会いだったという。患者と家族の立場に立つという診療方針や、在宅診療に積極的に取り組む姿勢は、これまでの臨床腫瘍科でのがん患者の診療やアメリカ留学での体験などから、自然とたどりついた。どんな経験が、今の島村医師を作り上げたのだろう。落ち着いたすてきな内装の医院で、じっくりとお聞きした。
(取材日2012年10月5日)

小学生の頃に出会った医師に憧れ、念願のクリニックを開院。在宅診療にも力を入れる

2012年の6月に開院したばかりだそうですね?

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当院は駅からは少し距離があるのですが、繁華街よりのんびりしたところが好きな僕にとっては、ここは自分の医院を開くのに最適な場所でした。車で10分ほどの場所に住んでいるので、ここは僕にとっても地元です。駅から遠いぶん、近隣の方には通いやすいでしょうし、実際患者さんにも「近くにクリニックができて便利になりました」とおっしゃっていただいています。医院のシンボルマークのウミガメには、患者さんが長生きできるようにという願いをこめました。こうして町のお医者さんになることは、僕にとって小学生時代からの夢だったんです。それが叶い、少しずつ患者さんも増え始め、今とても幸せです。

小学生の頃に医師になろうと思われたのですか?

はい。きっかけは、ある医師との出会いでした。僕は小学2〜3年のときに川崎病を患ったんです。熱が長く続き、舌が赤くなったり、体のだるさや手足のしびれが起きたりする血管炎です。当時は診断がつくまで10日くらいかかり、あげく、告げられた病名が川崎病。人によっては心臓に後遺症が残ることもあるので、僕はとても不安で、「このまま死ぬんじゃないか」とまで思ったんですよ。でも、その時診療にあたってくれた医師がとてもいい方で、通院の度に励ましてくれて、いつも笑顔で対応してくれたんです。その先生に憧れ、いつしか「僕もこんな町のお医者さんになりたい」と思うようになっていたんです。

診療科目は内科(消化器・糖尿病・循環器)ですね。

内科の一般的な症状のほか、消化器や糖尿病・循環器疾患の診療を行っています。開業前は大学病院の臨床腫瘍科におり、がんの患者さんを長年診ていました。その経験を生かして早期がんの発見にも力を入れたいと思ったので、デジタルX線装置や、超音波検査器、胃と大腸の内視鏡カメラも備えています。驚いているのは、開院してまだ4ヵ月なのに、早期がんの見つかる頻度が思っていたよりも高いんです。近隣の医院から紹介されて検査を受けにきた方だけでなく、試しに受けてみたという方の中からも、胃や大腸の早期がんが何人か見つかっています。検診の重要性をもっと啓蒙していかなければと実感しますね。また僕は糖尿病の治療にも積極的に取り組んでいます。昔はインスリンを打ちながら一生付き合う病気でしたが、いまは糖尿病も治していこうという時代。すい臓に負担がなく、むしろ機能をよくして治療する方法がありますので、なかなか病状が良くならず、生活習慣を改めるのに必死になっている方は、ぜひ一度相談してほしいです。

在宅診療にも力を入れているそうですね。

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体が不自由で病院に通えない方はもちろんですが、がんの末期で、最期は自宅で迎えたいとう方のサポートをしたいと思い、在宅診療を始めました。僕もしくは看護師が、お昼休みや診療時間後を利用して、お一人の方に週に何度か、具合が悪ければ毎日でも伺います。苦痛のない生活を送れているか確認し、必要なお薬をさしあげています。自宅での療養はリラックスしていられますが、不安もつきものです。そこで、僕はもちろん看護師全員が往診専用の電話を持っていて、患者さんやご家族が何でも気軽に聞くことのできる体制を整えています。看護師にも持たせているのは、治療と直接関係ない食事や入浴の疑問点などは、僕に聞くよりは女性の看護師のほうが話しやすい方もいらっしゃるからですね。

プライベートは2児の父。診療室には、原動力である家族の写真を飾って

小さい頃は、どんなお子さんでしたか?

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僕は川崎市麻生区の柿生という町で育ちました。今でこそ住宅街ですが、僕が子どもの頃はまだ山が多くて、雑木林を駆け回って虫をとったり、空き地で野球をしたりして、毎晩遅くまで遊びました。勉強はまったくできない子どもでした。医学部を目指しているのに、高校生になっても、野球部や応援団に入って毎日部活漬けの日々。いよいよ3年生になったとき、ついに担任の先生から「このままでは医学部は無理だ」と宣言されてしまったんです。それからは必死に勉強しました。部活も辞め、帰宅後毎日8時間くらい机から離れませんでした。あの1年間、どんなテレビドラマをやっていたか、どんな歌手が流行っていたか、僕はまったく知りません。よくいえば意志が強いのですが、「何かに夢中になると周りが見えないのよ」と、いつも家内に叱られています(笑)。

診療室にご家族の写真を飾られているのですね。

大学病院時代に、2年間アメリカに留学していたのですが、そのときの影響です。あちらの方たちは仕事場に家族の写真を飾っていますでしょう。家族は僕の原動力。こうして写真を飾ると、仕事の励みになります。患者さんも、「お子さんかわいいですね」などと声をかけてくださいます。娘は10歳、息子はまだ1歳です。毎晩、息子を寝かしつけるのは僕の担当です。夜くらいは子育てから解放してあげないと、家内も疲れてしまいますから。赤ちゃんは朝が早くて、毎日5時半に起こされています。早朝に一緒に公園を散歩するのが僕の日課ですよ。

留学時代のお話しも伺えますか?

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ちょうど医師免許を取った頃、一度は世界に出て先端の医療を見てみたいと思ったことが、留学を決めたきっかけでした。アメリカでは、がんのワクチンを作る研究に参加していました。治療する薬ではなく、予防する薬です。アメリカでは新薬がどんどん生まれ、日本では承認されていないがんの治療薬も、すでに使われています。世界には治療法があるのにそれを使えないというのは、大きなジレンマですね。皆さん厚生労働省が悪いと言いますが、僕はそれだけではなく、文化や価値観の違いもあると思います。アメリカには日本のように国民皆保険の制度がありません。保険に入れないがん患者さんのなかには、医療費がかからないかわりに治療の実験台になる人が少なくないんです。そうした仕組みがある土壌では、新しい薬や治療法がどんどん開発されます。でも日本では、有効な治療法がなくなった患者さんでも、一か八かの治療より標準的な治療を選ぶ方が多い。こうした価値観の違いも、日本から新薬や治療法が生まれにくい原因だと思うんです。

患者や家族の気持ちは医師の言動一つで左右される。それを肝に銘じて診療にあたる

診療の際に気をつけていることは何ですか?

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患者さんや、そのご家族の気持ちになって、診療にあたることですね。留学中ある医師に出会い、その思いはより強くなりました。当時、現地に同伴した家内が難病にかかってしまい、長く通院することになったんです。患者の夫として診察室に付き添った僕は、医師がかける言葉一つ一つに、患者やその家族がどのように感じるのかを身をもって知りました。主治医の先生は、治療に関してこちらが納得するまで説明し、親身になって妻の治療にあたってくれましたし、家族である僕の気持にまで寄り添ってくれたんです。研究の傍ら、妻に代わって娘の世話や家事もしなければならなくなった僕に、「半年くらいしたら必ずよくなるから、今は頑張って」と、毎回励ましてくれたんです。患者さんやそのご家族の不安は、医師である自分の言動一つで増減します。それを肝に銘じ、お一人お一人丁寧に向き合っていきたいと思っています。

印象的な患者さんはいらっしゃいますか?

数年前、末期がんを患った女性患者さんの診療にあたりました。40代と若いのに、どこの病院でも治療が尽き、最後に僕の大学へいらしたんです。アメリカの薬を取り寄せて治療するなど、2年ほど頑張ったのですが、最後はもう長くは生きられないというところまで悪化してしまったんですね。僕は患者さんの希望にできるだけ沿ってさしあげたかったので、ご本人とご家族がどうしたいかを伺いました。なるべく家族と過ごしたいという希望に沿い、在宅診療やホスピスについてアドバイスをさせていただきました。残念なことに今年の5月に亡くなられましたが、その後ご主人様からお手紙が届き、奥様の最後の様子や、感謝の気持ちが綴られていたんです。これが僕のやりたい診療だと改めて思いました。どんなに仕事が忙しくても、しっかり患者さんのお話を聞いてさしあげたい。そして、患者さんが亡くなっても、ご家族から感謝の言葉をいただけるような、そんな診療が最近やっとできるようになりつつあるかな、と思っています。

今後のどのような医院にしていきたいですか?

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内科の分野でなくても、困ったことがあれば気軽に相談してもらえるかかりつけ医になりたいと願っています。僕が診てさしあげられない分野は、専門家の先生をご紹介します。幸い、この高津区の医師会の先生方は、派閥などがなく素朴な方が多いんです。おかげで、「この治療法がうちではできないのですが、どの先生をご紹介すればいいですか?」と相談すると、親切に教えてもらえるんですよ。開業医同士はライバルでもあるので、なかなか教えてくれないケースも多いのですが、いい環境で開業できたと感謝しています。ですから、皆さんも安心して、どんな些細な事でも体の不調があれば相談に寄ってください。また、病気でなくても来ていただける医院になれたらいいですね。実はそのために、皆さんが落ち着くカフェのような内装の待合室にしたんです。今はまだお水だけですが、これからお茶やコーヒーメーカーも置くつもりです。ふらっと立ち寄って、お茶を飲んでスタッフと話をして帰っていく、そんな地域の皆さんが集まる場所になれたらと思っています。

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