水島 牧子 院長の独自取材記事
エムデンタルオフィス
(港区/神谷町駅)
最終更新日:2023/07/19
![水島牧子院長 エムデンタルオフィス main](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_banner_url/68979/20200721_25416_top.jpg)
東京メトロ日比谷線神谷町駅から徒歩3分。各国の大使館やホテル、オフィスビルの立ち並ぶこの場所に2003年に開業した「エムデンタルオフィス」。こじんまりとした空間はシックな内装でまとめられ、まるで静かで落ち着いた空気の流れるサロンのようだ。待合室には患者から旅行土産として贈られた小物や置物、水島牧子院長が収集したアート作品や本が品良く置かれており、治療を待つ患者も穏やかな気持ちで過ごせそうだ。開業間もなくから、専門の歯科医師と連携するチーム医療と、顔のバランスを考慮し、その人らしい美しさを追求する審美歯科を特色とする同院。「患者さんに必要とされる、かかりつけ歯科医として質の高い診療をめざしたい」という思いから、日々の学びを続ける水島院長に話を聞いた。
(取材日2019年10月4日)
プライバシーに配慮した歯科医院
院内の落ち着いた雰囲気が印象的ですね。
![水島牧子院長 エムデンタルオフィス1](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url1/68979/pc_20200720_1.jpg)
私が子どもの頃に通っていた矯正歯科はアメリカの教会が運営するクリニックで、その待合室が病院というよりは個人宅の居間のような、とてもアットホームな空間だったんです。そんな雰囲気にしてほしいとデザイナーさんにリクエストしました。医療はプライベートなことですし、患者さんにリラックスしていただけるよう、医院づくりで一番こだわったのは、診療室を個室のようにしたところ。2つの診療室を完全に分割して部屋を作り、患者さんのプライバシーに配慮しました。また、基本的に私が同時に複数名の患者さんを治療することはありません。ご覧のとおり広いクリニックではないので、気配は感じるかもしれませんが、他人を気にせず診療を受けられる環境にこだわりました。
どんなお悩みで来院なさる患者さんが多いのですか?
![水島牧子院長 エムデンタルオフィス2](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url2/68979/pc_2.jpg)
開業当初は歯が痛い、詰め物やかぶせ物が外れた、歯茎が腫れたといった急患も多かったですし今でも目立つ主訴の一つではあります。ですが、現在では、メインテナンスも含めかかりつけ医として継続的に通院してくださる方、ご紹介でお越しになる方、そして、お口全体を診てほしいという方の割合が多くを占めています。矯正治療を含めた審美歯科をご相談の方も多いですね。傾向として、メインテナンスにも熱心な患者さんが増えました。口腔内だけでなく、ご自身の健康に気を配り、生活習慣とされる方が増えたことは医療従事者としてうれしく思います。
チーム医療への取り組みと審美歯科への考え方
こちらの診療の特徴を教えてください。
![水島牧子院長 エムデンタルオフィス3](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url3/68979/pc_20191218_3.jpg)
チーム医療と審美歯科です。後でお話しする審美歯科との出会いはチーム医療との出会いでもありました。チーム医療については、開業間もなくしてシステムを導入しています。保険治療以外に、歯内療法、インプラント治療と歯周病治療、歯列矯正の専門の歯科医師や歯科技工士と連携を取り、治療内容や患者さんのご希望に添って当院の治療プランに加わっていただいております。おのおの別の歯科医院を開業している専門家のところに通ってもらうことになりますので、日本ではなじみのないものですが、諸外国ではより質の高い治療を望む場合このようなシステムは一般的です。かかりつけ医個人のバイアスが診療プランに影響するのを極力抑えることにつながりますし、患者さんのご希望をより良い形で実現するため、各分野の先鋭とディスカッションできる環境は、質の高い診療を追求し、治療後の状態を長く維持するためにも患者さんのメリットになると考えています。
審美歯科についての考えを伺えますか?
審美歯科に興味を持ったのは、アメリカで欧米の歯科医師、歯科技工士の講演を聴き衝撃を受けたのがきっかけです。審美歯科のパイオニア的存在である歯科医師との交流やセミナーを受講した中で、審美歯科へのイメージが変わりました。当時日本では、審美歯科というと時に犠牲を伴う、侵襲の大きな外見上の治療というイメージが一般的でした。ですが、先生に「健康な歯肉と歯、安定した咬合がベースにあり、その上で患者さんがより輝くスマイルに仕上げていくことがゴールである」という基本理念、その実現のための数々の手法を学びました。審美歯科とは理想形の白いかぶせ物をすることだけではないのです。また、欧州のある歯科技工士の創り出す生命感あふれる「歯」、患者の個性に合わせた症例など、その世界観は私に非常に大きなインパクトを与えました。それをきっかけに、今も一緒にお仕事をしている歯科技工士の内海賢二氏に出会えたのは幸運なことでした。
審美歯科について、治療方法を一つ教えていただけますか。
![水島牧子院長 エムデンタルオフィス4](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url4/68979/pc_20191218_4.jpg)
高度なテクニックと美的センスを兼ね備えた歯科技工士とのコラボレーションは、審美歯科の幅を広げてくれますし、治療の成功のために不可欠なものです。例えばその一つにノンプレップベニアと呼ばれる方法があります。簡単に言えば、非常に薄いセラミック製の板状のべニアを歯の表面に貼りつけることで形を微調整したり、自然な白い見た目にしたりする方法のことです。通常のセラミック治療にもべニアを貼りつける方法はありますが、一定以上の量歯の表面を削らなければなりません。一方、ノンプレップベニアは健康な歯をほぼ削らないというメリットがあります。歯の表面のエッジを丸める程度なので、ご自身の歯にはほとんど影響ありません。また、接着力がより強固なのも利点です。すべての症例で適応になるわけではなく、このべニアを作れる歯科技工士も限られますが、当院では患者さんの希望する結果をめざせる選択肢の一つとしてご提案しています。
ライフスタイルを尊重しつつ、患者利益を考えた診療を
今後の展望について伺えますか。
![水島牧子院長 エムデンタルオフィス5](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url5/68979/pc_5.jpg)
患者さんのライフスタイルを尊重し、誠実に、その時できることを全力で診療に生かしていきたい、それが一番の基本にあります。そのために、これまでと同様、積極的に新しい情報、手法などを得て精査し、基本を大切に診療を続けたいと思います。そして患者さんがリラックスできて、ポジティブな気持ちで通えるような場でありたいです。また、昨今、玉石混合の歯科情報に困惑している患者さんも多く見られます。かかりつけ歯科医として、知識とネットワークを生かし、その解消の手助けとなる情報や機会の提供を続けるとともに、加えて、一般的な審美歯科の概念に追加し、その可能性をもっと広く周知していきたいと考えています。
ご自身の歯の健康で気をつけていることを教えてください。
歯のために、ステインが着かないようにコーヒーや赤ワインを飲まないとか、そういう制限は特にしていません。基本的に、人生を楽しく謳歌することが大事だと考えています(笑)。ただ、健康でなければ食事を楽しむこともできませんから、セルフメインテナンスは気をつけています。私自身、気になっていた前歯をノンプレップベニアで処置をしました。それ以来、ブラッシングやフロスも、単なる毎日の義務的なルーティンではなく、治療後の状態を長く保つための積極的なケアとなりました。毎日のことですので、便利なものは活用して飽きずに楽しく、がモットーです。いろいろ試してもみたいですし、歯磨きペーストや洗口剤は何種類か用意して、その時の気分でチョイスしています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
![水島牧子院長 エムデンタルオフィス6](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url6/68979/pc_6.jpg)
もっと早くしっかりと治療を受けていれば良かった、もっと前に適切なケアの仕方を知っていれば良かった、とおっしゃる患者さんが多くいらっしゃいます。これからでも、ぜひ、少しだけご自身に手をかけてあげてみてください。主治医と相談して、しっかりと治療し、必要なケアを毎日少しずつ続ける、それが大きな結果になることを私自身、実感しています。今後も歯科医療、審美歯科を通して、患者さんの健康と充実した毎日に貢献できるよう努力を続けたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはノンプレップベニア/11万円~
インプラント治療/上部構造22万円~
歯列矯正/部分矯正16万5000円~
マウスピース型装置を用いた矯正/部分矯正33万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。