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山王 直子 院長の独自取材記事

品川ストリングスクリニック

(港区/品川駅)

最終更新日:2023/11/20

山王直子院長 品川ストリングスクリニック main

品川駅港南口から徒歩1分、駅直結のオフィスビル3階にある「品川ストリングスクリニック」は2004年開業。頭痛とホルモン疾患を専門とする山王直子院長をはじめ、高い専門性を持つ医師や看護師が在籍する同院では、生活習慣病や認知症、甲状腺疾患やリウマチなど、診療科の枠を超えて幅広く診療。さらに、頭痛を主訴に受診する女性患者に婦人科系の悩みを抱える人が多いことから、2021年5月の移転を機に婦人科を増設し、患者の体をトータルに診る、総合的な診療を行っている。広々とした待合室は、間接照明を用いてまぶしさを抑えた造りとなっており、頭痛に悩む患者への配慮がうかがえる。「頭痛が和らぐと人生が変わると思います。我慢せずにぜひ受診していただきたいですね」と優しい笑顔で語る山王院長に話を聞いた。

(取材日2021年6月29日/再取材日2023年8月31日)

頭痛・ホルモン疾患を中心とした総合診療クリニック

どのような患者さんが来院されていますか?

山王直子院長 品川ストリングスクリニック1

私の専門は脳神経外科で、特に頭痛とホルモン疾患の治療に力を入れています。そのほか、呼吸器・循環器・リウマチ・甲状腺・漢方などを専門とする外来も設けており、それぞれ専門の医師が治療にあたっています。生活習慣病や認知症にも対応していますが、最も多いのは頭痛症状を訴える40~50代の女性患者さんです。この年代の女性は更年期障害など婦人科系の悩みを抱えていることが多いため、2021年5月の移転を機に婦人科を増設しました。女性は月経前後に片頭痛になる方が多く、ホルモンバランスの乱れと痛みが深く結びついている場合があります。受診のハードルが高くなりがちな婦人科ですが、同じ施設で頭痛も婦人科も一緒に診療できるのは当院の強みだと思います。

生活習慣病や甲状腺の病気も診ていただけるのですね。

はい。若い頃は片頭痛に悩んでいた人でも、40代以降になると高血圧や高コレステロールが気になり始めることがあります。そのときに通い慣れた医院で相談や検査ができたら安心いただけるのではないかと思い、さまざまな病気に対応できる体制を整えました。特に女性は仕事や家事・育児などで忙しく、自分のことは後回しにしがちです。当院では港区や企業の健康診断や、健康診断後の二次検査も行っています。お勤めされていない場合は健康診断を受けていない方もおられると思いますが、40代後半になったら全身の検査を受けていただきたいですね。

院内は木のぬくもりが感じられる、すてきなデザインですね。

山王直子院長 品川ストリングスクリニック2

ありがとうございます。移転して院内が広くなりましたので、ゆったりと過ごしていただけるのではないかと思います。落ち着いた雰囲気を保てるよう内装にもこだわりました。特に照明には気を遣い、まぶしさが苦手な頭痛患者さんもリラックスできるように、待合室はダウンライトを使い明るさを抑えるなど、細部にまで配慮しています。また、患者さん同士が情報共有できるよう、自分なりの頭痛解消法を紹介する「頭痛お助け掲示板」を設置していますので、ぜひ参考になさってください。

クリニック名に込めた思いをお聞かせください。

私はクラシック音楽が好きでよく聴くのですが、「ストリングス」とは弦を意味する言葉なんです。弦の1本1本が合わさるように総合的な医療の提供に力を入れていくとともに、ハーモニー、つまり調和を大切にドクターとスタッフが力を合わせて患者さんと向き合っていくという思いを込めました。

片頭痛の原因を見極めて根本的な改善をめざす

片頭痛の治療について教えてください。

山王直子院長 品川ストリングスクリニック3

片頭痛治療には、頭痛時に薬を服用する急性期治療と、頭痛の抑制をめざす予防治療の大きく2つがあります。予防治療に関しては、2021年から新たに3剤の片頭痛予防薬が使えるようになりました。既存薬とは異なる作用を持ち、片頭痛発作の日数を半減させることが期待できると報告されています。3剤とも注射薬で月に1回か3ヵ月に1回の投与で、在宅での自己注射も可能です。通院回数が少なくなり、時間や交通費など通院に伴う負担の軽減にもつながります。また、急性期治療薬にも2022年新薬が登場しました。これまでの急性期治療薬とは異なり血管拡張作用を伴わないため、心筋梗塞や脳血管障害などの既往がある方でも使用可能です。さらに頭痛が起きて1時間以上経過してから服用しても頭痛の改善が見込めるとされており、既存の急性期治療薬で効果を実感できていなかった方にも有用な選択肢になると思います。

頭痛治療は選択肢が広がっているのですね。

そのとおりです。近年、脳のメカニズムが解明され始め、片頭痛は予防や寛解が見込める病気になってきています。いつ頭が痛くなるかわからないと生活にも支障を来します。大事な仕事が入っている日やお子さんと出かける日の朝に片頭痛が起きれば、薬を飲んでその場をしのごうとする方も多いと思いますが、それでは根本的解決にはなりません。頭痛を専門とするクリニックを受診し、さまざまな治療法や予防策を試しながら、片頭痛を起きにくくする方法を見つけていくことをお勧めします。

新しい治療はどの医療機関でも受けられますか?

山王直子院長 品川ストリングスクリニック4

急性期治療薬は一般内科でも処方が可能ですが、注射の片頭痛予防薬ができるのは「頭痛診療を5年以上行っている医師であること」などの条件があり、いわば「頭痛のスペシャリスト」が取り扱うことがルールになっています。希望される場合は受診前に確認することをお勧めします。当院では、発売当初から注射の予防薬を多くの患者さんに処方してきました。処方にあたっては、問診のほか血液検査や骨密度検査、CTやMRIの画像検査などを行い、頭痛の原因を見極めた上で判断しています。片頭痛が軽くなると前向きになり、新しいことにチャレンジすることもできると思います。頭痛の心配がなくなると、人生が変わります。これまでの治療で効果が見込めなかった方も諦めず、頭痛がない時期でも構いませんので、ぜひご相談ください。

受診しやすい環境を整え、患者の健康をサポート

ウェブ問診や自動精算機などのシステムを活用されていますね。

山王直子院長 品川ストリングスクリニック5

はい。問診票は当院のホームページからも記入できますし、二次元バーコードを読み込めばスマートフォンでも記入が可能です。院内で書くこともできますが、事前に記入しておくと診察時間・待ち時間の短縮につながります。自動精算機は、現金以外のクレジットカードや電子マネーでの支払いも可能です。こちらも待ち時間の短縮のほか、接触を減らす手段として感染症対策にも役立つと思います。また、院内で患者さんをお名前ではなく番号でお呼びする「番号呼び出しシステム」を開始しました。プライバシー保護にもなりますし、ディスプレーに番号が表示されるので待ち時間の目安がわかり、「いつ呼ばれるかわからない」という不安も軽減されると思います。そのほか、ウェブ予約やオンライン診療も導入しています。こうした便利なシステムを活用して業務の効率化を図ることで、患者さんと接する時間をより増やしていければと考えています。

ところで、先生が脳神経外科を専門に選んだのはなぜですか?

学生時代に脳の美しさに魅了されて以来、開業までの20年弱の間、脳神経外科医として多くの脳手術を行ってきました。途中アメリカにも留学し、脳下垂体の研究で博士号を取得し、現場では救急車が到着すると走っていって……という日常を過ごしました。一人でも多くの命を助けたい一心でしたね。一方で、後遺症に悩む患者さんやご家族の姿もたくさん見てきました。脳を損傷してしまうと、その人らしさが損なわれてしまうことも少なくありません。そういう悲劇を何とか回避するためにできることは何だろうと考えた結果、「予防医学を前面に行いたい」という答えに行きつき、開業に至りました。診療では頭痛に悩む患者さんを多く診ていますが、重篤な脳疾患が隠れている可能性もありますので、これまでの経験を存分に生かしながら早期発見に努めています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

山王直子院長 品川ストリングスクリニック6

「頭痛ぐらいで仕事や家事を休めない」と思っている方もおられるかもしれませんが、片頭痛は体が警告を出してくれているサインでもあります。無理している時や疲れている時、「今は休むべき」と片頭痛を通じてあなたに教えてくれているのです。一時的な対処で済ませるのではなく、専門のクリニックを受診して精密検査を受け、痛みの原因を調べることが重要です。また、片頭痛は心筋梗塞や脳卒中、認知症のリスクを高める可能性があるともいわれています。片頭痛は予防できる時代になっています。我慢せず、ぜひ早めに受診してください。

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