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山王 直子 院長の独自取材記事

品川ストリングスクリニック

(港区/品川駅)

最終更新日:2021/10/12

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品川駅港南口に広がるデッキから直結する品川イーストワンタワーの3階。「品川ストリングスクリニック」は、2021年5月の移転に伴い名称を変え、新たなスタートを切った。山王直子院長は、脳神経外科での経験や脳下垂体に関する知識を生かし、頭痛患者を中心に診察を続けてきたが、リニューアルを機に診療科目を増やした。検査機器も増え、患者の体をトータルで診られる体制を整える同院。広々とした待合室は、間接照明を用いてまぶしさを抑えた造りとなっており、頭痛持ちの患者への配慮がうかがえる。温かく迎え入れてくれた山王先生に、力を入れていることやこれからやっていきたいことなどについてたっぷりと聞かせてもらった。

(取材日2021年6月29日)

コロナ禍で増加する頭痛や生活習慣病の悩みをサポート

こちらではどのような相談が多いですか?

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私の専門が脳神経外科ということもあり、頭痛の外来を中心に、呼吸器・循環器・リウマチ・甲状腺・漢方などを専門とする外来を設けていましたが、移転を機に婦人科も増設し、さらに幅広く対応しています。とはいえ、最も多いのは頭痛症状を訴える40~50代の患者さんですね。これは、コロナ禍でさらに増加傾向にあります。リモートワークでパソコンに向かう時間が増えたことや運動不足、マスク生活が主な要因でしょう。マスクをつけていると、熱気と二酸化炭素がマスク内にたまりますし、長時間紐を耳にかけているため、頭痛を引き起こしやすくなります。一方で、品川まで通勤していた患者さんの中には、通勤ストレスの解消やフレキシブルな働き方によって、頭痛が和らいだ人もいます。それだけ頭痛とライフスタイルは密接だということだと思います。

他にもコロナ禍で変わったと感じることはありますか?

健康診断の二次検査をしてほしいというご相談など、生活習慣病が悪化している方が増えた気がしますね。理由の一つは、コロナ禍で受診控えが増加したことだと考えられます。実際、2020年は健康診断の受診者もかなり減りました。その結果コレステロール値や体重が標準値を越えたり、服薬や通院を自己判断で中断したりするなどし、受診時に症状が悪化しているケースが少なくありません。ウイルスに感染する恐怖ばかりに目がいきがちですが、他の病気になるリスクも忘れないでいただきたいと思います。「自分は大丈夫」と過信するのではなく、ライフスタイルの変化で起きた痛みや異変を医学的に調べることが、何より重要です。

オンライン診療や自動精算機などのシステムを活用されていますね。

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どちらも以前から取り入れていたものですが、感染症対策としても役立ちますので導入していて良かったと思います。オンライン診療はニーズも高まっており、今後強化していく必要性を感じます。スマートフォンなどを通じ、通常の問診と同様に医師と話すことができますし、処方箋の送付も可能です。初診はじっくりとお話を伺う必要があり、検査を行う場合もあるため来院を推奨していますが、その後は都合によってはオンライン診療を活用していただいています。自宅が遠方の患者さんや高齢の方も、気軽に医師と話せる機会が増えるチャンスではないでしょうか。こうしたシステムを活用することで、本当に対面での診療が必要となることに力を注げます。どんなにITが進歩しても、やはり人とのつながりは大切ですので、患者さんと接する時間を大切にしていければと考えています。

総合的に病気から患者を守れる体制をめざして

移転されてからの変化についてお聞かせください。

移転に伴い、院内がこれまでよりも広くなりましたので、患者さんによりゆったりと過ごしていただけるのではないかと思います。移転前の落ち着いた雰囲気を保てるよう内装にもこだわりました。特に照明には気を遣い、まぶしさが苦手な頭痛持ちの患者さんもリラックスできるように、待合室はダウンライトを使い明るさを抑えるなど、細部にまで配慮しています。また、クリニック名も変更しました。私はクラシック音楽が好きでよく聞くのですが、「ストリングス」とは弦を意味する言葉なんです。弦1本1本が合わさり総合的な医療の提供に力を入れていくとともに、ハーモニー、つまり調和を大切にドクターとスタッフが力を合わせて患者さんと向き合っていくという思いを込めました。

移転を機に診療科を増やしたのはなぜですか?

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これまでは頭痛を訴える方を中心に脳疾患や内科疾患に対応してきましたが、女性患者さんの中には婦人科系の悩みを抱える方もいらっしゃいました。そうしたニーズに応えるべく、より総合的に診療ができたらと考え婦人科を増設しました。年齢を重ねると体は変化しますから、若い頃は片頭痛に悩んでいた人でも、40代以降になると高血圧や高コレステロールが気になり始めることがあります。そのときに、通い慣れた医院で相談や検査ができたら安心いただけるのではないかと思ったんです。それで、婦人科をはじめ生活習慣病やホルモン疾患に対応できる体制を整えました。特に女性は月経前後に片頭痛になる方が多く、ホルモンバランスの乱れと痛みが深く結びついている場合があります。受診のハードルが高くなりがちな婦人科も、「気負わずにご相談できる」と思っていただければうれしいですね。

スタッフの人数など、院内体制も変わりましたか?

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あらゆる症状を診る中で、より専門性の高い医師に相談したほうが患者さんのためになるのではと感じる場面があったので、受付スタッフ、看護師、医師、すべての人員を増やしました。仲間が増えたことで、診療科の枠を超えて相談できるようになり、甲状腺やリウマチなどの分野に長けた先生たちと、総合的な診療に取り組めるようになったのは大きな強みです。体制としても共通のカルテを使用しているため、患者さんの状態を常に共有できていますし、医師同士の情報交換もスムーズにできるよう工夫しています。対応できる幅が広がる中でも、これまで同様にきめ細かな診療の実現にも注力しています。

頭痛は体からの警告のサインと考えて早めの受診を

脳神経外科がご専門とのことですが、これまでどんな経験を積んでこられたのですか?

学生時代に脳の美しさに魅了されて以来、開業までの20年弱の間、脳神経外科医として多くの脳手術を行ってきました。途中アメリカにも留学し、脳下垂体の研究で博士号を取得し、現場では救急車が到着すると走っていって……という日常を過ごしました。一人でも多くの命を助けたい一心でしたね。一方で、後遺症に悩む患者さんやご家族の姿もたくさん見てきました。脳を損傷してしまうと、その人らしさが損なわれてしまうことが少なくないんです。そういう悲劇を何とか回避するためにできることは何だろうと考えた結果、「予防医学を前面に行いたい」という答えに行きつき、開業に至りました。診療では頭痛に悩む患者さんを多く診ていますが、重篤な脳疾患が隠れている可能性もありますので、これまでの経験を存分に生かしながら早期発見に努めています。

相談に来る人が多いという、片頭痛の治療について教えてください。

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2021年4月に認可された片頭痛を予防する新薬を取り入れています。最近、脳のメカニズムが解明され始め、片頭痛は改善が見込める病気にもなってきています。いつ頭が痛くなるかわからないと生活にも支障を来しますし、大事な仕事が入っている日やお子さんと出かける日の朝に片頭痛が起きれば、鎮痛剤を飲んでその場をしのぐ方も多いと思いますが、それでは根本的解決にはなりません。頭痛を専門とするクリニックを受診し、さまざまな治療法や予防策を試しながら、片頭痛を起きにくくする方法を見つけていくことをお勧めします。頭痛がない時期でも構いませんので、いつでもいらしてください。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

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頭痛持ちの方、特に慢性片頭痛の患者さんは「なぜ日々痛みに耐えなければならないんだ」と悩まれているかもしれません。でも片頭痛は、体が警告を出してくれているサインでもあります。無理している時や疲れている時、「今は休むべき」と片頭痛を通じてあなたに教えてくれているんです。ですから、一時的な対処で済ませるのではなく、専門のクリニックを受診し痛みの原因を調べるためにMRIなどの精密な検査を受けることが重要です。もし検査を受けて何か病気があれば、早期発見につながり、大事に至らずに済むかもしれません。面倒だからと放置せずに、少しでも違和感を感じたら、ぜひ受診してください。

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