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山王 直子 院長の独自取材記事

山王クリニック品川

(港区/品川駅)

最終更新日:2020/04/01

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品川駅港南口に広がるデッキから直結する品川イーストワンタワーの3階に「山王クリニック品川」はある。クリニックに入ると間接照明を用いて頭痛の患者に配慮した待合室が出迎えてくれる。周辺には高層のオフィスビルが華やかに立ち並ぶが、院内は落ち着く雰囲気だ。院長の山王直子先生は小柄ながら、ハキハキとした優しいオーラの持ち主。長年通う患者から手作りのフェルトを使ったぬいぐるみや、手編みレースの敷物などをもらうこともあるという。著書をはじめメディアでの露出も多い先生に、その経験を生かして行っている診療や発信している思いについて語ってもらった。
(取材日2018年8月20日)

脳は、その人そのもの。神秘的な美しさに惹かれて

脳神経外科で女性のドクターは珍しいのではないでしょうか。

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そうですね、医局でも女性用の更衣室はありませんでした。緊急手術も多く、時間的拘束の負担が大きい科です。今は女性も増えてきていますが、それでも少数派です。私も、入学当初はいわゆる開業医のお医者さんのイメージから、内科か小児科に進むのかなと思っていました。ですが、いろいろな科の勉強をする中で、脳を見たときに、その美しさに魅了されてしまったんです。頭蓋骨を開けると、硬膜というろ紙のような硬さの白い膜があります。それの下の薄いくも膜を切り開くと、透明な髄液に白子のような脳が浮いているんですね。その様子が、私の美意識にピタリとはまってしまいました(笑)。また、外科では自分の手で実際に手術を行って患者さんを治すという直接的なところがあり、それが性分に合っていたと思います。

手術を数多く行われていたのですね。

病院に勤めていた20年弱の間に、脳の手術は数多く行ってきました。また、アメリカに留学して脳下垂体の研究で博士号を取得し、現場では、ERなど救急救命センターが今のように一般的になるまでは脳神経外科がその役割を担っていましたから、救急車が到着すると走っていって……というのが日常でもありました。一人でも多くの命を助けたい一心でしたが、脳疾患で倒れた時点でかなりの率で重い後遺症を覚悟せねばならないのも事実でした。運び込まれると同時にご家族に、治療後のリハビリテーションのための転院についてや、そのリハビリも最初の3ヵ月が肝心であとは回復もあまり見込めないことなど、現実を突きつけるようなご説明をしなくてはなりません。当初は命だけでも何とか助けてとおっしゃるご家族が、半年、1年とたつにつれ疲弊されていくのも数多く見てきました。

脳神経外科の病院での医療に限界を感じられたわけですね。

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人間の体は不思議なもので、肝臓や肺は取ってしまっても他の臓器が代わりをできるんです。けれど、脳だけは替えのきかない、かけがえのない存在です。それに、人の心と言いますが、実際にその方の人となりを形成しているのは脳。その人そのものだから、脳を損傷してしまうとその人らしさが損なわれてしまうことが少なくないんです。そういう悲劇に至らせないためにも、予防医学を前面に行っていきたいと思い、2004年に開業をしました。

市販薬や鎮痛剤の常用は、頭痛の解決にはならない

どのような患者さんが来院されますか? 

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頭痛や生活習慣病、脳下垂体に関連するホルモン疾患の方が多いですね、現在は2診体制になって内科もありますので、生活習慣病や風邪などの一般内科疾患の方も多く来院されます。新幹線などで遠方から来られる方や同じビルに入っている会社の方も、多く来院されています。この辺りはIT企業が多いのですが、仕事でも家でもパソコンやスマートフォンを使用しているせいか、男性の頭痛持ちが増えているのを感じます。仕事を始めてから頭痛になったという人も多いですね。パソコンなどのの光刺激は本当に脳には悪影響なんです。頭痛も引き起こしますし、こうした生活習慣が高血圧につながる。脳梗塞などのリスクを引き上げていくものなので、長時間の使用には注意してほしいと思います。

たかが頭痛ではなく、重大な疾患につながることもあるのですね。

そうですね、毎日大勢の患者さんのMRIを診ていると1日1回は重大な疾患の方がいるんですよ。脳ドックで異常なし、と判断されても、頭痛は必ずしも脳だけの問題ではなくて、目や耳、鼻などに原因のある頭痛もあるんです。脳ドックで調べて何もなく、鎮痛剤の市販薬を自己判断で飲み続けているという方もいますが、薬剤の使用過多による頭痛といって、薬が効かなくなるばかりか、かえって痛みが増してしまうことがあります。また肩こり頭痛と思っていても、片頭痛の予兆でも肩こりが起こりますし、そのままにして血管が炎症を起こしている状態を長年繰り返していると、脳梗塞になりやすい状態につながっていきます。40代でも片頭痛の方には隠れ脳梗塞がけっこう見つかるもの。もし、頭痛に悩まされているのであれば、一度は調べてみると良いですね。

頭痛の治療はどのように行うのでしょうか?

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当院では、必要があれば協力医療機関でMRIを撮ってもらって診察します。また患者さんに頭痛が起きた時に痛みの程度や日常生活への影響度を頭痛ダイアリーとして記録してもらっています。生理や生活リズムとの関連がわかりやすくなるので、例えば、休日前になると頭痛が起こるのであれば、普段のストレスが原因だなとわかったりするんです。頭痛の種類によりますが、血管が拡張して炎症を起こしているタイプであれば、トリプタンという薬もあります。女性によくある生理の度にある頭痛は、ホルモンの影響による頭痛。その場合は頭痛を薬で予防するようにしています。また片頭痛の場合は生活習慣を改めるだけでも改善が期待できますので、指導内容を紙でお渡しするほか、待合室の掲示板に患者さんが実践した方法を貼って、共有する工夫もしていますね。

患者のため、多様な外来診療・オンライン診療

頭痛のほかにも、さまざまな専門分野の外来診療を行っていらっしゃいますね。

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リウマチ・甲状腺・漢方などを専門とする外来ですね。頭痛を持っている患者さんは、それ以外の病気を持っていることが多いんです。その中でも特に女性の患者さんは、忙しくて健康診断をろくに受けていないという方もいらっしゃいますので、一緒に受診してほしいと思って設置しました。それぞれの外来を担当する医師は、元日本医大の教授や虎ノ門病院で外来をする医師。皆さん実績もあり、私自身も信頼を置いている先生なので、気軽に受診してほしいですね。また当院では、薬の種類が増えすぎないよう患者さんに合わせて薬の整理を行っています。

オンライン診療も導入されていると聞きました。

患者さんの立場に立ったときに、やはり便利なほうが良いと思いまして、オンライン診療と予約システムを取り入れました。定期的に通う必要があるからこそ継続するためには、通いやすくなる工夫が必要だと感じます。オンライン診療は、3ヵ月に1度は来院する必要はあるんですが、それ以外の診療は家で専用のアプリやテレビ電話で受診できます。小さいお子さんをお持ちの方や仕事に忙しい方に人気ですね。処方箋も郵送されて届きますので、継続して同じ薬を飲む患者さんにもお勧めです。予約システムでは、電話とウェブで来院予約ができます。どちらも「すごく便利になりました」「これができて助かりました」と言っていただいていますよ。

最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

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自分が患者さんの立場になったとき、どうしたら通院しやすいかを考えています。そんな中で女性の患者さんは、生理周期による頭痛、妊娠や更年期などの悩みを男性医師に相談しにくいのではないか、というのを感じることが多いです。更年期によるつらさも、「更年期だからしょうがない」と医師に言われるのは悲しいですよね。女性だからこそそういった相談に乗りやすいし、乗りたいと思っています。頭痛やリウマチなど早く治療すれば、後遺症も少なく済むことが期待できる病気もあります。病気は他人事と思わず、痛みを我慢せず、気軽に受診してください。

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