大量の下剤を服用しなくても受けられる
胃と大腸の同日内視鏡検査
アルト新橋胃腸肛門内視鏡クリニック
(港区/新橋駅)
最終更新日:2024/11/05
- 保険診療
内視鏡検査を受けたいと思っていても、さまざまな理由から踏み切れない読者も多いだろう。例えば2リットルもの下剤の服用。味に不安があったり、時間をかけてもそこまで多くを飲みきれなかったりする問題もある。また内視鏡検査は食道・胃・十二指腸の上部消化管と、大腸の下部消化管に分かれているが、忙しい働き盛りの世代が2日間の予定を空けるのは簡単ではない。これらの問題を同時に解消するのが「アルト新橋胃腸肛門内視鏡クリニック」が手がける、内視鏡的洗浄液注入法を用いた胃と大腸の同日内視鏡検査だ。その特徴について、女性医師も含めた内視鏡検査のエキスパートたちを率いる茂木俊介院長に詳しく聞いた。
(取材日2024年7月6日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q検査前の下剤の服用には大変なイメージがあります。
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A
内視鏡検査では検査前・検査中・検査後と、各段階にハードルがありますが、検査前では「下剤」の問題が大きいでしょう。実際に2リットルもの下剤を服用するのに抵抗がある方も多く、「味が合わない」「時間をかけても2リットルは飲めない」との声をよく耳にします。この問題を解消するために、当院では「内視鏡的洗浄液注入法」を取り入れています。 これは胃と大腸の同日検査の際に選択できるもので、先に胃の内視鏡検査を行い、その後に内視鏡スコープを通して十二指腸に下剤を注入する方法です。患者さんご自身での下剤服用には時間がかかりますから、時間短縮の意味でもメリットがありますね。
- Q胃と大腸の同日検査のメリットは他にありますか?
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A
健康管理の面では、1日の検査で消化器の病気を全体的に確認できること。胃がんも大腸がんも早期発見が重要な病気ですし、逆流性食道炎や潰瘍性大腸炎など、がん以外にも消化器の病気はたくさんありますからね。また検査を同日にまとめれば絶食や通院も1回で済みますし、麻酔もその日だけで終わります。イメージとしては、大腸内視鏡検査に5~10分を加えるだけで胃内視鏡検査もできてしまいます。また2リットルの下剤を飲まない「内視鏡的洗浄液注入法」も、胃と大腸の同日検査の場合でのみ使用できるものです。特に働き世代の方にとって時間は貴重ですから、胃と大腸の同日検査はお勧めです。
- Q検査を受ける上での注意点があれば教えてください。
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A
当院ではご希望に応じて、検査時に鎮静剤を使用します。胃と大腸の同日検査の場合には鎮静剤の量が少し多くなります。まれに体質によっては翌日に二日酔いに似た症状を感じる方がいらっしゃいます。もし以前麻酔で気分が悪くなることがありましたら、そのことも踏まえて検査医師と相談しましょう。また腸閉塞のある方は、同日検査か否かにかかわらず内視鏡検査を受けられません。例えば便秘状態が続いておなかが張っている場合などに腸閉塞を疑いますが、当院では問題がないことを確認した上で内視鏡検査を行います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1検査前の準備、検査前の説明
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検査前日の食事は腹5分目に抑え、消化のしやすいものを決められた時間内に取る。繊維質の多い野菜・果物・キノコ類は避け、おかゆや、やわらかく煮たうどんなどにすると良い。もし用意するのが難しい場合には、検査食を利用する方法もある。大腸の検査用に前日の下剤が処方されるので、決められたとおりに服用する。鎮静剤を使う場合は検査後に運転ができないので、クリニックまでの移動には注意が必要だ。
- 2胃の内視鏡検査
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鎮静剤を使う場合は、まず点滴のラインを確保。胃の内視鏡検査については、同院ではほぼすべてのケースで鎮静剤を用いるという。その後、胃の泡を消すための薬を飲み、経鼻検査の場合は鼻にスプレー式の麻酔を、経口検査の場合はマウスピースをくわえる。点滴のラインから鎮静剤を投与し、鎮静状態であることを確認できたらスコープを挿入。検査自体は5~10分程度で終了する。
- 3下剤の注入
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胃の検査時、内視鏡のスコープを通して十二指腸に腸管洗浄剤を注入。時間をかけて飲むよりも高い洗浄能力が期待できる。洗浄剤を注入して30分~1時間程度、リカバリースペースで休んでいる間に排便が始まるだろう。同院では複数のトイレを用意。何かあればナースコールですぐに看護師の介助を受けることができる。
- 4大腸の内視鏡検査
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便が透明になったことが確認できたら、大腸の内視鏡検査に移る。鎮静剤使用やポリープ切除など、患者の希望に応じて決定するオーダーメイド検査だ。ポリープの切除を伴わない場合、検査自体は10~20分程度で終了。同院では大腸の形状を詳しく確認できる3Dナビゲーションと、病変の発見をサポートするAI診断補助機能搭載の内視鏡システムで、検査精度の向上に努めている。
- 5休息後に結果説明
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大腸の検査終了後、リカバリースペースで1時間程度休む。その後、医療スタッフから胃と大腸の検査結果について説明。ポリープ切除などの病理検査が行われた場合は、後日にそちらも踏まえての結果が伝えられる。