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がん細胞だけを集中攻撃する
樹状細胞ワクチン療法

麻布医院

(港区/麻布十番駅)

最終更新日:2018/04/27

麻布医院 がん細胞だけを集中攻撃する 樹状細胞ワクチン療法 麻布医院 がん細胞だけを集中攻撃する 樹状細胞ワクチン療法

いまや日本人の2人に1人はがんになるといわれる時代。そのがんを引き起こす細胞だけを集中攻撃するのが「樹状細胞ワクチン療法」。まさに夢のような最先端がん免疫療法です。手術や抗がん剤、放射線療法など一般的な治療法との違いや実際の効果など、気になる治療の様子をリポートします。

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q樹状細胞ワクチン療法とは具体的にどんな仕組みで治療をするのですか?
A

樹状細胞は、もともと人間の体内に存在する、樹木の枝のような突起を持つ細胞のこと。がんの目印を体内で最初に認識し、その情報を免疫細胞であるリンパ球に伝達。そして「がんを攻撃するように」と命令を出す、非常に重要な役割を担っています。樹状細胞ワクチン療法とは、この樹状細胞のもととなる「単球」を体外に取り出して培養、「がんの目印」をあらかじめ認識させ、ワクチンとして体内に再び戻す治療法です。樹状細胞に目印を与えられたリンパ球は、がん細胞だけを狙って集中攻撃します。

Q抗がん剤や放射線療法など、ほかの一般的な治療とどんな違いがあるのですか?
A

まず、もともと患者さんの体内にあった細胞をもとにワクチンを作る、いわばその方だけのオーダーメイド治療のため、副作用がほとんどありません。また実際の治療は注射をするだけなので、入院の必要がないのも大きな違いの一つです。さらに、がんの目印を与えられたリンパ球は体中をめぐってがん細胞を攻撃しますから、転移しているがん細胞も攻撃。体の中に残ったリンパ球ががん細胞を覚えているので長期間にわたって効力を保つことに。つまり再発予防にも効果が期待できるのです。

Q治療は誰でも受けられるのですか?治療期間はどのくらいですか?
A

基本的に誰でも受けられる治療ですが、自力で通院し、樹状細胞ワクチン療法を受けられるだけの体力があることが大前提です。治療期間はワクチン培養に約3週間、その後、約2週間に1回の注射を5〜7回受けていただき1クールとなりますが、患者さんの体調によって調整することもあります。治療される時点の体調、併用されている治療の状況によっても個人差があるといえます。

検診・治療START!ステップで紹介します

1丁寧な問診で治療法の詳細説明と受診の可否を含めた診断を受ける
麻布医院 丁寧な問診で治療法の詳細説明と受診の可否を含めた診断を受ける

まずは丁寧な問診で、樹状細胞ワクチン療法の詳しい説明が行われる。ほかの病院で治療を受けている場合は、それまでの経緯や検査結果など主治医からの情報を持ってきているとベスト。患者の中には、がんのセカンドオピニオンとして医療相談に訪れてこの治療法を知り、改めて来院する人も多いとのこと。問診と合わせて血液検査などを行い、実際に治療を受けられるかどうか、高橋院長が診断を行う。受診が決まれば同意書にサインを。

2樹状細胞ワクチン培養のための成分採血(アフェレーシス)を行う
麻布医院 樹状細胞ワクチン培養のための成分採血(アフェレーシス)を行う

樹状細胞のもとになる「単球」という細胞を大量に取り出すため、成分採血(アフェレーシス)を行う。2〜3時間かけての採血となるが、実際に取り出すのは血液の中の単球を含む必要な成分だけ。それ以外は再び体内に戻される。

3取り出した単球を培養し樹状細胞ワクチンを作成する
麻布医院 取り出した単球を培養し樹状細胞ワクチンを作成する

成分採血で取り出した単球は、厳重に管理されたクリーンルーム(細胞加工施設)で培養される。樹状細胞へと育つ過程で、「がんの目印」となるべき人工抗原やがん組織を与えられることにより、効力を持った樹状細胞ワクチンが作成される。なお、培養には、約3週間ほどかかる。

4リクライニングソファでゆったりとした雰囲気でワクチン投入
麻布医院 リクライニングソファでゆったりとした雰囲気でワクチン投入

できあがった樹状細胞ワクチンを投与する。それぞれの患者の免疫力により、培養されて出来上がったワクチンの量が5〜7回分と違ってくるため、約2週間に1回ペースのワクチン投与の注射の回数は、患者ごとに違ってくる。ゆったりとした雰囲気の中、リクライニングソファに横たわって投与を受ける。免疫力を高めるための点滴もプラスするとより効果的とのことで、合わせて受ける。投与後の休息も含めて1時間ほど。

51クールのワクチン投与を終え 治療効果の確認を行う
麻布医院 1クールのワクチン投与を終え 治療効果の確認を行う

数回にわたるワクチン投与終了後、改めて血液検査やアンケートを実施。その結果をもとに高橋院長の診察を受け、治療効果の確認や今後の治療方針を相談する。

ドクターからのメッセージ

高橋 弘院長

免疫力が高ければ病気にならない」と思われがちですが、いくら免疫力を高めても、その病気に対する免疫がなければ意味がありません。つまり、がんになる人は決して免疫力がないわけではなく、「がんに対して免疫がない」ということです。今、日本人の2人に1人はがんになり、そのなった方の3分の2は残念ながら亡くなります。そして、がんは確実に増えています。がんになってしまったとき、最後に闘うのは抗がん剤や放射線など外から投与されたものではなく、自分自身の免疫力しかありません。それを治療行為として行えるのは樹状細胞ワクチン療法だけ。ぜひ多くの方に知っていただけるとうれしいですね。

高橋 弘院長  麻布医院
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