山畑圭子理事長の独自取材記事

ホワイトラビット歯科医院

(品川区／大井町駅)

最終更新日：2023/08/29

JR京浜東北線と東急大井町線が交差する大井町駅から徒歩2分ほどの場所にある「ホワイトラビット歯科医院」は、2006年に品川区役所近くのエリアで開院。診療体制の充実をめざして2019年に同地に移転しリニューアルを果たした。通りに面したガラス張りのエントランスを抜けると、目に入るのは鮮やかなグリーンに彩られた開放感あふれる空間。「せっかくリニューアルするのであれば、皆さまに楽しんでいただけるクリニックにしたいと考えました」と山畑圭子理事長が語るとおり、随所にこだわりが光る。開院から15年を数え、小さな子どもから高齢者まで幅広く地域の患者を迎える同院の特徴やリニューアルに際してのこだわり、今後の展望など、たっぷり話を聞かせてもらった。

（取材日2021年7月28日）

こだわりあふれる院内で、「来て良かった」の実現を
予防歯科からインプラントまで、幅広く対応
質の高い治療に加え、安心感と納得感のある対話を重視

こだわりあふれる院内で、「来て良かった」の実現を

リニューアルに至った経緯を教えていただけますか。

品川区役所近くにあった以前のクリニックでは手狭に感じ、移転を考えるようになる中で、偶然こちらの場所が見つかりました。リニューアルに際しては、歯科医師が治療を行うブースとは別に、歯科衛生士がクリーニング等を行う予防専用ブースを設けたいと考え、そのためにはある程度の広さが必要となるため、十分な広さが確保でき、駅からも近いということで、この場所への移転リニューアルを決めました。当初の設計では15台のユニットを配置する案もありましたが、せっかく1から設計できるのであれば、訪れる方も働くスタッフも楽しめる空間にしたいと考え、思い切ってユニットは7台まで減らしました。エントランスや待合室、植栽にも十分なスペースを確保し、居心地の良さを重視した現在の形となりました。

院内のこだわりを教えてください。

落ち着いて受けていただけるよう、診療スペースはすべて個室で用意してあります。歯科医師が治療を行うブースが3つと、歯科衛生士が予防歯科で利用するブースが3つ。さらに、もう1つのブースはお子さま専用のブースとして、治療と予防の両方で使用しています。小さなお子さまも落ち着いて治療を受けられるようにこの部屋だけ壁紙を変え、テレビを見ながら治療を受けられるようにモニターも設えてあります。ベビーカーや車いすでも来院いただきやすいよう、エントランスにはスロープを設けたバリアフリー仕様。待合スペースは十分な広さを確保し、本物のグリーンを配して、気持ち良く快適に過ごせる空間をめざしました。

ゆとりある設計は、感染症拡大が気になる時期にも合っていますね。

移転リニューアルは新型コロナウイルスの流行が始まる前で、特別そこを意識したわけではありませんでした。しかし、広い空間があることで、密集を避けて受診していただけています。当院では、マイナスイオンを発生させ快適な室温に調整する光冷暖房システムを導入しており、エアコンからの風によるウイルスの飛散もありません。また、治療中の飛沫を吸引する歯科用吸引装置も採用しています。器具はクラスB滅菌器で滅菌しているほか、患者さまの手が触れる部分にはテープを貼って都度張り替えたり、可能なものはすべてディスポーザブルに。治療の際にお顔にかけるフェイスカバーの質にもこだわり、オリジナルのコットン100%使い捨てタオルを作っていただき使用しています。あらゆる面で安心して快適にご受診いただける体制が整っていると自負しています。

予防歯科からインプラントまで、幅広く対応

どのような患者さんが来院されていますか。

小さなお子さまからご年配の方まで、本当に幅広い患者さまに来ていただいています。移転前からの患者さまでは近隣にお住まいの方が多いのですが、駅近に移転したことでやや遠方から通っていただく方も増え、さらに多様性が広がっています。なるべく痛みの少ない治療を実践しているため、歯科医院が苦手とおっしゃる方が受診されることも。フッ素塗布やシーラントによるお子さまの予防歯科や筋機能訓練を含む小児矯正を希望していらっしゃる親御さまも多いです。予防歯科や美容に対しても高い意識を持っていらっしゃる患者さまが多い印象でしょうか。また、通院が難しくなった方を対象とした訪問診療もたくさんの方にご利用いただいています。

インプラント治療がお得意だと伺いました。

当院ではインプラントの前にはCTを撮り骨の状態や神経の流れ、血管を見ながら、インプラントのメリット・デメリットをご説明し、安心していただいてから治療を行っています。2D画像に比べCTによる3D画像は、根っこの底の亀裂や嚢胞（のうほう）の大きさまで見えるので、それをもとにした適切な診断に力を入れています。患者さまはお口の中で何をされているのか見ることはできないですし、骨の状態や神経がどう走っているかはなかなかご存じないと思います。それをしっかりと画像でお見せすることで、例えば患者さま自身に「ここにインプラントが入るから血管や神経は傷つかないんだ」と納得していただき、安心感を与えることが大切ですね。実際の治療もすごく低速で行い、痛みなどのご負担が少なくなるように配慮しています。

かかりつけ歯科医療機能強化型歯科診療所でいらっしゃいますね。

かかりつけ歯科医療機能強化型歯科診療所のクリニックでは、予防歯科を保険の枠組みの中で提供できます。もともと予防歯科には注力してきましたから、届け出にあたりとりわけ大きな努力が必要ということもありませんでした。神経を抜いた歯は格段に寿命が短くなります。だから神経がなくならないように予防がとても大切と考えております。リニューアルにあたり予防歯科用ブースにこだわったのも、もっと気軽に予防に取り組んでいただきたいという想いからです。先進国でも日本は歯科における予防意識が低い傾向がありますが、これは予防の考え方がまだ十分に浸透していないため。認知が高まれば日本人の気質的に几帳面に取り組んでいただけると考えており、積極的に提案しています。

質の高い治療に加え、安心感と納得感のある対話を重視

診療の際に心がけていらっしゃることはありますか。

治療の質はもちろん重要ですが、同様に患者さまとのコミュニケーションも大切に考えています。症状やご要望をしっかりと伺い、状態や治療についてはわかりやすく丁寧に説明する、安心感と納得感のある対話を心がけています。ご来院いただいたすべての方に笑顔になっていただき、「ここに来て良かった」と思っていただくことがゴール。特にお子さまでは将来的な歯科との関係性を大きく左右する要因となりますので、歯科通院の習慣を自然に身につけていただけるよう、安心で快適な診療を心がけています。

治療の質を維持するための取り組みにも力を入れていらっしゃるとか。

常に最善の治療を提供したいという思いから、日々技術向上に努めてきました。また、美容など新たな分野の勉強や、南カリフォルニア大学との連携などの取り組みに加え、感染症流行下においてもオンラインセミナーなどを通して日々学びを継続しています。当院では勤務と並行して学校に通い、歯科衛生士の資格を取得するスタッフも複数在籍しています。クリニック全体にそうした「学びへの意欲」が満ちていることも、治療の質を向上させることに良い影響を与えていると考えています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院には美意識の高い患者さまも多く、今後は歯科医師として「美」の実現のためにできることにも注力していきたいと考えています。当院では虫歯や歯周病の診療からそれを防ぐための予防歯科、矯正、インプラント、入れ歯まで幅広く提供しています。口臭や歯周病が治療してもよくならない、虫歯が再発を繰り返すという方は口腔内細菌に問題があるかもしれません。当院では顕微検査によりお口の中の菌の量や動きを調べてお見せし、必要に応じてブラッシング指導に加えて食事指導や歯周内科の治療も行っています。気がかりがあればぜひお気軽にご相談ください。