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小川 仁史 院長の独自取材記事

小川医院

(品川区/中延駅)

最終更新日:2025/09/09

小川仁史院長 小川医院 main

中延駅、荏原町駅から徒歩約6分。「小川医院」は若い世代やファミリー層も増えている品川区と大田区の区境近くに位置している。現在の院長は3代目の小川仁史先生。院内は広々としていて、笑顔が印象的な小川院長がさまざまな相談に応じてくれる。祖父の代から内科と小児科を診療し、発熱や風邪、生活習慣病など、幅広い内科疾患に対応。小川院長の専門である関節リウマチや膠原病の領域においては大学病院レベルの診療の提供をめざしている。さらに超高齢化社会に対応するために、高齢患者への訪問診療や看取りにも力を入れる。「何かあれば、とりあえず小川医院へと言っていただける地域のホームドクターでありたい」と話す小川院長に、診療方針や関節リウマチの治療などについて話を聞いた。

(取材日2025年8月6日)

子どもから高齢者まで、地域に寄り添うホームドクター

普段はどのような患者さんが多いのですか?

小川仁史院長 小川医院1

風邪、糖尿病や高血圧症をはじめとした生活習慣病など、内科疾患を中心に幅広く診ています。子どもから高齢者まで、「何かあったときは、小川医院へ行けば大丈夫」と言っていただける方が多いですね。子どもの予防接種や乳児検診も行っており、お子さんを連れて来られた親御さんも来院いただくようになるなど、ご家族全員を診るケースも増えています。当院では対応できない場合は、大学病院などを紹介する連携体制も整えています。私の代からリウマチ科も診療していますので、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)や多発性筋炎・皮膚筋炎をはじめとした膠原病の患者さんも来られます。

小児科の歴史も長いそうですね。

1948年に祖父が、この地で開業したのが当院の始まりです。戦後間もない時代で、体の具合が悪い人全員を診なければいけないとの思いから、内科に加え小児科も診療したそうです。その祖父が心がけていたのが、仏の心を持って鬼のような手を振るうという意味の「鬼手仏心」です。子どもが泣き叫んでも温かく見守りつつ、治療はきちんとしてあげることが大事だと説きました。なるべく子どもが嫌がらない診療を心がけつつ、必要な治療はしっかりと行います。お子さんは病院を嫌がることも多いと思いますが、辛かったり怖かったりしても、病院は具合が悪い自分の体を良くするための場所だと理解できれば、子どもが病院を怖がることはなくなります。中には注射はしないとごまかして、お子さんを連れて来られる親御さんもいますが、家族を含めた大人への不信感が芽生えますので、何をするのかを正しく伝えることは重要です。

診療方針について教えてください。

小川仁史院長 小川医院2

大事にしているのは、わかりやすい言葉を使い患者さんがわかるまで説明することです。啓発を大事にし、例えば新型コロナウイルスが流行した時は、新型コロナウイルス感染症とはどんな病気なのかをわかりやすく伝え、過度に怖がらなくても良い部分と気をつけなければいけないポイントがあることを理解してもらうことに努めました。風邪については、かつては風邪くらいで会社を休むなと言われていました。しかし、病初期にしっかり休むことが療養期間を短くするのに一番適しており、さらに感染力が最も高い時期でもあります。ですので、本当はすぐに休んで周囲の人たちにうつさないようにすることも重要です。診療を通じて病気に対する患者さんのリテラシーを高めることに力を入れています。また患者さんにとっての最良な医療の提供をめざすことも不可欠です。患者さんが求めていることを理解した上で、話し合って相談しながら、治療方針やゴールを決めています。

関節リウマチ・膠原病の専門的な治療をクリニックで

診療で気をつけていることは何ですか?

小川仁史院長 小川医院3

私は3代目なので、超高齢の患者さんの中には祖父が診ていたという人もいます。すでに90歳を越えているので体力は相当弱っていて、私が専門とする関節リウマチや膠原病の患者さんも免疫抑制している場合が多いので、ともに易感染性が高い状態にあります。ですので、発熱の患者さんが来られた際は、動線を分けるなどして感染症対策を徹底するとともに、もともとの患者さんが不利益をかぶらないように注意しています。そのような面からも、患者さんに対して病気に関する啓発活動を続けていくことは必要です。

関節リウマチ、膠原病の診療はどのようなことをしているのですか?

かつてはステロイドが治療法の中心だった関節リウマチは、抗リウマチ薬のメトトレキサート、関節破壊を抑えるための生物学的製剤やJAK阻害薬の登場によって、寛解をめざせるようになってきました。私は日本リウマチ学会リウマチ専門医ですので、開業後も先進の治療法を学び、大学病院と同等の治療を提供できるように努めています。点滴だけでなく、患者さん自身でできる皮下注射の薬剤や経口薬もあり、治療の選択肢が増えたことで、病気のコントロールを図れるようになってきました。ただし、生物学的製剤やJAK阻害薬は高価なので、すべての患者さんが利用できるわけではありません。寛解をめざしたい人もいれば、穏やかに過ごせれば良いという人もいますので、よく話し合って治療の目標を設定する必要があります。膠原病の患者さんは大学病院などで治療を受けた後に、当院で維持療法としての診療を受けられる場合が多いです。

リウマチ専門医がクリニックにいることのメリットは何ですか?

小川仁史院長 小川医院4

生物学的製剤やJAK阻害薬は特殊な薬なので、扱い方を熟知していないと上手く使うことができません。例えばJAK阻害薬は毎日服用する経口薬で、一日飲まなければ効果が薄れます。つまり、風邪などの感染症にかかった際に、JAK阻害薬を飲まなければ風邪の治療に専念できるわけです。また、すべての患者さんがこれらの薬を使ったほうが良いわけではなく、例えば超高齢者などもともとの免疫力が低下している方の場合は、肺炎等の合併症を来さないために使用しないほうが良い場合もあります。リウマチ専門医であれば薬の専門的な知識があるだけでなく、患者さんからの相談にしっかり応えることができます。大学病院などの大きな病院へ行って診療を受けなくても、町のクリニックでスムーズに膠原病の診療を受けられるのは患者さんにとっては大きなメリットだと思います。

看取りにも力を入れ、超高齢化社会に応える

訪問診療や看取りも行っていると聞きました。

小川仁史院長 小川医院5

もともと父が近くにある品川区立中延特別養護老人ホームの嘱託医をしており、かつ、以前から通院できなくなったかかりつけ患者さんの徒歩圏内のご自宅への訪問診療を行っていました。超高齢化社会を迎えるにあたり、終末期医療を受けられる医療機関が不足することを鑑み、訪問診療だけでなく看取りにも力を入れるようになりました。そのタイミングで父から嘱託医を引き継ぎ、施設での看取りも積極的に行っています。始めた頃に比べて看取りの件数も増え、私個人の力ではこれ以上対応することはできないので、これからは看取りの質を上げていくことが求められると思います。ご本人やご家族の期待に応えられる最期を迎えてもらえるように力を入れていくつもりです。

地域にとってどんなクリニックでありたいですか?

老年期医療と関節リウマチ・膠原病を中心としていましたが、祖父の代から掲げている小児科においても子どもたちをしっかり診るようにしています。一人あたりの診療時間も比較的多く取っていて、親御さんにとっても子どもが泣いたり騒いだりしても気を遣わないでいられるので、通いやすいのではないでしょうか。小さいお子さんからお年寄りまで、家族で通っていただけるファミリークリニックでありながら、リウマチ専門医としても頼っていただくことで、地域医療により貢献することができればと思っています。

安心して過ごしてもらうためのメッセージをください。

小川仁史院長 小川医院6

コロナ禍が終わったといっても、新型コロナウイルス感染症はなくなったわけでもなく、時期によっては患者数も増えています。高齢者や基礎疾患のある人は重症化しやすく、死に至る場合もあります。大家族の大人ほど亡くなりやすい感染症だと述べている論文を読んだこともあります。例えばお孫さんがいるご家庭であれば、子どもたちの感染症をきちんと診断した上で治療を行い、どのように自分たちの家族を守っていくのかを考えていく必要があります。そのためにも、これまでに以上に啓発活動を行っていくつもりです。患者さんに知っておいてほしいこともたくさんありますから、まずは何かあれば受診してほしいと思います。

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